2020年8月31日、東京都千代田区の東京電力臨時会見場で、東京電力による定例の記者会見が行われた。
東京電力は、福島第一原子力発電所建屋内で発生する高濃度放射能汚染水の水量を、1日当たり150立法メートル以内に抑え込むことを目標にしている。
この日の会見で東京電力は、福島第一原子力発電所の「建屋への地下水ドレン移送量・地下水流入量等の推移」について、降水量が1週間当たり2ミリメートルであるにもかかわらず、建屋への地下水・雨水の流入量が189立法メートル(通常は20立法メートル台)であったことを明らかにした。
このデータの矛盾について記者から理由を聞かれた東電は、建屋内の水位によっては建屋内の設備・什器の影響が大きくなり、計算上の誤差が生じる、との説明をした。
IWJ記者が、「誤差があるなら修正値は出すのか?」と問いただしたのに対して、八木秀樹・広報担当は「あらためてこの値を直すという事は、今、考えていないが、この後正確になるようなことを検討していく」と答えた。
福島第一原子力発電所内に貯留している処理済み汚染水のタンクが、満水になる時が近づいているこの時期に、データの誤差の影響は少なくない。