「(スポーツ賭博を財源に部活動の指導者を雇うという)毎日新聞報道は正しくない」!!「オンラインカジノは違法だとIR法案を提出したがスポーツ賭博規制は考えていない」!?~2.1 萩生田光一 経済産業大臣 定例会見 2022.2.1

記事公開日:2022.2.1取材地: テキスト動画
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(取材・文・木原匡康)

 2022年2月1日(火)、萩生田光一経済産業大臣の定例会見が経済産業省にて開催され、IWJが生中継した。事前に司会者より、国会があるため大臣は9時20分頃退出する旨アナウンスされたが、始まったのは9時15分過ぎだった。

 萩生田大臣からの報告はなく、記者からの質疑応答が行われた。IWJ記者は以下の質問を行った。

IWJ記者「スポーツベッティング、すなわちスポーツ賭博についてうかがいます。

 1月21日付け毎日新聞が『部活動改革の後押しを旗印に、プロスポーツの試合展開や勝敗を賭けの対象にする「スポーツベッティング(賭博)」を解禁するアイデアが政府内で浮上している。海外で広がるスポーツ賭博を国内でも普及させて収益を上げ、それを財源に部活動の指導者を雇って教員の負担軽減につなげようというのだ』と報じました。

 確かに、経済産業省による『地域×スポーツクラブ産業研究会』の昨年6月25日の第1次提言には、高校生の部活動を有償で地域に移行し、財源の一つとしてスポーツベッティングの収益をあてると読める構想があります。

 しかし、この提言の担当部署である経済産業省商務・サービスグループ サービス政策課のご担当者は、IWJの取材に対して、『「あてよう」と、私たちがストレートに言っていないのは、お読みいただくとわかると思います。そこはぎりぎりなので、今回の毎日さんのは完全な誤報で、うちの大臣に聞かれても「誤報です」って答えますから』と回答されました。

 この点について、萩生田大臣も同じ『誤報』というご認識でしょうか?

 また、そもそも『法の空白』状態になってしまっている海外のサイトにオンラインでベッティングが広がっている現状を放置していいのでしょうか? 海外サイトのオンラインベッティングに賭ける行為は、現状、賭博罪に該当するとお考えでしょうか? 法務省も、警察庁も『個別の案件による』としており、グレー回答です。

 ここはグレーゾーンにせず、国内外のオンライン賭博は、合法か違法か、法の『空白』をつくらないように、法改正等が必要と考えますし、その場合の不正行為や八百長行為への罰則も明らかにすべきと思います。そのあたりの大臣のご見解もお聞かせください」

萩生田大臣「まず、スポーツ庁と経産省で研究会を行っているのは事実でありますけれども。

 私もついこの間まで向こう側(文部科学省)にいましたんで、与党の皆さんからも、部活動のあり方ですとか教員の働き方改革の中で、新たなマンパワーを現場に入れるための財源をどうするかべきかという、一つの案として提案をされていたということは承知してますけれど、そもそも学校教育の場ですから、何もその賭博で得た利益で人件費を稼ごうなんていうことは、少なくとも現時点では考えておりません。それはそれで、きちんと人員配置をするべきだと思ってますので。

 そこは、違う意味で、スポーツ振興のための財源をtotoのみに頼らず、新しい財源を見つけていこうという中での研究をされてるんだと思いますので、そういう意味では、毎日新聞の報道っていうのは、正しくないというふうに、私も思います。

 その上でですね、スポーツベッティングについては、早くから合法とされている英国をはじめとする欧州諸国だけではなく、2018年度以降は米国でも多くの州において合法化が進められており、世界的な市場が拡大をしていることは承知してます。

 日本国内からオンラインでそうした場に参加するということの違法性の判断については、一般論としては、賭博行為の一部が日本国内で行われた場合は、賭博罪が成立することがありますが、犯罪の成否は捜査機関により個別に判断されるものであり、私からコメントすることは差し控えたいと思います。

 スポーツベッティングのように、その違法性の判断を含めたガイドラインのようなものを策定することは現時点で考えておりませんが、たまたま私、議員立法でIR法案を提出している提案者でございまして、カジノに関して申し上げると、これはオンラインカジノは違法だということで、したがって新しい法律が必要ということで、ああいう手続きを取りましたので、それだけは明らかにしておきたいなと思っています。

 他の賭け事については、法務大臣も非常に言葉を選んで答弁されていた通りでありまして、個別のいろんな状況があるのかもしれませんので、私からはこの場ではこれ以上は控えさせていただきたいなと思います」

IWJ記者「毎日新聞さんのは一応『誤報』という言い方で…」

萩生田大臣「私は『誤報』という言い方を使うのはどうかと思うので、『正しくない』と」

 大臣は「オンラインカジノは違法」と述べた。2018年成立した特定複合観光施設区域整備法(IR実施法)では、「カジノ行為」について、「同一の施設において、その場所に設置された機器又は用具を用いて」と規定している。また、総理が本部長を務める特定複合観光施設区域整備推進本部の2017年資料「IR推進会議取りまとめ(概要)」p.25に「オンラインカジノの禁止」、同じく「特定複合観光施設区域整備推進会議 取りまとめ」p.44に「カジノ施設外から参加できるオンラインゲームは不可」と記載されている。

 しかしいずれも、海外にサーバーを置くオンラインカジノを想定した記述ではないようだ。

■全編動画

  • 日時 2022年2月1日(火)8:55~
  • 場所  経済産業省本館 記者会見室(東京都千代田区)

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