2022年1月27日に行われた岩上安身による孫崎享氏インタビューの最終回である。なお続編のインタビューが1月31日に行われ、引き続き「岩上安身のIWJ特報!」としてお届けする予定だ。
ビクトリア・ヌーランド米国務次官は、次官補だった2014年当時、ウクライナの親ロ政権を倒した「ユーロマイダン」事件に関与。新政権の人事にまで口出ししたことが暴露された。
孫崎享氏は、ウクライナを陰で操るヌーランド氏を、リチャード・アーミテージ氏ら「ジャパンハンドラー」同様と指摘する。一方、岩上安身は、2022年のウクライナ紛争にもヌーランド氏が関与するため、「ロシアの偽旗作戦」という米国の発表自体、ロシアへの武力攻撃の口実の「偽旗作戦」ではないかと疑問を呈した。
しかも、ヌーランド氏を国務次官に抜擢したバイデン大統領は、「ユーロマイダン」事件当時、オバマ政権におけるウクライナ担当の副大統領だった。同年、息子のハンター・バイデン氏がウクライナの天然ガス会社の取締役に就任、月約5万ドルの報酬を得て便宜を図ったという「ウクライナ疑惑」が発生している。孫崎氏は「ウクライナ問題の中核はバイデンだ」と喝破。米政権の「闇」に光が当てられていく。
さらに孫崎氏は、ウクライナをはじめ、米国本土から離れた場所で紛争の火種を仕込み、危機を作り出す米政権のやり口は、台湾問題も同様だと指摘。岩上安身は、日本列島への中距離ミサイル配備で中国と対峙させる、米国の戦略に乗せられず、どのように国益を守るべきか問うのである。