2022年10月25日、午前8時45分より、東京・経済産業省本館にて、西村康稔経済産業大臣の定例会見が行われた。
質疑応答で、IWJ記者は「ロシアへの経済制裁と日本の国益」について、以下のとおり、質問した。
「資源大国ロシアへの経済制裁に参加している国々の間で、エネルギー資源価格の高騰が起き、インフレを加速させ、電気料金やガス料金が高騰しています。
また、日本ではあまり大きく報じられませんが、欧州各国ではデモが発生しており、先週パリでは石油関連会社の労働者の賃上げデモを発端として、アンチ・NATO、NATOからの離脱を訴えるデモに広がりました。
一方、対露制裁に加担していないインドや中国、東南アジア、南米、アフリカなどは、ロシアから市場価格より安い価格で石油・ガスを購入し、利益を上げています。
アジアで対ロ制裁に参加しているのは、日本と韓国など極めて少数派です。
日本は、国益最優先で、効果の出ない対ロ制裁をやめて、中立の立場で、ロシア産資源を輸入できるフリーハンドを獲得し、輸入インフレを抑え込むべきではないかと考えますが、西村大臣のご見解をお聞かせください」
これに対し、西村大臣は、以下のように回答した。
「まず、ロシアによるウクライナ侵略ですね。これはもう力による一方的な現状変更ですので、断じて許すことのできない、まさに国際秩序の根幹を揺るがすような国際法違反の行為であるということであります。
もう既に我が国は、G7を初めとする国際社会と協調して、緊密に連携して、厳しい措置を実施してきているところであります。
今後も、G7で協力一致して、対露制裁を継続していくということで取り組んでおりますし、今後とも適切に対応していきたいというふうに思います。
その上で、さまざまな影響が出ておりますので、エネルギー、それぞれの物資の値上がりを含めて、このことについては、これまでも対策を講じてきておりますし、今回の経済対策(※)の中で、先ほど来議論になっております電気料金、ガス料金の負担軽減を初めとして、さまざまなこうした事態にも対応できるようなエネルギーの安定供給、そして、強靱なサプライチェーンであったり、いろいろな事態に対応できる強靱で柔軟な経済社会をつくっていく。
そのための対策をしっかりと、今回の対策、経済対策の中で盛り込んで実行していきたい。国民生活・産業への影響を少しでも和らげると同時に、中長期的にそうした経済構造を構築していくということで取り組んでいきたいというふうに考えております」
- ※物価高・円安対策や人への投資 総合経済対策の原案全文(日本経済新聞、2022年10月25日)
他社の記者からは、「電気料金の負担軽減策」、「統一教会に絡む山際大志郎・経済再生担当相の辞任」などの問題について、質問が行われた。
詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。