本記事は、「IWJ検証レポート~米国の有識者が米中の国力逆転を認めたアリソン・レポートの衝撃!」の第11弾で、「アリソン・レポート」「Military(軍事)」篇の最終章「結論:ここから我々はどこへ向かうのか(Conclusion: Where Do We Go From Here?)」の仮訳を掲載する。なお、第1弾~第10弾は本記事末尾でご案内する。
米ハーバード大学ケネディ行政大学院(ケネディスクール)のグレアム・アリソン氏が中心となって作成し、2021年12月7日に発表されたレポート「The Great Rivalry: China vs. the U.S. in the 21st Century(偉大なるライバル 21世紀の中国vs.アメリカ)」(以後、『アリソン・レポート』)は、米国が、中国との対比で自らの技術と軍事を冷静に自己評価した重要なレポートである。
米国が中国の技術水準と軍事水準をどう見ているのか、また、今後、米中覇権競争が技術と軍事という中心的な領域でどう競いあうのかを見極めるための必読文献の一つである。
この「結論:ここから我々はどこへ向かうのか(Conclusion: Where Do We Go From Here?)」の章は、アリソン・レポート軍事篇の結論部分である。
このレポート全体で、米軍は戦争になれば中国軍に負けると、直接・間接に論証してきたが、この章では、「Just the facts(まさに事実)」として、現実を直視することの必要性を説いている。
米軍が負ける理由は、米軍が「好ましくないフライホイール(弾み車)」に乗っているからだと、この結論の章は喝破している。
そのフライホールに乗り続ける限り、米軍はもちろんのこと、今や米軍の二軍と化してしまった日本の自衛隊も、中国軍に勝てない。
アリソン・レポートは、弾み車を回し続ける3つの要素をあげている。それらは、これまで米国の戦争の原動力だったが、今や米軍最大のアキレス腱になっているのである。「成功こそ失敗の始まり」とは、まさにこのことである。
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