2021年12月17日(金)6時頃より、林芳正外務大臣の定例会見が、外務省にて開催され、IWJが生中継した。
林大臣からの報告はなく、記者からの質疑応答が行われた。IWJ記者は以下の質問を行った。
IWJ記者「12月9日と10日に、バイデン大統領が、世界約110の国・地域の指導者らを招いて『民主主義サミット』を開催し、岸田総理が参加されました。
岸田総理は、自由、民主主義、法の支配、基本的人権を民主主義国家間の共通の普遍的価値観であると称していますが、日本の自民党・岸田政権は、率先して、緊急事態条項を改憲によって導入しようとしています。一切の制約もなく、期間も解除の制定もない自民党の緊急事態条項案は、国家緊急権と、ナチスの全権委任法を足したような、強力な独裁全権であり、これを実現したら、日本は内閣独裁のもと、自由も、国会による立法権も、民主主義も、法の支配も、人権もなくなります。
今の自民党、岸田政権そしてこの緊急事態条項案に賛成する公明党、維新、国民民主党は『民主主義国家サミット』に加わる資格はなくなり、専制国家側に行かなければならなくなりますが、そういうつもりで岸田政権も自民党も政府もやってらっしゃるということでよろしいでしょうか? またこの狂乱条項の成立を強引に急ぐのは何のためですか? 台湾有事つまり、台湾をめぐって中国と米国が戦争を開始したとき、日本が自主的に参戦する、そのための準備ですか? 理由をお聞かせください」
林芳正外務大臣「民主主義のための今般のサミット、これは民主主義の重要性を共有して、それに向かって進む多くの国や地域が参加して、互いにその決意を確認し、サミットに参加した国、しなかった国を含めて、世界全体での取り組みを後押しする場としての意義があるというふうに考えます。岸田総理からは、先ほどお触れになっていただいたように、自由、民主主義、人権、法の支配といった、普遍的価値を損なう行動については、有志国が一致してワンボイスで臨んでいかなければならない旨を述べたところでございます。
なお、質問の後段でございますが、このご趣旨を完全に理解しておるかどうかわかりませんが、党の方でされておられる活動ということでございましたので、私の方からはコメントは差し控えたいと思います」
その他、読売新聞の記者が、外務省で台湾を担当する企画官を新設する狙いと意義について質問し、林大臣は以下のように答えた。
「中国との海洋をめぐる問題、台湾関連の問題に関する業務が増加している中で、情報収集、分析、政策立案、対外発信等を機動的に行うため、令和4年度の機構要求で、アジア太平洋州局・中国モンゴル第1課に、海洋、台湾などを担当する企画官を1名要求している」「中国に対して主張すべきは毅然として主張し、責任ある行動を求めると同時に、対話を続け、共通の諸課題について協力していきたい」
日本経済新聞の記者が、オミクロン株の影響で、11月30日から1か月間外国人の来航を停止している件で、外交部会で措置を延長する声が出たが、外務省はどのように考えるかと質問した。林大臣は、以下のように答えた。
「岸田総理が、オミクロン株の実態やリスクについて、ある程度予想できる状況に至るまでは慎重な対応を続ける必要があると述べた。まだ現状では何か決まったわけではない」