2023年12月19日午前10時40分頃より、武見敬三厚生労働大臣の定例記者会見が、東京都千代田区の厚生労働省にて開催された。
冒頭、武見大臣からの報告はなく、そのまま各社記者と武見大臣との質疑応答が行われた。
mRNAワクチンは、接種を重ねると、「IgG4」という長期化型の免疫抗体が多く誘導されるようになり、このIgG4がすべての免疫細胞に対して抑制的に働くため、免疫不全状態に陥る可能性が高まるといわれている。
IWJ記者は、この「IgG4」による免疫抑制について、10月17日の武見厚生労働大臣の会見で質問している。武見大臣は、次のように答えている。
「免疫疾患には限らないものの、接種回数を重ねても、特に副反応疑いの報告の頻度は上がっておりません。直近の7月28日の審議会においても、『安全性において重大な懸念は認められていない』と評価をされています」。
IWJ記者は再び、「IgG4」の増加と免疫抑制について、次の通り質問した。
「mRNAワクチンとレプリコンワクチンについて質問します。
mRNAワクチンを繰り返し接種すると、免疫を抑制する免疫グロブリンIgG4が増加することを示した論文が、2023年5月、オープンアクセスの学術サイト『MDPI』(※IWJ注)にて公開されました。
血清中の免疫グロブリンIgG4の増加は、自己免疫疾患の原因となり、感受性の高い人、免疫不全、合併症がある人においては、がんの増殖や自己免疫性心筋炎を促進するリスクがあると指摘されています。
日本は7回もの追加接種を行っています。追加接種とそれによる免疫力の低下の関係性について、包括的な調査は行われているでしょうか? または、調査をする予定はおありでしょうか?
11月28日に国内承認されたレプリコンワクチンも、同様のリスクを負っていないと、責任をもって断言できるのでしょうか?」
(※IWJ注)MDPI:
MDPIは、バーゼルに本部を置くオープンアクセス専門の出版社である。北京、武漢、天津、バルセロナ、ベオグラード、マンチェスター、クルジュ=ナポカ、ブカレスト、クラクフ、東京、トロントに支社を持つ(Wikipediaより)
この質問に対し、武見大臣は以下の通り答弁した。
「まずは、追加接種と免疫力の低下の関係性ですが、ワクチン接種後の副反応が疑われる症状については、副反応疑い報告制度にもとづく報告も踏まえて、定期的に開催している審議会において、このワクチンの安全性についての評価が行われております。
接種回数を重ねても、免疫疾患を含めた副反応疑い報告の頻度は上がっておりません。
直近の10月27日の審議会においても、『安全性において、重大な懸念は認められない』というふうに評価がされているところでございます
今後とも、科学的な知見の収集にはしっかりと努め、専門家によるワクチンの安全性の評価を適切に行って、新たな情報が得られた場合には、速やかに医療機関などに情報提供をするなど、必要な対応は行ってまいります。
それから、レプリコンワクチンについてでありますけれども、ご指摘の11月28日に薬事承認されたMeiji Seikaファルマ社のレプリコンワクチンについては、国内臨床治験による試験において、4回目の接種として投与されたわけでありますが、比較対象としたファイザー社のワクチンと比べて、有害事象の種類であるとか、発現割合などに明確な差が認められませんでした。
したがって、安全性は許容可能という判断になったことを申し添えておきたいと思います」。
質疑応答の内容など、記者会見の詳細については、全編動画を御覧いただきたい。