2022年1月18日午前10時40分より、東京都千代田区の外務省庁舎にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催された。
冒頭、林大臣より、1月20日の夜に予定されている「第6回日仏外務・防衛閣僚会合(「2プラス2」)」をテレビ会議形式で開催する予定である旨、報告があった。
- 第6回日仏外務・防衛閣僚会合(「2+2」)の開催(外務省、2022年1月18日)
この会合では、日仏の安全保障、防衛協力や地域情勢等について、幅広く議論し、両国の連携を一層強化することが目的であるとのことであった。
続いて、林大臣と各社記者との質疑応答となった。各社からの質問は「ロシア外交」、「トンガ火山噴火」、そして「岸田総理の施政方針演説」など。
IWJ記者は「日米関係」について、以下のとおり質問した。
「日米関係について質問します。
少し前になりますけれども、1月7日、東京にて、林外務大臣とレイモンド・グリーン駐日米国臨時代理大使との間で、日本国とアメリカ合衆国との間の相互防衛援助協定にもとづく共同研究、共同開発、共同生産等に係る書簡の交換が行われています。
外務省のHPでは『我が国の防衛能力の効率的な強化及び日米同盟の技術的優位性の確保に資するもの』とされています。
また、昨年12月7日、米ハーバード大学ケネディ行政大学院があるレポートを発表しています。執筆陣の一人である、ケネディスクール元学長のグレアム・アリソン氏の名前をとって『アリソン・レポート』とも呼ばれるレポートです。
このレポートでは、中国の技術的な優位性に関する認識がさまざま紹介されており、中には『中国は既にいくつかの技術分野で世界No.1の座を確保しており、他分野でも10年以内に米国を追い抜く』等の分析も掲載されております。
政府は現在『台湾有事』や『敵基地攻撃論』など、日米同盟のもと、中国を仮想敵国とした政策をとっておられます。
『対米従属』が国是となり、米国に追従さえしていれば、『日米同盟の技術的優位性』を確保できると思ってはいないでしょうか?
技術・経済面での中国の台頭を冷静に正面から受け入れ、一個の独立国としてなすべきこと、進むべき道を真摯に思考していると言えるでしょうか?
まず、アリソン・レポートを検証したかどうかについてご教示下さい」。
これに対して、林大臣は次のように回答した。
「アリソン・レポートについては、そういうレポートがあるということは承知していますが、まだ私自身、読み込んで、分析をしているという段階ではございませんので、追って機会を設けたいと思っております。
その上で、日米同盟と日中外交ということですが、日米同盟は、申し上げるまでもなく、我が国の外交と安全保障の基軸でありまして、インド・太平洋地域と国際社会の平和と繁栄の礎でございます。
日本を取り巻く安全保障環境が厳しさを増す中で、日米同盟の重要性というのは、これまでになく高まっているというふうに思っております。
一方、中国との関係については、隣国であるがゆえに、様々な問題があります。尖閣諸島を巡る情勢を含む東シナ海、南シナ海における一方的な現状変更の試み。我が国周辺における軍事活動の拡大・活発化は、日本を含む地域と国際社会の安全保障上の強い懸念でございます。
中国には、主張すべきは主張し、責任ある行動を強く求めていきます。我が国の平和と安定を含めた我が国の領土、領海、領空、さらには、より開かれた国際秩序、これを日米同盟を基軸としつつ、しっかりと守り抜いていきたいと思っています。
主張すべきは主張すると同時に、諸懸案を含めてですね、対話をしっかりと重ねて、共通の課題については協力し、本年が日中国交正常化50周年であることも念頭に、建設的かつ安定的な関係を構築していきたいと考えております」。
詳しくは、ぜひ全編動画でご確認いただきたい。