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【特集】集団的自衛権~自衛隊が米軍の「下請け」になる日

 日本を守るのは日本自身である。同盟国ではない。日本を守る根拠は個別的自衛権である。集団的自衛権ではない。現行憲法の9条解釈では個別的自衛権で日本の防衛は認められている。日本は自力で守りうる。米国の戦争に巻き込まれて利用され、蕩尽されてゆくための仕掛け、集団的自衛権は必要ない。(7月1日 岩上安身)

 「憲法は、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていったんですよ。誰も気づかないで変わった。あの手口、学んだらどうかね」――。

 昨年7月29日に飛び出した、麻生太郎副総理の「ナチス発言」。「誰も気づかないで変わった」とあるように、この発言が真に意味するのは、安倍政権は、憲法改正について正面から国民的な議論に問うのではなく、現行憲法の解釈では認められていない「集団的自衛権行使容認」を、「解釈改憲」によって可能にする、ということではないだろうか。

 集団的自衛権の行使容認に向けて議論を進めている、安倍総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会(安保法制懇)」(座長・柳井俊二 元駐米大使)は、今年4月にも政府に報告書を提出する見通しだと言われる。

 解釈改憲による集団的自衛権行使容認の問題点とは何か。行使容認を急ぐ安倍政権の背後に見え隠れする米国の意図とは? これまで岩上安身とIWJが取材し、まとめた関連記事を一挙ラインアップ。

■6月30日(月)首相官邸前抗議行動 ダイジェスト動画

目次

  1. 岩上安身インタビュー
  2. 注目記事ピックアップ
  3. メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」

岩上安身インタビュー

 「2015年の今、行われている安保法制への反対行動は、60年安保闘争の再現である」――。

 7月15日、集団的自衛権の行使容認を含む安全保障関連法案が、自民・公明の与党により、衆議院の特別委員会で強行採決、翌日16日に本会議で可決された。これで審議の場は、参議院に移されたことになる。

 この7月15日から3日間、安全保障関連法案に反対する学生団体SEALDsは、国会前で抗議の声をあげ続けた。15日には10万人もの市民が集まり、「安倍は辞めろ!」「民主主義って何だ!」といったコールを響かせた。

 このSEALDsによる抗議行動に2回にわたって参加し、スピーチを行ったのが、政治学が専門の法政大学教授・山口二郎氏である。山口氏は6月26日の抗議行動で、「安倍が自由を滅ぼすか、我々が安倍を倒すかの闘いだ」と参加者に向けて訴えかけた。

 山口氏がSEALDsの抗議行動に見出すのが、60年安保闘争の際に国会を包囲した学生たちの姿である。1960年、当時の岸信介政権は、日米安全保障条約の改正を企図し、衆議院を通過させることに成功したが、国民世論の圧倒的な反対の声を前に、退陣に追い込まれた。岸元総理の孫にあたる安倍総理による「暴走」に対しても、SEALDsら学生の力によって食い止められるのではないかと山口氏は見ているのである。

 自民党の一強状態が続き、全体主義の風潮が瀰漫しつつある現在、私たち市民はどのようにして抵抗を組織すべきなのか。岩上安身が話を聞いた。

 「自国が武力攻撃されていない」にも関わらず、自衛隊を他国に派遣、武力行使が可能となる安保法制を、安倍政権は強行採決という形で成就させようとしている。2015年7月12日に岩上安身のインタビューの応えた水島教授は、「この法案が通ったら『人間の存立危機』になる」と警告を発した。

 戦前、「パリ不戦条約」によって自衛権の行使は「自国が攻撃された時」にのみ許され、戦争は違法とされた。そこで大日本帝国の山本五十六は自衛権行使の「三要件」に「在留邦人の保護」を加えた。これにより、満州鉄道周辺に居住する日本人を救うという名目のもと、「やむを得ず」軍隊を「派遣」したのが上海事変であり、満州事変である。戦争は「違法」なので「事変」と言い換え、派兵ではなく「派遣」と呼ばれた。

 「日本全体が米軍の巨大な兵站部隊になる懸念があります」――。

 安倍政権による解釈改憲によって、日本の安全保障法制ががらりと変質しようとしている。

 4月下旬に改定された「日米軍事協力の指針」(新ガイドライン)では、事実上の日米統合司令部「同盟調整メカニズム」を設置し、自衛隊と米軍の「運用面での調整」「共同計画の策定」を行うと規定した。これに合わせ、現在、日米両政府は、米軍幹部を自衛隊の最高司令部である防衛省の中央指揮所に常駐させる方向で検討している。

 こうした米軍と自衛隊の「一体化」で、自衛隊の主体性が失われると懸念するのが学習院大学教授の青井未帆氏である。

 集団的自衛権の行使は、日本の安全保障政策において「愚の骨頂」である――。

 自民党・公明党の推薦で衆議院憲法審査会の参考人として招致されたにも関わらず、安倍政権が今国会での成立を目指す安全保障関連法案について「違憲だ」と証言した、早稲田大学法学学術院教授の長谷部恭男氏は、2015年6月26日に岩上安身のインタビューに応じ、このように断言した。

 では、現在国会で審議中の安保法案は、どのような点で違憲なのか。長谷部氏は、解釈改憲による集団的自衛権行使容認を閣議決定した2014年7月の閣議決定が論理的に破綻しており、自衛隊の活動範囲に関する法的安定性を大きく揺るがすものであると、厳しく指摘する。

 政府はこれまで、現行憲法9条のもとでは、日本に対する急迫不正の侵害があり、これを排除するために他の適当な手段がない場合にのみ、個別的自衛権の行使のみが容認されるという解釈を維持してきた。しかし、集団的自衛権は、個別的自衛権と異なり、自国ではなく他国を守るためのものであるので、憲法9条を改正しない以上、明白に憲法違反なのである。

 長谷部氏はこの日のインタビューにおいて、憲法学の観点からだけでなく、外交・安全保障の観点からも安保法案を批判。集団的自衛権の行使は、限られた自国の防衛力を全世界に拡散させるという点において、まさしく「愚の骨頂」だと語った。

 連日、国会で審議が続いている、集団的自衛権の行使を含む安全保障関連法案。2015年6月4日には、衆議院憲法調査委員会で、与党である自民党と公明党が推薦した早稲田大学教授の長谷部恭男氏が「違憲だ」との意見を表明した。このことにより、野党の追及は勢いを増し、国会前などで若者が抗議行動を展開するなど、国民による「反対」の声はより一層強まっている。

 6月15日には、長谷部氏と慶応義塾大学名誉教授の小林節氏が日本記者クラブと外国特派員協会で記者会見を行い、安保関連法案について改めて「憲法違反」と指摘。「(最高裁の)砂川判決から集団的自衛権行使を合憲とする主張は、法律学の基本原則と衝突する」と述べた。

 国会で審議が行われている安保関連法案は、1.在外邦人の警護・救出の拡大、2.国連PKOへの協力拡大、3.自衛隊による外国軍の後方支援の拡大、4.集団的自衛権行使の限定容認の4つから構成される。

 では、これらはそれぞれ、法理論上、どのような点で違憲なのか。『憲法の条件~戦後70年から考える』(NHK出版新書)、『テレビが伝えない憲法の話』(PHP新書)、『憲法の創造力』(NHK出版新書などの著書があり、報道ステーションのレギュラーコメンテーターも務める首都大学東京准教授の木村草太氏に、6月16日、岩上安身が話を聞いた。

 「安倍内閣は14本から18本以上の戦争法案を出すと言われています」——。

 2015年4月1日の参院予算委で福島瑞穂議員(社民)が、安倍政権が成立を目指す安保法制を「戦争法案」と指摘した。自民党はこの発言を「不適切」とし、議事録の修正を求めた。安倍政権の言論弾圧は、今や国会にも及んでいる。

 同様の弾圧は、以前にも起こっている。小西洋之議員(民主)が3月20日の参院予算委で昨年7月に安倍政権が行った解釈改憲について、「憲法を何も分からない首相とそれを支える外務官僚を中心とした狂信的な官僚集団」と批判。この発言に対し自民党が修正と削除を求めた。

 両議員が要求に応じないまま最終的に4月28日、自民党側は発言の修正・削除要求を取り下げた。安倍総理は福島、小西両議員の批判的な指摘に対し、「レッテル貼りだ」と怒りを隠さない。一方で、両議員の発言に対する、まともな根拠を用いた反論はいまだなされていない。

 5月21日、岩上安身が福島、小西両議員に三者鼎談インタビューを行った。国会発言の経緯や、「戦争法案」の問題点と安倍政権の嘘とインチキの数々、その裏で進む社会保障のカットなど、5時間にも及ぶインタビューは、今日本が直面する多くの危機をあぶり出した。

 安倍総理は、21日夕方の記者会見で、「今回の解散はアベノミクス解散だ」と述べ、アベノミクスの成果が今回の選挙の争点であると強調した。しかし、アベノミクスを中心とする経済政策以外にも、多数の争点が存在することは間違いない。

 そのなかで、最も重要なもののうちのひとつが、憲法改正と解釈改憲による集団的自衛権の行使容認だ。安倍内閣は、7月1日に集団的自衛権行使容認を閣議決定し、立憲主義を無視した自民党改憲案にのっとった憲法改正をにらみ据えている。

 では、集団的自衛権行使容認と、自民党憲法改正草案の何が問題なのか。改憲論者でありながら、国民安保法制懇のメンバーとして、安倍政権の憲法観を厳しく批判する慶応義塾大学名誉教授の小林節氏に、岩上安身が話を聞いた。

 集団的自衛権行使容認の動き。横行するヘイトスピーチ。前者は「戦争する国」、後者は「人権後進国」を映し出している。

 元自衛官の泥憲和氏は、ヘイトスピーチに対抗するカウンターの「先駆者」として積極的に活動してきたことで知られている。その泥氏は7月1日、フェイスブックに集団的自衛権行使容認に反対する声明を掲載。たちまち賛同者を集めた。あの閣議決定の後も、支持の声は広がり続けている。

 「戦争する国」も「人権後進国」も、現実に日本が近づきつつある姿だ。泥氏は2つの前線に立ち、両者を押し返そうとしている。なぜ今、この2つが勢いを増しているのか。このまま日本は、「戦争をする人権後進国」となってしまうのか。7月25日、泥氏に岩上安身が聞いた。

 1959年に出された一つの最高裁判決が、その後の日本の歩みを決定づけた。しかも、その歩みは、一国の憲法の外部に、もう一つの法体系があるという異常な状態の中でなされてきた。

 『検証・法治国家崩壊』(創元社・2014年)は、駐留米軍基地に絡んだ日本での裁判に米国が関与し、その判決内容に決定的な影響を及ぼした経緯を、米国公文書の徹底調査により解明した労作である。この判決——砂川判決——により、日本には、一つの憲法に基づいた法体系が存在するにもかかわらず、日米安全保障条約に基づくもう一つの法体系が構築されていくことになる。

 その結果日本はどうなったか、またこれからどうなるのか。7月24日、著者の一人でジャーナリストの吉田敏浩氏に、岩上安身が聞いた。

 国民の広範な反対の声にも関わらず、7月1日に閣議決定された、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認。国会で、この集団的自衛権に関する集中審議が始まった7月14日、岩上安身は軍事ジャーナリストの前田哲男氏にインタビューを行った。前田氏は、集団的自衛権行使容認により、日米関係が「双務的」になるとの見方について疑義を呈した。

 国際NGOや国連職員として、東ティモールやシエラレオネ、アフガニスタンなどの紛争地域で武装解除にあたった経験を持つ東京外国語大学教授の伊勢崎賢治氏。伊勢崎氏は、元内閣法制局長官の阪田雅裕氏や大森政輔氏、伊藤真弁護士らとともに、解釈改憲による集団的自衛権行使容認に反対する「国民安保法制懇」のメンバーとして活動している。

 伊勢崎氏は、安保法制懇が報告書の中に記載した事例や、安倍総理が記者会見でパネルを用いて説明した米艦船による邦人救助といった事例について、「個別的自衛権や警察権で対応可能だ」と語り、自衛隊の海外における武力行使を可能にする集団的自衛権の行使容認を、国民に正面から信を問うことのない解釈改憲によって行う安倍政権の対応を批判した。

 日本国憲法第96条で定められている通り、憲法改正には正式な手続きがある。7月1日の閣議決定は、「解釈改憲」という手法により、この手続きを避けて通った。

 7月5日、岩上安身は伊藤真弁護士にインタビュー。伊藤弁護士は、司法試験のための予備校「伊藤塾」の経営を通じ、志のある法律家・行政官の育成に励んでいるとともに、「憲法の伝導師」として日本国憲法の価値を説く講演活動も活発に行っている。インタビューでは、伊藤弁護士に、日本国憲法の理念と立憲主義、そして今回の閣議決定の「違憲性」について聞いた。

 前日夜から首相官邸前で市民による大規模な抗議行動が行われたにも関わらず、7月1日(火)、安倍政権は解釈改憲による集団的自衛権行使容認を閣議決定した。

 海外での武力行使を可能にする集団的自衛権の行使容認を、国民に直接信を問うことなく閣議決定した安倍政権の「暴走」に、自民党内部で「待った」をかけた議員がひとりだけいる。村上誠一郎議員である。村上議員は永田町内外で積極的に反対の論陣を張り、7月1日に行われた自民党総務会でも反対意見を述べていた。

 閣議決定から3日が経過した7月4日、村上議員は岩上安身のインタビューに応じ、時折涙を見せながら、集団的自衛権行使容認に反対する理由と、政治家としての覚悟について語った。

 「紛争国から逃れようとしているお父さんやお母さんや、おじいさんやおばあさん、子供たちかもしれない。彼らが乗っている米国の船を今、私たちは守ることができない」――。

 安倍総理は5月15日の記者会見で、「邦人を輸送する米艦の防護」の重要性を強調し、集団的自衛権の行使容認が必要だと国民に訴えた。しかし6月11日、民主党の辻元清美議員が、米国は邦人輸送を想定しておらず、過去に邦人輸送の規定盛り込みを拒否していたことを国会で明らかにし、政府も「米国の方針はそのとおりだ」とこれを認めた。

 イラク北部では6月に入り、ISIS(イラク・シリア・イスラム国)と呼ばれるスンニ派の武装組織が急速に台頭し、北部の都市を支配下に置いた後、南部の首都バグダットに迫っていると伝えられている。またISISの動きを受け、これまで敵対関係にあった米国とイランとが、イラク情勢に関して協議を行うという異例の事態も起こっている。

 6月18日、中東の国際関係を専門とする内藤正典・同志社大学大学院教授に岩上安身がインタビュー。内藤教授は、ISISの起源と実態、錯綜する中東情勢をさらに複雑化させる米国とロシアの存在について語った。また、集団的自衛権を行使し、日本が中東に自衛隊を派遣した場合、現地からはどういう反応が予想されるのについても言及し、行使容認派による中東での機雷除去活動という想定が、現実性の乏しいものであることを指摘した。

 「ロシアから日本にパイプラインを引く」――。この驚きの提言を唱えているのが、世界平和研究所主任研究員で、『シェール革命の正体~ロシアの天然ガスが日本を救う』(PHP研究所)、『日露エネルギー同盟』(エネルギーフォーラム新書)などの著書がある、藤和彦氏である。

 エネルギー政策の専門家である藤氏は、現役の経済産業省の官僚であるとともに、内閣官房に出向した経験も持つ。エネルギー政策に加え、地政学や安全保障といった観点からも、日本および世界のエネルギー問題を分析する、幅広い視野の持ち主である。
 
 藤氏によれば、エネルギー源の多様性という観点からすると、日本は極めて危うい状況に置かれており、「先進国の中で最も石油を消費し、そのうち9割が中東に依存している」状況だという。

 「21世紀に民主政府によって検討された秘密保護法の中で最悪なものだ」――。

 昨年末、安倍政権が国会で強行採決した「特定秘密保護法」について、痛烈に批判し話題となったモートン・ハルペリン元米NSC(国家安全保障会議)高官が、2014年5月8日に来日。岩上安身の緊急単独インタビューに応じた。

 ハルペリン氏は米国防総省の高官時代、1966年から69年にかけて沖縄返還交渉に関わり、核密約などで日本側との交渉にあたった、外交安全保障の専門家である。ハルペリン氏はまた、情報公開と安全保障のバランスを定めた国際指針「ツワネ原則」作成に関わった、キーパーソンの一人でもある。

 「尖閣に安保適用」――。4月24日付けの大手各紙朝刊の一面には、この文言が踊った。来日中のオバマ大統領が安倍総理との日米首脳会談で、尖閣諸島が対日防衛義務を定めた日米安全保障条約第5条の適用範囲内であると、大統領として初めて明言したのである。

 外交・安全保障を専門とする軍事ジャーナリストの田岡俊次氏は、4月25日(金)、岩上安身のインタビューに応じ、「米国は二枚舌を使っている」と指摘。今回の日米首脳会談で安保5条の適用を持ち出しつつ、中国と「不衝突、不対立の関係を望む」とする米国の姿勢について、「日本と中国、両方にいい顔をするという米国の戦略がすけて見える」と語った。

強行採決された特定秘密保護法、日本版NSCの設置、国家安全保障戦略の策定と防衛大綱の改定、武器輸出三原則の事実上の緩和、そして解釈改憲による集団的自衛権の行使容認。昨年末の臨時国会から今年の通常国会にかけて、安倍政権は「タカ派」的とも言える外交・安全保障政策を押し進めている。

小泉政権、第一次安倍政権、福田政権、麻生政権の4代にわたり、首相官邸で内閣官房副長官補(安全保障担当)を務めた、国際地政学研究所理事長の柳澤協二氏は、こうした安倍政権の外交・安全保障政策について、「政策目標が抽象的かつ非論理的だ」と批判する。

 安倍総理は1月24日に召集された通常国会の施政方針演説で、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認について、「対応を検討する」と表明した。第2次安倍政権発足後の国会演説で安倍総理が「集団的自衛権」の文言を明確に使用するのは初めてであり、行使容認に向けて強い意欲を示した格好だ。

 日本の防衛政策や外交・安全保障政策に詳しい軍事ジャーナリストの田岡俊次氏は、タカ派色を強める安倍政権の外交姿勢について、「とんでもない。日本は中国に勝てない」と語る。米国の意図や中国の軍事力に対し、「日本の政治家や自衛隊は現実否認に陥っているのではないか」と指摘した。

 纐纈氏は、この2014年末に行われる日米ガイドライン再改訂の核心を、「対中国海洋戦略」にあると指摘する。米国は、経済面では中国としっかり手を結びつつ、軍事面では日中間の対立を煽っている、というのである。

 「今、米国と日本の位置関係は、盾と矛です。日本が盾で米国が矛という関係なんですね。しかし、日米ガイドラインの再改訂により、その関係が逆転するんです。

 つまり、日本が矛になり、米国が盾になる、ということです。日本の自衛隊が鉄砲玉になり、最前線に投入される部隊になる、ということです。

 つまり、日本はこのままでは、米国の『雇い兵』になる、ということです」

 特定秘密保護法、集団的自衛権の行使容認、日本版NSCの創設、敵基地先制攻撃論、防衛大綱の改正。安倍政権が強い意欲を持って推進するこれら外交・安全保障政策の数々は、日本を米軍と一体化させ、米軍とともに戦争を遂行できる「軍事国家」にしようとするものではないか。ジャーナリスト、軍事評論家で、旧日本社会党に政策提言を行っていたことでも知られる前田哲男氏は岩上安身のインタビューに応え、「破局に進んでいる」と安倍政権の外交・安全保障政策に警鐘を鳴らした。

 10月3日、米国のケリー国務長官とヘーゲル国防長官が来日し、2プラス2(日米外務・防衛閣僚による安全保障協議会)が行われ、「日米防衛協力のための指針」いわゆるガイドラインの再改定が決定した。宇宙やサイバー空間での協力体制を促進するとともに、日本の集団的自衛権行使容認を「歓迎」するといった内容が含まれている。

 安倍総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤に関する懇談会」(座長・柳井俊二元駐米大使)が9月17日、首相官邸で議論を再開した。会議に出席した安倍総理は、歴代の政府が、憲法解釈上認められないとしてきた集団的自衛権の行使について、「いかなる憲法解釈も、国民の生存や存立を犠牲にするような帰結となってはならない」と述べ、憲法の解釈を変更することで行使を容認することに改めて意欲を示した。

 安倍政権のこのような動きに対し、阪田雅裕元内閣法制局長官は「解釈改憲には理がない」と警鐘を鳴らす。

 「憲法の解釈を変えるということは、歴代の政権が維持してきた解釈は間違っていたということです。間違っているなら、そのことを国民に対して合理的に説明する責任が生じます。憲法解釈は、日米安保とのかね合いといった外交上の問題から、軽々に変更してよいものではありません」。

 日本政府は9日未明、市ヶ谷の防衛省敷地内に、地対空誘導パトリオット「PAC3」を配備した。北朝鮮のミサイル発射に備えた措置だと見られるが、現在のところ、韓国国防総省がミサイル発射の時期について「10日の可能性が高い」と発表するのみで、北朝鮮側は発射に向けた兆候を示していない。

 岩上安身のインタビューに対して柳澤協二氏は「北朝鮮に戦争をする気があるかどうかというと、必ずしもそうではない」と分析。北朝鮮側には戦争をするだけの物資面での余裕はなく、外交的な解決の道を探っているはずだ、と語った。また、自身が派遣から撤退にまで関わった自衛隊のイラク派遣について、「官僚機構が日米同盟だけを前提に政策を作ってきた」と述懐。「日米同盟のために日本があるのではなく、日本の安全のためにこそ日米同盟がある。現状では、日米同盟が自己目的化してしまっている」と語った。

注目記事ピックアップ

 「自衛隊が武力行使を目的として、湾岸戦争やイラク戦争での戦闘に参加するようなことは、これからも決してない」──。2015年5月27日から始まった安保法制の国会審議で、安倍総理は繰り返し強調している。しかし一方で、安倍総理は「(湾岸戦争やイラク戦争のような戦争でも)『後方支援』はありうる」とする見解を示している。後方支援とはつまり「兵站」のことを指す。米海兵隊は「兵站」について「戦争の一機能であり、軍事攻撃の格好の目標である」としている。

 戦争の一翼を担う「兵站」を「後方支援」と言い替え、「戦争に参加しない」かのように国民に喧伝する、安倍総理の「ごまかし」である。

 元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は5月28日、自身が理事長を務める国際地政学研究所のワークショップで講演し、「アフガン戦争や湾岸戦争、イラク戦争、またはISIL掃討で『後方支援』が可能になる。一言でいえば『多国籍軍支援』だ」と指摘した。

 2月27日(金)、東京都千代田区永田町の参議院議員会館にて、「第14回 集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会『戦争法案の問題点』」が行われ、学習院大学法科大学院教授の青井未帆氏が講演を行なった。

 古賀誠・自民党元幹事長は2月5日、日本政策学校の講師として招かれ、「自由民主党の在り方-現政権の評価と今後」というテーマで講演した。古賀氏は講演で、自身の父親を第二次世界大戦で亡くした境遇から、「平和」を政治の原点に据えてきたと強調した。

 「安倍首相は『俺は選挙で勝った。だから俺の任期中は、俺のやることが民意である』という姿勢。多数を占めた政党が、どんどんものを決めていく時代になっている。政権の暴走を誰が止めるのか、真剣に考えなければいけない」

 神戸市東灘区の「九条の会.ひがしなだ」憲法学習講演会が、2014年11月22日、東灘区民センターで行われ、関西学院大学教授の長岡徹氏が「戦場ヘ行く自衛隊 ~9条改変閣議決定の帰結~」と題して講演を行った。

 「国際連盟は、満州事変のきっかけとなる柳条湖事件は謀略ではないかと疑問視、リットン調査団を派遣する。すると、1932年12月19日、日本電報通信社(電通)や新聞聯合社(共同、時事通信)などの大手マスコミは、『満州国を否定するなら、国連の声明を受け入れられない』と共同声明を出した。戦争の後押しをする以上に、国民を煽動したのだ」──。元東京大学新聞研究所教授の桂敬一氏は、戦前のマスコミの権力への迎合姿勢を明かした。

 集団的自衛権の行使により、日本の外交・安全保障政策はどのように変化するのか。元内閣官房副長官補の柳澤協二氏が理事長を務めるシンクタンク・国際地政学研究所が集団的自衛権行使容認の是非を問うパネルディスカッションを開催し、推進派、慎重派の双方が議論を交わした。

 この日登壇したのは、柳澤氏の他、拓殖大学教授の佐藤丙午氏、政策研究大学院大学教授の道下徳成氏、国会図書館調査局調査員の福田毅氏の4名。佐藤氏がモデレーターとなり、柳澤氏が集団的自衛権に慎重な立場から、道下氏が推進の立場から、福田氏が法整備の観点から、それぞれ持論を展開した。客席には、民主党代表の海江田万里氏も聴衆の一人として姿を見せた。

安倍政権による集団的自衛権行使容認の閣議決定が7月1日に迫る中、解釈改憲に反対する憲法学者らで作る国民安保法制懇が緊急の記者会見を行い、声明を発表した。

 声明では、「戦後の日本で憲法9条が果たしてきた役割を否定し、この国の形を大きく変えるものであると危惧する」とし、「このような暴挙に対して強い抗議の意思を表明し、集団的自衛権の行使を認める閣議決定の断念を強く求める」と、安倍政権の姿勢を改めて批判した。

 「30年近く国会議員をやってきたが、今回の問題はどうしても簡単に認めるわけにはいかない」――。

 小泉内閣で内閣府特命担当大臣(規制改革・産業再生機構)を務めた経歴を持つ衆議院議員・村上誠一郎氏(自民党)が6月27日、外国特派員協会で記者会見し、安倍政権が進める集団的自衛権の行使をめぐる解釈改憲について「今回の問題は戦後70年間の歴史の大きな方向転換となる重要な問題だ」と述べ、一内閣の閣議決定で済ませるべきではない、と強い懸念を示した。

 「5月15日の安倍総理の会見から、何だか胡散臭いね、という空気が広まっていると感じる。そういう中で公明党が今、岐路に立たされているが、これで閣議決定したって、そうすんなりと事が進むはずはない」──。

 2014年6月13日(金)、神戸市のあすてっぷKOBEで「集団的自衛行使問題緊急学習講演会『日本は戦争する国にはなりません』ってホント?」が行われた。防衛官僚として、また、内閣官房副長官補として安全保障の問題に長らく関わってきた柳澤協二氏(国際地政学研究所理事長)が、「安倍政権の安保政策~何を目指すのか、日本のためになるのか」と題して講演を行った。講演で柳澤氏は、安倍政権の進める集団的自衛権行使容認の問題点を詳細に論じた。

 集団的自衛権の行使をめぐる解釈改憲の閣議決定は会期末か、閉会後か――。自民・公明の与党協議が加速し、当初は警戒心を前面に出していた公明党が「限定容認論」に理解を示し始めた。

 そうした中、自民党改憲案に危機感を抱く超党派の国会議員で構成される「立憲フォーラム」が6月12日、元外務省情報局長の孫崎享氏を講師に招き、「集団的自衛権を容認させない6・12院内集会」と題した集会を開催した。

 解釈改憲により立憲主義が危機的状況を迎えている中、集団的自衛権の行使をめぐって、自公による与党協議の進捗状況ばかりが報道され続けている。そんな状況下で、解釈改憲に反対する学者らで構成される「立憲デモクラシーの会」が6月9日に記者会見し、「集団的自衛権に対する安倍首相の方針と安保法制懇報告に対する見解」を発表した。

 安倍総理は5月15日、自身の「私的な」懇談会である「安保法制懇」の報告書を土台として、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認の正当性を訴え、国民に理解を求めた。これに対し、「立憲主義の破壊に等しい歴史的暴挙である」として、元法制局長官をはじめとする、憲法や国際法、安全保障の専門家らが5月28日、「国民による」安保法制懇を立ち上げた。委員らは同日、参議院議員会館で記者会見し、それぞれの立場から解釈改憲を批判した。

 元第61代内閣法制局長官の阪田雅裕氏は、この「国民安保法制懇」について「我々は反戦運動をしてきたわけでも、護憲運動をしてきたわけでもない。集団的自衛権の行使の是非についても、全員の意見が一致しているわけではない」と前置きしたうえで、「しかし、集団的自衛権を行使するとなれば、日本のかたちに関わる大問題だ。だからこそ、もし集団的自衛権を行使するのであれば、十分に国民的な議論を尽くした上で、憲法改正というプロセスによって国民意見を集約し、国民の覚悟を求める必要がある。我々はこの点で意見を一緒にしている」と、立ち上げの理由を語った。

 生活の党・小沢一郎代表は5月26日の定例会見で、28日に安倍総理出席のもとで行なわれる衆院予算委員会での集団的自衛権に関する集中審議と、今年11月に始まる沖縄県知事選について、見解を示した。

 今、近畿地方に初めて「米国領土、米軍基地を防衛するための」在日米軍基地が、地元住民の同意が不十分なまま建設されようとしている。

 2013年2月末、政府は突如として、京都府京丹後市の経ヶ岬にある自衛隊の分屯地に、米軍専用の「Xバンドレーダー」を設置する計画を発表した。その後何度となく行われた住民説明会では、「安全、安心の確保」を求める地元住民の声に対し、京丹後市や防衛省は明確な回答を出せていない。

 そんななか、5月14日に米軍は、工事業者に着工を許可した。京都新聞の記事によると、京都府や京丹後市は「着工日を事前に伝えるよう」防衛省に申し入れていたが、連絡はなかったという。

 「もし集団的自衛権の行使を認めるのであれば、少なくとも、日本を守る代わりに提供した在日米軍基地は日本に返還すべきではないか」――。

 戦争への道を突き進む安倍政権の暴走を阻止しようと立ち上がった「戦争をさせない1000人委員会」が5月20日、衆議院議員会館で「『安保法制懇』報告書を許さない!5.20院内集会」と題した集会を開いた。スピーカーに招かれたジャーナリストで軍事評論家の前田哲男氏は、もし集団的自衛権を行使するのであれば、日米安保も改訂、もしくは破棄しなければならないと訴えた。

 「集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会」が第9回目となる勉強会「安保法制懇報告書と安倍総理記者会見徹底批判」を開催した。発言者として招かれた元防衛官僚の柳澤協二氏は、政府の想定する集団的自衛権の行使例が非現実的なものであることを指摘した。

 この日、メインの発言者として招かれた柳澤氏は、理論をよそに、国民感情に訴える安倍総理の手法を批判。その上で、「ふと考えると、これが一番、集団的自衛権がいらないケースだと気付いた」と柳澤氏は述べ、「もし朝鮮半島で有事があって、日本人などの民間人をどのように避難させるかは、官邸にいる時も考え、悩んだ」と、内閣官房副長官補時代の経験をもとに、次のように分析した。

 
【参考】

・日弁連 「安保法制懇」報告書を受けて発表された「基本的方向性」に対する会長声明

・安保法制懇報告書(PDF)首相官邸HP

 

 生活の党代表・小沢一郎氏は、5月19日(月)の定例記者会見において、集団的自衛権を巡る最近の議論について、「不可解な議論・言葉が横行している」と批判した。また、安倍総理による「個別的自衛権では対応できない事例の説明」については、「安倍さんの話はよくわかりません」と疑問を呈した。

 公明党の支持団体である創価学会が、「集団的自衛権の限定的容認は、本来なら憲法改正してやるべき」と主張したことについて、小沢氏は「筋論から言えばその通りだ」と語った。また、あらかじめ特定できない事象に対して、政府の解釈でどうにでもなるということに、公明党は危惧の念を持っているのだろうとの考えを述べた。

 集団的自衛権の行使をめぐり、安倍総理らは、さまざまなケースを想定して提示するも、そのたびに「現実的ではない」といった批判が相次いでいる。5月19日、解釈改憲に反対する火炎瓶テツ氏らが官邸前で抗議集会を開き、集団的自衛権行使に関する「国連憲章上」の現実的な問題点を指摘した。

 この日、火炎瓶テツ氏は、集団的自衛権を行使することで、「旧敵国条項」が発動される可能性に言及した。旧敵国条項とは、第2次世界大戦において連合国の敵国であった日本、ドイツ、イタリアなどを対象に、安全保障面の特別な過渡的規定が盛り込まれた国連憲章第53条、107条の別名である。旧敵国が再び侵略行為などを行った場合、旧連合国は、旧敵国に対する行動に関して、安保理の許可がなくても軍事的制裁を課すことが容認される、などと規定されている。

 安倍政権によってこれまでの憲法解釈が変えられ、日本は他国の戦争に参加できる国になろうとしている。そんな中、1999年の憲法記念日に発足して以来、護憲を訴えて活動してきた市民団体「許すな!憲法改悪・市民連絡会」が5月17日、第86回目となる市民憲法講座を文京区で開いた。日本国際ボランティアセンター(JVC)の代表理事・谷山博史氏が講師として招かれ、「国際協力NGOの活動の経験から考える集団的自衛権問題」というテーマで講演した。

 安倍総理の私的諮問機関「安保法制懇」(安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会)が、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を提言する報告書を提出したことを受けて、5月15日(木)、安倍総理の記者会見と同じ時間帯に、首相官邸前で約2000人の市民が集まり、抗議行動が行われた。

 安保法制懇は5月15日にも、従来のものとは180度異なった憲法解釈を取りまとめ、安倍総理に提出しようとしている。これを受け安倍政権は、早ければ6月中旬にも、集団的自衛権が行使できるよう閣議決定するという。

 こうした動きに反対する市民らが5月13日、「『戦争する国』はいやだ!安保法制懇の報告書に抗議!5.13国会包囲ヒューマンチェーン」と題した抗議集会を行い、人間の鎖で国会を包囲した。

 集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会の第6回が4月16日に開催された。この日、講師として招かれたのは、元共同通信記者で「戦後政治にゆれた憲法九条―内閣法制局の自信と強さ/『武力行使と一体化論』の総仕上げ」の著者でもある中村明氏。30年間政治記者として取材を続けてきたという中村氏は、集団的自衛権行使の原則に関する経過を解説しながら、事実に基づき検証した。

 冒頭、集団的自衛権行使容認の準備を進めている最近の安倍政権に対して、「国家の重要な進路を私的な諮問機関で決めるということは、法治国家ではあってはならないこと」だと、中村氏は懸念を示した。

 安倍内閣は、集団的自衛権の行使を、国会の事後承認で可能とする方向で調整に入った。

 この衝撃的なニュースが流れた4月22日、集団的自衛権の行使容認をめぐって、安倍政権の米国や東アジアなど、日本の外交問題に関する政策提言や情報発信を行うNGO「新外交イニシアティブ(ND)」が、永田町でシンポジウムを開催。立憲主義を蔑ろにし、国会を軽視する安倍政権に、ジャーナリストの鳥越俊太郎氏らが警鐘を鳴らした。

立憲主義に反して事実上の憲法9条改正を目指す安倍政権に対し、危機感を抱いた学者ら約50名が4月18日、「立憲デモクラシーの会」を立ち上げ、記者会見を行った。政治学者の山口二郎氏(法政大)は、「安倍政権は選挙で勝ち、国民の付託を得たから憲法改正をする、としているが、選挙で勝ちさえすれば何をやっても良いという理解が、モクラシーそのものを破壊する可能性がある」と指摘した。

 「立憲デモクラシーの会」に参加しているのは、憲法学、政治学、社会学などの学者や専門家ら約50名。小林節氏、樋口陽一氏、柳澤協二氏、金子勝氏、上野千鶴子氏、島薗進氏など、著名な有識者らが名を連ねる。

 毎年4月、世界各国の軍事費の統計データ(SIPRI)を、スウェーデンのストックホルム国際平和研究所が公表する。それにあわせ、同じ時期、世界中で開かれる「軍事費に対する世界アクションデー(GDAMS)」の一環として、4月14日、参議院議員会館で、国際シンポジウム「武器からひとへ~『安全保障費』を問いなおす」が行われた。

 世界の軍事費は、2001年から「対テロ戦争」の名の下で上昇。しかし、半分を占めていた米国の軍事費が前年比で7.8%減ったことで、全体での支出額は横ばいとなった。その一方、中国は前年と比べて、7.4%増え、大幅増となっている。中国の軍事力が著しく増強されているとして、安倍政権は11年ぶりに、防衛費を増額する方針を決定した。

 集団的自衛権と憲法をテーマにしたシンポジウムが4月10日(木)、日本弁護士連合会の主催で開かれた。元防衛大臣の北澤俊美参議院議員の講演が行われた後、元内閣法制局長官である阪田雅裕氏、東京新聞論説兼編集委員の半田滋氏、大阪国際大学准教授・全日本おばちゃん党代表代行の谷口真由美氏を迎えてパネルディスカッションが行われた。

 北澤氏は防衛大臣時代にアメリカのケリー国務長官と8回会談しており、「アメリカ側から『日本の集団的自衛権がなければ困る』といったメッセージは全くありませんでした」と語った。

 安倍総理は、私的諮問機関「安保法制懇」が準備している報告書をもとに、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認を進める意向だと言われる。4月9日、集団的自衛権の行使容認に反対する128団体で構成された実行委員会が主催し、日比谷野外音楽堂で集会を行った。集会後、参加者はデモ行進を行い、平日にも関わらず、約5000人(主催者発表)の人々が「戦争する国、反対」とシュプレヒコールを上げた。

 国会議員も多数駆けつけた集会では、ゲストスピーカーとして作家の大江健三郎氏が登壇した。大江氏は夏目漱石に触れ、漱石が100年前の講演で、「デモンストレーション」に「示威運動」という訳語をあてたことについて語った。

 生活の党・小沢一郎代表は4月7日、「安全保障及び自衛権行使のあり方」というテーマで講演を行い、自衛権に関する持論を展開。小沢氏は、現憲法下では、集団的自衛権の名の下に、武力行使を行うことは憲法9条違反にあたるとし、憲法解釈の変更によってそれを可能にしようとする安倍政権に対し、「それならば9条改正論を堂々と打ち出すべきだ」と牽制した。

 「周辺地域において、そのまま放置すれば、日本の平和や安全が脅かされる事態において、日本は自衛権を発動できる」と小沢氏は語った。つまり、そのまま放置すれば、日本に対する直接の武力攻撃に至るおそれのある事態には、日本は米軍に協力し、軍事行動をとることが周辺事態法によって認められているという意見だ。

 小沢氏は、「放置すれば」という文言の重要性を強調した。これは2009年、小沢氏率いる自由党が、周辺事態の定義の明確化にこだわり、当時の自民党案に付け加えさせたものだという。

 安倍政権が解釈改憲による集団的自衛権の行使容認へ踏み出そうとしている中、4月1日(火)、「集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会」は第5回目となる勉強会を開催した。ゲストには早稲田大学教授である水島朝穂氏が招かれ、講演を行った。

 水島氏によれば、国会での答弁を見る限り、政府は憲法に対する基本的な議論をせぬまま集団的自衛権の行使容認に突き進んでいるという。

 自らを「自衛隊違憲論者」と呼ぶ水島氏は、憲法学者としての立場から、解釈改憲を、憲法を切り捨てる「介錯改憲」だと表現。「国連のがん細胞が集団的自衛権。集団的自衛権の歴史的使命はもう済んでいる」と語った。

 安倍内閣は、憲法の解釈見直しによって集団的自衛権の行使を容認しようと進めている。2014年3月27日(木)、東京・千代田区の外国特派員協会において「集団的自衛権行使に反対する記者会見」が行われ、福島みずほ氏と山本太郎氏が、集団的自衛権行使容認に対する反対を述べ、世論に働きかけるよう訴えた。

 「辺野古移設の中止や、思いやり予算の必要性を見直さなければ、筋が通らない」――。

 軍事評論家の前田哲男氏は、3月25日、集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会で、日米安全保障条約の構造の観点から、集団的自衛権の行使容認の是非について分析。集団的自衛権の行使容認により米国と相互防衛の関係を結ぶのであれば、在日米軍への基地貸与を定めた日米安保条約第6条を削除する必要があると前田氏は語った。

 イラク戦争の開戦から11年がたった3月20日、衆議院第二議員会館で、「イラク戦争の検証を求めるネットワーク」主催による集会が開かれ、かつてイラク戦争の際、クウェートに派遣された元航空自衛隊員の池田頼将氏が講演した。

 池田氏は、米国の独立記念日にあたる2006年7月4日、クウェートのアリ・アル・サレム基地において、米軍主催のマラソン大会に参加。トップを走る米兵2人を追い抜き、先頭に躍りでた直後、米軍関係の大型バスに跳ねられ、数メートル先の砂漠まで弾き飛ばされた。

 3月12日20時から、首相官邸前で集団的自衛権の行使容認に反対する抗議が行われた。先月2月20日、安倍総理は衆院予算委員会で、この集団的自衛権の行使をめぐり、『閣議決定後に国会で審議する』との答弁を展開している。抗議参加者からは「三権分立を勉強しろよ」、「立憲主義を勉強しろよ」などのシュプレヒコールがあがった。

 安倍内閣が閣議決定で「集団的自衛権の行使」を容認できるよう憲法解釈を変更しようとしている問題で、これに反対する超党派の議員らが2月27日、第二回目となる「集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会」を開催した。この日、講師として招かれた元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は、「日本がこれからどういう道を歩むべきか。安倍さんから粗雑な問題提起を受けた」と安倍総理を批判。元防衛官僚としての経験を踏まえ、集団的自衛権をめぐる米国、アジアの動きを解説した。

 安倍総理は2月20日の午前10時、衆院予算委員会で、民主党の岡田克也議員の質問に答えて、集団的自衛権の行使を容認するため、閣議決定で憲法の解釈を変更すると明言した。憲法解釈を一内閣の閣議で変えてしまうということだ。

 この日の午後、参議院議員会館では、安倍政権の暴走に懸念を抱く超党派の国会議員らが、元内閣法制局長官・阪田雅裕氏を講師に招いて、「第一回 集団的自衛権を考える超党派の議員と市民の勉強会」を開催していた。

 内閣法制局とは、閣議に付される法律案や政令案などを、審査し、意見し、修正を加えることで内閣を補佐する機関だ。「法の番人」とも呼ばれおり、法案が憲法に違反していないかどうかなども厳格にチェックする。集団的自衛権についても、日本は「保持」してはいるが、憲法上、「行使」はできない、といった解釈を貫いてきた。

 昨年12月初めに、特定秘密保護法が成立した。また、昨年末に、安倍総理が靖国神社を参拝したことで、日本の外交政策に緊迫状態が続いている。「許すな!憲法改悪・市民連絡会」は1月18日、「自民党の国家安全保障基本法案について~集団的自衛権行使解禁の動きの中で考える」と題された市民憲法講座を開催した。明治大学教授の浦田一郎氏が、自民党の考える国家安全保障法案についての講演を行った。

 「積極的平和主義」を掲げている安倍政権が目指しているのが、集団的自衛権の行使である。現行の憲法9条の解釈では集団的自衛権の行使は認められていない。これに対し、自民党は、憲法解釈を変えて集団的自衛権の行使を可能にする、または、行使を可能にする新たな法律をつくって立法改憲する、という2つの策略で進めようとしている。

 弁護士で、元内閣法制局長官の阪田雅裕氏は、11月16日、大阪・西天満の大阪弁護士会館で開かれたシンポジウム「集団的自衛権について考える」で、「9条の下で自衛隊の海外派遣が可能になったら、日本の憲法は米英のそれと変わりないものになる」とコメント。改憲を掲げている安倍政権に対しては、「集団的自衛権の行使が『時代の要請に即している』と本気で信じているのなら、憲法解釈の変更という楽な道を選ぶべきではない」と提言した。

 北岡氏は、集団的自衛権を「中規模国や小規模国が協力しあって自国を守ろうというコンセプト」だと説明。「信頼出来るパートナー」(例えば米国)と集団的自衛権の行使によって関係をより密接なものにすることで、相手国に対する抑止力を発揮することができると説明した。

 一方、柳澤氏は、中国の軍事力増大を背景とする安倍政権の集団的自衛権行使容認論は、米国の対中国戦略と一致していないのではないか、と指摘。現在のアメリカの対中戦略とは、経済関係の強化と東アジアにおける軍事的均衡の維持であり、日中関係の悪化はむしろアメリカにとって懸念材料であると語った。

 安倍総理は、今年2月にホワイトハウスで行われた日米首脳会談、さらには9月にG20が開かれたサンクトペテルブルクでの日米首脳会談において、オバマ大統領に対し、集団的自衛権の行使容認を検討することを約束している。

 しかし柳澤氏は、集団的自衛権の行使容認に関して、米政府から日本政府に対する要請はないと指摘する。そのうえで、「要請がないのに、なぜ、集団的自衛権の行使容認をしなければ日米同盟の崩壊につながるという論理になるのか」と、日米関係を最重要視する安倍政権の対応に疑問を投げかけた。

 15日に召集された第185回臨時国会で、所信表明演説に臨んだ安倍総理は、「『積極的平和主義』こそが、我が国が背負うべき二十一世紀の看板であると信じます」と述べ、従来からの主張である憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認を進める意向をにじませた。

 同じ日、憲法の改正や解釈の変更に反対する社民党や日本共産党の議員らが参加し、「集団的自衛権の行使は平和憲法の破壊だ!10.15院内集会」が開かれた。民主党からも辻元清美議員が参加した。

 作家の大江健三郎氏をはじめ、日本国憲法の改正に反対する知識人らが呼びかけ人に名を連ねる市民団体「九条の会」が記者会見を行い、『集団的自衛権行使による「戦争する国」づくりに反対する国民の声を』と題するメッセージ文を発表した。

 この日の会見に出席したのは、大江氏の他、東京大学名誉教授の奥平康弘氏、作家の澤地久枝氏、東京大学教授の小森陽一氏の4人。大江氏は「この6ヶ月ほどの間に日本人の運命、日本という国の運命が決まる」と心境を語り、安倍政権が進める憲法の解釈変更による集団的自衛権の行使容認に強い懸念を表明した。

 「(米国は)日本が独自の覇権国家としてアジア太平洋諸国の錯乱要因になることを、絶対に許さない」――。

 10月6日(日)、九条の会学習会で登壇した渡辺治氏(一橋大名誉教授)は、集団的自衛権の行使について米国側から消極的な意見が挙がっていることに言及した。

 渡辺氏は、ジャパンハンドラーのアーミテージやジョセフ・ナイが2009年ぐらいから「改憲は必要ない。集団的自衛権の行使容認は、解釈改憲で実行できる」と要求してきていることを紹介。「日本には米軍の手下として活動してもらいたい」という米国の考えを指摘した。

 福田氏は、当時の野党・民主党が参議院で過半数を占めていた”ねじれ国会”により難航した自身の政権運営を振り返り、インド洋での海上自衛隊による米軍への燃料補給は国際社会から高い評価を受けた。しかし、私はテロ特措法の延長をしようとしたが、民主党の反対で成立しなかった。あそこから日米関係はおかしくなった」と語った。

 またこの日は、元防衛大学校校長で、2011年3月11日の東日本大震災後に創設された東日本大震災復興構想会議で議長を務めた五百旗頭真氏がプレゼンテーションを行った。五百旗頭氏は日本の外交史を、663年の白村江の戦いにまでさかのぼって解説。アメリカ、そして経済発展が著しい中国とのこれからの関係について、「アメリカとは同盟関係の維持を、中国とは協商関係の構築を」と語った。

 公明党の山口那津男代表は25日、外国特派員協会で記者会見を開き、集団的自衛権の行使容認に前向きな小松一郎前駐仏大使が内閣法制局長官に就任したことについて「内閣法制局は組織として、長い時間をかけて解釈を作ってきた。解釈に小松さん個人の意見が反映されるものではないし、変更は容易ではない」と述べ、憲法解釈の変更による集団的自衛権行使容認は難しいとの考えを示した。安倍総理の私的諮問機関「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(座長・柳井俊二前駐米大使)は9月17日、7ヶ月ぶりに議論を再開。解釈改憲による集団的自衛権の行使容認に前向きな安倍総理と、慎重な姿勢を崩さない公明党との協議が続いている。

 5・3憲法集会実行委員会主催の抗議集会が8月7日、衆議院議員会館前で行われ、130人を超える市民が集まり、集団的自衛権行使を合法化するための内閣法制局長官人事に抗議の声を上げた。

メルマガ「岩上安身のIWJ特報!」

 自民党の議員のなかで、唯一、特定秘密保護法と解釈改憲による集団的自衛権行使容認に反対した村上誠一郎氏に岩上安身がインタビュー。テキストを読みやすいかたちにリライトし、詳細な注釈を付しました。必読の内容です。

 憲法の解釈見直しによって集団的自衛権の行使を容認しようとする動きが着々と進められている。3月25日には、自民党の総務会で、この問題を議論するための「安保法制整備推進本部」という新機関が設置されることが決まった。

 また、集団的自衛権行使容認に向けて、安倍首相の私的懇談会「安全保障の法的基盤の再構築に関する懇談会」(安保法制懇)は、4月に報告書をまとめる予定となっている。この後に、従来の解釈を変更する閣議決定がなされると言われている。

 この集団的自衛権行使容認にかんする話題を中心に、防衛省のキャリア官僚の経歴を持ち、内閣官房副長官補を務めた柳澤協二氏に話をうかがった。柳澤氏は集団的自衛権行使は「日本の身の丈にあった軍事戦略」とかけ離れていると語る。

 いよいよ現実味を帯びてきた、解釈改憲による集団的自衛権の行使容認。山口大学副学長で、日本の有事法制に詳しい纐纈(こうけつ)厚氏は、「集団的自衛権の行使容認により、自衛隊は米軍の”雇い兵”になる」と警鐘を鳴らす。特定秘密保護法の強行採決、日本版NSCの創設、防衛大綱の改正、そして集団的自衛権の行使容認により、日本の自衛隊は、日本国民のためではなく、ただ米軍のためだけに、戦争をすることができる部隊へと変貌するというのである。

 米国のために、軍事属国化につき進む安倍政権。その起源は、戦前・戦中に制定された軍機保護法や国防保安法といった秘密保全法制、そして戦後の「安保再定義」の中で押し進められた有事法制の整備にあると、纐纈氏は指摘する。

 外交・安全保障、そして軍事の問題について、歴史を紐解きつつ分かりやすく解説した、必読のインタビューである。

 集団的自衛権の行使を容認するということは、自衛隊が米軍の下請けとなり、米軍とともに戦争を行う「軍隊」と化す、ということを意味する。そしてその出動範囲は、北岡氏によれば、「地球の裏側」どころか「宇宙」にまで及ぶ、というのだ。

 米国に盲従し、自衛隊を宇宙にまで派遣するという集団的自衛権の行使容認。そのために政府が目指す解釈改憲について、「憲法の番人」である内閣法制局元長官の阪田雅裕氏は、「ありえない」と一刀両断する。

 歴代の内閣法制局が積み上げてきた憲法の解釈を変更するということは、いったい何を意味するのか。そして、集団的自衛権の行使を容認するということは、国際法と日本国憲法とのかねあいからどのように理解すればよいのか。そして、行使容認にこだわる安倍政権と、それを裏で支える勢力の思惑とはどのようなものなのか。

 「憲法の番人」が語る、必読のインタビューである。

11件のコメント “【特集】集団的自衛権~自衛隊が米軍の「下請け」になる日

  1. 集団的自衛権の賛否が連日報道され国民が疑問視していても、憲法の解釈を変えられて自衛隊で悲劇が起きない限り「上の人」は反対しないのでしょうね
    【特集】集団的自衛権~自衛隊が米軍の「下請け」になる日

  2. 知りたい事、聞きたい事、考えたい事、いろいろ。
     

  3. 集団的自衛権行使の容認=自衛隊の米軍下請け(軍事的地位協定)=自衛隊出兵=戦争開始!・・あの時つい本心の軽口麻生太郎「ワイマール憲法発言」・・姑息、安倍内閣の腹のウチ!

  4. この特集は凄い ”拡散″という気持ちになる

  5. 解釈改憲による集団的自衛権行使容認の問題点とは何か!安倍政権の背後に見え隠れするものを岩上安身氏とIWJが一挙ラインアップ(動画08:11)

  6. 自衛隊は戦うための組織
    そして憲法を集団的自衛権を使えるように変えるのは
    悪いことじゃない
    そもそも使えないのは世界で日本だけ
    反対してるのは太平洋の覇権が欲しい中国
    東南アジア、ヨーロッパ、アメリカは賛成している
    集団的自衛権=戦争なら
    第三次世界大戦はもう始まってる
    徴兵とか言って反対させたい奴ら
    憲法18条を知らないのか
    そもそもお前らが徴兵されても
    現代戦において的になるだけだ
    だからお前たちは間違ってる

  7. そもそも、普通の国は集団的自衛権など、あって当たり前なのだ。議論する価値すらない。それも今まで日本がなかった時点でおかしいわけだ。これだって、世界の情勢や常識を知っていれば、平和憲法なんてものは全く役に立たないことだって、自ずと理解出来るのだ。日本だから特別というわけのわからない常識は世界では通用しない。

  8. 日本の領海と領土を守るなら【個別自衛権】だけで十分です、これだけで【侵略者と戦争】できます。

    集団的自衛権は、北朝鮮と韓国が戦争を始めたときに自衛隊で韓国を援護するための売国法案です。
    イラク戦争しかり、ベトナム戦争しかり
    大国の都合で始めた戦争が大きな間違いだったとされる物は多々ありますが、此に日本を参加させるのが目的です。
    【集団的自衛権は、百害あって一利なし】よく覚えておいて下さい。

  9. 一刻一刻と迫ってきてる。首相が「日本国民の命と平和な暮らしを守る為に集団的自衛権を容認する」と言った罪は大きい→日本を守る根拠は個別的自衛権【特集】集団的自衛権~自衛隊が米軍の「下請け」になる日 http://iwj.co.jp/wj/open/%e9%9b%86%e5%9b%a3%e7%9a%84%e8%87%aa%e8%a1%9b%e6%a8%a9 … @iwakamiyasumiさんから
    https://twitter.com/megumegu1085/status/520233174962405377

  10. 【特集】集団的自衛権~自衛隊が米軍の「下請け」になる日 http://iwj.co.jp/wj/open/%e9%9b%86%e5%9b%a3%e7%9a%84%e8%87%aa%e8%a1%9b%e6%a8%a9 … @iwakamiyasumi 素晴らしいインタビューのまとめです。ご一読を…。ただ私は「下請け」ではなく「遣いっ走り」だと思います。費用は日本国民の血税なのですから…。
    https://twitter.com/hage3826/status/520345966642094080

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