「自民党の原発再稼働推進、背景には『核兵器保有論』」 ~ 岩上安身によるインタビュー 第317回 ゲスト 生活の党・小沢一郎代表 2013.7.12

記事公開日:2013.7.12取材地: テキスト動画独自
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※サポート会員向けページに全文文字起こしを掲載しました(2013年7月17日)

 「今の政府は、天皇陛下を利用して、自分たちの権威づけをしようとしている」――。 選挙戦まっただ中の12日、岩上安身のインタビューに応えた生活の党・小沢一郎代表は、このような表現で安倍政権を批判した。

 先日、日本記者クラブで行われ、NHKでも放送された党首討論の場で、自民党の憲法改正草案から基本的人権を定めた第97条が削除されていることを指摘した小沢代表。「ここで逐条的に聞かれても分からない」と安倍首相が返答したことに触れ、「驚きました。基本的な憲法の考え方、立憲主義を理解していないのではないでしょうか」と、自民党の改憲案を批判した。

 そのうえで、「安倍さんたちの主張の背景には、核武装論があるのだと思います」と、「敵基地攻撃論」を主張するなど、中国や韓国、北朝鮮に対して強硬姿勢を取る自民党の安全保障政策を批判。「米国が最も警戒しているのは、日本が核武装することです」と語り、歴史認識や排外デモといった日本国内のナショナリズムの高揚が日米関係に悪影響を及ぼしているとの見方を示した。

 さらに、自民党が主張する原発の再稼動の背景にも「核武装論」があると明言。「現実的に電気は足りています。にも関わらず、原発を再稼動させようということは、核武装をしたがっているということです」としたうえで、「しかし、核武装はまったく現実的ではありません。核は、兵器としてはまったく使えないものです」と語った。そして「新規性基準の如何に関わらず、原発の再稼動はいっさい認めません」と断言した。

 小沢代表は、民主党の幹事長時代から、米国と日本が対等な関係を築くべきだと主張してきた。今回の生活の党の参院選選挙公約にも「対等な真の日米関係を確立する」という文言が入っている。

 「米国にとって日本は、頭がよくて技術力もあるにもかかわらず、従順な忠犬ハチ公でした。米国も、日本に対してそのことを要求してきました。しかし、私は米国に対し、対等な関係を作りましょう、と言い続けてきました。そうしないと、逆に日本側の鬱憤が爆発して、ナショナリズムが高まりますよ、と」。

 安倍政権とは、まさにそれが実現した結果だと小沢代表は語った。

 今年で71歳になる小沢代表。しかし、「3年後の総選挙では、必ず政権を奪還します!」と宣言し、意気軒昂な姿を見せた。

記事目次

  • 全文文字起こし
    • 安倍内閣の政権運営の取り組みの姿勢
    • 憲法改正について
    • 国際社会の中での日本 ~憲法改正の先にあるもの~
    • 陸山会事件 ~小沢一郎はどの虎の尾を踏んだのか~
    • 自民党の改憲草案に『宣戦布告』のくだりがない ~宣戦布告なき戦争~
    • 歴史認識問題
    • 反韓デモ ~自分たちで問題解決する気概を~
    • エドワード・スノーデン氏
    • 核武装のための原発 ~日本が核武装の道を歩み始めたら、日米もダメになる~
    • 六ヶ所村への再処理施設誘致、原発依存からの脱却
    • 危機感を持って挑む ~参議院議員選挙~

■ハイライト

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「「自民党の原発再稼働推進、背景には『核兵器保有論』」 ~ 岩上安身によるインタビュー 第317回 ゲスト 生活の党・小沢一郎代表」への6件のフィードバック

  1. しぶやのぶこ より:

    小沢さんの言う通り、今のおかしな政策はすべて無責任な官僚の仕業だと思う。
    政治家は役者でしかない。原作・監督・演出は官僚がしていると思った方が間違いない。
    しかし、これら統治者の劣化で、統治システムが破綻しかかっているのに、一般国民はそれを放置している。
    もう少し、リテラシーをもって発言・追求しないと、この国はまさに劣化して世界から相手にされない三流国になる。

    1. 長崎 県央の倫理 より:

       無責任な官僚の仕業・・・。ですが、官僚を使える政治家の育成こそが最重要と思います。そのためには、
      1)公立高校、大学での政治学科の新増設 講師は公募制
      2)無投票当選の禁止
      3)選挙管理委員会での棄権者リストの有効活用(投票率70%以下は再選挙)
        等々、国民の政治的思想の欠如、有権者の姿勢が問題と思います。
        

  2. あのねあのね より:

     このインタビュー映像は大変参考になり勉強になりました。インタビューと映像のアップロードに感謝いたします。以前、民主党幹事長時代の小沢さんと同じ飛行機で八丈島に行ったことが有りました。

  3. 黄金千貫 より:

     次回の総選挙では勝つという言葉の背景には、核武装まで実現を目論む勢力をアメリカが許すはずがないということが大きいのか、それとも現政権に反対する国民の声が一つの力となると見通しているのか。ここについて小沢さんの考えを読み取れませんでしたが、個人的には小沢さんは前者を想定しているんではないかという印象を受けました。もしそうだとすると、やはりアメリカの圧力で政界の力関係が変わりかねない構図からは抜け出せていない点で悲しいですね。
     いずれにせよ、選挙期間真っ最中に、国内情勢・国際情勢をどう見るかという骨太の話をしてくれる当たり、現首相よりは小沢一郎という人の方がはるかに度量の大きい人であろうと思いました。貴重なインタビュー、ありがとうございます。

  4. 塩崎春彦 より:

    小沢一郎氏の政治的なバランス感覚には敬服します。個々の政策への賛成反対はあっても、政治家としてもっとも信頼がおけると思っています。

  5. うみぼたる より:

    夜分すいません。
    小出先生のお話のところにコメントすればいいのですが、最初の投稿がないとコメントが書けないのでこちらに書きます。
    日本の核兵器保有について、お話が理解できないのです。
    原発は核兵器を製造するための施設だが、日本は核兵器を保有できないことになっているから日本の原発で製造している核兵器は、在日米軍が使用しているということなのでしょうか?
    翻れば、在日米軍が使用する核兵器を日本の原発は製造しているから、再稼働を急がなくてはならないのでしょうか。
    無知ですいません。皆さんはご存知なのでこのことは暗黙知として話題にせずに話しているために、私はお話を聞いていても理解ができないのでしょう。
    脱原発というのは、米軍が使用する核兵器を作らない!という意思表示をしているということでもあるのでしょうか。

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