2022年9月6日、午前10時35分より、東京都千代田区の外務省庁舎にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催された。
質疑応答にて、IWJ記者は、旧統一教会問題について、以下のとおり質問した。
「統一教会問題についておうかがいします。
(文鮮明教祖と金日成主席が会談した)1991年以来、統一教会が、北朝鮮に多くの支援を行ってきたことが明らかになっています。
統一教会の主な資金源は、日本支部からの献金であることから、日本にいる信者からの献金が最終的に北朝鮮の核ミサイル開発の資金として用いられた疑いも指摘されています。
外務省として、統一教会からの資金の流れを究明するお考えはないのでしょうか? 林大臣のお考えをお聞かせください」
この質問に対し、林外務大臣は次のように回答した。
「個々の報道等のひとつひとつにコメントすることは差し控えたいと思いますが、いずれにいたしましても、この、北朝鮮による『核ミサイル開発』、これは、我が国、および、国際社会の平和と安全を脅かすものであり、断じて容認できないと考えております。
今後とも、日米間で緊密に連携して、国際社会とも協力しながら、関連する安保理決議の完全な履行、これを進めて、北朝鮮の非核化を目指していきたいと考えております」
IWJ記者の質問は、「北朝鮮の核ミサイル開発のために用いられた疑いのある旧統一教会からの『資金の流れ』の解明」についてである。
だが、林大臣の回答は、「北朝鮮の『非核化を目指す』」というものであり、質問の趣旨が、明らかにすり替えられていた。
冒頭、林大臣からは、「第2回日印外務・防衛閣僚会合(『2+2』)及び第14回日印外相間戦略対話」の開催について、報告があった。
- 第2回日印外務・防衛閣僚会合(「2+2」)及び第14回日印外相間戦略対話の開催(外務省、2022年9月6日)
また、6月中旬以降、パキスタンの各地で発生した大雨により、現在も被害が継続・拡大している洪水被害に対して、人道支援として700万ドル規模の緊急無償資金協力を実施するとの報告があった。
- パキスタン・イスラム共和国における洪水被害に対する緊急援助(外務省、2022年8月29日)
会見の詳細は、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。