2024年1月16日、午後1時より、東京都千代田区の厚生労働省にて、齋藤健経済産業大臣の記者会見が開催された。
会見冒頭、齋藤大臣から、この日の閣議後に官邸での非常災害対策本部会議に出席し、最新の被害状況・対応状況について報告を行い、その後、経済産業省内の非常災害対策本部を開催した旨の報告があった。
また、齋藤大臣から以下の通り、被災地の現状につても報告があった。
「昨日で(地震発生から)2週間ということで、220名を超える方々がお亡くなりになり、いまだに安否がわからない方がおられます。
改めてお亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、被災されたすべての方々に対し、心よりお見舞いを申し上げたいと思います。
被害状況ですが、まず電力につきましては、停電は残り約8100戸となっています。
規模の大きな避難所は、アクセスが困難な箇所を除いて、おおむね電気をお届けできており、その他の避難所等につきましても、自治体の御要望や2次避難の状況を確認しながら、復旧作業や電源車による代替供給、これを進めている(後略)」。
大臣からの報告に続いて、大臣と各社記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、ウクライナ紛争における「対ロシア制裁」について、以下のように質問を行った。
「ロシアメディア『スプートニク』が11日付けで、『米国がロシア産原油を10月と11月に購入した』とスクープしました。
また、11日付け『プラウダ』は、『米国は10月、11月に、石油価格上限制裁の1バレル60ドルを超える74ドルから76ドルで、ロシア産原油を購入した』と報じました。
さらに、『グローバル・ウィットネス』(天然資源にまつわる紛争と汚職そして関連する環境破壊と人権侵害を 防ぐために調査とキャンペーンを行っている国際NGO)は、昨年2023年11月16日付の記事で、『米国は第三国で精製されたロシア産原油を購入し続けている』と指摘しています。
米国は、自ら主導して対露制裁に加わるよう同盟国に求め、ロシア産原油の禁輸措置や、ロシア産原油の価格上限設定を課してきましたが、これらの報道が事実であれば、米国による日本や欧州の同盟国への『裏切り』ではないでしょうか。
まず、米国から日本に、ロシア産原油の購入についてなんらかの断りや連絡があったのか、ご教示ください。
また、現在、『ウクライナに勝ち目なし』として、欧米諸国はウクライナへの支援を次々と打ち切っています。そして、ロシアの実質GDP成長率は2023年で2.2%とむしろ伸びています。日本のエネルギー安全保障のためにも、百害あって一利なしといえる対露制裁をやめようと、G7に求めるお考えはありますでしょうか?
仮にG7で答えがまとまらずとも、米国のロシア産石油輸入の事実が確認できれば、今後、日本は戦乱が広がる中東からの石油の輸入も危ぶまれますし、リスクヘッジのためにも、エネルギー安全保障のためにも、国益のためにも、ロシア産石油の輸入に単独でも踏み切るべきではないかと考えますが、大臣のご見解をうかがわせて下さい」。
この質問に対し、齋藤大臣は以下の通り答えた。
「今、御質問いただいた中にある、さまざまな報道、こういったことは、もちろん承知をしております。
ただ、米国の輸入状況等の個々の事実関係につきまして、私どもの方からお話をするというのは、やはりそこは差し控えるべきなのではないかなと思いますので、これはぜひ、米国の方にお尋ねをいただけるか、そういう話じゃないかなというふうに思っています。
その上で、ロシアの石油収入を減少させ、国際エネルギー市場の混乱、これを回避し、エネルギー価格の上昇圧力、これを緩和させることを狙って、御案内のように2022年9月にG7で合意した『プライスキャップ制度』下におきましては、一定の上限価格以下であれば、ロシア産の原油の輸入が許容される、こういう仕組みになっています。
米国においても、『プライスキャップ制度』にもとづく運用が行われていると、私どもは承知をしているところであります。
我が国としては、ロシア産原油への制裁については、G7と連携しつつ、我が国のエネルギー安定供給を損なうことのないように、総合的に判断し、適切に対応するというのがスタンスでございますので、御理解いただけたらなというふうに思います」。
齋藤大臣からの冒頭報告、そして、質疑応答など、記者会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。