2022年11月15日、午後12時20分より、東京都千代田の外務省にて、林芳正外務大臣の定例会見が行われた。
質疑応答でIWJ記者は、「日英軍事協力」について、以下のとおり質問した。
「11月6日付けの『フィナンシャル・タイムズ』が『台湾有事に備え、12月に日本と英国が軍事協力強化のための協定に署名する』予定であり、国防省の報道官は『協議は前向きに進んでいる』と発言したと報じています。
このような主権国家の根幹にかかわる安全保障の方針について、国会あるいは国民間での議論もありません。
安倍政権以降、『台湾・半島有事の際、日本は参戦する』という方針が続いていますが、矢面に立たされるのは米英などではなく、日本です。しっかりとした国民的議論が必要ではないでしょうか。林大臣のお考えをお聞かせください」
この質問に対し、林大臣は以下のとおり回答した。
「今、お尋ねのありました記事で言及されている協定が『日英円滑化協定』を指しているということでございますと、本年の5月の大枠の合意を経て、現在両国間で交渉を進めておりますが、現時点ではこの署名の時期について確たることを申し上げられる段階にはないということでございます。
- 日英円滑化協定の締結に向けた交渉の開始(外務省報道発表、2021年9月28日)
この協定は、共同訓練や災害救助といった両国部隊間の協力活動の実施を円滑化すること等を目的としたものでございまして、特定の事態を念頭に置いたものではございません。
締結したあかつきには、インド太平洋地域の平和と安定に対する日・英の継続的なコミットメントを強固に支えるものになるということが期待されるところでございます」
他社の記者からは、前日の11月14日に行われた米中首脳会談、対中外交(日中首脳会談・日中外相会談)、米中間選挙などについて、質問があった。
また、林大臣からは、冒頭、11月16日~18日まで開催予定のAPEC閣僚会議に出席をするため、タイのバンコクを訪問するとの報告があった。
- 岸田総理大臣のASEAN関連首脳会議、G20バリ・サミット及びAPEC首脳会議出席(令和4年11月12日~19日)(外務省、2022年11月14日)
APEC閣僚会議が対面で開催をされるのは4年ぶりであり、林大臣は、「ポスト・コロナ」における経済成長に向け、貿易と投資が果たし得る役割や食料エネルギーの問題など、現下の国際情勢における重要課題について、日本の立場と取り組みを積極的に発信する予定とのこと。
また、ウクライナ情勢が膠着する中、アジア太平洋地域の経済発展の大前提として、「平和と安定」が不可欠であるというメッセージを発信する考えとのことである。
詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。