2022年2月15日午前9時50分頃より、東京都千代田区の外務省庁舎にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催された。
冒頭、林大臣より、日本による海外への「ワクチン提供」について報告があった。
日本はこれまで4000万回分以上の新型コロナワクチンを海外供与してきたが、このたび、COVAXファシリティを通じて、タジキスタンに約50万回分、そして、トンガに約7000回分、日本で製造したアストラゼネカ社製ワクチンを供与することを決定したとのこと。タジキスタンについては、日本から中央アジアへの初めての供与となる。
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ブリンケン米国務長官主催新型コロナ対策等に関する外相会合の開催(外務省、2022年2月15日)
大臣からの報告に続く、質疑応答では、緊迫の度を増すウクライナ情勢について、多くの質問がなされた。
IWJ記者は、ウクライナ情勢における日本政府の外交方針について、「いたずらに危機を煽るのではなく、『ミンスク合意』の遵守、ロシアの武力行使の回避、そして、ウクライナのロシア系住民に対しての差別施策の解消など、冷静な平和外交を行うべきではないか」という質問を準備して会見にのぞんだが、大臣のスケジュールの関係で質疑は途中で打ち切りとなり、質問はかなわなかった。
ウクライナ情勢について、読売新聞記者から「緊迫化する情勢の中で、欧米など各国では、首脳など、ハイレベルの外交活動が活発になっていると思うが、日本として、これからどのようにハイレベルの外交に取り組むのか?」との質問があった。
これについて、林大臣は以下のとおり回答した。
「ウクライナの国境周辺地域では、ロシア軍の増強等により、緊張が高まっておりまして、予断を許さない状況が続いています。関係国の外交努力による動きがある一方で、事態が急速に悪化する可能性が高まっております。
政府として、こうした動きを、重大な懸念を持って注視しており、高い警戒感を有しております。
また、日本としては、ウクライナの主権、および領土の一体性を一貫して、国際社会で連携して、あらゆるレベルでの外交も含めて、適切に対応していきたいというふうに思います」
林大臣の会見の詳細については、ぜひ全編動画でご確認いただきたい。