2020年8月3日、東京千代田区の東京電力で、定例の記者会見が行われた。新型コロナ対策で、メディアの記者達は別会場に待機、東電本店からインターネット経由による中継での会見となった。
同日、東京電力福島第一原子力発電所の3号機では、41回目となる使用済核燃料プールからの搬出のため使用済核燃料をキャスク(輸送容器)装填作業を開始。これにより3号機の燃料装填体の数が、566体中287体となり、50パーセントに達した、と報告があった。
ただし、燃料の変形など何らかの原因で、核燃料が燃料取出し装置の規定荷重で取り出せない燃料や3号機爆発の際の瓦礫が燃料プールに落下した際、燃料のハンドルが変形して取り出せない物があるという。
東電はこれらの対策についても計画的に対応して行くことで、2020年度末に燃料の取り出しを完了するとした。
また、福島第一原発内の5・6号機建屋滞流水を一時貯留していたメガフロートは、津波発生時に漂流物となり周辺設備を損傷させるリスクがあるとして、内部を除染しモルタルを充填することにより港湾内に着底させ、護岸および物揚げ場として活用することが知らされた。
今後は護岸整備工事や盛土工事を実施して整備し、2021年度内に活用開始を目指していくとした。
メガフロート着底工事を行っている護岸エリアの放射線観測井では、今年に入って放射線濃度の最高値を更新している地点が、複数個所存在している。
その原因が、メガフロート工事に起因しているのではないかと記者から指摘されると、東電広報担当の八木秀樹氏は「護岸エリアが汚染されているのは周知のとおりだが、地下水の流れによって観測井から放射性物質が観測されている」、「放射性物質の分布や地下水の流れの詳細がわかっていないので工事に起因するかは、分からない」と回答した。