2022年5月20日(金)、萩生田光一経済産業大臣の定例会見が経済産業省にて8時40分頃から開催され、IWJが生中継した。
大臣は冒頭、APEC(アジア太平洋経済協力)の貿易担当大臣会合のために、この会見後から5月23日朝までタイに出張する旨を報告した。会合では新型コロナの克服と多角的貿易体制がテーマになるとのことである。
IWJでは後述するIPEF(アイペフ:インド太平洋経済枠組み)に関する質問を用意して挙手し続けたが、上記大臣出張のために会見時間が限られるとして、当てられなかった。
他社からは、原発処理水の海洋放出、米国のロシア産石油への関税案、IPEF、物価上昇について質問があった。
IPEFについては、読売新聞が日本参加の意義や目的を質問。大臣は「米国のインド太平洋地域への関与を強化するものとして歓迎したい」「一方、この枠組みで様々な貿易協定の話まで踏み込んでやられると、『だったらTPPに戻って来いよ』と私は公の場でも申し上げている」等と回答した。
IWJが用意していた質問は、以下の通り。
「23日の日米首脳会談にあわせて発足すると報じられているIPEFについて、おうかがいします。
一点は、TPP11(環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定)にもRCEP(地域的な包括的経済連携)にも加盟しない米国が、自由貿易協定ではない経済的枠組みを主導することについてです。RCEPは中国も日本も入っています。いったいどちらのルールが優先されるのでしょうか?
中国はオーカスやクアッドによる対中国包囲網の一環と受け止め『アジア太平洋版のNATO東方拡大』だと批判していますが、中国を排除したIPEFに日本が立ち上げから参加する事によって、対中貿易面での経済的なマイナスがどれほどのものになるのか、お見積もりになっているのでしょうか? 中国の批判に対して反論があればお聞かせください。
他方、国内GDPの1-3月の数値が、前期比0.2%減、これは年率換算で1.0%減のマイナス成長ということが報じられました。新型コロナウイルスの感染拡大で個人消費が伸び悩んだ影響とされていますが、1-3月の結果を受けて盛り返す必要がある4月以降の経済活動は、ウクライナ侵攻の世界経済によるマイナスという不安材料もあります。さらに、国内経済の重要な位置を占める対中貿易を悪化させる要因を作ることは、GDPの下振れを増長してしまう事ではないかと思われます。萩生田大臣のお考えをお聞かせください」
会見について、詳しくはぜひ全編動画を御覧いただきたい。