8月7日午後、私大支援事業をめぐり文科省幹部の息子を不正合格させたとされる東京医科大学(東京都新宿区)が、医学部医学科の一般入試では、女子受験生の得点を一律に減点することで合格率を恣意的に下げていた問題で、東京医大が都内で記者会見をおこない、IWJは会見を中継した。
会見には東京医大の行岡哲男常務理事、富澤啓介学長職務代理、鈴木翼弁護士が出席。会見の冒頭、行岡常務理事は「本学が選定を受けた私大支援事業並びに本学の入学試験において重大な不正があったことで、皆様に多大な心配と迷惑をおかけした。さらに、社会の信頼を大きく裏切ることになった。心からおわび申し上げたい」と頭を下げた。
行岡常務理事はまた、「女子の二次試験(小論文)で一律減点したことについては、断じてあってはならないことと思っている。これは根絶する」と断言。その上で、「過去の女子受験生についても、誠心誠意対応する」「女性差別はあってはならないこと」と語った。
文科省の前局長の息子を不正に合格させていた件では、「大学が学生の地位を剥奪するのはふさわしくない」として、「教授会で慎重に検討」すると述べた。
また、問題を調査するにあたって第三者委員会を設置すると表明しているが、「人選について具体的な検討を進めたい」と述べるにとどまった。
東京医大の記者会見に先立つ8月7日午前11時には、文科省で、林芳正文科相の定例記者会見があった。「このあと予定がある」との理由で、会見はわずか5分あまり。4件の質問を受けただけで退室した。
IWJ記者は、あらかじめ男女別に募集定員が決められている都立高校などの入試では、女子のほうに成績優秀者が多いため、男子合格者よりも高得点を取った女子受験生が不合格になるという現象が起きている点を、林文科相に質そうと考えていたが、IWJ記者のみが手を上げている状況でもクラブ加盟社の手が上がるまで待ち、クラブの記者のみを指名した。
明らかな「IWJ外し」。記者クラブに加盟していないIWJに質問されるのは、よほど都合が悪かったようだ。