2023年11月14日午後9時10分頃より、武見敬三厚生労働大臣の定例記者会見が、東京都千代田区の厚生労働省にて開催された。
武見大臣から冒頭の報告はなく、そのまま、大臣と各社記者との質疑応答となった。
IWJ記者は、前回(11月7日)の質問に対する武見大臣の答弁内容について、再度、確認する質問を、以下の通り行った。
IWJ記者「WHOパンデミック条約関連で質問します。
11月7日の定例会見にて、大臣は『IHR(国際保健規則)の改定、および、パンデミック条約策定のための議論が現在進行中であり、国内産ワクチンの安全性を含めた承認過程についてもまだ議論されていない』とおっしゃいました。
2024年5月のWHO総会に向け、改定・策定の具体的な内容について、我々国民はどの段階で知ることができるのでしょうか?
また、大臣は『成分を含めたワクチンの安全性や審査における透明性等について、現状において特段問題があるとは考えていない』ともおっしゃいました。
ですが、2021年2月17日以降、12歳以上の死亡例の報告はすでに約2000人を超えており、重篤者は約27000人、予防接種健康被害救済制度の認定数は、過去45年の全ワクチンの合計を上回っているとも言われています。
たった1回の接種で、まったく健康だった30代の女性が、指定難病の認定を受けるほど健康を損なってしまったケースを、実際に知っています。
現時点で、厚労省が、ワクチン接種による『ベネフィット(利益)がリスクを上回る』と考える根拠について、具体的にご教示願えますでしょうか?」
これに対し、武見大臣は、以下の通り答弁した。
武見大臣「まず、このInternational Health Regulations(IHR)及びパンデミック条約というものについて、その案文であるとか、それから議事録の概要というのは公表されています。それらはWHOのホームページに載っていますが、これは英文です。
- Fifth meeting of the Working Group on Amendments to the International Health Regulations (2005)(WHO)
で、交渉自体は『非公開』となっておりまして、その詳細についてご説明するのは、これは難しいんですけれども、交渉の経緯や議論の概要等については、外務省において特設ページを開設して、情報提供は行っています。
- パンデミックの予防、備え及び対応(PPR)に関するWHOの新たな法的文書(いわゆる「パンデミック条約」)の交渉(外務省、2023年10月10日)
また、近日中に厚生労働省のホームページでも公開する予定でございまして、今後とも可能な限り、丁寧に必要な情報提供に努めていきたいと思っています。
また、新型コロナワクチンの接種の方針については、これはいつも申し上げておりますけれども、有効性に関する国内外の知見として、重症化予防効果が確認されていることを踏まえて、審議会において専門家にご議論いただいた上で、決定していることでございます。
この新型コロナウイルスワクチンの副反応を疑う症状については、『副反応疑い報告制度』などより、新型コロナワクチン接種後の副反応の疑われる症状については、医師や製造・販売業者などから報告があった場合には、審議会でこの安全性を評価した上で必要な対応を行うこととして、現時点で審議会におきましては、新型コロナワクチン接種を見合わせる等の意見はいただいていないところでございます」。
WHOのパンデミック条約と国際保健規則(IHR)の具体的な内容がいつ明らかになるのか、そして、ワクチン接種による「ベネフィットがリスクを上回る」と考える根拠、いずれの問いかけに対しても、武見大臣からの明確な回答はなかった。
質疑応答の内容など、記者会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。