IWJ代表の岩上安身です。
本日、午後7時から、総理官邸で岸田総理の会見が行われ、第2次岸田再改造内閣が発表され、ただちに発足となりました!
平均年齢は63.5歳、20人中7人が2世または3世の議員、内閣再改造の隠れた目的は2024年の総裁選! です。
この会見に、当然、岩上安身も出席する意向でしたが、電話をかけてきた官邸報道室から、岩上安身が、トラブルも何も起こしていないのに、総理官邸での総理会見から、今後「排除」されることになると告げられました!
寝耳に水です!
岩上安身は抗議するも、官邸報道室は「結論」を翻さず、昨夜の記者会見には出席できませんでした。このまま、私が、何らか抗議の行動を起こさないと(起こしても)、このまま出席できない状態が続いていってしまうものと思われます。
「フリー」として枠があり、その中で、参加をし続け、きちんとした質問を行って、質疑応答の会見のレベル向上に資する行動を取ってきたという自負があります。このような、会見当日の一方的通告、というのは納得がいきません。
それを急に認めないと評価を覆すのは、あまりに恣意的です。
この問題には、いくつか背景もあり、別の機会にきちんと事情を述べていきたいと思います。
さて、内閣改造に話を戻します。
2022年8月10日の内閣改造に続く、2回目の内閣改造となります。
今回の再改造では、改造前の閣僚19人のうち13人が交代することになります。
注目すべきは、新型株「エリス」「ピロラ」の登場で、第9波を迎えつつある中、ワクチン接種後後遺症に対して、厳しい批判が巻き起こり、「ワクチンさえ接種すれば大丈夫」という「神話」が崩れつつある日本で、どう第9波に立ち向かうのか、手腕が問われる厚労大臣。
また、「ウクライナ=正義・善、ロシア=悪魔」という、これもまたにわか作りの「神話」が崩れ、しかも戦況はウクライナの敗色が濃いという状態で、日本は、対米追従を続けるのか? 同じ「代理戦争」モデルにおいて、「台湾有事」をきっかけに、日本が「第2のウクライナ」を引き受けるのか、というこれまでの判断を修正できるのか、という外務・防衛の新閣僚の力量と見識です。
新閣僚の顔ぶれは次のとおりです。
総理:岸田文雄(66)岸田派
・東京都渋谷区出身。早稲田大学法学部卒業。衆議院議員(10期)、内閣総理大臣(第100代・第101代)、自由民主党総裁(第27代)、宏池会会長(第9代)。祖父の岸田正記衆議院議員から続く3世議員です。
総務:鈴木淳司(65)安倍派 新入閣
・愛知県瀬戸市陶原町生まれ。早稲田大学法学部卒業。総務副大臣(第4次安倍第2次改造内閣)、経済産業副大臣(第3次安倍第1次改造内閣)、総務大臣政務官(福田康夫改造内閣・麻生内閣)、衆議院法務委員長、自由民主党副幹事長、瀬戸市議会議員(2期)等を務めました。
法務:小泉龍司(70)二階派 新入閣
・埼玉県秩父市生まれ。衆議院議員(7期)。1975年、東京大学法学部第2類(公法コース)を卒業し、大蔵省に入省(国際金融局総務課)。本省勤務の他、アメリカ合衆国コロンビア大学大学院の客員研究員も務めました。1996年4月、大蔵省を退官。2000年の第42回衆議院議員総選挙埼玉11区から無所属で出馬し、自民党前職の加藤卓二を破り初当選しました。
外務:上川陽子(70)岸田派 新入閣
・静岡県静岡市生まれ。東京大学(国際関係論)、ハーバード大学ケネディスクール卒業。衆議院議員(7期)。法務大臣(第94・95・98・99・103代)、公文書管理担当大臣(福田康夫内閣)、内閣府特命担当大臣(少子化対策、男女共同参画)(第1次安倍改造内閣・福田康夫内閣)、総務副大臣(第2次安倍内閣)、などを歴任しました。上川陽子外相は法相時代、死刑執行命令数が16人で最多となり話題となりました。
ウクライナでいくら犠牲者が出ようとお構いなく、武器支援を続け、紛争継続への強い意志を見せ、従属国に対しても、その方向性で強い圧力をかけているバイデン政権に対して、ウクライナ紛争の不要な流血はやめて、一刻も早い停戦を実現させ、死ななくていい、ウクライナとロシアの若者の犠牲を減らすリーダーシップがとれるのか?
そもそも、そうした対米追従にブレーキをかける、という胆力と見識が備わっているのか、法務大臣の時の、毎回の会見での決断力のない、無難に言葉を費やして、中身は何もない答弁の回答が続くのかと思うと、ほとんど期待はできず、岸田総理の示した方向性で、「優等生答弁」を続けるだけになるのではないかと、あまり期待は高くありません。
「優等生の従属」は、岸田総理自身もそうであり、何より、日本をコントロールする米国にとって、統治コストがかからない、理想の「パペット(操り人形)」でしょう。また、台湾をめぐる米中のエスカレーションをどのように抑止できるのか、というテーマも、ウクライナ紛争への姿勢を見ていればわかります。「台湾有事」を理由に、米国が仕掛けた対中「代理戦争」は、あくまで米国人が日本人を使うのが前提です。真の平和外交が問われます。
血を流すのは日本人です。徹底したプロパガンダで、その事実が見えにくくなっていますが、霧を払ってみれば、日本が「次のウクライナ」にされてしまうわけで、これまでの外務大臣は、日本の外交をになっているのではなく、ワシントンの外交の支局のようなあり様でした。
上川氏は、公式サイトによれば、静岡雙葉学園から、東京大学(国際関係論専攻)へ進学、最終学歴は、ハーバード大学ケネディスクール卒業(政治行政学修士・フルブライト奨学生)となっています。上川氏は、政治動機として「留学時代に海外から日本を眺め、改革の必要性を痛感したこと」を挙げています。
第35代大統領のジョン・F・ケネディの名を冠した、ハーバード大学ケネディスクールは、国際公共政策分野、政治学・国際関係学の分野で高い評価を受けています。上川氏は国際関係学分野で、世界トップククラスの環境で学んだことになります。
- プロフィール(YOKO KAMIKAWA、2023年9月13日閲覧)
とはいえ、外交というものは机上で学ぶことと、実際の現場では相当に異なる手腕が必要となります。これまで、外交経験の下積みもない上川氏を外務大臣にすえることは、ほんのお飾り程度にしか、ならないかもしれません。日本にとっては、実は、多難、米国にとっては好都合の配置と思われます。
財務:鈴木俊一(70)麻生派 留任
・鈴木氏は、早稲田大学教育学部卒業、衆議院岩手2区選出の当選10回で70歳。自民党麻生派に所属しています。鈴木善幸・元総理大臣の長男で、麻生副総裁の義理の弟です。父親の秘書を経て、平成2年の衆議院選挙で初当選し、これまでに環境大臣やオリンピック・パラリンピック担当大臣、それに党の総務会長などを歴任しました。
文部科学:盛山正仁(69)岸田派 新入閣
・兵庫県西宮市出身。東京大学法学部から、神戸大学大学院経営学研究科・博士(商学)。衆議院議員(5期)、武庫川女子大学客員教授、玉川大学客員教授、同志社大学客員教授、聖心女子大学講師。法務副大臣(第3次安倍第1次改造内閣・第3次安倍第2次改造内閣)、法務大臣政務官(第2次安倍内閣)、衆議院厚生労働委員長を歴任しました。
9月7日に文部科学省が統一教会に対し、行政罰である「過料」を科すよう裁判所に通知したことを受け、教団側が8日、記者会見を行い、文科省の質問権の行使自体が、質問権の要件を欠き違法であり、回答拒否に対する過料は認められないと主張しました。
この問題をどうさばくか、注目されます。
厚生労働:武見敬三(71)麻生派 新入閣
・参議院議員(5期)。慶應義塾大学法学部政治学科卒業後、同大学法学研究科修士課程で法学修士取得。東海大学政治経済学部政治学科助手・助教授を屁手、1995年に教授就任。同年に参議院議員に初当選しました。
厚生労働副大臣、参議院外交防衛委員長、自由民主党参議院政策審議会長を歴任しました。内閣最年長であり、厚労行政は、父親の日本医師会会長だった武見太郎以来、「世襲」のようなものであって、「素人」の「落下傘大臣」とは、「違い」を見せてもらわねば困ります。第9波の新型コロナ、しかも「エリス」、「ピロラ」という新株の登場で、かつ、ワクチンへの不信がきわめて高く、決め手を失った状態で、このコロナの大波にどう対処するのか、注目されます。
武見大臣の見識や、決断次第では、多くの人が救われたり、逆に、死に直結したりもします。重責であり、新しいコロナに感染しうる1人の生身の国民として、不安と期待を抱きながら、その去就を注視していきたいと思います。
農林水産:宮下一郎(65)安倍派 新入閣
・愛知県名古屋市出身。東京大学経済学部卒業。衆議院議員(6期)、元内閣府副大臣(第4次安倍第2次改造内閣)、元財務副大臣(第2次安倍改造内閣・第3次安倍内閣)を歴任しました。父は元厚生大臣の宮下創平で、2世議員です。
経済産業:西村康稔(60)安倍派 留任
・西村氏は、東京大学法学部卒業後、メリーランド大学大学院修了。衆議院兵庫9区選出の当選7回で、60歳。旧通産省を経て、平成15年(2003年)の衆議院選挙で初当選しました。第2次安倍内閣以降、官房副長官などを務めたあと、経済再生担当大臣として初入閣し、新型コロナウイルス感染症対策担当大臣としても、新型コロナの感染対策などに取り組みました。
コロナの感染抑制を担当していた時は、ひたすら「人流」を抑えること、国民へもその協力を呼びかけ、致し方ないことですが、結果としては消費の冷え込みを招いてしまいました。
今回、経済産業大臣として留任し、経済の成長と、産業の振興に、引き続き力を入れなければなりません。自ずとコロナ対策はできるだけ軽く、「人流」の制限は、避けたいはずです。このあたりのバランスをどう取るのか、武見厚労大臣の動きともあわせ、注視が必要です。
岸田政権は、岸田首相自らが、公式の記者会見の中で、「国際法の中心はG7だ」と、数十年前のような認識を、ためらいもなく披瀝しています。
経済の分野では、何よりもインフレ抑制が緊急課題となっています。これは、世界経済秩序の中心が、G7からBRICSなどのグローバル・サウスに移行し、この変化にどう適応するのか、という政策判断と一体となるはずです。ドルを基軸通貨とし、ロシア制裁によるブロック経済化を推し進めるG7から、どのように距離を取るのか、という問題でもあります。この点が注目されます。
国土交通:斉藤鉄夫(71)公明党 留任
・斉藤氏は、東京工業大学理学部応用物理学科卒業後、同大で工学博士。衆議院広島3区選出の当選10回で、71歳。公明党の副代表を務めています。建設会社勤務を経て、平成5年の衆議院選挙で初当選し、これまでに環境大臣や党の幹事長、政務調査会長などを歴任しました。
環境:伊藤信太郎(70)麻生派 新入閣
・宮城県加美町出身。慶應義塾大学大学院法学研究科政治学専攻修士課程修了後、ハーバード大学大学院で人文修士。衆議院議員(7期)、内閣府特命担当大臣(原子力防災)、外務大臣政務官・外務副大臣を歴任しました。元衆議院議長を務めた伊藤宗一郎の長男で2世議員です。
防衛:木原稔(54)茂木派 新入閣
・熊本県熊本市出身。早稲田大学教育学部卒業。衆議院議員(5期)、衆議院国土交通委員長、日華議員懇談会事務局長、内閣総理大臣補佐官(国家安全保障に関する重要政策担当)(第4次安倍第2次改造内閣・菅義偉内閣)、財務副大臣(第3次安倍第2次改造内閣・第3次安倍第3次改造内閣・第4次安倍内閣)、防衛大臣政務官(第2次安倍内閣)などを歴任しました。
台湾をめぐる米中対立と日本が東アジアの米中の代理戦争に巻き込まれるリスクが高まっている中、どのように、エスカレーションを抑えるのか、手腕が問われます。防衛大臣も、要職です。
官房:松野博一(61)安倍派 留任
・松野氏は、早稲田大学法学部卒業後、財団法人松下政経塾卒塾。衆議院千葉3区選出の当選8回で、61歳です。自民党安倍派に所属しています。会社員や松下政経塾を経て、平成12年の衆議院選挙で初当選し、6年前の第3次安倍第2次改造内閣で文部科学大臣として初入閣し、その後、自民党の総務会長代行などを歴任しました。
デジタル:河野太郎(60)麻生派 留任
・河野氏は、慶応義塾大学経済学部から、ジョージタウン大学・比較政治学専攻。衆議院神奈川15区選出の当選9回で、60歳。父は自民党総裁を務めた河野洋平・元衆議院議長です。自民党麻生派に所属しています。平成8年の衆議院選挙で初当選し、これまでに外務大臣や防衛大臣を歴任し、菅内閣では、規制改革担当大臣を務め、新型コロナのワクチン担当の大臣として、接種の促進に取り組みました。
そのワクチン接種の後遺症が大きな問題となっています。その現状を、河野大臣はきちんと受け止め、対処できるでしょうか?
岸田内閣のデジタル大臣としては、河野氏自身がデジタル大臣であった時に、公金受取口座に家族名義の口座が誤って登録される事案が、13万件確認されるなど、マイナンバーカードに、トラブルが頻発しています。2024年秋に保険証を廃止し、マイナンバーカードと一体化するスケジュール(最も遅い場合でも2024年12月8日に保険証を廃止することが法律で定められている)によって、さらに、混乱と不信と不安に拍車をかけています。
これにどう始末をつけるのでしょうか!? 厳しい視線が注がれると思います。
復興:土屋品子(71)無派閥 新入閣
・東京都港区出身。聖心女子大学文学部歴史社会学科卒業。衆議院議員(8期)、外務大臣政務官(第1次小泉改造内閣)、環境副大臣(第1次安倍内閣)、厚生労働副大臣(第2次安倍内閣)、衆議院外務委員長、自民党副幹事長などを歴任しました。土屋品子氏の父は土屋義彦元参院議長で、2世議員です。
国家公安:松村祥史(59)茂木派 新入閣
・熊本県球磨郡上村生まれ。専修大学経営学部卒。参議院議員(4期)、国土強靭化担当大臣、領土問題担当大臣、内閣府特命担当大臣(防災、海洋政策)。参議院議院運営委員長、経済産業副大臣(第3次安倍第2次改造内閣)等を務めました。
文科省の所管ではありますが、過料を科す、という文科省の姿勢に、さっそく統一教会は反発を示しています。現在も、統一教会は、洗脳した信者らを使って違法性の疑われる経済活動を、行っています。
今回の警察のトップである国家公安委員長は、そうしたカルトビジネスを許さず、検挙する、というトップとしての姿勢を見せ、強い指示をくだすべきです。
山谷えり子元国家公安委員長が、統一教会との癒着で、大きな問題となりました。統一教会が警察権力を支配したことで、統一教会に対する適正な捜査が妨害された可能性があります。統一教会から、もっともアプローチを受けやすい職務となり、注目されます。
こども政策:加藤鮎子(44)谷垣G 新入閣
・山形県鶴岡市生まれ。慶應大学法学部卒業、米国コロンビア大学院で国際公共政策(経済)修士。衆議院議員(3期)、国土交通大臣政務官、環境大臣政務官兼内閣府大臣政務官、自由民主党山形県連会長を歴任しました。父は加藤紘一元自民党幹事長。2世議員です。
経済再生:新藤義孝(65)茂木派 新入閣
・埼玉県川口市出身。明治大学文学部 日本文学科卒業。衆議院議員(8期)、新しい資本主義担当大臣、スタートアップ担当大臣、感染症危機管理担当大臣、全世代型社会保障改革担当大臣、内閣府特命担当大臣(経済財政政策)などを歴任しました。
経済安保:高市早苗(62)無派閥 留任
・高市氏は、神戸大学経営学部経営学科(経営数学専攻)卒業後、松下政経塾卒塾。衆議院奈良2区選出の当選9回で62歳。自民党では無派閥で活動しています。平成5年(1993年)の衆議院選挙で、無所属で初当選し、旧新進党などを経て、その後自民党に入党しました。安倍元総理大臣と政治信条が近かったことで知られ、安倍政権当時、総務大臣や自民党の政務調査会長などを務めました。
地方創生:自見英子(47)二階派 新入閣
・長崎県佐世保市生まれ。筑波大学第三学群国際関係学類卒業、東海大学医学部医学科卒業。参議院議員(2期)、内閣府大臣政務官(第2次岸田改造内閣)、元厚生労働大臣政務官(第4次安倍第2次改造内閣)を歴任しました。父は自見庄三郎元郵政相で2世議員です。
平均年齢は63.5歳です。
前回の改造内閣が62.65歳ですから、1歳高くなったことになります。70代が7人も入閣しています。
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