2020年9月28日、東京千代田区内幸町の臨時会見場で、東京電力の定例会見が行われた。
会見で、八木秀樹・広報担当は前日の9月24日に発生した、雑固体廃棄物(放射線汚染エリアで使用または残置された樹脂、布、瓦礫など)焼却設備内で、焼却炉の2次燃焼器バーナ取付台座から蒸気様の気体の漏出があったことを明らかにした。
漏れたガスは雑固体廃棄物を焼却した直後、二次燃焼器に入る前のものであるため、投入した素材から排出される毒性のガスや放射線を取り除く行程を通過していない。
八木氏は設備内の放射線の「空間線量を測定したところ、測定結果は1マイクロシーベルトで、バックグラウンドと同等だ」と述べ、問題はないとした。施設内に放出され希薄化された放射線を測定しただけで、すぐ問題ないと結論付けた東電に対し、記者達は漏出した気体の測定値を追及。八木氏は、漏出気体そのものは測定していないことを認めた。
また、IWJ記者も2次燃焼器前の漏出なら、素材から出る有毒ガスについて測定した結果を示すよう要求したが、測定自体の有無も測定結果も「手元に資料がないので回答は控える」として、回答することはなかった。