2024年1月12日午前11時頃より、武見敬三厚生労働大臣の定例会見が、東京都千代田区の厚生労働省にて開催された。
武見大臣からの報告事項はなく、すぐに大臣と各社記者との質疑応答となった。
この会見の前日の2024年1月11日には、厚生労働省で、一般社団法人ワクチン問題研究会の記者会見が開催され、「新型コロナワクチンの副作用の報告数は、3071本の論文が把握されており、一つのワクチンでこれだけの論文が出ているのは人類史上初めて」と発表した。
IWJ記者は、新型コロナワクチン接種後の健康被害について、継続的に武見大臣に質問を続けているが、武見大臣は一貫して「新型コロナワクチン接種後の副反応が疑われる症状の報告については、定期的に開催をしている審議会において、現時点ではこれまでの報告によって、『ワクチンの接種体制に影響を与える重大な懸念は認められない』と評価をしている」と繰り返している。
また、1月9日の定例会見では、武見大臣は「予防接種後の健康被害が、『極めて』まれではあるが、不可避的に生ずるものである」との見解を示した。
IWJ記者はこの武見大臣の発言について、以下の通り質問した。
「昨日、1月11日、この会見室にて、一般社団法人ワクチン問題研究会の記者会見が開催されました。
ワクチン問題研究会は、『PubMed』という論文検索エンジンを使って、新型コロナワクチンの副作用に関する論文のデータベース構築作業をおこなっていますが、その過程で、現在、『副作用の報告数としては3071本の論文が把握されており、一つのワクチンでこれだけの論文が出ているというのは人類史上初めてであり、ただならぬ事態が現在進行中である』とのことでした。
2024年1月9日の定例会見で、大臣は『予防接種後の健康被害が極めてまれではある』とおっしゃいましたが、ワクチン問題研究会の現状把握と、大臣の『極めてまれ』という認識に非常に大きな乖離があります。
武見大臣、および、厚生労働省は、新型コロナワクチンの副作用について、ワクチン問題研究会の報告を受け止め、認識を改めるという考えがおありでしょうか?
それでもなお、『極めてまれ』であるとおっしゃるのであれば、ワクチン一般論ではなく、新型コロナワクチンに限定し、PMDA(厚生労働省所管の独立行政法人医薬品医療機器総合機構。医薬品・医療機器・再生医療等製品等の承認審査と安全対策、健康被害救済の3つの業務を行う)から提示された根拠を含め、『副作用が起こるのは極めてまれ』であるというエビデンスを示した上で、答弁していただきたいと思います。
ぜひ、大臣の主張を支えるエビデンスをお示しください」。
この質問に対して、武見大臣は次のように答弁した。
「御指摘の『予防接種後の健康被害が極めてまれではあるが、不可避的に生ずる』ということについては、あくまで予防接種法にもとづく健康被害救済制度の趣旨・背景をうたったものでございます。
ワクチンの副反応を疑う症状については、医療機関などから報告された情報を収集をして、関係審議会において接種総数に対する副反応の報告頻度も評価をし、現時点において新型コロナワクチン接種を見あわせるなどの意見はいただいておりません。
厚生労働省としては、今後も科学的な知見の収集、それから、専門家によるワクチンの安全性の適切な評価、それから、新たな情報の速やかな医療機関などへの提供などは、必要なことは確実に対応し、実行していきたい。こういうふうに考えているところでございます」。
質疑応答の内容など、記者会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。