2023年2月3日、午前10時30分より、東京都千代田区の外務省庁舎にて林芳正 外務大臣の定例会見が行われた。
冒頭の林大臣より、2月5日、地方の魅力を世界に発信する「地方を世界へ」プロジェクトの第3弾として、駐日外交団(※)と共に岡山県倉敷市を訪問する予定である旨の報告があった。
- 林外務大臣の岡山県訪問(「地方を世界へ」プロジェクト)(外務省HP・報道発表 2023.2.3)
※駐日外交団とは、特命全権大使、公使、参事官、書記官といった日本に駐在する各国の使節団のこと
続いて、各社記者と林大臣の質疑応答となった。
このたびも、IWJ記者は質問を準備して臨んだが、前回に引き続き、大臣のスケジュールのため、指名される前に会見終了となった。
各社からは、「日中外相電話会談(2/2)」、「1月の国連安全保障理事会議長国としての成果」、「日韓関係(旧朝鮮半島出身労働者問題、WBC観戦)、そして「ロシアによるウクライナ侵略から1年」などについて質問が行われた。
朝日新聞の記者は、「ロシアのウクライナ侵攻から、まもなく1年になる」とし、次のように質問した。
朝日新聞記者「G7の議長国として、首脳会談や外相会談などの調整状況はありますでしょうか。また、議長国として、この1年に合わせて、どのようなメッセージを発したいか、お考えをお聞かせください」
これに対し、林大臣は以下のとおり応答した。
林外務大臣「今、お話のあったような会談の開催については、なんら決まっていないということでございます。
いずれにいたしましても、ロシアによるウクライナへの侵略、これは国際社会が長きにわたって懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた国際秩序の根幹を脅かすものでありまして、平和秩序を守り抜くために、G7を始めとする国際社会が結束して、断固たる決意で対応していく必要があると考えております。
ロシアによるウクライナ侵略に対しては、これまでもG7が結束して対応してまいりました。我が国として、G7議長国として、これまで以上に、G7を始めとする国際社会の連携を確保し、引き続き、対露制裁、また、ウクライナ支援を強力に推進してまいりたいと考えています」
昨年8月、米ラトガース大学が発表した論文によると、仮に、米露間で全面核戦争となった場合、その全面戦争により「核の冬」が訪れ、50億人が飢餓に直面すると分析されている。中でも島国で、かつ食料自給率が低い日本は、「人口のほぼすべてが餓死する」とされている。
林外務大臣、ならびに外務省は、「国際社会の結束・連携」、「断固たる決意」、そして「ウクライナ支援」といった常套句を繰り返すのではなく、ウクライナ紛争が紛糾することにより、日本国民が被る可能性のある「最悪のシナリオ」を想定し、それを国民と共有すべきではないだろうか?
外務省、および日本政府は、ウクライナ紛争当事国と関係国に対し、一刻も早い停戦、および核戦争につながりかねないエスカレーションの回避を求める外交、そして、日本の国益にかなう外交を行うべきである。
定例会見の詳細はぜひ全編動画をご視聴ください。