2023年11月28日午後5時40分頃より、上川陽子外務大臣の定例記者会見が、東京都千代田区の外務省にて開催された。
冒頭、上川大臣より、2023年11月25~26日の日程で、日中韓外相会議出席のために訪問した釜山での、滞在中に訪れた書店での経験についての報告があった。
上川大臣「先日、私は韓国釜山で日中韓外相会議に出席いたしましたが、その際に現地の書店を訪れ、書籍を購入いたしました。外務大臣就任後、これまで6ヶ国で現地の書店を訪れ、文化や歴史に関する書籍を購入いたしました。
私はこれまで『活字議連』のメンバーとして、各地の活字文化に触れてまいりましたが、こうした書店訪問を今後の外交活動にも役立てていきたいと考えております。(中略)
ある国でどのような本が読まれているか、これを知ることは、その国の文化や価値観を理解するきっかけになるというふうに考えております。今後も可能な範囲で、世界各地の書店訪問を続けたいと思います」。
続いて、大臣と各社記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、ウクライナ紛争について、以下の通り、質問した。
IWJ記者「岸田総理はゼレンスキー大統領に対し、欧米でも敗色が濃厚との見方が出ているにもかかわらず、ウクライナへの『揺るぎない支援』を表明しています。ですが、これはウクライナ人に無駄な血を流させ、日本国民の税金も無駄に投げ捨てるものです。
また、ウクライナが提唱する10項目の和平案も、実現不可能であり、停戦する気がないことは明らかです。いずれどこかで戦争は終わりますし、戦後の日露関係の再構築を考えるとロシアに対して我が国を『敵国』として強く印象付けることは得策とは言えません。
あくまでも、中立的かつ現実的な和平案を日本自らが示し、ウクライナ、ロシア、欧米を説得すべきではないでしょうか?」
この質問に対し、上川大臣から、次のような答弁があった。
上川大臣「まず、我が国の基本的立場でありますが、ロシアによるウクライナ侵略は、国際社会が長きに渡る懸命な努力と多くの犠牲の上に築き上げてきた、国際秩序の根幹を揺るがす暴挙であると考えております。ウクライナ和平につきましては、ロシアはウクライナに対する攻撃を、現在も続けております。
プーチン大統領は、併合したウクライナの一部地域は、『交渉の対象ではない』との趣旨の発言を繰り返すなど、ロシアが和平に向けて歩み寄ろうとする兆しは一切見られません。この状況は、当事者であるウクライナの考え方から大きく離れたものでもございます。
このような状況におきまして、日本がまず行うべきことは、『1日も早くロシアの侵略を止める』との目標に向かって、G7はじめ、国際社会と緊密に連携をしながら、対ロ制裁とウクライナ支援を強力に推進していくことであると考えております。
この点、8日のG7外相会合におきまして、議長の私といたしましては、中東情勢の緊張度が増す中にありましても、対ウクライナ支援において、『G7は引き続き結束すべき』旨、訴えました。その結果、G7として、厳しい対ロ制裁や、また強力なウクライナ支援に取り組む姿勢は不変との認識で一致することができました。
引き続き、ウクライナに、公正かつ永続的な平和を実現すべく、G7議長国として、リーダーシップを発揮してまいりたいと考えております」。
他社の質疑応答の内容など、記者会見の詳細については全編動画をご確認いただきたい。