2021年4月16日(金)午前9時45分頃より、梶山弘志経済産業大臣による定例会見が行われた。
梶山経産大臣は、福島第一原発のALPS処理水海洋放出に関して、経産省内に地元漁業関係者への賠償などに対応する特別チームを設けるよう指示したことを報告した。
これは福島県の内堀雅雄知事からの申し入れ書に応じたもので、特別チームは風評被害が生じた場合に、東京電力に対する指導や漁業者への支援などを行うという。
これに関して会見参加記者から、「早々に賠償への対応をするのではなく、もっと地元の漁業従事者の生業への影響や心情を慮るべきではないのか?」という指摘がなされた。
会見参加記者との質疑応答では、ALPS処理水(汚染水・トリチウム水)の海洋放出方針の決定に関するものが多かったが、17日未明(日本時間)に行われる日米首脳会談についての質疑もあった。梶山経産大臣は、日米首脳会談において、次世代半導体技術開発での連携や、レアアースやレアメタルの供給網が議題になるとの見通しを示した。
IWJ記者は梶山経産大臣に対し、以下のように質問した。
「4月13日の会見で梶山大臣は、福島第一原発のALPS処理水の海洋放出の方針決定にあたり、『安全性を厳格に確保し、第三者の目も入れつつ、透明性高く監視することを前提に海洋放出をする方針を決定しました』と述べました。
第三者の目、透明性高く監視、ということには当然メディアの取材が含まれると考えられるわけですが、現在福島第一原発の取材は東京電力の判断に委ねられており、透明とはほど遠い状態です。
ALPS処理水の海洋放出が廃炉を進める上で不可欠だとする以上、廃炉のすべての行程に関してメディアの取材をより開放すべきではないでしょうか?
また、海洋放出については韓国、中国から反対の声があがり、ほかに国際的にも批判がなされています。これに応じて海外のメディア、通信社に対しても国内メディア同様に取材を開放していくよう東京電力に指示すべきではないでしょうか?」。
これに対して梶山大臣は、「取材の方法や、取材可能、立ち入り可能箇所は廃炉作業の専門的な安全性の判断によるものと考えられる。それが許す範囲で積極的に取材されていくべきであるとは考える。より公開されていくことへの要望があったことは東電には申し入れたい」と回答した。
会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。