12月16日、午後1時より、IWJ事務所から、岩上安身による元内閣官房副長官補・国際地政学研究所理事長 柳澤協二氏インタビュー「『戦場で勝って戦争に負けた』9.11以来の米国の対テロ戦争! その『見果てぬ夢』の続きを中国との戦争で! 『国が戦争し日本が巻き込まれていく』危険な日米同盟の一体化!(2) 」を生中継した。
米軍のアフガニスタン完全撤退を受けて行われた9月14日のインタビューの続編である。
冒頭、岩上安身が、これまでは東アジアにおける米中対立が激化して台湾有事、つまり戦争のリスクが高くなっているのではないかとおうかがいすると、いつも「そんなことはないですよ、戦争にはならない」と諫めてくれるのが柳澤氏だったのに、8月の記者会見では、まさかの戦争発火を本気で懸念されているように見えた、と問いかけた。
岩上「台湾有事とは何か、何をするのか国民に対して説明がない。ロジスティックなど、どこかで密かに研究されているんですか?」
柳澤氏「していないと思いますよ。かつての戦中派の政治家とは違って、最近の政治家の発言を聞いていると、戦争っていうものがわかっていない。まったく知らないんだなと思います。
『戦争』っていう言葉が気楽に出てくるようになりました。戦争をするということになれば、日本に何が起こるのかまったく考えていないのではないでしょうか。
一隻、船が沈没すれば、自衛官が乗っていますから、200人くらいは亡くなります。米軍基地周辺の住民は本当に大丈夫なのか、避難できるのか。そういう検討をちゃんとしていないのではないでしょうか。
海洋で戦争になれば、船が止まります。日本のようにエネルギー資源をほとんど輸入に頼っている国は、どうなってしまうのか。食料自給率も37%しかない。国民が今の3割くらいの食事で我慢をするのか」
岩上「戦争となれば、弱者にまずしわ寄せがきますから」
柳澤氏「戦争というのはどちらがより長くより多く、被害に耐えられるかということなんですね。そこを理解しないで、戦争の話をするのは愚かです。それが危ないと思います。
持ちこたえる力が一番弱いのは日本。政治は、戦争をどのくらいで、どういう手を打って終わらせるのかを考えないといけないんです。
何があっても『台湾有事だけは起こさせちゃいけない』という、日本に一番必要なメッセージが与野党ともない」
以下、北京五輪の外交的ボイコット問題、12月9日にバイデン大統領が主催した「民主主義サミット」、憲法改正、米中関係の不均衡、米軍の地政学的戦略の有効性と日本への影響、危機的なレベルに高まっている台湾有事のリスクのもとで、日本の政治が担うべき役割などについて多角的にお話を伺った。
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