2023年11月7日午前9時25分頃より、東京都千代田区の厚生労働省にて、武見敬三厚生労働大臣の定例会見が開催された。
冒頭の大臣からの報告事項はなく、そのまま各社記者と武見大臣との質疑応答となった。
IWJ記者は、WHOのパンデミック条約に関する方針について、以下の通り質問した。
IWJ記者「2024年5月の第77回WHO総会での提出・採択に向け、現在、国際保健規則(International Health Regulation・IHR)の改定と新たな『パンデミック条約』の策定作業が進められており、『WHOへの国家権力を超える権限移譲につながるのではないか』など、様々な問題点が指摘されています。
日本の新型コロナウイルス・パンデミックにおいては、緊急事態であることを理由に、ワクチンが特例承認され、ワクチンの成分や製薬会社の免責事項などが十分に公表されず、国民みずからが、その安全性を確認できない不透明な状態のまま、ワクチン接種が進められました。これは民主主義が機能しなかったということです。
このたびのIHR改定とパンデミック条約によって、今後の医薬政策において、ワクチンの承認過程、つまり、ワクチンの透明性・安全性は確保されるのでしょうか?
また、民主主義が歪められ、日本の国家主権、そして、『主権者は国民である』という『主権在民』の大原則が侵される事態を招く危険性はないでしょうか?」
これに対して、武見大臣は、次のように答弁した。
武見大臣「基本的に、安全性の確保を含めて、ワクチンの承認は、各国の規制当局によって行われております。
国際保健規則でございますけれども、その改正やいわゆるパンデミック条約の議論は、まさに今、進行中であります。
国民が接種する国内のワクチンの安全性を含めた承認過程に関することについては、まだ議論がされておりません。
なお、現在使用されている新型コロナワクチンについては、特例承認されたものも含めて、その品質、有効性、安全性をPMDA(医薬品医療機器総合機構)への審査において、確認をして、審議会における審議を経た上で、薬事承認がされております。
その成分も含めたワクチンに関する情報や、審査結果に関しても、添付文書や審査報告書、審議会の議事録を通じて公開をしているところでございます。
その安全性や審査における透明性等について、現状において、特段の問題があるというふうには、私どもは考えておりません」。
他社の記者からは、「診療報酬の改定」、「毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果」、「令和5年版自殺対策白書」、「新型コロナウイルス」、および、「感染症対症療法薬の増産」などについて、質問があった。
- 毎月勤労統計調査 令和5年9月分結果速報等(厚生労働省、2023年11月7日)
- 令和5年版自殺対策白書(厚生労働省)
質疑応答の内容など、記者会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。