2020年10月1日、東京・千代田区の東京電力臨時会見場で、東京電力による定例の記者会見が開かれた。
東京電力福島第一原発事故をめぐり、2018年10月から始まった国と東電に損害賠償などを求めて、福島県内の住民や避難者ら約3700人が訴えた訴訟の控訴審判決が、この会見前日の9月30日に、仙台高等裁判所であった。上田哲裁判長は、「国が津波を予見し東電に安全対策を指示すれば事故を防げた」として、国と東電の責任を認める判決を言い渡した。
国が被告となった原発事故の集団訴訟では、各地で地裁の判断がわかれているが、高裁が国の責任を認めた判決は初めてだ。
会見でIWJ記者が、判決で指摘していることの重要性に鑑みて「東京であらためて会見を開く考えはあるか?」と質問したのに対し、東電の松尾桂介・広報担当は「現時点で特にそういった予定はない」と答えた。