2021年11月19日(金)11時半より、外務省にて、萩生田光一経済産業大臣の定例記者会見が行われた。萩生田大臣からの報告はなく、参加メディア各社からの質疑応答が行われた。
時事通信記者は、「アメリカのバイデン大統領が同盟国などに対し備蓄原油の放出を要請しているが、この要請に対してどのように対応するのか」と質問した。
- 米、石油備蓄放出の検討要請 日本や中国に(ロイター 11月18日)
萩生田経産相は、「報道については承知している。日米間で日頃から様々なやり取りをしていますがその一つ一つについてコメントすることは差し控えたい」と答えた上で、次のように語った。
「経済産業省としては、引き続き原油価格の高騰が国際的なエネルギー市場の動向や日本経済に及ぼす影響を注視しつつ、産油国に対し増産の働き掛けを続けていくこととともに、IAE(Institute of Applied Energy 一般財団法人エネルギー総合工学研究所)、米国との連携を強化して、エネルギー市場の安定化に取り組んでいきたい」。
また、読売新聞記者が、「ガソリン価格の抑制策を打ち出したが、歓迎の声がある一方で、一部からは、効果が不透明であること、石油業界に限定した支援策であることへの批判があるが、これに対する大臣のご意見をお聞かせいただきたい」と質問した。
- ガソリン価格170円超なら補助金 元売りに最大5円、支給案(朝日新聞デジタル 11月16日)
これに対して萩生田大臣は、以下のように答えた。
「現在の原油価格の高騰を受け、業種別の既存の対応策があるけれども、これに加えて時限的、緊急避難的な、激変緩和措置を検討している。
まず小売価格の上昇が適切に抑制されるように、元売り、小売りを始め、その他各地の団体と連携しながら制度の趣旨を広く周知広報していきたいと思う。
あわせて、全国の小売り価格の推移を各地の団体などが連携して調査をし、価格が抑制されているかモニタリングすることを検討しています。支援の効果が国民の皆様にスピーディーに行き渡るように対応していきたいと思っている」。
IWJ記者は、以下の質問を携えて会見に臨んでいたが、質疑の機会はなかった。
「米国政府が日本、韓国、インド、中国に石油備蓄放出の検討を要請したことが報じられています。70年代のオイルショック以来、我が国は、石油の備蓄に力を注ぎ、常に原油価格の高騰から70年代の狂乱物価といわれるインフレを招かないようにしてきたはずです。
米国の要請を跳ね返すべきなのか、それとも備蓄がなくなる危険を冒しても米国の命令に従うのか、国益になるのはどちらなのか、大臣はどう選択されるのかお答えください」。
会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。