海洋放出を急ぐ処理済汚染水! ことあるごとに「廃炉に支障が出る」と主張する東電にIWJ記者は「廃炉は見通しが立っていない! 論理的に破綻している!」と指摘~10.19東京電力 定例会見 2020.10.19

記事公開日:2020.10.23取材地: テキスト動画
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(取材・文:渡会裕)

※2020年12月11日、リードを追加しました。

 2020年10月19日、東京千代田区の東京電力臨時会見場で定例の記者会見が行われた。

 会見では、福島第一原子力発電所に貯留している、トリチウムを含む処理済汚染水の海洋放出について、東京電力の態度をただす質問が集中した。海洋放出については、梶山弘志経済産業大臣が10月27日にも方針を述べると見られていた、

 海洋放出は、地元の漁業関係者を始め、根強い不信感がいまだ拭えない。この時期の決定は、時期尚早ではないかとの世論に対して、東電は貯留タンク増設の敷地がないため、2022年夏にタンクの貯水量が飽和を迎えると主張している。

 タンク増設の余地がないと主張している東電に対し、「敷地内にはまだ空き地があり、増設は可能なのではないか」、と質問する記者に対して東電は、今後行われるであろう、燃料デブリ取り出しのための施設の敷地確保を理由として掲げ、タンクの増設が、廃炉作業を遅滞させると主張する。国と東電は、廃炉までの工程を、今後30年程度としているが、廃炉作業の見通しは事実上立っていない。

 IWJ記者は、廃炉作業の見通しが立たないがゆえに、敷地利用計画も立っていないことを指摘。政府のトリチウム水タスクフォースでは、処理済汚染水の5つの処理案が提示されていたが、地元産業が甚大な被害を被るのにもかかわらず「圧倒的に安くて早い」ことを理由に事実上海洋放出案だけに絞られ、加害者側だけが経済的利得を得る点を矛盾だと述べた上で、東電に対し、国の決断の前に自主的対応をうながした。

 これに対して東電の柏木・広報担当は「情報をはっきり正確に出していく、透明性を確保していく、風評のところに対してしっかり対応していく」と動揺を隠せず、わけのわからない返答に終止した。

■全編動画

  • 日時 2020年10月19日(月)17:00~
  • 場所 幸ビル(東京都千代田区内幸町)
  • 詳細 東京電力ライブストリーミング

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