2022年12月27日午前10時40分頃より、東京都千代田区の外務省にて、林芳正外務大臣の定例会見が行われた。
冒頭、大臣からの報告はなく、各社記者との質疑応答となった。IWJ記者は、米軍岩国基地の海兵隊員による不祥事について、質問を行った。
IWJ記者「米軍岩国基地所属の海兵隊員が、整備工場に侵入し、新車を盗み、追突事故を起こしておきながら、日米地位協定により、身柄確保も弁償もされないという事態になっています。
沖縄で繰り返されてきた米兵の不祥事と、それを罰することができない不条理が、本州でも起きています。
安保3文書改定で、自衛隊の指揮権を米軍に委ねることが明らかとなりましたが、これは主権の放棄であり、このまま日米軍の垂直統合が進めば、米兵の無法ぶりに拍車がかかることが危惧されます。
日米地位協定を抜本的に見直し、対等な協定にすべきだと思いますが、いかがでしょうか?」
これに対し、林外務大臣は以下の通り回答をした。
林外務大臣「今月3日ですが、岩国市におきまして、米海兵隊員が車両窃盗及び交通事故を起こしたということは遺憾でありまして、政府としても、米側に対しまして綱紀粛正及び被害者への真摯な対応等について、強く申し入れているところでございます。
本件事案については、現在、米側当局とも協力の上で、警察により必要な捜査が行われていると承知をしております。
米国人・米軍人等による事件・事故は、地元の皆さまに大きな不安を与えるものであり、あってはならないものであります。今後も米側に対して、さまざまな機会に事件・事故防止の徹底を求めてまいります。
日米地位協定は、同協定の合意議事録等を含んだ大きな法的枠組みであり、政府としては、事案に応じて効果的に、かつ機敏に対応できる最も適切な取り組みを通じまして、一つ一つの具体的な問題に対応してきております。
そうした取り組みを積み上げることによって、日米地位協定のあるべき姿を不断に追求してまいりたいと考えております」
他社の記者からは、「中国での新型コロナウイルスの感染拡大」、「中国軍の台湾周辺での海空域軍事練習」、「林大臣の訪中の調整状況」、「外務省の2023年度予算案における『同志国の安全保障能力の強化』のための20億円」、そして「国連の安保理改革」などについての質問が行われた。
会見の詳細については、ぜひ全編動画を御覧いただきたい。