2023年6月9日、東京都千代田区の外務省にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催された。
会見冒頭、林大臣より、本日、新たな「開発協力大綱(※)」が閣議決定をされた旨、報告があった。
- 開発協力大綱の改定に関する閣議決定(外務省、報道発表 2023.6.9)
林大臣は、「昨年12月の『国家安全保障戦略(※)』も踏まえ、これからの開発協力の方向性を示した。新たな大綱の下で、開発協力を一層効果的・戦略的に活用するとともに、様々な形でODAを拡充し、外交的取組の強化に努めていく」と語った。
- 国家安全保障戦略について(内閣官房)
続いて、林大臣と各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は、『ワシントン・ポスト』が6月6日にスクープした「米国はノルドストリーム・パイプラインを破壊するウクライナ軍の計画について事前に情報を持っていた」、「CIAは昨年6月、この情報を欧州諸国と共有した」などの内容について、林大臣に質すべく、質問を準備して臨んだが、残念ながら指名されず、質問はかなわなかった。
他社からは、開発協力大綱の改定(軍事利用の回避)、ウクライナのダム決壊、東アジアにおける外交イニシアチブ、北朝鮮による「衛星」打ち上げ、ALPS処理水(韓国の反応)、そして、習近平中国国家主席による沖縄をめぐる発言などについて、質問があった。
ウクライナ南部へルソン州でのダム決壊について、「現時点で把握されている被害状況と今後の具体的な人道支援の検討状況」を聞かれた林大臣は、その答弁の中で次のように述べた。
林大臣「我が国として、ロシアの侵略により、ウクライナ各地において、多くの市民が犠牲になっておりまして、また、発電所を含む民間施設に被害が生じていることは、断じて正当化できないものであり、強く非難いたします。
また、7日に開催されました安保理会合においては、我が国や欧米諸国は、ロシアによる侵略がなければ、今回の事態が起こることはなかった旨等を指摘しつつ、ロシアによる侵略の停止とウクライナからの撤退、これは改めて強く求めたところでございまして、引き続き、G7を始めとする国際社会と緊密に連携してまいりたいと考えております。
我が国として、洪水の被害を受けた住民に対する緊急の人道支援を早急に実施すべく、鋭意調整を行っておるところでございます」
「もしも」の仮定の話ではあるが、林大臣は、IWJの「ノルドストリーム」爆破についての質問に対し、どのような答弁をしたであろうか?
定例会見の詳細については、ぜひ全編動画にてご確認ください。