「左の人は、何が何でも武力行使は駄目だといい、右の人は、憲法解釈で勝手に(戦争に)行けるようにしようと言う。どちらも論理性にかける議論だ」――。
生活の党・小沢一郎代表は4月7日、「安全保障及び自衛権行使のあり方」というテーマで講演を行い、自衛権に関する持論を展開。小沢氏は、現憲法下では、集団的自衛権の名の下に、武力行使を行うことは憲法9条違反にあたるとし、憲法解釈の変更によってそれを可能にしようとする安倍政権に対し、「それならば9条改正論を堂々と打ち出すべきだ」と牽制した。
(IWJ・ぎぎまき)
「左の人は、何が何でも武力行使は駄目だといい、右の人は、憲法解釈で勝手に(戦争に)行けるようにしようと言う。どちらも論理性にかける議論だ」――。
生活の党・小沢一郎代表は4月7日、「安全保障及び自衛権行使のあり方」というテーマで講演を行い、自衛権に関する持論を展開。小沢氏は、現憲法下では、集団的自衛権の名の下に、武力行使を行うことは憲法9条違反にあたるとし、憲法解釈の変更によってそれを可能にしようとする安倍政権に対し、「それならば9条改正論を堂々と打ち出すべきだ」と牽制した。
記事目次
■ハイライト
どんな有事において日本は、自衛権が行使できるのか――。
まず、日本が直接的に攻撃を受けた場合は、当然の権利として、自衛権が認められていると小沢氏は語る。これは、刑法によるところの正当防衛にあたり、憲法に規定するまでもない「自然権」にあたるのだという。
これまで政府は、国連憲章51条に集団的自衛権の規定が存在することから、「権利としては保有しているが行使することはできない」という立場を取ってきた。これについて小沢氏は、「行使できない権利などというものは権利ではない。法制局が屁理屈として言っているだけだ」と語った。
「周辺地域において、そのまま放置すれば、日本の平和や安全が脅かされる事態において、日本は自衛権を発動できる」と小沢氏は語った。つまり、そのまま放置すれば、日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態には、日本は米軍に協力し、軍事行動をとることが周辺事態法によって認められているという意見だ。
小沢氏は、「放置すれば」という文言の重要性を強調した。これは2009年、小沢氏率いる自由党が、周辺事態の定義の明確化にこだわり、当時の自民党案に付け加えさせたものだという。
「政府案はただ単に、『周辺事態の時は…』という法律だったが、それだけでは、何でもできるという事になってしまう。『放置すれば』、日本国の安全に影響がある。すなわち、攻撃を受ける可能性もある場合に、自衛権を行使することができるとした」
放置するという文言抜きでは、日本に直接関係がない紛争まで、日本の武力行使が拡大する。小沢氏はこのように語り、憲法9条を重んじる姿勢を見せた。
「憲法9条は、敗戦の賜物だと言う人がいるが、そんなことはない。一番最初にこの文言を使ったのは、ケロッグ=ブリアン条約だが、(国際的な)不戦条約に、9条と同じ文章がすでに書かれていたことも覚えておいて欲しい」と話し、9条が、世界で類を見ない条文だとする見方を否定した。
最後に小沢氏は、「日本国憲法9条がある限り、アメリカと一緒だろうが、どこと一緒だろうが、直接関係のない紛争には、武力行使はできない」と述べ、「現憲法下では、集団的自衛権の名の下に武力を行使を含めた行動を取ることは許されない」と強調した。
不戦条約は充分にありうるが、
不戦憲法は論理的にも現実的にも多くの矛盾を孕む。