元米軍人に、米国と米軍の本音を訊く! 日米安保があっても米軍は日本を守らない! 世界を6つの「シアター」に分け、それぞれ統合軍を配置する米国にとって、日本は数ある「愛人」の一人でしかない! 岩上安身によるインタビュー第1193回ゲスト 元米陸軍大尉・軍事コンサルタント 飯柴智亮(いいしば ともあき)氏 第2回 2025.5.25

記事公開日:2025.6.3取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)

特集 ロシア、ウクライナ侵攻!!|特集 IWJが追う ウクライナ危機
※25/6/5 テキスト追加

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 2025年6月3日、「岩上安身によるインタビュー第1193回ゲスト 元米陸軍大尉・軍事コンサルタント 飯柴智亮(いいしば ともあき)氏 第2回」を初配信した。

 6月2日に初配信した第1回インタビューは、以下のURLからご視聴いただきたい。

 2024年秋以降、10回以上ウクライナを訪れている飯柴氏は、以前から、ウクライナ紛争は「長引く可能性が高い」と予測していた。

 飯柴氏は、「トランプ大統領は、(大統領)選挙を盛り上げるために、『私が大統領になったら、ウクライナ戦争は、すぐに(24時間で)終わらせる』と言ったが、あれはプロレスのマイクパフォーマンスみたいなもの」だと指摘し、「当然、停戦というのは交渉なので、相手側と合意しないといけない。でも、プーチンが合意するのかというと、向こうは停戦しても何の見返りもない。逆に損をする」との見方を示した。

 飯柴氏は、「冷静に見れば誰でもわかるが、国土の20%を占領されているのは、ウクライナ」だと述べ、「こうなるのはわかっていた。体力勝負をやれば、1億人以上人口がいるロシアと、3000万か4000万(3773万)人しかいないウクライナ(そのうち約1000万人は国外に避難)では、当然、体力の強い方(ロシア)が勝っていくと思っていた」と指摘した。

 その上で飯柴氏は、「プーチンとしては、(戦争を)長引かせた方が得」であり、「ウクライナは、本当は停戦したい」が、「ゼレンスキーは、この戦争のおかげで、個人口座にものすごいお金が入っている」と明らかにし、「(ゼレンスキーは)大統領を辞職すると、汚職が表面化するので、逮捕・投獄から逃れるために、イギリスあたりに亡命するんじゃないか」との見解を示した。

 飯柴氏は、ゼレンスキー氏について、「顔に危機感がない」と、鋭く指摘している。

 続いて、「ウクライナがどうなろうと米国の国益には直接は関係しない」という、YouTube番組『藤井厳喜の「ワールド・フォーキャスト」』での、飯柴氏の発言を取り上げた。

 岩上安身によるインタビューに答えて、飯柴氏は、2025年2月にホワイトハウスで行われた、トランプ米大統領とゼレンスキー氏との会談での、トランプ大統領の「支援に感謝しろ」という態度について、「あれがすべてを物語っていると思う」と述べ、「地政学的にも離れていますし、米国とウクライナの貿易額もそんなに大きくはない。なので、ウクライナがどうなろうと、正直、米国には直接的な影響はない」と、断定した。

 さらにインタビューは、「日米安保があっても米軍は日本を守らない!」というテーマに入った。

 飯柴氏が、『日米同盟崩壊 もう米軍は日本を中国から守らない』(2011、集英社)を上梓したのは、ウクライナ紛争で米国の「代理戦争」戦略が明らかになるよりずっと前の、2011年である。

 これについて、飯柴氏は、次のように語った。

 「冷戦時代は、運命共同体というか、ソ連とアメリカで撃ち合ったら、もう世界が終わってしまう。だから、アメリカのポリシーイコール日本のポリシーだった。安全保障に関しては、それでよかった。

 次に、中国が台頭してきて、現在、米中戦争の状態にあるわけです。ドンパチがないにしても、いろいろな分野で争いが起きているわけです。

 今の状態では、核戦力は、圧倒的にアメリカの方が強いんですが、この差がだんだんと縮まってきています。(中略)

 (核弾頭数だけでなく)搭載能力も徐々に増えていて、この差がどんどん縮まっている」。

 さらに、最近アフリカのジブチに行ったという飯柴氏は、現地で自衛隊や米軍、フランス軍などの多国籍軍から離れた場所に、中国が港湾施設を整備し、「完全に、中国からの輸送、もしくは海軍艦艇を受け入れる準備が整っていて、海軍基地に転用できるような状況で、陸側は城壁と監視塔で守られていて、中国のやる気を感じた」と、明らかにした。

 その上で飯柴氏は、「米国の識者、特にトランプ政権に近い人達は、中国に対して、本当に敵対心を持っているんですが、日本は、親中の方達が多過ぎる。この辺で、ちょっと日米間で、温度差があります」と、中国への敵対心を示した。

 一方、「日本が核攻撃を受ければ、米国が核の報復攻撃をする」という「核の傘」については、飯柴氏は、次のように、日本で信じられている核抑止の概念とまったく異なる見解を示した。

 「自分が米国で、当時NBC(核・生物・化学)兵器のアメリカ政府のポリシーとして習ったのは、まずは生物兵器は、『リサーチ・研究はする。ただし持つことはない』。これは、実際使わないということです。

 次に化学兵器ですけれども、自分が習った当時は、『こちらからは使わない。ただし、敵国が使った場合は、その報復として使う』。ただ、近年になって化学兵器は全部撤廃するということで、化学兵器は順次撤廃しております。

 核戦力は、これは米国大統領が『使う』と判断したときに、使う。報復だけじゃなくて、先制攻撃もある。

 相手によっては(日本の代わりに報復の核攻撃を)やらない可能性がありますし、先にやる可能性もあるということです」。

 これに対して、岩上安身が「誰かのためにやるのではなく、米国が、米国の国益のためにやるということですね?」と確認すると、飯柴氏は「そういうことです。まったくその通りです」と、肯定しました。

 6月3日に初配信したインタビューの後半では、飯柴氏に、世界を6つの「シアター」に分け、それぞれに統合軍を配置することによって、「世界で何が起きているのかを考慮する」という、米国の軍事戦略について、詳しく解説した。

 6つの「シアター」と統合軍は、北米(北方軍)、南米(南方軍)、ヨーロッパ・ロシア(欧州軍)、アフリカ(アフリカ軍)、中東(中央軍)、インド・太平洋(太平洋軍)である。

 飯柴氏は、「仮に日本に何か問題があったとしても、アメリカとしては、他にやらなければならないことが5つある。下世話な表現ではあるが、愛人がほかに5人いる」と述べた。

 飯柴氏は、「順位は一概にはつけられないんですけれども、インド・太平洋軍というのは、この中でも高い方の順位で、重要であることは、間違いない」が、「ここ(日本)だけに構っている暇はない」と明言した。

■ハイライト 中編

  • 日時 2025年5月25日(日)15:00~
  • 場所 IWJ事務所(東京都港区)

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