2022年2月23日、千葉県船橋市で、「九条の会:千葉地方議員ネット」主催の「憲法9条どうなる? 維新・自民の動き 何を狙っているのか」と題した講演会が行われた。
講師として登壇した清水正彦・日本体育大学教授(憲法学)は、先行する実質的改憲としての「敵基地攻撃論」についてその内容と問題点を解説した。
清水教授は「政府は、2014年の閣議で武力行使の3要件を定め、(いわゆる)解釈改憲によって限定的な集団的自衛権行使を可能にした」と解説した。
続いて清水教授は、「かつての自衛権行使の3要件も、専守防衛論も、日本への攻撃発生という客観的要素により歯止めがかかっていた」と述べた上で、今度の武力行使の新3要件について、「結局我が国はどの国と密接な関係があるのか、どういう事態が存立危機事態なのか、これらを誰かが判断するという主観的な要素が入り込んでいる」と指摘した。
さらに清水教授は、「敵基地攻撃論も相手国の攻撃前、攻撃可能性に、攻撃を判断する主観的要素がある」と指摘し、「(かつての自衛権行使の3要件とも専守防衛論とも)まったく質が異なり、自衛権行使に歯止めがなくなる」と批判した。