2023年12月15日、午前11時より、武見敬三 厚生労働大臣の定例記者会見が東京都千代田区の厚生労働省にて開催された。
冒頭、武見大臣から、本日の閣議で、『令和5年版死因究明等推進白書(※)』が決定された旨の報告があった。
この白書は、死因究明等推進基本法に基づき、毎年国会に報告する法定白書であり、今回の白書では、令和3年6月1日に閣議決定された、死因究明等推進計画に基づいて、令和4年度中に、政府が講じた施策が報告されている。
※令和5年版死因究明等推進白書
~本文:https://www.mhlw.go.jp/stf/wp/hakusyo/shiinkyuumei/23/index.html
~概要:https://www.mhlw.go.jp/content/001177785.pdf
武見大臣からの報告終了後、大臣と各社記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、12月12日の会見における、『接種見合わせの基準』に関する質問(※)に対する武見大臣の答弁の内容について、再度、質問を投げかけた。
IWJ記者「新型コロナワクチンについて質問します。
12月12日の会見において、武見大臣は『新型コロナワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、定期的に開催している審議会において評価を行っており、審議会においては、症状が一定数に達した際に接種を見合わせる基準は設定していない』とおっしゃいました。
『症状が一定数に達した際に接種を見合わせる基準は設定していない』とのことですが、ワクチン接種見合わせ、つまり『中止』について、死亡を含めた症状の『件数』としての基準が存在しないだけであって、数値など、その他の条件にもとづいた『中止』基準は存在するのでしょうか? それとも、一度走り始めたワクチン接種キャンペーンは、製薬会社との契約満了までは、どんな重症事例が何件発生しようとも、また、そのような数値のデータが出ようとも、止まることはない、ということなのでしょうか? よろしくお願いします」。
この質問に対し、武見大臣は以下のとおり答弁した。
武見大臣「ワクチン接種後のですね、副反応が疑われている症状について評価を行う審議会におきましては、接種の見合わせに関して一定の基準は設定しておりません。その時点で得られている情報、そして科学的な知見、これらに基づいて、ワクチン接種によるベネフィットがですね、リスクを上回ると考えられるかどうかを検討する。
こういう立場でございますから、重要なことは、こうした副反応等にかかわるような情報と、それから、それらを判断するときの科学的知見、これらがやはり極めて重要な要素として考えられて、それに基づいて対応をするということになっているわけでございます」。
サリドマイド薬害事件など、過去、日本でも特定の製剤の販売が停止され、回収された事例がある。サリドマイドの場合は、胎児への催奇性が問題だったが、日本では、回収が遅れた。
2020年9月に厚生労働省に設置された「医薬品等行政評価・監視委員会」の委員も務めた佐藤嗣道氏(東京理科大[薬剤疫学])は、2010年7月に厚生労働省のヒアリングのために提出した資料(※)の中で次のように述べている。
※サリドマイド薬害について(厚生労働省)
https://www.mhlw.go.jp/stf2/shingi2/2r9852000000rwbu-att/2r9852000000rwjr.pdf
「1962年9月ようやく薬の販売停止と回収が発表されました。西ドイツの回収措置に遅れること10ヶ月でした。もし回収が速やかに行われていれば、日本での被害の拡大を防ぐことができたであろうことは言うに及びません」
やはり、新型コロナワクチン接種の見合わせに関しては、一定の基準が設定されてしかるべきであり、常に、ベネフィットよりもリスクが優先されるべきである。
IWJは、新型コロナワクチンの安全性について、今後も追及を続けていきたい。
記者会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。