立憲民主党の枝野幸男代表は2019年8月5日、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」、社会民主党に対し、衆議院での統一会派を呼びかけたことを記者会見で発表した。
(取材・文:IWJ編集部)
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※2019年8月5日22:50、テキストを追加しました。
立憲民主党の枝野幸男代表は2019年8月5日、国民民主党、衆院会派「社会保障を立て直す国民会議」、社会民主党に対し、衆議院での統一会派を呼びかけたことを記者会見で発表した。
■ハイライト
枝野氏は「安倍政権が数を背景に強引な議会運営を繰り返している」と批判し、「与党に対抗しうる強力な構え」が必要だとして立憲民主党の衆院での院内会派「立憲民主党・無所属フォーラム」に加わるよう各党、会派に呼びかけたとのこと。
記者会見に先立ち、枝野氏は国民民主党の玉木雄一郎代表と会談し、統一会派結成を呼びかけた。玉木氏からは「ありがたいご提案である。持ち帰って検討させていただきたい」との返事があったことを、枝野氏が明らかにした。
また、社会保障を立て直す国民会議の野田佳彦代表からも「歓迎したい」との反応を得られたとのこと。
社民党とは現在参議院で統一会派「立憲民主党・民友会・希望の会」を組んでいるが、又市征治党首は「大きな趣旨については理解・賛同するが、党の事情・都合から衆議院については留保させていただきたい」との話を受けているという。
枝野氏は8月中旬をめどに、各党からの回答を得たいと述べた。
先の参院選では、立憲4野党1会派と市民連合が政策協定を結んだが、今回の立憲民主党からの呼びかけに日本共産党は含まれていない。これについて枝野氏は「総合的な判断の中で、そうした呼びかけを3つの党派にすることに関して、共産党にもお伝えしてご理解をいただいている」と答えた。
IWJ記者の「呼びかけから外した理由はなんですか?」との質問に、枝野氏は「総合的な判断です」と答えるのみだった。
立憲4野党1会派と市民連合の政策協定には、「安倍政権が進めようとしている憲法『改定』とりわけ第9条『改定』に反対し、改憲発議そのものをさせないために全力を尽くす」とあった。枝野氏の各党への呼びかけには「市民連合の政策要望を踏まえるとともに立憲民主党の政策にご理解ご協力をいただき、院内会派『立憲民主・無所属フォーラム』に加わっていただきたく」とある。その「立憲民主党の政策」の最初に挙げられているのは「立憲主義の回復など憲法に関する考え方」である。
IWJ記者が「改憲発議をさせないとか、発議をされても国民投票で否決するとか、そういった考えも含めてのことだと考えていいのでしょうか?」と質問すると枝野氏は「要望書については踏まえるとともに、ここで申し上げているのは我が党の結党以来の立憲主義にもとづく憲法の考え方のことです」と答えた。
IWJ記者が重ねて「緊急事態条項を発令させない、通させないという考えをしっかりお持ちだと受け止めていいのでしょうか?」と確認すると、枝野氏は「今、自民党の案とされているような緊急事態条項は、むしろ立憲主義の空洞化であって、我々の目指す方向とは180度違う、ということは従来と全く変わりありません」と、回答した。
IWJは参院選後の7月31日の定例会見でも枝野氏に改憲発議阻止への意気込みを聞いている。こちらも是非合わせてご覧いただきたい。
また、枝野氏は2018年8月6日に行われた岩上安身によるインタビューで、自民党の改憲案及び緊急事態条項について、「議論するに値しない」と一蹴し、岩上安身が「(緊急事態条項を)出してくる可能性があるのでは?」と問うと、「ないと思います。さすがに無理だと思います。で、(改憲発議がされたなら)それから、国民投票で否決します」と断言している。