2024年2月6日、午後5時40分頃より、東京都千代田区の外務省にて、上川陽子 外務大臣の定例記者会見が開催された。
冒頭、上川大臣より、本日の閣議において、「アフリカの角」(※IWJ注)地域のエチオピア、ソマリア、ケニアに対し、1,000万ドルの緊急無償資金協力を行うことを上川大臣自身から発言したことの報告があった。
(※IWJ注)「アフリカの角」は、地中海からスエズ運河・紅海を通って、アデン湾・インド洋に抜ける海上航路の要衝を取り囲む、アフリカ大陸側の一帯である。アラビア半島側は、フーシ派が拠点とするイエメンである。最も航路が狭くなるバブ・エル・マンデブ海峡に面するジブチには、その重要性から、米軍、仏軍、イタリア軍、中国軍、自衛隊が駐留している。
上川大臣は、支援の理由として「これらの国は、過去3年にわたる干ばつや昨今の国際情勢を受けた世界的な食料・エネルギー価格の高騰等の複合的な影響によって深刻な人道状況に直面しており、その中で、昨年末に発生した洪水により、特に甚大な被害を受け、人道的見地から看過し得ない状況にある」と説明した。
また、このたびの協力については、国連難民高等弁務官事務所、及び国際移住機関などの国際機関を通じて、一時的に避難施設、水、衛生などの分野で人道支援を実施するとのことであった。
上川大臣からの報告に続き、大臣と各社記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、イスラエル・パレスチナ情勢について、以下のとおり質問をした。
IWJ記者「米国のジャーナリスト保護協会(CPJ)が昨年末、ガザで殺害されたジャーナリストが、この時点で過去最多の68人にのぼると発表し、『イスラエル軍による攻撃でジャーナリストとその家族が標的になったとみられるパターンが特に懸念される』と強調しました。
これに対して、日本政府として、イスラエルに自制を求め、その行為に対し非難を行うお考えはおありでしょうか?」
この質問に対し、上川大臣は以下のとおり答弁を行った。
上川大臣「ご指摘の米国のNPO団体であります『ジャーナリスト保護協会』による、昨年末の発表につきましては承知をしているところであります。
現地の状況に関する『正確な情報を世界に発信する』という意味で、メディアが果たす役割は重要と認識をしております。
これらの関係者を含めまして、民間人は保護されなければならず、これまでも日本政府として全ての当事者に対しまして国際人道法を含みます『国際法の遵守』や、また『民間人の安全確保』を求めてきたところでございます。
日本政府といたしましては、引き続き、事態の早期沈静化に向けまして、外交努力を粘り強く積極的に続けてまいります」。
上川大臣の冒頭発言、及び、各社記者の質疑内容など、会見の詳細については、全編動画にてご確認ください。