2022年5月17日、午後4時55分より、東京都千代田区の外務省庁舎にて、林芳正外務大臣の定例会見が開催された。
会見冒頭、林大臣より、5月18日から20日まで、グロッシーIAEA事務局長が外務省賓客として訪日し、19日に林外務大臣との会談を実施する予定である旨の報告があった。
- 「グロッシー国際原子力機関(IAEA)事務局長の訪日」(外務省、2022年5月17日)
続いて、各社記者と林大臣との質疑応答となった。IWJ記者は、米国務省のホームページで公開されている「米台関係ファクトシート」の内容が一部更新されたことについて、以下のとおり、質問をした。
「米国の対中国政策についてうかがいます。
米国政府の『米台関係ファクトシート』が5月5日に更新され、『台湾は中国の一部』『アメリカは台湾の独立を支持しない』といった文言が削除されたことが問題となっています。
これについて、一部では、米国が今後、台湾独立を認める前兆ではないかとの見方もされています。台湾が独立を表明すれば、中台有事となり、日本も武力衝突に巻き込まれることは確実であると思われますが、このファクトシートの更新について、大臣ならびに外務省の受け止めをお聞かせください」。
この質問に対し、林外務大臣は次のように回答した。
「米国政府のホームページの内容の一つ一つについて、コメントは差し控えたいと思いますが、いわゆる『台湾有事』と言った仮定の質問にお答えすることは差し控えたいと思います。
いずれに致しましても、台湾海峡の平和と安定、これは日本の安全保障はもとより、国際社会の安定にとっても重要であると考えております。
台湾をめぐる問題が『対話』により、『平和的に』解決されると、それを期待するというのが、従来からの一貫した我が国の立場でございます。
その上で、あくまで一般論として申し上げますと、我が国を取り巻く安全保障環境が、一層厳しさを増す中で、政府として、いかなる事態に対しても対応できるよう、平素から、体制の整備も含めて、万全を期していくと、これは当然のことであるというふうに申し上げておきたいと思います」。
林大臣の会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。