【第527-531号】岩上安身のIWJ特報! 日米首脳会談で対中強硬姿勢が加速! 日本は「原発を抱いたまま米国の戦争に自動参戦する国」に! 岩上安身による立憲民主党・小西洋之参議院議員インタビュー 外交安全保障編 2021.9.30

記事公開日:2021.11.1 テキスト独自
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特集 3.11から11年!『ウクライナ侵攻危機』で、IWJが警告し続けてきた『原発×戦争リスク』が明らかに!
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 今、台湾有事が取り沙汰されているが、約4年前、朝鮮半島有事直前の軍事的緊張が、米軍によって高められていた。米軍と自衛隊が軍事的に一体化してしまった日本は、このままでは中国との間で、必ず同じような危険な状態に巻き込まれるだろう。

 安保法制成立後の2017年から2018年にかけて、ミサイル実験、核実験を繰り返す北朝鮮に対し、当時のトランプ米大統領は朝鮮半島周辺海域に空母打撃群を展開。さらに戦略爆撃機B1Bに朝鮮半島上空を飛行させるなど、米朝の緊張は一気に高まった。

 2017年3月、自衛隊は安保法制にもとづき、米空母打撃軍や戦力爆撃機を「武器等防護」する共同訓練を実施した。

 これをきっかけに北朝鮮は、それまで朝鮮半島有事の際の攻撃対象を、米韓および在日米軍基地のみとしていた方針を転換し、史上初めて日本をも標的にし、日本本土を攻撃すると明言した。

 北朝鮮側は、この年5月に入ると、労働新聞や朝鮮中央通信、外務省報道官の声明や、朝鮮平和擁護全国民族委員会スポークスマン声明などで繰り返し、日本がこうした米軍と一体化した共同訓練などの行動を取るなら「最も大きな被害を受けるのは日本だ」、「米国よりも先に日本列島が丸ごと焦土化されかねない」、「日本列島ごときは決心さえすれば一瞬で焦土化してしまう」、「無慈悲な核の拳の激しい強打を免れない」などと、警告を発し続けた。

▲立憲民主党・小西洋之参議院議員

 小西洋之議員は防衛省に対し、2016年3月以降に北朝鮮が日本攻撃の意思表示をしている発言を請求した。岩上安身によるインタビューの際には、これを一覧にし、ここに自衛隊の米軍との共同訓練を重ね合わせた。これを見ると、北朝鮮は日米合同訓練を脅威ととらえ、日本に警告を発し続けているにもかかわらず、安倍政権が米軍と行動をともにし、北朝鮮の脅威を煽り続けていたことがわかる。

 小西議員は、武力による威嚇が国際法違反であることを指摘した上で、「共同訓練が怒りを買って、敵国扱いされ、北朝鮮の日本への攻撃の理由を与えてしまった。まったくの亡国、国を失う、国を亡ぼすようなことを、行為を、実は、当時、安倍政権は繰り広げていた」と批判した。

 この当時、自衛隊トップの統合幕僚長だった河野克俊氏は、2020年に行った講演で、米国が北朝鮮を爆撃する可能性が6割ぐらいあったと明かしている(2020年1月29日、水戸市で開催された茨城新聞社主催の新春合同政経懇話会)。

 自衛隊は集団的自衛権にもとづき、米国と北朝鮮との戦争の最前線に置かれる重要影響事態、存立危機事態を想定していた。

 河野氏は「何があってもおかしくない」と、著書に記している。つまり、戦争が起き、日本が巻き込まれる可能性を、当時の自衛隊制服組のトップは認識していたのである。

 集団的自衛権の容認と安保法制のせいで、我々日本国民が、下手をすれば北朝鮮の核ミサイル攻撃を受けるかもしれない、という危機を、安倍政権は我々国民に説明しただろうか?

 テレビ、新聞などの大手記者クラブメディアは、この危機について国民に大々的に伝えただろうか?

 答えは「ノー」だ。

 我々国民は、小西議員へのインタビューを通じて、初めて真実を知らされたのである。

記事目次

安保法制の成立後に起きていた日本の危機! 米軍と自衛隊の共同訓練に北朝鮮が反発、「戦争が起きれば一番被害を受けるのは日本だ」と再三の警告を送っていた!

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▲安保法制は国民の利益を侵害! 小西議員の論文

小西議員「今日、お話ししたいことなんですけど、実は、安保法制という法律ですね、アメリカのために日本が集団的自衛権、アメリカ軍を守る戦争ができるようになっているわけですけども。

▲小西論文より。集団的自衛権行使を想定した2017年3月の北朝鮮威嚇の日米共同訓練で北朝鮮から日本そのものが敵国視されるに至った!

 安保法制ができた後なんですけどね。2017年から2018年にかけて、当時のトランプ大統領は、北朝鮮に対して、ここの写真で写っている、この大きな飛行機ですね、核兵器を積める戦略爆撃機 B-1Bって、これ、グアムから飛んでくるんですね。グアムから戦略爆撃機や航空母艦をですね、ロナルド・レーガンだとか、ニミッツだとか、カール・ビンソンとかいう空母を最大3隻、日本海に展開したことがあったんですが、その時に、自衛隊がアメリカ軍と、北朝鮮の目の前で共同訓練を繰り広げたんですね」

岩上「(パワーポイントを指し示し)これですね、共同訓練」

小西議員「はい。で、その共同訓練によって、共同訓練っていうのは北朝鮮からすれば、アメリカ軍と自衛隊が一体化するための訓練ですから。すると、北朝鮮から見れば自衛隊は、北朝鮮に対して攻撃をしてくる軍隊になっちゃう。

 つまり日本が、北朝鮮から見ると敵になると。

 実は、当時、北朝鮮から日本が、この共同訓練のために、ここ(パワーポイント)に書いてある『敵国視』ですね、敵国という風に見なされて、で、具体的に、『もう日本国民、許さん』と、『日本国、許さん』と。いざ、アメリカが北朝鮮に戦争しかけてくる時は、もう、日本そのものを真っ先にやっつけてやるというような、北朝鮮からの国家の意思表示をされていたと」

岩上「これ、すごく重要なんですけど」

小西議員「これが、実はあまり知られてないんです」

▲2017年3月-4月の米軍と自衛隊の共同訓練前、北朝鮮は攻撃対象は「米国と韓国のみ」としていた

岩上「知られていませんね。で、今、(小西議員が)言った時に、(中継の視聴者の中に)何言ってんだと、多分、反発が広がったと思うんです。

 北朝鮮は、だいたい拉致をしたりね、ひどいことをしたんだから、日本のことを敵国視なんか、ずーっとしていただろうがって。という風に、また北朝鮮の味方か、みたいな(決めつけをしてしまう)。

 (それに対して、いや)違うという、(「敵国視」といってもレベルが違うということを)ちゃんと冷静に見ろという話ですね。

 ここですよ。重要なことです。意外に、これはきちんと指摘されないとわかんないですけれども。この、『2017年3月-4月の米軍と自衛隊の共同訓練前、北朝鮮は攻撃対象』、これはもう、拉致なんていう話ではなくて、総力を挙げた、総力戦としての『攻撃対象は「米国と韓国のみ」としていた』。つまり、日本は(攻撃対象に)入ってなかったっていうことなんですよね。これ、ご説明ください」

小西議員「これ、実は、小西説じゃなくて、私が今、言っている、これからするお話っていうのは、私が政府に、日本政府の公式見解として、文書で出してもらったものなんですね。

 つまり、戦後、特に安保法制制定以降なんですけれども、この2017年の時まではですね、北朝鮮は日本を攻撃対象にするって言ったことはなかった。一度もなかったんです」

岩上「一度もないんですか!?」

小西議員「一度もなかった」

岩上「国も確認しているんですね!?」

小西議員「で、じゃあ、何が対象だったかって言うと、北朝鮮は、自分たちが攻められるかもしれないアメリカと韓国、で、もうひとつ対象だったのは、在日米軍基地なんですね。在日米軍基地だけは、昔、朝鮮戦争という戦争があって」

岩上「今、休戦状態で。まだ、続いてんですけどね」

小西議員「はい。その朝鮮戦争時代、日本にあるアメリカの基地から」

岩上「在日米軍基地から出撃していた」

小西議員「出撃して、まさに北朝鮮とアメリカが戦っていた。なので、朝鮮戦争の歴史からしても、在日米軍基地は攻撃対象であると。

 ただ、在日米軍基地ではない一般の日本国民だとか、日本そのものを攻撃対象っていうふうに言ったことはなかったわけです。それが、この2017年と2018年に変わったと。

 その変わるきっかけになったのが、この、3月7日ってありますけど、この直後にですね。3月の8日だったと思うんですけども、この空母カール・ビンソンっていう、攻撃型空母という、空母の中で一番強い、最強の空母ですよね。それと、航空自衛隊が、あと海上自衛隊もなんですけど、共同訓練を繰り広げたんです。これは北朝鮮に対するプレッシャーですけども」

岩上「これは、象徴的な写真で。これが米空母カール・ビンソンで、ここに飛んでいるのは……」

▲2017年3月-4月の米軍と自衛隊の共同訓練前、北朝鮮は攻撃対象は「米国と韓国のみ」としていた

小西議員「これ、アメリカの飛行機じゃないんですよ、これ。これ、航空自衛隊の飛行機なんですよね」

岩上「すごいですね!」

小西議員「すごい絵なんですけれども。こういう共同訓練をやったもんですから、北朝鮮は日本に警告を出し始めたんですね。やめろと、共同訓練、やめてくれと。

 これ、やるんだったら、日本は北朝鮮にとって敵国になるから、つまり、アメリカと韓国のように、戦争をもう想定する敵国になるので、だから、これをやめろと。で、やめないんだったら、『ひとたび戦争が起きれば最も大きな被害を受けるのはまさしく日本だ』ってのは、日本を攻撃することになるぞ、ってなことを言いはじめてるわけです」

岩上「なるほど。ここで、実は、膨大なですね、労力をかけて、小西さんが調べたものをですね、私ども、表にしました。一挙でわかるように、こういう風に、したんですね」

▲日米の共同訓練と北朝鮮の攻撃声明が交互に!(1)

岩上「今、3月7日って、このパワポで言いました。これですよね。3月7日の労働新聞(朝鮮労働党機関紙)朝鮮中央放送では、それまで、だから、これ以前ずっとですけど、『米国及び韓国のみを攻撃対象としていた』と。

 そして、先ほど言ったように、3月7日~3月10日、3月27日~3月29日、4月23日以降、海上自衛隊と米軍の共同訓練、3度にわたり、米国トランプ政権が派遣した米軍の空母カール・ビンソン等と海上自衛隊が訓練し、4月26日・28日、2度にわたり、航空自衛隊と米軍の共同訓練が行われたと」

▲日米共同訓練

岩上「それで、(その共同訓練後の)5月2日付、労働新聞。『日本反動らは米国の反共和国核戦争騒動を焚き付けて海外侵略策動に一層狂奔』。『日本反動らが』『海上「自衛隊」の護衛艦「さみだれ」号および「あしがら」号を派遣』『朝鮮半島水域へと機動』『米原子力空母「カール・ビンソン」号打撃集団と、戦術および通信の保障のための共同訓練を繰り広げるようにさせたのは端的な実例』」

▲5月2日労働新聞

岩上「で、『日本当局者らは、朝鮮半島でひとたび戦争が起きれば最も大きな被害を受けるのはまさしく日本だということをはっきりと知り、分別を持って行動すべきである』と。

 こういう風に、まだ、でも、これ抑制的ですけども、一番の被害を受けるのは日本になるぞと、初めて言ったんですね。歴史上、初めて」

小西議員「そうです。ポイントを、今、ご説明いただいたように、ついちょっと前、3月7日に、これ実は、北朝鮮はミサイルを発射して、そのミサイルの発射訓練を金正恩が視察して、その視察の模様を、北朝鮮労働党の機関紙である労働新聞っていうところが書いている話なんですけど。

 この中では、ミサイルの攻撃対象っていうのは、あくまでアメリカと韓国っていう。で、あと、在日米軍基地の話が、ちょっと出ているだけなんですね。日本を攻撃するっての、ひと言も言ってない。これ以前はないんです。

 ところが、その直後に、空母カール・ビンソンと、海上自衛隊と、航空自衛隊が共同訓練を展開することによって、その共同訓練を名指ししながら、そんなことをしているんだったら、日本が、まさに北朝鮮から被害を受けるようになるぞっていうことを、『分別を持って行動すべき』、つまり、警告をしているわけです。

 実は、この後ですね、岩上さんからご説明いただけると思いますけど、共同訓練を自衛隊がアメリカと、空母や戦略爆撃機と繰り広げると、それに対して北朝鮮が警告をするということを繰り返していって」

岩上「そうなんです」

小西議員「もう最後、やめないんだったら、核ミサイルで攻撃するっていうとこまで行きついているというのが、実は、実態なんですね」

「在日米軍基地だけ」を攻撃対象にしていた北朝鮮が変化! 「日本が米国に追従するなら、有事には米国より先に日本列島が丸ごと焦土化されかねない」

岩上「あちらも、警告した以上ね。これをね、3月から始まって、5月ですね、まだ、『分別を持って行動』しろと言っていましたが、聞きませんでした。当たり前です、聞きません」

▲日米の共同訓練と北朝鮮の攻撃声明が交互に!(2)

岩上「5月7日~18日、海自と空自が米軍と共同訓練しました。すぐ受けて5月20日、朝鮮中央通信が、『日本執権者は5月16、太平洋地域米軍総司令官ハリスとの会談で、「北朝鮮の核・ミサイルの脅威」に対処し、同盟関係を強化して緊密に連帯していくことを確約した』と。確かに、こういうこと発表していますよね」

▲5月20日朝鮮中央通信

岩上「『日本は主人である米国に』、『主人』である『米国』に、『追従して反共和国制裁策動に狂奔したことにより、自らがわが方の打撃圏内にさらに深く入り込む結果を招いた』。

 だから、日本は、米国を『主人』とする対米従属国であるということは、(北朝鮮は)明確に、はっきりと断定して言っているわけです。

 だから、(日本に対して)あんた方、(米国の)言いなりになっていくのねと。言いなりになっていく結果、どうなるかっていうと、『実戦配備された核兵器を含むわが方の全ての軍事的攻撃手段は、米本土とともに日本駐屯米帝侵略軍基地』、在日米軍基地ですね」

小西議員「これが、在日米軍基地です」

岩上「ですね。『精密照準して殲滅的な発射の瞬間だけを待っている』と。

 だから、もう、在日米軍基地を攻撃するってことと、ここで、日本はアメリカの犬のようにくっついて行くってことで、これで結局、それは、『わが方の打撃圏内にさらに深く入り込む結果』と、いうことになるわけですね」

小西議員「で、次が、決定的なことが、どんどん」

岩上「そうですね。で、5月26日~29日、こう言われても知ったこっちゃないで、海自と空自が米軍と共同訓練した。すぐ29日、北朝鮮外務省報道官、『今までは日本の領土にある米国の侵略的軍事対象(小西議員注:在日米軍基地を指す)だけがわれわれの戦略軍の照準鏡内に入っていた』」

▲5月29日北朝鮮外務省報道官

小西議員「これがポイントですね、これが」

岩上「ポイントですよね」

小西議員「はい」

岩上「『われわれの戦略軍の照準鏡内に入っていた』のは、在日米軍基地だけ、だったってことですね。が、『日本が現実を直視できず』。直視してない安倍さんがいるっていうのを、遺憾ですが、否定できませんからね。

 『あくまで米国に追従し』、ここですよ、『あくまで米国に追従してわれわれに敵対的に出てくるなら、われわれの標的は変わるしかない』。変えると、ここで初めて言う。『日本そのものを攻撃対象にする』と明言」

小西議員「はい、そうですね。なので、まさに在日米軍基地は、いざっていう時には攻撃するっていう風に、言っていたわけですけども、それの標的が、『標的が変わる』と。変わる先っていうのは、実は、日本そのもの。日本国民そのものを敵とみなしますよ、ということを言っているわけですね」

▲日米の共同訓練と北朝鮮の攻撃声明が交互に!(3)

岩上「ここで、大きな表現の変化が表れましたね。

 で、6月1日~9日、海自と空自が米軍と共同訓練。それに対して即、6月8日、(訓練が)終わる前に言いました。朝鮮平和擁護全国民族委員会スポークスマン声明。『日本が強力かつ持続的な米日同盟がもはや日本防御を超えて』、日本防御、専守防衛を越えて、『地域安保のための役割をしている、と公然と騒いでいる』」

▲6月8日朝鮮平和擁護全国民族委員会スポークスマン声明

小西議員「これは、安倍政権の主張です。日米安保は、もう日本防衛だけじゃなくて、地域のためなんだと。朝鮮半島有事なんかも、日米同盟でやっていくんだ、ってなことを言っているわけですね」

岩上「言ってますね。だから、正確にとらえているわけです。

 そして、『ひとたび有事となった際には、米国よりも先に日本列島が丸ごと焦土化されかねないということを知るべきである。(略)

 日本は慈悲を知らないわが方の不敗の核武力の前で島国の運命をかける危険千万な賭博をしてはならない』」

小西議員「だから、ポイントはこれですよね。北朝鮮の目の前で、島国って日本なんですが、日本の運命をかけるような『危険千万な賭博』っていうのは、この共同訓練を言っているわけです。

 アメリカ軍との共同訓練で、わざわざ自衛隊がアメリカと共同訓練することによって、わざわざ日本が北朝鮮の武力攻撃の相手、つまり敵国に、自分からなっていってしまっているわけですね」

岩上「そうですね。で、『賭博をしてはならない』ですから、まだ『やめろ』って言っているんです」

小西議員「そう、警告を出す。北朝鮮国は、ずっと警告を出し続けているわけですね」

岩上「ですね。ただし、ここ、一歩踏み込みました。『米国よりも先に日本列島』、もう、在日米軍じゃないです。『日本列島が丸ごと焦土化』するということを言って、だから、そんな博打はやめろ、ということ言っていますね」

岩上「で、全然そんなこと関係なく、6月13日~7月30日、海自と空自が米軍と共同訓練、行いました。

 そしたら、2017年8月8日、朝鮮中央通信が、『現日本支配層は主人である米国の保護の下、2016年3月に「安全保障関連法」を発効させ、「自衛隊」に「集団的自衛」行使の権利を付与し、「自衛隊」の海外活動範囲を大幅に拡大した』『わが方は既に、日本列島ごときは決心さえすれば一瞬で焦土化してしまうことのできる能力を備えて久しい』『無慈悲な核の拳の激しい強打を免れないであろうし、そうなった場合は日本列島が丸ごと太平洋に水葬されかねないということを理解するべきである』。

 また、『理解するべきである』ですけど、ここはまったく反論の余地ないですね」

▲8月8日朝鮮中央通信

小西議員「ポイントは、まさに安保法制ですよね。安保法制の集団的自衛権を名指しして、この共同訓練っていうのは、まさに集団的自衛権をやるための訓練、やってるんだろってこと、言っているわけです。

 そういうことをやるんだったら、もう、日本列島丸ごと、核ミサイルで沈めるぞっていうことを、まさに警告、脅しているわけですね。

 確かに、これ、北朝鮮の日本に対する威嚇ではあるんですが、ただ、原因と結果を考えると、やっぱり、こういう共同訓練をやっているから、北朝鮮は警告をして」

岩上「そうですね」

小西議員「危機感をもって警告をし、最後、日本を攻撃するぞっていう意思表示に至っているっていうのは、もう明らかな話なんだと思うんですね。

 そうすると、このときに自衛隊がやっていたアメリカ軍との共同訓練、本当に、じゃあ、必要だったの、と。これ必要ないですよね」

岩上「そうですね」

亡国の安保法制を成立させた安倍政権によって日本列島は「ミサイル吸着ホイホイ」に! 米国本土にミサイルは届かず、すべてこちらに降り注ぐ!

小西議員「(米国の共同訓練による北朝鮮に対する)武力の威嚇って、国際法違反なんですけど(※1)。いかに北朝鮮相手とはいえ、国際法違反なんですが。北朝鮮にそういう武力の威嚇、軍事的なプレッシャーを与えるのは、それはアメリカの軍事力だけで充分なわけですよね。

 日本の自衛隊がアメリカ軍と一緒に共同訓練やれば、こうやって怒りを買って、敵国扱いされて攻撃対象にされ、かつ、もっと大事なことは、北朝鮮から日本に対する攻撃、北朝鮮の日本への攻撃の理由を与えてしまっているわけです」

岩上「わざわざね」

小西議員「わざわざ。だから、まったくの亡国、国を失う、国を亡ぼすようなことを、行為を、実は、当時、安倍政権は繰り広げていたわけですよね」

岩上「私は、この集団的自衛権の行使容認と、それから安保法制、そして、その後の現実の行動。現実の行動がやっぱり大事ですから。現実の行動が非常に危険な、冒険主義的な行動をするにつけ、日本列島というものは『ミサイル吸着ホイホイ』(※2)にさせられていくんだなと。

 それで全部、ミサイルがここ(日本列島)に落ちていくというんですかね、摩耗させられていくと。アメリカの本土には届かないというような、状態にさせられると」

小西議員「『ミサイル吸着ホイホイ』って言葉がありましたけど、表現はともかく、実はおっしゃる通りで、日本は北朝鮮の目の前にあるわけですよね。ところが、アメリカは地球の裏側にあるわけですよ。北朝鮮と戦争になって、一番被害が及ぶのは目の前の日本なわけです。

 ただでさえ、在日米軍基地は、アメリカが北朝鮮と戦争するための最大の軍事的な基盤ですから、それは、はじめから北朝鮮は、そこは攻撃対象に当然していたわけです。

 それだけじゃなくて、東京だとか大阪だとか、日本そのものが攻撃対象に、自らなってしまっていると。この不合理さ。

 あと、国民から見たらあまりにも不条理ですよね。えっ、なんで安倍政権、そんなことするの、と。なんで、アメリカ軍と共同訓練なんかする必要あるの、というのが、実は知ってみれば、常識的な感覚、思いだと思うんですよね」

岩上「この後、実は『訓練、訓練』(※3)という言葉が出てきます。だから、『訓練』という言葉に引っかかって、訓練に対して北朝鮮がヒステリー起こしてるだけだろうと、だから、そんなもの、何でまともに受け合うんだとか、そんなもの言葉の脅しであるにすぎないとか、訓練は攻撃そのものとは違うんだとか、そういう風に思う方、いっぱいいらっしゃると思うんですが、違うんです。

 非常にですね、差し迫った攻撃のですね、意図とか能力とか準備とかを備えた、一触即発の状態にあったってことがわかります」

小西議員「そうです」

岩上「それを、小西さんが明らかにしてくれます。

 その前に、この6月(13日から)の、7月30日までの共同訓練の後、今、(8月)8日のが出ましたが、最後まで読みますとね、8月15日、朝鮮中央通信。『南朝鮮』、これ韓国ですね、『と日本、太平洋作戦地帯と米国本土の打撃対象物を殲滅的な超強力打撃で焦土化』すると。

 だいぶ攻撃的ですよね。ここ、もう露骨に『日本』と言ってますし、太平洋作戦地帯はもちろんですけど、米本土だって、やってやるということも言ってます。

 で、9月4日、統一新報。『日本が米国の対朝鮮侵略戦争の遂行に本格的に乗り出して無謀な狂気を振りまくなら』……」

▲日米共同訓練への北朝鮮の反応2017年8~9月

小西議員「これ、共同訓練を指してるんですね」

岩上「これですよね。米国の遂行に協力して出るというなら、『日本という島国が丸ごと海に沈むこともあり得る』ぞと。

 2017年9月7日、朝鮮アジア太平洋平和委員会報道官声明(朝鮮中央通信)。『日本は、恐ろしい打撃力と命中効果を持つ多種多様な原爆と水爆、ロケット(ミサイル)を保有した世界的な軍事強国である北朝鮮が最も近くにあるということを肝に銘じるべきである』。

 ものすごい世界的な軍事強国であるというところは、誇張であると思ってもいいですけど、北朝鮮が、『最も近くにある』というのは、さっき小西さんがおっしゃった通り、アメリカは遠くにいるんですよ、所詮ね。だけれども、日本はすぐ近くにあるんですよ。

 そして、2017年9月13日、朝鮮アジア太平洋平和委員会報道官声明(朝鮮中央通信)。『取るに足らない日本列島の4つの島を主体の核爆弾で海の中にぶち込むべきだ』。

 とうとうですね、言ってることがですね、『ぶち込むべきだ』になりました。もう、ぶち込んでやろうと」

▲日米共同訓練への北朝鮮の反応2017年9月13日

小西議員「で、よろしいですか。御覧になってる方々は、この物騒な北朝鮮の発言に驚かれると思うんですが、これ、実はですね、私が選んだんじゃないんです。

 私が防衛省に対して、北朝鮮が、安保法制を作られたですね、施行以降、2016年の3月以降に、北朝鮮が日本に対して、日本を攻撃対象にしている意思表示、北朝鮮が日本を攻撃するぞと言ってる、その意思表示の発言を、防衛省から調べて出してくださいって言ったら、防衛省、常日頃調べてるんで、パッと、あっという間に出してきてくれたのが、実はこの言葉なんですよ。

 私が言ってるんじゃなくて、日本国政府が、北朝鮮が日本に対する攻撃意思を、こういう風に言ってますっていうのを出してきた。

 私はこれ、実は、元の文書がある。これなんですけど、国会でも委員会でも配って、国会質問もしてるんですけれどね。

 で、元の、このものをわかりやすく、IWJ の方でパネルにしていただいたものなので、別に私が選んで言ってるんじゃないんです」

▲日米共同訓練への北朝鮮の反応を列記したパネルを指す小西議員

小西議員「防衛省、日本政府が、北朝鮮がこういう、日本を攻撃するぞっていうことを言ってる。ただ、政府が国民に説明していないのは、北朝鮮の日本への攻撃っていうのが、実は、当時の自衛隊とアメリカ軍の共同訓練、これを原因としてなされているものだっていうことの説明が、まったくない」

岩上「伝わってないんですよ。驚くべきこと」

小西議員「私も、この資料をもって見るまでは、私も知りませんでした」

▲2017〜18年当時、北朝鮮の武力攻撃によって日本国民の声明・身体の安全が侵害される現実的危険に直面していた!!

岩上「そして、これですね。2017年~2018年当時、『北朝鮮の武力攻撃によって日本国民の生命・身体の安全が侵害される現実的危険に直面していた』と。『特に日米共同訓練が繰り返される状況下』、これはもう、訓練といっても、訓練という名の下に」

小西議員「訓練って、はしごを登ってるとか、そんな訓練じゃないんです」

岩上「じゃないですよね。これです」

小西議員「これです。アメリカの空母を航空自衛隊の飛行機が守る。これは、アメリカのグアムから飛んでくる、グアムに大きなアメリカ空軍基地があるんですね。そこから飛んでくる戦略爆撃機、核兵器を積める爆撃機なんです。で、この手前を飛んでる、これ、航空自衛隊なんです。奥はアメリカの空軍なんです。アメリカ軍」

岩上「そうなんだ。これ航空自衛隊」

小西議員「航空自衛隊」

岩上「この巨大な飛行機が」

小西議員「守ってるわけ。で、ポイントは、よろしいですか、このB-1Bっていうの、これ、もう世界中に公開されてますけど、このB-1Bっていうのは、自分で自分を守る機関銃を持ってないんです」

▲太平洋上を飛行中のB-1B(Wikipediaより・United States Air Force)

岩上「なるほど」

小西議員「自分で自分を守る、兵装(へいそう)って言うんですけど、守る武器を持ってないです。なので、必ず戦闘機が護衛につかないといけないです。その護衛役を航空自衛隊がやってる。

 で、よろしいですか? いろんなアメリカの戦略爆撃機を守る訓練を、当時、航空自衛隊は20回ぐらい、確かやってるんですが、アメリカの飛行機が1機もない時もあるんです。そっちの方が多いです。アメリカの飛行機が1機もなくて、航空自衛隊だけが守ってる訓練もいっぱいやってるんですね。

 なので、共同訓練っていうのは、何か、消防隊がはしご車とか、そんなイメージじゃなくて、まさに戦争をやる訓練。しかも、アメリカの最強の打撃力、戦略爆撃機や攻撃型空母という、アメリカの最強の兵器を守り、支える戦闘訓練をやってるってことなんですね」


※1)武力の威嚇って、国際法違反なんですけど:
 国連憲章は第2条4で、以下のように定めている。
 「すべての加盟国は、その国際関係において、武力による威嚇又は武力の行使を、いかなる国の領土保全又は政治的独立に対するものも、また、国際連合の目的と両立しない他のいかなる方法によるものも慎まなければならない」
 なお、小西議員による米空母カール・ビンソン打撃群の派遣と国連憲章に関する質問主意書に、安倍晋三総理(当時)は、平成29年(2017年)5月16日付け答弁書で「『武力による威嚇』とは、一般に、現実にはまだ武力を行使しないが、自国の主張、要求を入れなければ国際法上違法な武力行使を行うとの意思、態度を示すことにより、相手国を威嚇することであると考えている」とした上で、「我が国として、米国が違法な武力行使を行う意思、態度を示しているとは承知しておらず、御指摘の(中略)自衛隊と米空母カール・ヴィンソンとの共同訓練が国際法に違反する『武力による威嚇』に当たるとは考えていない」と回答している。
参照:

※国連憲章テキスト(国際連合広報センター)
【URL】https://bit.ly/3ufo59F

※第193回国会(常会) 答弁書第九八号(参議院 質問主意書)
【URL】https://bit.ly/39IJ4IJ

※2)ミサイル吸着ホイホイ:
 トランプ前大統領の補佐官であったピーター・ナヴァロは『米中もし戦わば』(2015、文藝春秋)のなかで、トシ・ヨシハラの「中国のミサイル攻撃の第一撃(特に、第一列島線上の基地インフラに対するもの)を確実に吸収できるようにする」という言葉を引用(p.228)し、米国の軍事資産の持つ抵抗力を高める方法を示している。
 さらに、ナヴァロは、ヨシハラの「基地や艦船といったこう価値資産を日本列島全体に再配置すれば、中国にとってはターゲットを絞り込むことが遥かに困難になるだろう」(p.229)という発言も引用している。
 ヨシハラ氏は、これらの発言をドキュメンタリー映画『Crouching Tiger: Will There Be War with China? 』(2016、DBCプロダクションズ)の中で語っている。
 ナヴァロは、日本列島状に軍事目標を分散配置する戦略の実現可能性について、「基地分散化戦略は基地受け入れ国の草の根レベルの政治的反対に遭うことが予測される」とし、そうした草の根の反対運動によって「これらの戦略は結局先送りされてしまうだろう」(p.235)と述べている。
 しかし、残念なことに日本には、米国ミサイル配備を日本列島に迎え入れ、米国を守るために、あえて日本列島を敵国のミサイル標的に差し出すことを熱望する、対米従属しか眼中にない極右政治家もいる。安倍晋三前総理や、安倍氏の支援を受けて2021年の自民党総裁選に立候補した高市早苗氏らである。高市氏は、9月19日朝のフジテレビ系「日曜報道 THE PRIME」に出演し、「精密誘導ミサイルの配備、これは絶対だと思っています」と言明した。
 2021年9月14日、元防衛省キャリアで元内閣官房長官副長官補の柳澤協二氏に岩上安身がインタビューした際、柳澤氏は「今、米国が考えているのは中国本土にあるミサイルの管制施設を潰」すことであり、そのために「中距離弾道ミサイル」を日本列島全土に配備することだと指摘している。
 柳澤氏は「日本を舞台にした軍拡競争、ミサイル軍拡になるわけですから。かえって、先制攻撃のモチベーションがお互いに上がらざるを得ないという問題もある」と、米軍のミサイルを日本列島に配備する危険性について語っている。米軍が引き金に指をかけているミサイルを日本列島状に配備することによって「日本列島全体を要塞化して、そういう軍事目標をあちこちに置けば、どれが潰されるかわからない」という状態になるが、それを「安全」というのか、と柳澤氏は問うている。
 また、青木正美医師と前田佳子医師へのインタビューの中で、岩上安身が日本列島を「ミサイル吸着ホイホイ」化する米軍戦略について語っている。
参照:
・『Crouching Tiger: Will There Be War with China? 』(DeathByChina、2016)
【URL】https://bit.ly/3ugSIeT

・はじめに~自民党総裁選4候補の安全保障論議、「敵基地無力化」を主張し「米中距離ミサイル配備」を「積極的にお願いしたい」という高市氏に河野氏が「アメリカだけが引き金に指をかけているミサイルを日本に置いたからといって、日本の抑止力が高まるわけでない」と痛烈批判!「『敵基地ナントカ能力』みたいなものはかえって(日中関係を)不安定化させる」「勇ましい『やれやれ』というような人が喜ぶだけ」とも!(日刊IWJガイド、2021.9.21号~No.3295号)
【URL】https://bit.ly/3zKKXz8

・自民党総裁候補・高市早苗氏の「核爆発による電磁パルスで敵基地を無力化」発言について識者にきく!(その3) 元防衛省キャリアで元内閣官房副長官補の柳澤協二氏は「私も兵器マニアではないけれども。漫画の読みすぎなのかもしれないしね。もっと現実の政策にもとづく議論をすべき」と回答! 2021.9.23
【URL】https://bit.ly/3ojK6Dg

・「戦場で勝って戦争に負けた」9.11以来の米国の対テロ戦争! その「見果てぬ夢」の続き・対中戦争における日米同盟の危険性! 〜9.14岩上安身によるインタビュー 第1052回 ゲスト 元内閣官房長官補・国際地政学研究所理事長柳澤協二氏 2021.9.14
【URL】https://bit.ly/3EVZpYV

・コロナ『冬の第6波』に向けては「何よりも検査」、「五輪にかけたエネルギーを感染症対策に向けていたら!」〜9.24岩上安身によるインタビュー第1053回 ゲスト 日本女医会理事・青木正美医師、日本女医会前会長・前田佳子医師
(後編25分ごろから日本列島を「ミサイルホイホイ」化する米軍戦略についての話)
【URL】https://bit.ly/2Wm80CQ

※3)訓練訓練:
@ここここまで@  第二次世界大戦中に日本陸軍が行った「関特演(関東軍特種演習)」など、過去の戦史には、演習や訓練と称して、軍隊を集結させ、実際には戦争を始めようとした例がまま見られる。
 「関特演」では、1941年6月の独ソ戦開始に乗じて、日本陸軍が対ソ戦参戦を想定して7月、満州のソ連国境近くに兵力70万、馬14万頭,飛行機600機を集結した。演習を名目としたが、日ソ中立条約を侵犯する対ソ侵攻作戦の準備行動だった。しかしソ連軍は日本軍の期待に反して独ソ戦に耐え、戦力を保持したたため、日本軍は対ソ侵攻を断念した。
参照:
・関特演(コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3m1FbnS

自衛隊トップが回想録で明かした一触即発! 「トランプ大統領が北朝鮮を攻撃する可能性は6割。自衛隊は集団的自衛権の行使を検討した」

岩上「こういう時には当然、では、今、攻撃するぞとか、さまざまな命令を瞬時瞬時に、その指揮官、垂直的なですね、ヒエラルキーの下で、命令を下していく。それが指揮権なわけですが、その指揮権というのは、普通、2つあったらできないわけです。

 じゃあ、どっちにあるのかっていったら、全部、米軍にあるわけじゃないですか」

小西議員「実はですね、これ、あんまり知られてないんですが、岩上さんもご存知ですよね、航空自衛隊の一番の指令部っていうのは『航空総隊』って言うんです。航空総隊っていうのは、横田基地の中にあるんですね。ところが、その横田基地って、日本の基地じゃないんです」

岩上「はい。ないですね」

小西議員「アメリカに貸してあげてる在日米軍の基地なんです。で、その横田基地の敷地の中に、航空総隊の建物があるんですが」

▲航空総隊司令部(航空自衛隊HP)

岩上「もう、同棲しちゃってんですよ」

小西議員「で、同棲だったらまだいいんですけども、同棲じゃない。

 どういうことかというと、横田基地の敷地の中に航空自衛隊の指令部、航空総隊があるもんですから、そこの出入り、もう全部、アメリカ軍に管理されてるんですよ。

 よろしいですか? これは、私は国会で、もう明確に防衛省に、そういう風に答弁を得てます。3月だったかな、航空自衛隊の一番偉い、航空総隊の司令官ですね、その人の出入りは誰が管理してるんですか、と。在日米軍ですと。

 実は、それが実態なんです、自衛隊の。もう、完全にアメリカ軍と一体化。一体化どころじゃないですよね」

岩上「一体化じゃないですね。完全に統治下ですよ」

小西議員「今、防衛省に調べさせてるんですけども、アメリカ、いろんな国に基地を置いてますけど、世界のどっかの他の例で、アメリカが置いてる基地の中に、その国の軍隊の総司令部が置いてある例ってあるかって言ったら、まだ防衛省、見つけてきてない」

岩上「ないでしょう」

小西議員「ないと思いますね。だから、それぐらい、実は一体化」

岩上「垂直統合化ですね」

小西議員「垂直統合化、しちゃってるわけなんですよね。だから、こんなことしてると、もう、本当に、いざ有事の時に、こういうことし始める。

 実はそれが、当時、今からですけど、2017年から2018年、2017年の当時に、まさに、これによって北朝鮮と戦争する……」

岩上「直前になっていた」

小西議員「なっていたと」

岩上「そこが、実は重要です。あくまで、あれ訓練でしょっていう風に思うと大間違いで、実は大変な答弁をね、聞き出してるんですよ」

▲朝鮮半島有事に備え、「需要影響事態」や集団的自衛権を行使する「存立危機事態」を想定

小西議員「これの次ですね。実はですね、当時の、河野(克俊)さんっていう自衛隊のトップですね、統合幕僚長が、もう今は辞めてるんですが、当時、2017年、2018年の時、彼が自衛隊のトップだったんですね。で、彼が本を出してるんですよ(※4)。その本に何て書いてあるかというと、当時ですね、ここに書いてますけど、アメリカが北朝鮮を攻撃するということが、可能性としてあるっていう風に考えたんです」

▲河野克俊著『統合幕僚長~我がリーダーの心得』(2020年9月16日、ワック刊)

小西議員「で、当時、河野さんは、アメリカ軍の最高トップであるですね、何とか議長っていうですね、アメリカ軍のトップの人と、数日おきに電話で状況交換をしていたと(※5)。で、彼が、あとで、ある所で喋ってるんですけど、当時、6割ぐらい、アメリカが北朝鮮に、つまり、トランプ大統領が北朝鮮を攻撃する可能性があった(※6)」

岩上「アメリカが攻撃するってことですね。6割!」

小西議員「はい。で、そのアメリカが、北朝鮮を攻撃した場合の朝鮮半島有事で、その時に、河野氏の下の統合幕僚監部っていう自衛隊の、昔の大本営に当たる所ですね」

岩上「そうですね。最高の決定機関」

小西議員「そこで、安保法制にもとづいて、自衛隊が、重要影響事態や集団的自衛権を。重要影響事態、後方支援ですけど、集団的自衛権をやるっていうことを、想定、検討してたって、この人が言ってるんですよ」

岩上「これ、すごいですよ」

小西議員「自分の本で言ってるし、いくつかの、朝日新聞や共同通信などのインタビュー(※7)で、そういう風に語ってるんですね」

岩上「この、語ってるところでね、河野さんが、6割ぐらい攻撃しそうだと。その時に、『集団的自衛権を行使して米軍への攻撃に自衛隊が反撃』、反撃するんです。つまり、北朝鮮に対して攻撃するわけですね。だから、北朝鮮は報復しますわね。そういう存立危機事態を想定して、やるぞっていう準備をしていたと。驚くべきことです」

小西議員「それが、まさに今言った、インタビューだったか、本ですね」

岩上「それがね、また出してるのがワック(WAC)なんですよ。ワックっていうのは『WiLL』というね、極右雑誌を出してるところですけどね。『統合幕僚長』という本で、出してますね。こっちは朝日の記事、こうやって分けてます」

▲河野氏「平成二十九(2017)年後半は、米朝は一触即発。何が起こってもおかしくない状況」

小西議員「だから、米軍が軍事行動、北朝鮮を攻撃、に踏み切った場合に、朝鮮半島有事になる可能性があると。で、『16年に施行された安保法制の下で自衛隊がどう動くか、私の責任で統合幕僚監部で頭の体操をしました』と」

岩上「頭の体操だけじゃ終わんないんですけどね」

小西議員「で、当時、金正恩氏がですね、トランプ大統領のことを狂人だみたいに言って、トランプ大統領は金正恩のことを『ロケットマン』とか言って(※8)」

岩上「言いましたね」

小西議員「お互いが言い合って、緊張がどんどん高まってたんです。で、そうした中で、アメリカが黙ってなくて、さっき言いましたように、日本に3つの空母をですね、日本海に展開させたと。

 さっきのB1、B2、戦略爆撃機を次々と朝鮮半島に向かって飛行させた。で、これに航空自衛隊が寄り添って、共同訓練を繰り広げていたわけです。そうすると、まさに、米朝関係っていうのは、一触即発の状況にあったんですね。

 で、『何が起こってもおかしくない状況だった』。つまり、戦争が起きても。で、戦争が起きれば『日本にも危険が及ぶ』と。

 日本の国民のために、自衛隊は何かしなきゃいけないっていうので、全力で対処に当たらなきゃいけないってこと、言ってるんですが」

岩上「これ、言ってるのは、我々がね、外から、外野から見てね、『それは米朝一触即発じゃないですか。何が起ってもおかしくない状況だったんじゃないですか』とかいうことを、我々が言ってんじゃないんですね。

 当事者であった河野さんが、一触即発で、何があってもおかしくなくて、朝鮮半島で有事って。トランプは、やるって言ってたわけだから、やりかねなかったんだから、そしたらもう、『国民を守るために、自衛隊は全力で対処に当たる』って言うけれど、国民、守れないっすよ。核ミサイルが飛んでくるんですから、それじゃあ」


※4)彼が本を出してるんですよ:
 河野克俊氏は、防衛省統合幕僚長を2019年4月1日付けで退官した後、2020年9月16日、『統合幕僚長~我がリーダーの心得』(ワック刊)を上梓した。
 同書の中に、2016年から2017年に北朝鮮が繰り返したミサイル発射と核実験に対する、米トランプ政権(2017年1月発足)の反応として、以下の記述がある。
 「トランプ大統領は、同年四月に行われた安倍総理との電話会談で、『すべてのオプションがテーブルの上にある』と答えている。つまり、軍事オプションもありうるという意味である。」(p.258)
 「トランプ大統領は『北朝鮮は、世界がこれまでみたこともないような、炎と怒りを浴びるだろう』と応じた。」(p.258)
 「北朝鮮が計算違いをして米国のレッドラインを越えるようなことがあれば、軍事オプションが現実味を帯びてくる。」(p.258)
「もし北朝鮮が計算を誤り、米国のレッドラインを踏み越えたら軍事オプションは現実味を帯びる。」(p.265)

※5)何とか議長っていうですね、アメリカ軍のトップの人と、数日おきに電話で状況交換をしていたと:
 河野克俊著『統合幕僚長』(2020年9月、ワック刊)に、2017年の北朝鮮のミサイル問題発生時のこととして、以下の記述がある。
 「この間、私はカウンターパートであるダンフォード統合参謀本部議長と頻繁に電話で連絡を取り合っていた。ダンフォード議長が『二、三日に一回は連絡をとった』とメディアに語っているから、そのくらいの頻度で連絡をしていたと思う。」(p.265)

※6)当時、6割ぐらい、アメリカが北朝鮮に、つまり、トランプ大統領が北朝鮮を攻撃する可能性があった:
 2020年1月29日、水戸市の水戸プラザホテルで開催された茨城新聞社主催の新春合同政経懇話会で、河野克俊氏が「今後の日米安全保障」をテーマに行った講演内容について、茨城新聞が以下のように報じた。
 「北朝鮮が弾道ミサイル発射を繰り返した2017年については、米軍が日本海に空母3隻を派遣するなど一気に軍事的緊張が高まったとし、『一番緊張を強いられた。アメリカが軍事行動に踏み切る可能性も6割はあると思った時期もあった』と振り返った。」(2020年1月30日 茨城新聞朝刊「新春合同政懇 日米同盟の重要性訴え 前防衛省統合幕僚長・河野さん、安保主題に講演」)

※7)朝日新聞や共同通信などのインタビュー:
 (インタビュー)近づく政治と自衛隊 前統合幕僚長・河野克俊さん(朝日新聞、2019年5月17日)
 「――在任中は緊張続きでした。最も緊迫したのはいつですか。
 『17年です。北朝鮮が弾道ミサイル発射の距離を延ばし、射程内にグアム、ハワイ、ワシントンとエスカレートさせてきた。米朝の首脳同士で「ロケットマン」「老いぼれ」と言葉の応酬が始まり、9月の国連総会でトランプ大統領は、北朝鮮が挑発をやめなければ「破壊する」と言った。違った段階に来ていると思いました』
 『電話で米軍のダンフォード統合参謀本部議長と2、3日に1度、ハリス太平洋軍司令官とも準備態勢の情報を交換しました。米軍が軍事行動に踏み切り朝鮮半島有事になる可能性を考え、16年に施行された安保法制の下で自衛隊がどう動くか、私の責任で統合幕僚監部で頭の体操をしました』
 ――米軍が攻撃するレッドラインはどのへんだったのでしょう。
 『具体的に言えません。北朝鮮を放置すれば米国の国益を大きく損ねる段階を見極めるということです。やる、やらないを決めるのはトランプ大統領と安倍総理。幸い米軍から軍事行動をするという連絡はなかったが、総理には随時米軍の態勢を報告していました』」
 半島「軍事オプションあり得た」 - 17年危機、河野前統幕長が証言(共同通信、2019年10月12日)元記事は削除済みのため、西日本新聞より。
 「今春まで防衛省制服組トップの統合幕僚長だった河野克俊氏が、軍事的緊張が高まった2017年後半の朝鮮半島を巡る危機に関し『米軍の軍事オプションはあり得ると思っていた。(あの時ほど)軍事衝突の可能性を身近に感じたことはなかった』と語った。12日までの共同通信のインタビューで明らかにした」
参照:
※(インタビュー)近づく政治と自衛隊 前統合幕僚長・河野克俊さん(朝日新聞、2019年5月17日)
【URL】https://bit.ly/3o94Ai2

※半島「軍事オプションあり得た」(西日本新聞、2019年10月12日)
【URL】https://bit.ly/3AMwF27

※8)当時、金正恩氏がですね、トランプ大統領のことを狂人だみたいに言って、トランプ大統領は金正恩のことを『ロケットマン』とか言って:
 ドナルド・トランプ氏が米大統領に就任した2017年、北朝鮮は急速に核兵器能力を伸ばし、火星12号、火星14号、火星15号など、大型のものを含む弾道ミサイルを16回発射した。
 トランプ大統領は朝鮮半島沖に原子力空母を向かわせ、米軍、韓国軍、日本の自衛隊の合同演習を頻繁に実施するなど、北朝鮮との軍事的な緊張は最高潮に達した。
 2017年8月5日、トランプ政権の提案した大規模な対北朝鮮制裁強化決議が国連安保理で全会一致で可決されると、北朝鮮はグアム攻撃計画を8月中旬までに策定すると発表。
 これに対し、トランプ大統領は8月8日、北朝鮮が米国を脅し続けるなら、「世界が見たこともない炎と怒りに遭わせる」と警告した。
 9月、トランプ大統領が国連総会の一般討論演説で、金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼んで挑発すると、金委員長も談話を出してトランプ大統領を「老いぼれ狂人」と非難した。
 日本では、2017年8月29日と9月15日、北朝鮮のミサイル発射情報が全国瞬時警報システム(Jアラート)によって、北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県の12道県に発令された。
参照:
・北朝鮮弾道ミサイル発射事案への対応(総務省消防庁、令和2年版消防白書)
【URL】https://bit.ly/3jkZ9d0

・【図解・国際】北朝鮮のミサイル発射(2017年8月)(時事ドットコム、2017年8月29日)
【URL】https://bit.ly/3kqVR7G

・【図解・国際】北朝鮮のミサイル発射(2017年9月)(時事ドットコム、2017年9月15日)
【URL】https://bit.ly/3jlC5ed

・トランプ大統領の北朝鮮先制攻撃は演技だった――アメリカ前国連大使、新著でトランプ政権の手の内ばらす(YAHOO!JAPANニュース、2019年11月14日)
【URL】https://bit.ly/3BvuwYX

・北朝鮮、トランプ氏を非難 「老いぼれのもうろくか」(日本経済新聞、2019年12月5日)
【URL】https://s.nikkei.com/2WrDSFR

・北朝鮮がグアム攻撃を視野、沸騰するトランプの「炎と怒り」(ブルームバーグ、2017年8月9日)
【URL】https://bit.ly/3kwCtG3

朝鮮半島有事で北朝鮮から最初に攻撃されるのは日本。米朝の緊張が高まった2017~2018年、日本国民は生命の危機にさらされていた!

小西議員「ポイントはですね、よろしいですか、(前統合幕僚長の)河野氏(※9)が言っている、当時、トランプ大統領と北朝鮮の間っていうのは、もう、一触即発になっていたんですね。だからといって、アメリカと北朝鮮が戦争になって、日本の東京などが、直ちに襲われるかっていうと、普通はそうはならないわけですよ」

岩上「普通はならない」

小西議員「ところが、さっき言ったような、共同訓練をバンバン」

岩上「やって」

小西議員「この3隻の空母が来た時も、航空自衛隊と海上自衛隊、共同訓練やっているわけですよ」

岩上「それは集団的自衛権行使容認と、安保法制みたいなものの、前提」

小西議員「集団的自衛権行使のための共同訓練をやっているわけですね」

岩上「前提となるもの」

小西議員「だから、アメリカと北朝鮮が一触即発になれば、当然、北朝鮮は日本に攻撃してくるわけですよね。そういう危険を自ら、実はこの河野氏や、統合幕僚長や安倍総理たちが作り出していたと」

▲河野克俊・前統合幕僚長(Wikipediaより)

岩上「ここ、確認ですけどね、今、頭混乱してる人、いるかもしれませんから。いやいや、安保法制やったんだから、できるんだろうと。安保法制前ですよね?」

小西議員「違う違う。これ、安保法制の後ですよ」

岩上「これ、安保法制の後で。集団的自衛権行使容認の後」

小西議員「もちろん。これ、2017年。安保法制ができたのは、施行されたのは2016年の3月なので、もう、その後ですね」

岩上「なるほど」

小西議員「で、要は、安保法制によって集団的自衛権ができるようになったので、さっき言った空母を守り、アメリカの戦略爆撃機を守る共同訓練を」

岩上「やったと」

小西議員「やってた。これは、言うと、トランプに対する安倍総理の、忖度を超えた……」

岩上「忠誠ですよね」

小西議員「忠誠。その忠誠によって、実は、日本国民がとんでもない大きな危険にさらされていたっていうことが、実は、問題なんですね。

 なので、さっきの、日本が、自衛隊がアメリカ軍と共同訓練やって、北朝鮮が、それをやめないんだったら日本を攻撃するぞってことを、ずーっと言っているってのを、御覧いただきました。

 じゃあ、そういう状況で、アメリカが北朝鮮に攻撃して、で、自衛隊がアメリカを守るために北朝鮮を攻撃する集団的自衛権を発動すれば、当然、北朝鮮は日本に対して反撃報復を、これはもう、絶対やってくる。そういう状況を作り出していたわけですね。

 で、作っていた時に、じゃあ、北朝鮮が日本にミサイルを飛ばしてきた時に、全部撃ち落とせるかっていうと」

岩上「撃ち落とせないです」

小西議員「これは当時の政府も、撃ち落とせない。撃ち落とせないからイージス・アショアを導入しましょう(※10)、っていう議論になっているわけですよ」

岩上「笑っちゃうな」

▲小西議員「集団的自衛権を行使すれば北朝鮮からの武力攻撃により日本国民に被害が生じる危険があった」

小西議員「なので、実は、ここに、まとめに書いてあるんですけれども、2017年から2018年の状況は、日本がアメリカに対する、アメリカを守る集団的自衛権をやった場合には、北朝鮮が日本に対して、攻撃されてて、されること間違いなくなってましたねと。それをやられれば、日本国民に命の危険が生じることになってましたね、ということが、実は、間違いなく言えるはずなんですね」

岩上「これ、過ぎ去った危機だと思ったら大間違いです。そして、北朝鮮なんです、相手は。やっぱり、北朝鮮って、総合的に国力はそんなに大きくはないわけです。だけれども、今、まさに、日々どんどんどんどんスピードが加速してきますけれど、米中が対立していってるんですね。

 米中は、本当に巨大な、巨大な超大国ですね。その超大国同士がぶつかり合っていく中に、これと同じような構造で、構造は同じですよね。同じ構造で対決をしていくということになる」

小西議員「そうですね。ちょっと、今のこと、御覧になった方、わかっていただいてますかね。2017年、2018年、どういう恐ろしいことが起きてたかっていうの」

岩上「わかると思いますよ。もちろん。充分わかったんじゃないですかね」

小西議員「じゃあ、ちょっとですね、その関連で、これ、大事なので。今のご説明は2017年と2018年の当時に、安倍政権が、やらなくてもいいアメリカ軍との共同訓練を、北朝鮮の目の前でやったことによって、北朝鮮から敵国扱いをされていたと。

 そういう状況にもかかわらず、アメリカが本当に北朝鮮と戦争やった時に、アメリカを守る集団的自衛権をやることを検討していたっていうのを、当時の河野幕僚長が言い、さらに、これ、安倍総理にも報告してるんですね。

 実は、本当に集団的自衛権をやることを当時、検討し、安倍総理にも報告していたっていうことを、今年の3月30日に、私は防衛大臣、岸(信夫)大臣から答弁で、外交防衛委員会で答弁をとってます(※11)。事実上、それを認める。だから、本当の話なんです。本当の話、それがひとつ」

▲集団的自衛権の行使によって相手国より武力攻撃を受け、国民の生命に大規模な被害が生じる可能性

小西議員「あと、もうひとつですね、これは去年の12月の臨時国会で、私が防衛大臣と防衛省からまとめてとった答弁なんですけれども、これ、恐ろしいこと言ってるんですが、当たり前のことなんでご存じ(かも)。

 よろしいですか、今、日本政府ですね、日本政府においては将来、存立危機事態、さっきのような北朝鮮とアメリカが緊迫するようなことがですね、つまり、アメリカがどこかと戦争して、日本にとっても存立危機事態がいつかは起きるっていう風に認識してますと。で、その時には、日本はアメリカを守るための集団的自衛権を行使しますと。

 ただ、行使したら、相手から武力攻撃、反撃を受けて、報復を受けて、よって、日本国民の命などに被害が生じる。かつ、その被害っていうのは大規模なものになることを想定してますっていうことを、実は、この通りの日本語を、初めて政府が国会で答弁をしてます。

 実は、安保国会や安保法制を強行採決して以降ですね、アメリカを守るための集団的自衛権をやれば、その相手先の国から日本は反撃を受けて、結果、日本国民に被害が生じる、命が失われる被害が生じるでしょっていう質問、いくらしても、完全に答弁拒否してた。答えなかった。

 ところが、昨年の12月、私があの手この手でようやく防衛省に、当たり前のことですけど、答弁をさせてると(※12)。なので、この番組を御覧いただいてるあらゆる立場の方、安倍政権や菅政権、あるいは自民党を支持し、安保法制を支持されている方も、この答弁、ちゃんと御覧いただいてですね、アメリカ軍を守れば、当然、相手から反撃を受けるわけです。よって、そのことによって、日本国民、日本国に大きな被害が生じる。その相手っていうのは、北朝鮮かもしれない。あるいは、これからお話が続くんだろうと思いますけど、中国かもしれない。

 つまり、安保法制っていうのは日本を守るんじゃなくて、アメリカ軍を守るための法制度なので、そのことが、本当に日本を守ることになっているのかどうか、そういう運用がなされているのかどうかということをですね、どうか、これ常識で考えていただいて、バカな話をなので。

 かつての太平洋戦争も、国民の常識から見れば、アメリカに対して戦争なんかやっちゃいけないってことは、のちの日本国民は全員わかったはずなんです。ところが、当時の日本国民は、そういう情報が与えられてなかったので、判断ができなかった」

岩上「それほどね、米国の国力が大きくて」

小西議員「わからなかった」

岩上「あるいは、自分たちの大和魂で国力差を超えられると」

小西議員「そういう風に洗脳されてしまったわけですね。ところが今は、政府、答弁拒否して、こういう重要な情報を答えないんですが、何とか、我々国会議員も頑張ってますので、そのわかった情報で、国民の皆さんの常識で考えていただくと、本当に自民党政権のやってることが、本当に国民国家を守ることなのか、それとも、自分たちが権力を維持すればいい、その場しのぎのですね、国民国家のことを考えてない、『アメリカと100パーセント共にある』っていうようなことを言ってるのか、それはわかる話なので、ぜひ見抜いていただきたい、考えていただきたいという風に思います」


※9)河野氏:
 前統合幕僚長の河野克俊氏は、2021年9月2日付け南日本新聞の単独インタビューに「好むと好まざるとに関わらず、台湾情勢が世界の安保の最前線だ。アフガニスタンの駐留米軍撤退や欧州各国の(東アジア地域への)空母派遣も、中国が一番の脅威と捉えた動きの一環。台湾と与那国島(沖縄)は110キロしか離れておらず、日本は第三者でいられない。有事になれば沖縄、奄美も戦域になるのは軍事的に常識」と答えている。
参照:
・「台湾有事なら沖縄・鹿児島も戦域に。これは軍事的常識」 河野前統幕長 対中抑止へ「正面切って議論を」(南日本新聞、2021年9月2日)
【URL】https://bit.ly/3AZ0M6V

※10)撃ち落とせないからイージス・アショアを導入しましょう:
 イージス・アショアは地上設置型の弾道ミサイル防衛システム。
 イージス弾道ミサイル防衛システム(Aegis Ballistic Missile Defense System)を搭載した軍艦が「イージス艦」と呼ばれて海上で展開しているが、そのシステムを地上に配備したものがイージス・アショアである。
 2017年12月、日本政府は北朝鮮の弾道ミサイル攻撃への対処能力を高めるため、イージス・アショアの導入を閣議決定し、小野寺五典防衛大臣(当時)が、1基1000億円のイージス・アショアを2基購入すると発表した。
 日本国内でイージス・アショアによる警戒監視体制が実現すれば、海上のイージス艦のように要員交代や定期的なメンテナンスが不要になり、北朝鮮対応で日本海に常時展開していた海上自衛隊や米海軍の負担軽減の意味もあった。
 イージス・アショアは2基で日本全域をカバーできるとされたが、実際にはハワイやグアムの米軍基地へ飛んでいくICBM(大陸間弾道間ミサイル)を落とすためのもので、そもそも日本国土の防衛用ではないにもかかわらず、北朝鮮のミサイルを撃ち落とした場合は日本が報復攻撃を受けることになるため、配備には疑問の声が上がった。
 2018年5月、防衛省は秋田市と山口県萩市の陸上自衛隊の演習場にイージス・アショアを1基ずつ配備する方針を固めたが、迎撃ミサイル発射の際、飛行経路に落下するブースター(推進装置)が市街地に落ちる危険性が指摘された。
 また、秋田の演習場を「適地」とした防衛省調査に誤りが見つかり、住民説明会では防衛省職員が居眠りをするなど、地元の反発を招く不祥事が相次いだ。
 防衛省は「ブースターの落下位置は演習場内か海上になるので影響はない」と説明していたが、米側と協議した結果、ブースターを演習場内に確実に落とすにはシステム全体の改修が必要で多額の費用と時間がかかると判明。2020年6月、イージス・アショア配備計画を停止した。
参照:
・イージス・アショアに係る経緯について(防衛省、2020年9月4日)
【URL】https://bit.ly/3ipPP79

・ブースター落下 性能求めず(しんぶん赤旗、2020年6月23日)
【URL】https://bit.ly/3kBjbki

・北朝鮮の核攻撃を受けたら東京だけで最大800万人を超える死傷者シミュレーションも!米ジョンズ・ホプキンズ大の北朝鮮分析サイト「38ノース」の試算をIWJが全文仮訳! 2017.12.15(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3o5vMON

・地上イージス説明会で職員居眠り 調査誤りに批判の中、防衛省謝罪 秋田(東京新聞、2019年6月10日)
【URL】https://bit.ly/3EQe1sU

・「イージス・アショア」を買わされた日本はカモにされたのでは!? IWJが小野寺防衛相を直撃!安倍政権の軍事国家化に拍車か!? 会見では護衛艦「いずも」の空母化検討に質問相次ぐ 2017.12.26(IWJ)
【URL】https://bit.ly/39BrFBF

・枝野幸男代表出席の立憲民主党秋田県連大会で参院選イージスアショア争点化へ!寺田学衆議院議員(立憲民主党会派)が直前の国政報告会で沼谷純県会議員出馬を要請~フリージャーナリスト・横田一氏による報告 2018.12.1(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3kDlBPi

・戦闘機147機6.2兆円!イージスアショア2基6,000億円!武器爆買いより暮らしに回せ!! 市民らが訴え~2.28武器爆買いより暮らしに回せ!大軍拡予算案を通すな!2.28 共同記者会見&院内集会 2019.2.28(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3ud2f6F

・イージス・アショア配備「唯一の適地」であるはずの陸上自衛隊・新屋演習場内の一部に津波で浸水の可能性!防衛省が認める!防衛省「かさ上げなどの対策によって、津波の影響はない」!?~6.13野党合同ヒアリング 2019.6.13(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3i8KWPt

・【特別寄稿】ワシントン・ポストが「アベはトランプのサイドキック(従属的助手)」と酷評! 秋田、山口のイージス・アショアはハワイ・グアム米軍基地の防衛目的!?~参院秋田選挙で自民は争点隠しに必死! 2019.7.1(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3AITwLY

・【特別寄稿】イージス・アショア配備見直しを訴える花田憲彦・阿武町長のイージス艦での代替案も面積要件の見直しにも一切言及なし! 「(山口)むつみ演習場が唯一の適地」と決めつけた「アベ米国下僕政治」! 2019.12.28(IWJ)
【URL】https://bit.ly/2XQFXw7

・「秋田市・新屋演習場へのイージス・アショアの配備は白紙に。山口県萩も反対。受け入れ先がないかもしれないのになぜ予算付ができるのか?」社民党・福島みずほ参院議員~2.18 これでいいのか!大軍拡予算案・防衛省交渉 2020.2.18(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3o7ceJO

・河野防衛大臣「『敵基地攻撃能力』の議論など、今どこでもしていない」IWJ記者「安倍総理と菅官房長官がすでに公の場で言及しているが?」河野大臣「申し上げたとおりです」!?~9.4河野太郎 防衛大臣 定例記者会見 2020.9.4(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3AIukoW

・STOPイージス!秋田フォーラム代表・櫻田憂子氏「防衛省の計画の進め方があまりにもずさん」!! ~8.23大軍拡と基地強化にNO!アクション2020 発足集会 2020.8.23(IWJ)
【URL】https://bit.ly/2XNe9bg

・「イージス・アショア代替案を政府内で議論しない方が無責任」!? 尖閣問題は「中国外相来日が未定で回答不能」!? では国民への説明責任は!? 茂木敏充外務大臣定例記者会見 2020.9.29(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3lV3JPj

※11)今年の3月30日に、私は防衛大臣、岸(信夫)大臣から答弁で、外交防衛委員会で答弁をとってます:
 2021年3月30日参議院外交防衛委員会での小西洋之委員(理事)の質問と岸信夫防衛大臣の答弁は以下の通り。
小西議員「防衛大臣に質問ですが、7ページ以降は朝日新聞の記事なんですけれども、前統合幕僚長の河野さんでしたかね、河野さん、読み方カワノさんですね、が、その著作や朝日新聞のインタビューにおいて、2017年にトランプ大統領が空母カール・ビンソンだとかあるいは戦略爆撃機を北朝鮮に向かって展開をして、そこに自衛隊が共同訓練を繰り広げたということがあったんですけども、いわゆる2017年から18年にかけてのその北朝鮮をめぐる危機なんですが、これについて、当時統合幕僚長であった河野氏がインタビューや自らの著作において、米軍が軍事行動に踏み切る可能性というものが現実にあるというふうに考えていたと、で、現にダンフォード、アメリカの統合幕僚議長とも頻繁にやり取りをしていたと。
 具体的には、アメリカが軍事行動に踏み切ったときに、安保法制の下の行動について自分の責任で、統合幕僚監部の中で頭の体操、検討を行っていたというふうに述べているんですが、事実として、当時、河野氏ら統合幕僚監部内、あるいは防衛省・自衛隊内において、アメリカが軍事行動に踏み切った際などにおける自衛隊の安保法制の運用、当然集団的自衛権の行使も含みますが、そうした検討を行っていた事実というのはあるんでしょうか、防衛大臣、お願いします」
岸防衛大臣「今、委員御指摘の件でございますが、詳細についてはお答えは差し控えさせていただきますけれども、防衛省・自衛隊においては、委員御指摘の当時も含めて、防衛大臣を中心に、防衛大臣中心に、内局や各幕僚監部において様々な事態に適切に対応、対処できるように不断の検討を行ってきているということでございます」
小西議員「詳細は差し控えるということなんですが、不断な検討を行っているということなんですけれども、ただ、安保法制を運用するかどうかというのは、それは国民にとって、国家にとって最重要事項ですから、その検討が統合幕僚監部の中、あるいは防衛大臣を中心にとおっしゃいましたけど、防衛省・自衛隊の中で行われていたかどうかというのは国会で当然、答弁いただく必要があると思います。
 検討されていたという事実があるのかどうかについて答弁してください」
岸防衛大臣「今お話を申し上げましたけれども、内局、各幕監部において様々な事態、様々な事態に適切に対応できるように不断の検討を行ってきているということでございます」
小西議員「ですから、その不断の検討というのは2017年から18年当時に安保法制を運用するということを考えた、検討していたのかどうか、で、様々な事態というのはアメリカ軍が軍事行動に踏み切った際に安保法制の運用ということを考えていたのか、明確に答弁してください、防衛大臣」
岸防衛大臣「当時、非常に安全保障環境、厳しいものがございましたから、そういう、どのような事態になっても対処できるような形で、防衛省・自衛隊の中でしっかりした議論が、検討が行われていたと、こういうことでございます。
 これは、安保法制の議論そのものについてどういう議論が行われていたとか、そういうことについての詳細はお控えさせていただきたいと思いますが、常にやはり我が国の平和と安全を守るために、いかなることがあっても対応、対処できるような検討を行ってまいったということでございます」
小西議員「大分答弁いただいているんですけど、安保法制の下の自衛隊の行動についても検討をしていたということでよろしいですね。あるいは検討していなかったんでしょうか。大臣、お願いします」
岸防衛大臣「自衛隊の行動は法律に定められているとおりでございますが、そういう法体系の下でどのような対処をすべきかということについては常に不断の検討を行っているということでございます」
小西議員「ちょっと後退したような気がするんですが、常に不断というのは、先ほどの答弁で非常な、当時は非常な危機的な状況だったというような趣旨の答弁をされていたんですが、当時、非常に政府が認識する危機的な状況の中で、あの安保法制の運用の可能性、あるいは運用ということについても検討をされていたということでよろしいですね。当たり前のことを聞いています。答えてください」
岸防衛大臣「当時の情勢ですね、当時の法律も含めて、その中で自衛隊が取り得る方策について検討を進めていたということでございます」
小西議員「まあ、明確なある程度答弁をいただいたと思います。
 さっきもおっしゃっていただいたんですが、そうした部内の、統合幕僚監部の中だと思うんですが、そういう検討については、この河野統合幕僚長は総理にその都度報告をしていたというふうにあるんですが、そういう安保法制の運用等のその検討については防衛大臣また総理大臣には適宜報告がなされていたということでよろしいでしょうか」
岸防衛大臣「安保法制の運用ということに限らず、様々な事態については各幕でも、あるいは統幕でも検討し、それが防衛大臣にも適切に報告をされていたと、こういうふうに考えます。その上で総理大臣への報告が行われていたと、こういうことでございます」
小西議員「だから、当時、その安保法制の運用の可能性あるいはその運用することの検討も含めてですね、も含めて防衛大臣と総理大臣には適切な報告がなされたという理解でよろしいですか。当たり前のことを聞いています」
岸防衛大臣「当時の法律の適用される枠内で、自衛隊をどのように運用するか、運用していくか、我々がどのように対処をしていくかということについて検討し、防衛大臣の下で検討してきたということでございます」
小西議員「今答えていただいたんですが、防衛大臣の下で検討して、で、その検討内容というのは当然、自衛隊の最高指揮官である総理にも適切な報告等はなされていたという理解でよろしいでしょうか」
岸防衛大臣「そのとおりでございます」
小西議員「ありがとうございました」
参照:
・国会会議録 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 令和3年3月30日
【URL】https://bit.ly/3m0SN2I

※12)ところが、昨年の12月、私があの手この手でようやく防衛省に、当たり前のことですけど、答弁をさせてると:
 2020年12月3日参議院外交防衛委員会での小西洋之委員(理事)の質問と、三貝哲内閣官房内閣審議官(内閣官房副長官補:事態対処・危機管理担当)、岸信夫防衛大臣、岡真臣防衛政策局長の答弁は以下の通り。
小西議員「(前略)この集団的自衛権の、安保法制のですね、立法事実とした三つの事例以外の存立危機事態が我が国に将来起きる可能性はあると政府として考えているでしょうか、あるいは可能性はない、ゼロであると考えているでしょうか。答弁をお願いいたします」
三貝審議官「お答え申し上げます。
 今、三事例以外の存立危機事態が生じることがあり得るとの認識かという御質問と承知しておりますが、まず、一般論となりますけれども、御指摘の三事例に該当する、し得るケース以外にも、他国に対して発生する武力攻撃の目的、規模、態様等によっては我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得ることは否定されないというように考えております」
小西議員「明確な答弁だったと思います。一言で言えば、存立危機事態が起こり得るということでよろしいでしょうか。念のため、間違いないと思いますが」
三貝審議官「繰り返しになりますけれども、他国に対して発生する武力攻撃の目的、規模、態様等によっては我が国の存立を脅かすことも現実に起こり得るということは否定されないというように考えております」
小西議員「我が国の存立を脅かすのが存立危機事態ですので、明確な答弁をいただいたと思います。
 じゃ、重ねて政府参考人に質問させていただきます。
 前回、じゃ、その存立危機事態っていつ起き得ると政府として認識しているかという質問を大臣にさせていただきました。防衛大臣の方で、我々は想定外ということは許されない、あらゆる事態に対処できるように、まあ存立危機事態の発生をということだと思うんですけれども、判断して決めるというふうに、ほぼお答えいただいていると思うんですが、国民にとって非常に重要な問題ですので、政府として、存立危機事態というのは、それこそ可能性としては今日、明日、この数日内あるいは数週間内、そうした近い将来も含めていつ起きるかということについてはもう予断を許さないものである、そのような認識であるかについて、明確な答弁をお願いいたします」
三貝審議官「お答え申し上げます。
 先日、一日の本委員会におきまして岸防衛大臣の方から御答弁ございましたように、我が国の防衛を主たる任務とする防衛省・自衛隊としては想定外ということは許されないというふうに考えており、あらゆる事態に対応できるよう、平素から各種兆候の把握を含め、情報収集、警戒等に万全を期しているという答弁がございました。
 その上で、どれだけ直近に起こり得るかということを含めまして、存立危機事態の認定に当たりましては、現実に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合して客観的、合理的に判断することになるというふうに考えております。
 以上でございます」
小西議員「前回の大臣の答弁とほぼ同じなんですが、要するに、あらゆる事態を想定してやるということは、まさにあらゆる事態ですから、時間的にいえば、いついかなるときに発生する事態についても対処する。で、対処するという以上は、そういう可能性があるという認識でよろしいでしょうか、簡潔に、政府参考人」
三貝審議官「多少繰り返しのところございますけれども、具体的にいかなる事態が存立危機事態に該当するかにつきましては、実際に発生した事態の個別具体的な状況に即して、政府が全ての情報を総合的、客観的、合理的に判断することとなりますので、そのような事態が発生する蓋然性、これも含めまして、一概にお答えすることは困難でございます」
小西議員「ちょっと、後退してはいないと思うんですが、まあ蓋然性については一概に答えられないわけですけれども、いつ起きるかというその可能性について、いつまでには起きないというような、そういう限定的な考えは持たないと、そういう理解でよろしいですか、あらゆる事態というふうにおっしゃいましたけど。そういう理解でよろしいでしょうか、時間的なそういう限定は置いていないと」
三貝審議官「お答え申し上げます。
 これまで、政府といたしましては、存立危機事態の発生がおよそ想定できないという形で御説明したことはございませんで、一般論として申し上げますと、今後、存立危機事態が発生する可能性はあるというふうに考えております。
 他方で、現時点におきまして、存立危機事態の発生の具体的、現実的蓋然性が認められるというふうには考えておりません」
小西議員「現時点というのはいつですか。今日のことですか。あるいは、三日後にもそういう見解を維持するんですか」
三貝審議官「繰り返しで恐縮でございますが、このような事態が発生する、そういった蓋然性を含めまして、一概にお答えすることは困難でございます」
小西議員「一概に答えることは困難だとおっしゃりながら、今、現時点では想定していない、考えていないというようなことおっしゃりましたけれども、だから、今日この瞬間は起きるとは考えていないということですか、現時点というのは」
三貝審議官「一般論として申し上げますと、今後、存立危機事態が発生する可能性はあるというふうに考えておりますけれども、これはもう繰り返しでございますけれども、存立危機事態の発生の具体的、現実的蓋然性が現時点において認められるとは考えていないということでございます」
小西議員「一般論として、発生することは明確に認めました。
 防衛大臣、今、政府参考人、内閣府の政府参考人が、内閣官房の政府参考人が答弁していただいた見解というのは、政府の見解ということでよろしいでしょうか。一言だけお願いします」
岸防衛大臣「今、政府参考人からお話があったとおりでございます。政府としての考え方を述べたところでございます」
小西議員「では次に、これも前回伺ったことですけれども、我が国が存立危機事態に基づいて集団的自衛権を発動した場合において、発動した先の相手国から反撃や報復措置、まあ言い方は何でもいいんですけど、いわゆる実力行使を受けることがあり得るのか、あるいは全くあり得ないと考えているのか。そして、そうした反撃や報復措置によって、まあ実力行使ですね、によって日本国民が死亡又は負傷することがあり得るのか、あるいは全くあり得ないと考えているのか、政府の答弁をお願いいたします。大臣、お願いいたします」
岸防衛大臣「存立危機事態に該当する状況は、武力を用いた対処をしなければ、我が国が武力攻撃を受けた場合と同様の深刻、重大な被害が国民に及ぶことが明らかな状況であり、我が国として、我が国の存立を全うし、国民を守るため、すなわち我が国を防衛するためのやむを得ない自衛の措置として、武力行使の三要件に基づいて武力を行使して対処することになります。その上で、我が国が限定的な集団的自衛権を行使した場合に具体的にどのような状況が生じるかについては、個々の事態ごとに異なると考えられることから、一概にお答えすることは困難でございます。
 一方で、これまで、存立危機事態に該当する状況は同時に武力攻撃事態等に該当することが多いと説明してきているとおり、我が国が限定的な集団的自衛権を行使した後、事態の推移によっては、存立危機武力攻撃を行う他国から我が国に対する武力攻撃が発生し、我が国に被害を及ぼす場合もあり得ると考えております。その場合には、こうした武力攻撃を排除するために必要な措置をとることになります」
小西議員「前回に比べてはっきりとした答弁をいただけたと思います。我が国が集団的自衛権を行った場合に、その後ですね、事態の推移ということをおっしゃっていますけれども、行った先の国から日本に対する武力攻撃が行われて、結果、我が国が被害を受けるということがあり得るということをおっしゃっていただきました。
 政府参考人、今の大臣の答弁の一番最後の、こうした武力攻撃を排除するために必要な措置、この必要な措置というのは、我が国が行使する個別的自衛権の行使であるという理解でいいかということと、あと、武力攻撃事態等という言葉を使われておりましたけど、この武力攻撃事態等というのはどういう事態なのか、具体的にお願い、簡潔にお願いいたします」
三貝審議官「お答えいたします。
 まず、御質問ございました武力攻撃事態等について御説明させていただきます。
 武力攻撃事態等とは、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態とされております。ここで申し上げます武力攻撃事態とは、我が国に対する外部からの武力攻撃が発生した事態又は当該武力攻撃が発生する明白な危険が切迫していると認められるに至った事態、いわゆる切迫事態ということで定義しておるところでございます」
岡防衛政策局長「先ほど大臣の答弁にございました最後のところの、こうした武力攻撃を排除するために必要な措置をとることとなりますという部分でございますが、ここは、先ほど大臣の答弁にございましたとおり、存立危機事態に該当する状況、これが武力攻撃事態等に該当することが多いと説明してきていると、そういう中で、我が国に対する武力攻撃が発生し、我が国に被害を及ぼす場合もあり得るという流れで御説明があったというふうに思っております。
 まさにそういう事態に応じて、具体的な状況に応じて適切に対応するということになろうかというふうに思っております」
小西議員「だから、その適切な対応は、これは武力攻撃事態なんですから個別的自衛権の行使ですねということを聞いております。
 あと、さっきちょっと答弁漏れなんですけど、武力攻撃事態等の等は予測事態でいいかとか、もうそれぞれ、時間がないので簡潔にお願いします、一人ずつ」
三貝審議官「先ほど申し上げましたとおり、武力攻撃事態とは、武力攻撃事態……(発言する者あり)はい。まさに予測事態を含む概念でございます。(発言する者あり)はい。武力攻撃事態等とは、武力攻撃事態及び武力攻撃予測事態でございます」
岡防衛政策局長「我が国に対する武力攻撃が発生し、これに対する対処ということであれば、それは個別的自衛権という中で説明ができるものということになるのではないかというふうに考えております」
小西議員「では、また政府参考人に伺いますが、この場合ですね、今、先ほどの大臣の答弁の場合、我が国に被害を及ぼすというふうに言っていますけれども、この我が国に及ぶ被害の中には、当該その武力攻撃によって日本国民が被る生命や身体への被害、つまり日本国民が殺傷される、そういうことも可能性としては含まれるということでよろしいですね」
岡防衛政策局長「存立危機武力攻撃を行う他国から我が国に対する武力攻撃が発生し、我が国に被害を及ぼす場合もあり得るということが先ほどの大臣の答弁の中であるわけでございます。まさにそのように考えているわけでございますけれども、具体的にどのような被害が生じ得るかということにつきましては、攻撃の規模の大小でございますとか期間の長短でございますとか、あるいは攻撃が行われる地域、攻撃の態様等も様々であるということでございますので、一概にお答えすることは困難であろうかというふうに考えているところでございます」
小西議員「いや、だから、その中に日本国民が殺傷されてしまうということが可能性としてあり得るかということを聞いています。
 私の資料、ちょっと五ページを開いていただけますか、政府参考人に質問しますので。
 この五ページは、平成十六年の有名な九条解釈の政府答弁であります。線を引っ張っているその下ですね、憲法九条は、外部からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合、この国民の生命や身体が危険にさらされるような場合、まあ、さらされるですから、殺されているとまでは日本語的に言っていないのかもしれない。いずれにしても、国民の生命や身体が危険にさらされるようなこの場合というのは、我が国に被害を及ぼす、この我が国の被害に含まれるという理解でよろしいですか。当たり前のことを聞いていますよ。これは答えてください」
岡防衛政策局長「この我が国に対する武力攻撃が発生した場合におきまして、自衛隊につきましては、まさに国民の命と平和な暮らしを守るべく全力で対処するということになるわけでございます。それが自衛隊としても重要な任務でありますので、まさにそういう観点からお答えをさせていただいているというところでございます」
小西議員「いや、だから、我が国に、武力攻撃が発生した場合に我が国に被害を及ぼすというふうに、場合もあり得ると言っているわけですから、この中に、国民の命が失われる、が殺傷されるようなことがあるか、あるいは、もう政府答弁ですよ、これ。国民の生命や身体が危険にさらされるような場合があるのかということを聞いております。
 少なくとも、国民の生命や身体が危険にさらされるような場合があるかどうかについては答えてください。当たり前のことじゃないですか」
岡防衛政策局長「このまさに政府の、御指摘のあった提出資料の中に書いてあることではあろうと、このとおりであろうと思いますけれども、実際に今具体的にどのような被害が生じるかについては、先ほど申し上げたような様々な要素によることもございますので、一概にお答えすることは困難である旨、先ほど申し上げたところでございます」
小西議員「だから、一概に答えてくれとは言っていないわけですよ。国民の生命などが失われてしまう、そういう可能性がありますかと。さらに、譲って、国民の生命や身体が危険にさらされるような場合、これはそういう可能性に含まれますねということを聞いています。これ、明確に答えてください」
岡防衛政策局長「まさに国民の生命や身体が危険にさらされるような場合に、そういう中で、私どもと申しますか、まさに自衛隊としては、国民の命と平和な暮らしを守るための努力を、最善の努力を尽くしていくということになるわけでございます」
(発言する者あり)
長峯誠外交防衛委員会委員長「速記を止めてください。
(速記中止)
長峯委員長「速記を起こしてください」
岡防衛政策局長「外部からの武力攻撃によって国民の生命や身体が危険にさらされるような場合、こういうことは当然考えているということでございまして、そういう場合に、まあこれはちょっと御質問とは違うかもしれませんけれども、実力を行使してこれに対応するということでございます」
小西議員「さらされる、生命を失う危険にさらされるような場合は我が国に被害を及ぼす場合で起こり得るということは答弁をいただきました。
 では、ちょっと重ねて質問させていただきますけれども、政府参考人、問いの九番です、問いの九番、よろしいですか。
 今おっしゃられたような国民の生命や身体が危険にさらされる、私は当然、不幸にも亡くなってしまう場合もあると思いますけれども、そういう日本国民の皆さんというのは、どこかの地域に住んでいるとかそういうことによって限定されるんでしょうか。日本に対する武力攻撃が発生するような局面ですから、もちろんいろんな事態があると思いますよ、武力攻撃で。ただ、日本に対する武力攻撃の中には、日本国民全体がそうした生命、身体が危険にさらされるようなそういう場合も可能性としては含まれる、そういう理解でよろしいでしょうか」
岡防衛政策局長「我が国に対する武力攻撃が発生した場合、これは、先ほども申し上げましたけれども、攻撃の規模の大小であるとか期間の長短や、どの地域で攻撃が行われるか、またその攻撃の態様等がどうなるかといったようなことは様々でございますので、一概にお答えすることはなかなか難しいかというふうには思っております」
小西議員「だから、一概に答えなくてもいいんですけれども、日本国民全体が、だって核兵器持っている国もあるわけですから、日本に対する武力攻撃が発生したときには、日本国民全体の生命や身体が危険にさらされる、そういうような場合もあり得るという理解でよろしいですか。当たり前のことを聞いています」
岡防衛政策局長「我が国に対する武力攻撃が発生した場合、自衛隊としてはその被害を局限すべく全力で対処することになるわけでございますけれども、あくまで一般論ということで申し上げるとすれば、大規模な被害が生ずるという可能性も完全に否定できるものではないというふうに考えております」
参照:
・国会会議録 第203回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 令和2年12月3日
【URL】https://bit.ly/3ANxBDE

中国を仮想敵国にした演習「ヤマサクラ」では日本列島が「バトルゾーン」に! 迎撃ミサイルPAC3は米軍基地を守るが原発はカバーしない!

岩上「選挙の時にはね、それを考えて投票しましょう。で、もう時間があまりありませんので、いきなりですけれども、ここ、ちょっと行きたいなと思ってます。これ行かないと、どういうことかわかんない人もいらっしゃると思いますんで。

 今、もう、すでに起こった現実の共同訓練のお話、していただきました。だから、逆に、実際に図上の合同演習とか、そういうものを散々やって、作戦計画立てて、実際にいろいろな配備をして、で、人を動員するわけですね。だから、ああやった実際の訓練の大元は、こういうことを練りに練っておくんですね」

▲原発X戦争リスク 日米合同図上演習「ヤマサクラ61」2011年 仮想敵国「HANNAN」が原発銀座若狭湾を襲撃!

岩上「そういう図上演習の、『ヤマサクラ61』というパワポを、これは、実際使われたものを、私、手に入れております。これね、2011年にやってるということをね、よーく注目してください。つまり、3.11の直後にも、これ毎年やってるんです。毎年、訓練を。毎年、訓練やらないと同じことできないですから。

 よく、偶発的な戦争という言い方しますけど、あれ大嘘で、戦争というか、およそ軍隊というのは、徹底的に準備をし、作戦を練り、で、きちんと軍隊配備し、兵員を訓練し、やった作戦以外できないんですね。

 その時に、東日本大震災にもかからず『ヤマサクラ』の図上演習をしていたんです。それは、なんと仮想敵国『HANNAN』ていうんですが、これ、実は、中国です。中国が攻めてくるという想定の下、原発銀座の若狭湾で迎撃をするというものです。で、これは、毎年やってます」

▲ミサイル攻撃から原発を守るのはまったく不可能! そもそも防衛システムPAC3は原発を守っていない

岩上「大急ぎで見せていきますけれども、結局、さっきも北朝鮮の脅しにありましたが、もう今、主役はミサイルですよね。で、ミサイル攻撃から原発を守れるかということですけれども。この辺はもう、よく言われてることだから簡単に済ませます。

 イージスでひとつは守ると。それから、なんといっても至近距離に来たら、地上配備型の迎撃ミサイルPAC3(※13)が迎撃するということなんですが、日本のイージス艦、これ、今、8隻になってますね」

小西議員「8隻です」

岩上「で、PAC3は34機じゃなくて、もう少し増えてるかもしれません。で、主に米軍基地を守るんです。で、『PAC3は原発は全くカバーしていない』です。『北朝鮮によるミサイルの同時多発発射をもれなく』、これ、『多発発射』ですね。要するに、北朝鮮の落とせると言ってもですね、『飽和攻撃』(※14)と言って、いっぺんに撃ってきたら、これは落とせないんですね。

 さらには、『北朝鮮』て書いてありますけど、全部同じことです。中国でもロシアでも、全部同じで、『弾道ミサイルは、発射角度を通常より高くするロフテッド軌道をとっており、ミサイルは超高速(マッハ15~20)で真上から落ちてくるため、迎撃するのは』、全然、『不可能』です」

▲原子力発電所の現状

岩上「日本の原発がどこにあるかというと、こういう風に日本列島をひとつの身体ととらえますとね、全身に致命的な急所を持ってるような状態で、それが海岸線という、空からも海からも、どこからも攻撃ができるような、晒しまくっている状態にあって」

▲日本のミサイル防衛

岩上「で、ミサイル防衛はどうなってるのかというと、こういう所がPAC3が置かれてるところなんですけど。首都圏守られてるんじゃねーのっても、それはやっぱり当然のことながら、首都の機能と、それから在日米軍基地」

小西議員「横須賀の基地を守るため、すぐ横に置いてあるんです」

岩上「ですね」

小西議員「日本国民じゃなくて、在日米軍基地を守るために、横須賀のすぐ横に、PAC3の部隊を自衛隊が置いてるんですね」

岩上「ありますよね。あと市ヶ谷ですよね。これ(青森)も近くに核施設があるんですけど、核施設、守ってるわけじゃありません。三沢の基地を守ってる」

小西議員「三沢とかじゃないですかね」

岩上「ですよね。こちらも、みんなそうです。だから、関西には何もないです。なぜかというと、関西には米軍基地がないから、完全にまったく無防備状態の中、若狭湾には、これだけ(原発が)日本でもっとも集積しているわけですね。敦賀、高浜、もんじゅ、美浜、大飯」

▲原発X戦争リスク、日米は若狭湾で中国軍を迎撃する図上演習「ヤマサクラ」を毎年行なっている!

岩上「こういうようなものなんですけど、パワポの、私は現物を入手しました。そして、それをちょっとお見せしますけど、こういうようなかたちでですね、たくさんあるんです。無数にあるんですけれども、ミサイル戦があった後ですね、上陸、これは私どもが書き込んだものです。上陸してくるのはここだよ、っていうんですね。ここで迎撃戦をやるっていうんです。にわかには信じがたいというご表情ですね。パッと、他にもこういうものがあります」

▲「ヤマサクラ61」は、日本を戦場に行われる米中戦争

岩上「ここで紹介する『ヤマサクラ61』で使われた地図・戦略図は、私が独自に入手した書類ですけれど、もっと裏を取るため、元防衛庁長官官房長で内閣官房副長官補(安全保障・危機管理担当)などをした、防衛省キャリアの柳澤協二さんに真偽を尋ねました。インタビューに出て、これをお見せして。

 これは、もちろん本物だと。毎年やってますと。そして、私もやりましたということで、演習に使われる実物であるということを確認しています。柳澤さん自身も参加したと」

▲日本列島全土がバトルゾーン! 日本が戦場となることを当然のように前提とした「ヤマサクラ61」演習

岩上「見てください。ここ、一番重要なんですけれども。戦争はまず、ミサイルで行われるわけですけれども、戦場(バトルゾーン)が日本列島なんですよ。で、これ、向こうから見たところなんですけど、後方支援地帯、この戦場で戦うのを、これだけの深いゾーン、縦深(※15)が深いとも言えますよね。これが深いゾーンで、向こうは支援してくると。

 で、ディスラプション・ゾーンって、いわゆる破壊地帯という。日本列島をカバーアップするグアムとか、そうした基地、これ相当、広範に広がるんですけれども、それらを破壊し尽くせると。

 で、戦場はここになる。バトルゾーン。これが、日米合同演習で使われて、自衛隊の将官とか将校って、今、言わないですね。『佐官』とか、そういう言い方するんですかね? そういう人たちが、『うんうん』『はいはい』と言いながら…」

小西議員「日本が戦場になってるんです?」

岩上「日本が、そうです」

小西議員「ええー⁉」

岩上「日本列島がバトルゾーン」

小西議員「それ、めちゃくちゃな話」

岩上「ミサイル戦で、まず、この後ろ側をやられて、アメリカの艦隊もやられて、で、戦場はここである。で、これはね、いろんなものと一致するんですけれども…」

▲中国・北朝鮮軍による東京侵攻作戦の想定図

岩上「その後、こういうかたちで本当に来るかどうかってのは、これは演習ですからね。だから、北朝鮮や、これ、見ればわかると思います、中国ですよね。中国が、こうやってやってきますよと」

▲原発X戦争リスク、日米は若狭湾で中国軍を迎撃する図上演習「ヤマサクラ」を毎年行なっている!

岩上「やってきましたら、最終的には空中戦があり、海上戦があるけれども、今、ミサイル戦の時代だから、ミサイル、かなりのところを決定してしまうんですけど、戦争、相手を屈服するまでやるとなったら、抑え込みまでやるっていうことになると、地上戦ですね。そうしますと、上陸地点は、ここ(若狭湾)が一番有効であると。

 ここに入ると、このまま京都・大阪を南下して抑えられて、部隊は西に行けば山陽道から北九州を抑えて。で、ここから、名古屋から関東を抑えることができるので、上陸地点に最適であると。で、最適で、敵はここに違いないから、ここに部隊を配置して、ここで、向こうはノルマンディー上陸作戦(※16)のようにやってくるんで、ここで徹底的に迎撃して、ダメだったら少しずつ退却しながら、迎え撃っていく。

 こういう配備を常日頃するんだというわけですよ。ここに、原発の『げ』の字もないんです」

小西議員「なるほど」


※13)地上配備型の迎撃ミサイルPAC3:
 地対空誘導パトリオットPAC3(Patriot Advanced Capability 3)のこと。読み方は、パックスリー。
 米国製の地対空ミサイル・パトリオットを改良し、弾道ミサイルの迎撃に特化させた地対空誘導弾の通称で、日本では2007年に航空自衛隊への実戦配備が開始された。
 日本のミサイル防衛システムは、敵のミサイル発射を警戒管制レーダーなどが探知すると最初にイージス艦に搭載した海上配備型迎撃ミサイル(SM3)が大気圏外で迎撃し、撃ち損じた場合にPAC3が大気圏内で撃ち落とす、という二段構えになっている。
 北朝鮮から事実上の長距離弾道ミサイル発射を予告された2009年と2012年、航空自衛隊は期間限定でPAC3の首都圏や沖縄県などへの配備を行った。
 また、2013年4月には、北朝鮮のミサイル発射に備えて首都機能を守るため、東京・市ヶ谷の防衛省の敷地内と陸上自衛隊の習志野駐屯地(千葉)、朝霞駐屯地(埼玉)にPAC3を配備し、SM3を搭載したイージス艦2隻を日本海に展開した。
 PAC3は車両に発射機やレーダーを搭載して移動可能で、半径数10キロメートルの範囲を防護できるが、内閣官房副長官補を務めた元防衛官僚の柳澤協二氏は、2013年4月24日に行われた岩上安身のインタビューで、「PAC3では北朝鮮のミサイルをすべて撃ち落とすことは不可能である」と指摘している。
参照:
・IWJブログ:政府が緊急配備した「PAC3」で北朝鮮のミサイルをすべて撃墜はできない!~岩上安身による元内閣官房副長官補・柳澤協二氏 緊急インタビュー】 2013.4.24
【URL】https://bit.ly/3uauwec

・自衛隊の「PAC3」では、この国は絶対に守れないことが判明(現代ビジネス、2017年6月17日)
【URL】https://bit.ly/3uiVAYY

・地対空誘導弾パトリオットミサイル(PAC3)とは(日本経済新聞、2017年8月30日)
【URL】https://s.nikkei.com/3uiVwbG

・迎撃ミサイル・PAC3 防衛省などに配備(日テレNEWS24、2013年4月9日)
【URL】https://bit.ly/3EPOQXh

・PAC3(コトバンク、知恵蔵mini、2012年12月9日)
【URL】https://bit.ly/3i6vsvf

※14)飽和攻撃:
 攻撃目標の持つ防御処理能力の限界を超えた時間あたりの量で攻撃すること。同時飽和攻撃ともいう。
 なお、防衛省はイージス・アショア配備に際して、配備予定地であった秋田県への説明資料で「我が国のイージス・アショアは、飽和攻撃についても、その高い性能を活かして、国民の皆様を守り抜きます」と断言していた。
 また、安倍晋三前総理は、平成28年(2016年)1月19日、立憲民主党の長妻昭衆議院議員からのミサイル防衛に関する質問書に対して、「お尋ねの『飽和攻撃』の意味するところが必ずしも明らかではないが、複数の弾道ミサイルが我が国に向け連射された場合であっても、対処することは可能である」との答弁書を衆議院に送付している。
 「同時飽和攻撃に迎撃システムが耐えられない」との批判に対する軍事専門家などの反論として、「システムの処理能力を超える数の攻撃を捌ききれないのはイージスアショアに限らず全ての迎撃システムにも言える。対応能力を超えた数の攻撃に対応できないのは、あたりまえ」との批判がある。
 一方で「対応能力を超えた数の攻撃に対応できないのはあたりまえ」と言いながら、他方で「飽和攻撃にも国民の皆様を守り抜く」「対処することは可能である」と説明するのは矛盾である。
参照:
・防衛省によるイージス・アショア説明資料(秋田県、PDF)
【URL】https://bit.ly/3EWEzZg

・同時飽和攻撃とイージスアショア無用論の罠(ヤフーニュース・個人、2020年5月11日)
【URL】https://bit.ly/3EUM1UR

・「陸上イージスは飽和攻撃に対処できない」と言われるが(日経ビジネス、2020年8月12日)
【URL】https://bit.ly/3kO3rL0

・衆議院議員長妻昭君提出ミサイル防衛に関する質問に対する答弁書(衆議院、2016年1月19日)
【URL】https://bit.ly/3zHS9vL

・中国軍ミサイルの「第一波飽和攻撃」で日本は壊滅 長距離巡航ミサイルを迎撃できない防衛体制の現状(JB press、2013年1月8日)
【URL】https://bit.ly/3AZySr2

※15)縦深(じゅうしん):
 軍事用語で、戦線に配置された部隊の最前線から後方の部隊までの縦の深さの距離。または、最先頭の兵士から最後尾の兵士までの距離。
 これに対して、敵に向かって水平の線は正面という。
 海上自衛隊幹部学校の論文集『海幹校戦略研究』2017年6月号の「戦略研究のガイダンス」によると、2017年初頭に「戦略・予算評価センター (Center for Strategic and Budgetary Assessments: CSBA)」から刊行された「バランスを保持せよ―米国のユーラシア防衛戦略 (Preserving the Balance: A US Eurasia Defense Strategy)」の中で、米国の「戦略的縦深性」について、次のように書かれている。
 「戦略的縦深性は、ユーラシア周辺部での軍事競争の重要な要因であり、時間と空間の確保を中心とした縱深(重層的)防御戦略の基盤である。米国は、西太平洋における戦略的縦深性を有せず、したがって、その戦域における前方防衛態勢の適用を必要とする。対照的に、欧州においては大規模な戦略的縦深性を享受し、最初の敗退から立ち直る可能性を有し、相対的に安全な「後部地域(rear area)」からの増援部隊を配備できる」。
参照:
・縦深(精選版 日本国語大辞典 コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3m31byS

・戦略研究のガイダンス(海幹校戦略研究 2017年6月)
【URL】https://bit.ly/39GbbIj

※16)ノルマンディー上陸作戦:
 第二次世界大戦末期の1944年6月6日、連合国のアメリカ、カナダ、イギリス軍が、ナチスドイツに占領されたフランス北西部のノルマンディー地方で敢行した大規模な上陸作戦。
 これは「オーバーロード作戦」と呼ばれ、5000隻の艦艇と1万2000機の航空機の支援の下、ノルマンディー半島からオルヌ河口まで約100キロメートルの海岸線に1週間で50万人の兵員が上陸し、「史上最大の作戦」といわれた。
 最高司令官にはアメリカのアイゼンハワー、地上軍の総司令官にはイギリスのモンゴメリーがあたった。
 ドイツ軍はロンメル元帥の指揮で、30万人の兵力と1000台の戦車で迎え撃ったものの、艦砲射撃と空爆によって有効な反撃ができずに撤退、約90日でパリをはじめフランスのほぼ全土を連合軍の手に明け渡す結果となった。
 この作戦の成功が最終的には1945年5月にヨーロッパで連合軍の勝利をもたらすことになり、第二次世界大戦は終結に向かった。
参照:
・ノルマンディー上陸作戦(世界史の窓)
【URL】https://bit.ly/3zGHCko

・ノルマンディー上陸作戦(コトバンク、日本大百科全書)
【URL】https://bit.ly/2XPZ7lL

演習で敵国の上陸地点は原発が並ぶ若狭湾。一方、福井県知事は40年超えの老朽原発の再稼働に同意! 防衛省は「原発のことは経産省に聞いてくれ」!

岩上「衝撃的だと思いませんか? これ全然、原発のことは考えないで、でも、真剣にやってるんですよ。こういうことです。バトルゾーンなんです。日本列島が被害を被るんですね」

▲福井県知事が40年超の老朽原発再稼働に同意! コロナ禍で疲弊した地方経済に50億円の交付金!

岩上「そして、福井県知事がなんと、4月28日、運転開始から40年を超えた関西電力美浜原発3号機、高浜原発1号機、2号機の再稼働に同意すると。運転期間40年超の原発の再稼働に知事が同意するのは全国初、です。『例外的』とされた40年超の原発の運転延長は、なし崩しになってしまいました。

 そして、これはもう買収ですよね。『3機の再稼働で国から福井県への交付金は計50億円。コロナ禍で疲弊した地方経済』。その中でも非常に不公平なお金の使われ方じゃないですか。で、『弱みにつけ込む』原発政策で、こうやって、いわば地元、買収して、また原発を回復するんですけど。この一方で、僕が確認する限り10年以上、これ(演習)、ずっと続けてるんですよ」

小西議員「これ、毎年やってるんですか?」

岩上「毎年やってます」

小西議員「こういう図上演習をやってるんですか?」

岩上「はい」

小西議員「ええー?」

岩上「新聞を見てみると、朝霞の、たとえば、自衛隊基地で、何日間にわたり『ヤマサクラ』が、演習を行われた。中はカーテンひかれて、中の模様は秘密にされていてわからないが、『非常に厳しい情勢だ』などという声が聞こえる、などという外面をレポートした新聞記事は出ますが、中身は全然出ません。

※日本への武力侵攻も想定 陸自伊丹駐屯地で「日米共同演習」始まる(産経新聞、2015年12月5日)
【URL】https://bit.ly/3zOaszF

※陸自・米陸軍共同の指揮所演習 5年ぶり東北で実施 宮城(産経新聞、2017年11月22日)
【URL】https://bit.ly/3zMMTXK

※日米指揮所演習「ヤマサクラ」情報中枢を初公開(産経新聞、2017年12月8日)
【URL】https://bit.ly/3odoE2R

※日米共同指揮所演習始まる 上陸、サイバー攻撃に対処(産経新聞、2019年12月9日)
【URL】https://bit.ly/2XTpyXc

※日米共同指揮所演習始まる 熊本、コロナで規模縮小(産経新聞、2020年12月7日)
【URL】https://bit.ly/3zGLwdi

※日米図上演習、熊本で始まる 5千人参加(熊本日日新聞、2020年12月7日)
【URL】https://bit.ly/3oey5Py

 これはですね、もちろん防衛省にも聞きました。コメント、ありません。

 で、原発政策を推進していながら、これでやるってどういうことなんだと。

 僕は当然のことながら、規制庁とか経産省とか、直に質問しました。こういうことを考えながら、ミサイルが来る、あるいは侵略計画まである。それに対して迎撃計画もある。なのに、原発をそのまま維持するだの、再稼働だのってどういうことなのか。ミサイルが来たら守れるのか、どうなんだって言ったら、そんなことまったく想定してません、我々、何の責任もないから、それは防衛省に聞いてくれと。

 防衛省に聞きました。防衛省、原発のことは何も考えてないから、それは、もう、原発関係の経産省や原子力規制委員会に聞いてくれ。東電に聞いてくれ。誰もまともな回答してくれないんですよ。これは、統合されてないんです」

小西議員「だから、補給を無視して多くの日本兵を殺したインパール作戦よりひどいですね」

岩上「ひどいです。これ、日本壊滅作戦ですよ」

小西議員「なんで、若狭湾に上陸する作戦を想定するんですかね? 意味がわかんないですけど」

岩上「でも、これを本気でやっているわけで、しかもですね、そのミサイルなるものを、みんなが甘く考えちゃうと大変なことで」

▲安保法制と集団的自衛権行使容認により米国が戦争すれば日本も自動参戦「原発を抱えたまま戦争」へ

岩上「だから、『安保法制と集団的自衛権行使容認により米国が戦争すれば日本も自動参戦』で、これはもう言いましたね。自動参戦することになりますよと」

▲原発を温存しておきながら与党・自民党は敵基地攻撃論を推進

岩上「で、驚くことに、『原発を温存しておきながら与党・自民党は敵基地攻撃論を推進』するんですよ。『与党・自民党は、原発を推進する傍ら、敵基地攻撃論も推進』。

 他方で、今言ったように、米軍と、日米ではですね、図上合同演習で日本をバトルゾーンに想定しながら、実際、ご自身でああやって、これ、写真一発でわかりますよねっていうかたちで、具体的な、非常に危険なことやったわけですね。

 トランプが『GO』と言ってたら、戦争始まってたんですよ。ああいう状態が、トランプは、ちょっと例外的な大統領ではありましたが、今はバイデンになってですね、通常モードになったということは、何十年もかけて日本をバトルゾーンにするために計画を立ててきた、そこのレーンに戻って、アメリカは中国に圧力かけてるってわけです。

 だから、中国は当然のことながら、中国には北朝鮮よりは余裕はあるにしても、いざとなれば、いざとなりますよ、という話になりますよね。集団的自衛権行使容認ですから」

小西議員「だから、おっしゃる通り、日本は原発を持ってる以上は、戦争は絶対できないんですよね」

岩上「そうですね」

小西議員「だから、原発をあれだけ国内にいっぱい、各地に持ってる以上は、ある意味、核攻撃を受ける以上の、何十年にもわたるような、今まさに、福島がそういう状態ですけども、被害を受ける可能性があるので。だから、やはり日本は、もう、国防という意味では、ものすごく脆弱な体制になっていると」

岩上「戦争しちゃいけないということを前提で、やったはずなんですよ」

小西議員「だから、とにかく日本がやるべきことは、戦争に巻き込まれない。自分から戦争に加担しないのはもちろん、戦争に巻き込まれないようにしなきゃいけない。で、そのために、実は9条が、ずっと戦後日本を守ってきたわけですよね。9条があったからベトナム戦争もやらなかったし、湾岸戦争も、朝鮮戦争もやらなかったわけですよね」

岩上「集団的自衛権があっても、行使容認はしないということを、いろんな圧力、それまであっても」

小西議員「9条があったから、アメリカを跳ね返すことができたわけです。それができなくなってるわけです」

岩上「そうですね。で、核施設に対する攻撃っていうのは、国際法上許されてないとかですね、だから、そんなことがあると思ってんのか、とかですね」

小西議員「それは、戦争だったら何でもやります」

岩上「何でもやりますよね」

小西議員「だって、原爆、落とされてるじゃないですか、現に」

原発がミサイル攻撃を受けて日本列島が核汚染されたら、米軍は基地を引き上げる! 日米同盟は事実上、破棄される!?

岩上「バカみたいなことを言ってくる、特に右派の人、いるんですけど。自分がいざとなると怖くなってきて、そんなこと(核施設への攻撃)はないって言う。あるんですよ、いくらでもあるんです。つい最近もあった」

▲核施設への攻撃は現実にあり得る! イランのウラン濃縮施設の停電はイスラエルによる「原子力テロ」!

岩上「4月11日、イランの中部ナタンズにあるウラン濃縮施設で事故が発生したんですね。最初、イランの原子力庁は当初、『事故の原因は停電』だって言ってたんですけどれも、その後、イラン原子力庁サレヒ長官は、停電の原因を『破壊工作』で『原子力テロ』だと指摘したんです。

 で、ここまではイラン側の言い分だろうと、テロだっていうのはイラン側の言い分だと思ったんですけれども、ここ、ちょっと割愛されてますけど、ニューヨーク・タイムズがですね、情報機関からの話だと言って、モサド(※17)がやったテロだというのが出ます。アメリカで、ニューヨーク・タイムズで、堂々、出る。

 そうしたら、今度、イスラエルの公共放送のKANというのが、『情報機関筋の話として』、『匿名の情報機関筋』として、こんなのモサドに決まってるんですけれども。ナタンズの核施設の停電はイスラエルのサイバー攻撃によるものだと報じた』。イスラエルが認めてるんですよ。

 そして、イスラエルのメディア『ハアレツ』、これ、日本ので言うと、代表的な新聞、朝日とか読売に当たるようなね、もっとも購読部数も多いような代表的な日刊紙ですけど、『イスラエルのスパイ組織モサドが行ったとされている』と、これまた、はっきり報じてるんですね。

 つまり、サイバー攻撃によって全電源喪失が起これば、当然のことでメルトダウンが起こったりとか、そういうことできるわけですから、そこまでは今回は防げたんですけれども。イランが中国と接近して、延命できるような状態が見えてきた。イスラエルは、イランを潰したいわけですね。それはもう、はっきりしてるわけですけれども、そうなってきたら、今度はこう、あからさまに攻撃があるわけです。

 イスラエルは、イラクの核施設に対しても空爆を行ってますからね。だから、なんで(核施設への攻撃が)起こらないと思ってんの、って。世界中で起こっているのに、なぜ起こらないと思ってんの、という話なんですよね」

▲米中新冷戦時代は極超音速ミサイルが主役に!

岩上「ミサイルを撃ち落とせるんじゃないかと言ってても、もうね、レベルが違う。これ、『極(キョク)超音速』『極(ゴク)超音速』と、どっちでもいいんでしょうけど、ハイパーソニック・ミサイルっていうことですよね。が、米中軍事対立の焦点になってきてて。で、そこに敵基地攻撃論とかね、ミサイル配備とかね、そんなレベルじゃ、もうない。

 もう、米中新冷戦時代っていうのは、『冷戦』って言えませんね。極超音速ミサイルが主役になってきて、2017年12月18日、トランプ大統領は中国を『戦略的競争国』、だから、一番の敵と名指ししたと。これまでだと、イスラム過激派を一番(の敵)にしてたんですけど、中国が一番。次は、ロシアがいかんと。

 ところが、米国ではすでに、東アジア海域で米軍は中国軍に勝てないとする軍事シミュレーションが、すでに多数出ている。米国はアジア版NATO、米日豪印による『クアッド(QUAD)』で中国包囲網の形成を目指そうとしてるけれども、『中国そしてロシアの「超音速性能(をもつ)兵器の我々に対する使用を否定できる防衛力を我々は持たない」と米戦略軍司令官は認めている』と、ブルームバーグが、けっこう古い資料を持ってきたんですよ、わざわざ、2017年12月19日」

▲中国の長距離ミサイルに対して、米軍も自衛隊も圧倒的な劣勢に立たされている!

岩上「この時点で、もう全然、速度が違うから無理だよねと。それで、これだけの距離を撃てるわけですね。だから、さっきのと、ちょっと重ね合わせて見ていただけばわかると思うんですけど、ここがバトルゾーンで、その向こう側にあるアメリカの戦略拠点はぶっ壊しちゃうよと。ここが主たる戦場になるよと。で、こっち側の地域はバックアップゾーンだよっていうことなんですけれども」

▲中国は建国70周年パレードで、核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイル「東風41」を公開

岩上「建国70周年パレードで、核弾頭搭載可能な大陸間弾道ミサイル『東風41』など、『(DF)41』ですけれどもね。『マッハ25の極超音速で最大10発の核弾頭を搭載できる』わけです。で、CSISによるとですね、『発射から約30分でアメリカ本土に到達する』というものを、お見せしているわけですよ」

▲新世代の極超音速滑空ミサイル「東風17」「グアムキラー、DF-26」「空母キラー、DF-21」等

▲中国建国70周年の軍事パレード

岩上「大陸間弾道弾だったら、アメリカ本土の話ですから、もう勝手にやってくれですけど、新世代の極超音速滑空ミサイル『東風(DF)17』とか、空母キラーと呼ばれる中距離弾道ミサイル『DF-21』とか、グアムキラーと呼ばれる中距離弾道ミサイル『DF-26』とかがあるわけです。

 これまでは、空母が展開するということは、今まではすごい圧力だったんですけど、もはや、(時代遅れの)戦艦大和のようなもので、空母1隻をですね、一発のミサイルで潰すことができる。

 昨日、私、『ベトナム戦争』ってうっかり間違えて言っちゃったんですけれども、ちゃんと調べなおしたら、米軍の将官が言ってます。イラクで10年間かけて、(膨大な数の)米軍の死者が出た、その同じ人員を(ミサイルによって空母が撃沈されることで)、一瞬にして失うと。そして、これ、防げないんです。ミサイル防衛網も何も、マッハ25で来るミサイルを防ぐことなんてできないです。

 だから、米軍はここから離れると。この距離から離れる以外ないと。離れる以外なくて、やるのは日本でやる、というお話になってくるんですね」

▲米軍トップ「中露の超音速性能兵器に対する防衛力を我々は持たない」

岩上「それで、これですね。米軍トップの『ジョン・ハイテン司令官は、ロシアと中国が、超音速兵器開発に力を入れて』いて、通常はマッハ5だけど、そんなもんじゃないという『超音速性能(をもつ)兵器の我々に対する使用を否定できる防衛力を我々は持たない』っていうことを認めてるんですね」

▲ロシア外務省高官 米ミサイル日本配備なら「対抗措置」

岩上「ロシアもね、実は、これ大事なことなんですよ。ロシアはですね、アメリカがミサイル配備するということを言ってますよね。『米ロ間の中距離核戦力(INF)廃棄条約』を廃棄したということを受けて、中距離ミサイルを配備しようとしてる。

 かつてのドイツとソ連の間でのですね、中距離ミサイル配備、パーシングとSS-20みたいな状態になる(※18)わけですけど。

 これはもし、米国が日本に中距離ミサイル配備するなら、ロシアは、それを自分たちに対する脅威とみなして対抗措置をとると。『日米が安全保障を脅かし、新たな軍拡競争を引き起こすなどと非難した』と。

 だから、相手にするのが北朝鮮なんていうところだけではなく、中国およびロシアになる可能性があるわけです」

▲ロシアの新型戦略兵器「アバンガルド」はマッハ20

▲ロシアは時速約9500キロで飛行する最新鋭の巡航ミサイルの発射実験に成功したと発表

岩上「ロシアは、戦略兵器は『アバンガルド』という、マッハ20(のミサイルを開発している)。これ、実験も、もう行われてるんですね。さらに、『時速約9500キロで飛行する最新鋭の巡航ミサイルの発射実験に成功』している。

 さらにはみんな、中国もそうですけど、超音速ドローンとかですね、水中超音速ドローンとかですね、いうようなものまで、できてきていると。こんな中に、日本は叩き込まれてしまうわけですよね」

▲中国が主張する核心的利益「台湾有事」に日本はどう対処するのか

▲日本列島が核汚染されれば、日米同盟も終わる

岩上「さて、どうするんですかと。台湾有事となれば、どうなるんですかと。もう、日本列島が核汚染されてしまえば、僕は、おそらくですね、これは私の文章です、日米同盟も終わるだろうと思うんですね。

 というのは、日本が戦場となって、結果、恒久的に放射能汚染されたならば、日本に米軍基地を置くことは、もう無理になるので。やっぱり、生身の兵士を置くわけですからね。『トモダチ作戦』(※19)の時にも、随分、兵士が被曝してしまい、莫大な損害賠償を求める訴訟が起ってますから。だから形骸化して、事実上、破棄されて、日米同盟を『戦後国体』(※20)であると信心している従米右派の人たちはね、原発抱えて戦争している場合なんですか、と」

▲日米同盟を戦後国体と信じる従米右派に日本を支配させておくわけにはいかない

岩上「安倍晋三のような人は、祖父の岸信介がそうであった(戦勝国の米国にすり寄った)ように、中国に敗戦しても、真っ先に中国に寄り、日本支配の買弁の役割果たしてね、平気で手のひら返しができるんでしょうけれども。そういう人に、日本を支配させていくわけにいかないじゃないですかと、私、思っているんですけれども。

 ちょっとね、いろんなものを飛ばしちゃって、大急ぎでやりました。だけれども、北朝鮮のところで、ある意味、一部、危機を垣間見た。だけど、ことは中国。そして、ロシアも入ってくる。そして、アメリカはですね、自分たちが空母キラーでやられるのは嫌だと。それから、台湾正面ではもう勝てない。自分たちの戦力では勝てない。東アジアでは何回、ウォー・シミュレーションやっても勝てないってことは、何度も発表してるわけです。

 で、自分たちは下がって、戻ってくるか、さもなくばスタンド・アウトか、今度、スタンド・インと言って、日本列島を中心に、ゲリラのように小さな艦艇とかですね、そこからミサイル発射するような、あるいはドローン発射するとか。でも全部、ゲリラ戦をやるようなもんですから、それは。日本列島が全部、その標的ですよね。

 そういうところまで、今、検討して、そういう戦略のペーパーがね、公表されてるんですよ。それを読んで、本気で、これでも緊急事態条項やんの? っていうことを、国会でやってほしいですよね。

 こんな危険な状態で、緊急事態条項やって、日本がまったく何にも、政府の言う通りってことは、米軍の言う通りじゃないですか。その状態で戦争するんですかっていうのを、とことん、やっぱり、警鐘鳴らしてほしいなと思うんです」


※17)モサド:
 イスラエルの情報機関、イスラエル諜報特務庁のこと。通称モサド。
 1948年、ユダヤ人国家のイスラエルが誕生、翌1949年にベン・グリオン首相によってモサドが創設された。
 現在は約7000人の職員を擁し、西側ではCIAに次ぐ2番目に大きな諜報機関である。
 ナチス戦犯の追求や、パレスチナをはじめイスラム諸国を対象とする諜報活動や秘密工作などを主要任務とし、全世界で活動している。
 世界屈指の諜報・秘密工作能力を持ち、昨今、特に力を入れているのがサイバー関連部門だという。
 敵対勢力の要人襲撃や暗殺などを容赦なく実行することでも恐れられており、イスラム勢力からは「テロ組織」との非難もしばしば出ている。
 2021年4月11日、核開発の中枢を担うイラン中部のナタンズの核施設で電気系統の問題が発生したと、イラン国営メディアが報じた。
 この施設では2020年7月にも爆発が発生し、ウラン濃縮に使う遠心分離機の開発や組み立てを行っていた建物が損壊している。
 イスラエルのテレビ局「チャンネル13」は、同日、西側の情報筋の話として、「モサドがナタンズの核施設で発生した事故に関与していた」と報じている。
参照:
・モサド(コトバンク、百科事典マイペディア)
【URL】https://bit.ly/3irPKQn

・新体制となるイスラエル諜報機関「モサド」長官は「ネタニヤフの右腕」から「謎のD」へ(2021年4月29日、新潮社Foresight)
【URL】https://bit.ly/3i7GpNm

・イスラエルのテレビ局、「諜報機関モサドがイラン核施設事故に関与」(Pars Today、2021年4月12日)
【URL】https://bit.ly/39IlOdC

・イラン、核施設で「破壊工作」と発表 サイバー攻撃との報道も(BBC NEWS JAPAN、2021年4月12日)
【URL】https://bbc.in/3uenRzN

※18)かつてのドイツとソ連の間の中距離ミサイル配備、パーシングとSS-20みたいな状態になる:
 「パーシング」は、アメリカ陸軍の地対地戦術用弾道ミサイル。 II型はソ連の「SS-20」ミサイルに対抗するため、1982年12月からヨーロッパに配備。射程はSS-20より短いが、命中精度は高い。中距離核戦力INF全廃条約により、91年5月末までに全廃された。射程1800km、速度マッハ12。同目標に発射したミサイルの半数がその内部に落下する円の半径で、命中精度を表す半数必中界(CEP)は45m。
 「SS-20」は、ソ連が1977年に配備を開始した中距離弾道ミサイル。ヨーロッパ主要部を射程内に収めるため、同地域の核バランスを崩すとしてソ連と米国、ヨーロッパの間で大きな政治問題となり、米国は対抗してパーシングIIミサイルと地上発射式巡航ミサイルをヨーロッパに配備。しかし1987年12月に米ソ間で中距離核戦力全廃条約が調印され、SS-20は1991年6月までに全廃。射程5000km、半数必中界400m。
参照:
・百科事典マイペディア「パーシング」の解説(コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3zL9BPZ

・ブリタニカ国際百科事典・小項目辞典「SS-20」の解説(コトバンク)
【URL】https://bit.ly/3m8lnPI

※19)『トモダチ作戦』:
 Operation Tomodachi(オペレーション・トモダチ)は、2011年3月11日に発生した東日本大震災を受けて、翌3月12日から米軍が開始した人道支援・災害救援活動の作戦名。日本語ではトモダチ作戦と呼ばれる。
 指揮官はパトリック・ウォルシュ太平洋艦隊司令官(当時)で、人員約2万4000人、航空機189機、艦船24隻が投入され、捜索救助、物資輸送、仙台空港の復旧、瓦礫除去作業、日米共同での行方不明者の集中捜索など、約1ヵ月半にわたって被災地を中心に大規模な支援活動を行った。
 福島第一原発事故については、各種情報の提供、防護服、消防ポンプ、バージ船などの支援のほか、核などに関する検知、識別、除染、医療支援を任務とする海兵隊放射線等対処専門部隊CBIRF(Chemical Biological Incident Response Force)約150名を4月2日から5月4日の間、派遣している。
 トモダチ作戦は総費用は8000万ドル(約68億円)を投入して終了したが、その後、アメリカではこの作戦をめぐる訴訟が複数、起きている。
 救援物資などを空輸する海上拠点となった原子力空母ロナルド・レーガンの乗組員らが、東京電力などに対して損害賠償や治療費などを求めた裁判では、福島第一原発の保守管理などが不適切だったために原発事故が起き、原告らは被曝によって健康被害を受けたとしている。
 白血病や甲状腺がん、脳腫瘍などを発症している原告も多く、中には原発がメルトダウンしたことを知らされず、放射線防護のない状態で船上活動をした者もいるという。
 しかし、東電側の弁護士は米兵たちの被曝量はごくわずかであり、救援活動中の被曝と健康被害との因果関係は不明だと主張した。
 2019年3月、サンディエゴの連邦地方裁判所は、トモダチ作戦で救援活動に従事した420名を超える米兵たちが、東京電力と原子炉を設計したジェネラル・エレクトリック社(GE)に対して起こしていた2つの集団訴訟を却下している。
参照:
・トモダチ作戦について(防衛省、平成23年版防衛白書 特集・東日本大震災への対応 19p.各国軍からの支援)
【URL】https://bit.ly/3ESkYtb

・「トモダチ作戦」 震災10年目の真実(NHK NEWS WEB、2021年3月3日)
【URL】https://bit.ly/3i41VT2

・3.11から8年 “トモダチ作戦”で被曝した米兵23人が癌に 米連邦地裁は米兵の訴訟を却下(YAHOO!JAPANニュース、2019年3月10日)
【URL】https://bit.ly/3kJAzU9

・トモダチ作戦で被ばく 空母乗組員の訴えを却下 米裁判所(NHK NEWS WEB、2018年1月11日)
【URL】https://bit.ly/3kEz4Xe

・トモダチ作戦で被ばく、米兵らが東電を提訴(日テレNEWS24、2012年12月28日)
【URL】https://bit.ly/3AHFlab

※20)戦後国体:
 「戦後国体」は京都精華大学専任講師の政治学者白井聡氏の言葉。白井氏は著書『永続敗戦論――戦後日本の核心』(太田出版、2013年)や『国体論――菊と星条旗』(集英社、2018年)などで、戦後、日本の「国体」は象徴天皇制の上に米国・星条旗があると、対米従属の本質を指摘している。
参照:
・(再掲載)「戦後国体」は「尊米攘夷」!? 戦後の対米従属の構造は戦前の天皇制支配から引き継がれた!? 岩上安身によるインタビュー 第939回 ゲスト 京都精華大学人文学部専任講師・白井聡氏 2019.5.16(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3ugyiD1

・「米国が戦前の天皇の位置を占めるものとして再構成された」!~京都精華大学専任講師・白井聡氏が岩上安身によるインタビュー 第598回で「戦後の国体は頂点にワシントンが乗っかっているに過ぎない」と指摘! 2015.12.17(IWJ)
【URL】https://bit.ly/2ZtlsWu

・対コロナ戦争の敗北を否認するばかりの菅政権!繰り返し現れる「無責任の体系」、日本は崩壊する米帝国への従属を続け「敗戦準備」を加速するのか!?~8.25岩上安身によるインタビュー 第1049回 ゲスト 京都精華大学国際文化学部講師 白井聡氏 2021.8.25(IWJ)
【URL】https://bit.ly/3uhLWWo

在日米軍がなかったら米国はアジアやインド洋で軍事的な力を持てない! 日本は言いなりにならず、それを切り札に外交を展開すべき!

小西議員「だから、今のお話で、私も、この火曜日(4月27日)ですかね、岸防衛大臣に質問したんですね。台湾海峡有事っていう話が今、出てるけれども、台湾海峡有事っていうのはアメリカと中国の戦争ですから、台湾海峡有事が、もし起きたら……。2つのこと、聞いたんです(※21)」

▲岸信夫防衛大臣(IWJ撮影)

小西議員「ひとつは、有事の際にアメリカ軍を守るために、安保法制の後方支援なり集団的自衛権なんかをやれば、日本の在日米軍基地が、中国の攻撃対象になると思いますよね、と。

 これ、軍事の常識ですよ。アメリカが中国と戦う最大の軍事的な基盤は、在日米軍基地になるので。それに対しては(岸防衛大臣は)答えないわけですよ。

 ふたつ目の質問は、こっちのが先だったんですけれども、何もしなくても、アメリカと中国が戦争はじめて、台湾海峡有事が起きたら、その起きただけで、日本は在日米軍基地、持ってるので、(中国からの)攻撃の対象になりますよね、と。

 これも軍事の常識で、当然なるわけですよ。それも、何も答えないわけですよね。

 今、安倍政権・菅政権というのは、そういう政権なんですけども。とにかく日本国民の皆さんにご理解いただきたいのは、アメリカと中国の戦争だとか、アメリカとロシアとかの戦争に、日本は絶対、巻き込まれてはいかんということと、あと、日本自身が中国やロシアから敵国視、さっきの北朝鮮の例ですよね、敵国視されて、攻撃の意思を持たれるような、相手に、あるいは攻撃の理由を与えるような、そういうことをやってはいかん、ということですよね。

 だから、向こう何十年かは中国は軍拡をやり、ロシアも、プーチンがまた大統領になる可能性ありますよね。そういう意味では、このアジアでは、やっぱり、中国の軍拡に伴って、非常な緊張状態っていうのは、構図としてはあり得るんですが、それを、軍事的な緊張関係を、とにかくエスカレートさせない」

岩上「そうです」

小西議員「そのような外交が、とにかく最重要なわけですよね」

岩上「はい」

小西議員「だから、中国は軍拡を続けるんだけど、じゃあ、中国が東シナ海や南シナ海で、アメリカの艦隊のように、何隻も最新鋭の空母を持って、空母の機動艦隊を持つのか、あるいは今、ご説明いただいたように、ミサイル戦力っていうものを、とことん増強していくのかって。

 ただ、それは、そういうことをやると、当然アメリカの方も、日本を巻き込んで軍拡をやっていかなきゃいけないことになりますから、それって、やっぱり、ある種、新しい冷戦を作ることになるわけですよね」

岩上「『冷戦』だったらいいんですけどね」

小西議員「だから、『熱戦』になったら終わりなので。なので、冷戦にならないように、やっぱり、どこかで、それ、今からなんですけど、中国に対して、こういう軍事的な覇権を争うようなことは、それはやめましょうと。昔と違って、アメリカにしろ、日本にしろ、中国から見れば、最大の貿易相手国なわけですから。

 さっき、南シナ海の話も、この問題では出てくるんですけど、南シナ海っていうのは、中国の貿易相手国であるアセアン諸国があるわけですから。だから、中国から見ても、軍事的な拡張路線、軍事的な対立路線っていうのは、決して中国の国益にはならんということを、やはり、日本が先頭に立ってですね、外交をとにかく展開していくっていうのが、これから日本で一番重要なこと。

 今、安倍政権の間、その外交がないわけですよね。軍事路線をひたすらやってきていると。で、それを菅政権っていうのは無批判に引き継いでいる。この間の日米首脳会談で、台湾海峡のことを首脳会談のペーパーに書き、同じ日にですね、岸防衛大臣は与那国島に行って、台湾問題に自らを巻き込む。

 この間、国会で、この火曜日に質問しましたけど、岸大臣は、尖閣諸島が今、中国から侵略を受けてるっていう風に、自民党の会合で言ったんですね(※22)。

 『侵略』っていうのは武力によって、その国の領土や支配権を奪うのが侵略ですから、尖閣諸島は別に今、中国から侵略なんかされてませんから、防衛大臣が不用意に『侵略されてる』なんてことを言ってはいかんだろうっていうのを、私、外交防衛委員会でやったんですが。

 それぐらい日本の、今の防衛大臣、あるいは外交っていうのは、愚かであり、戦略性がないということで。中国が今後、軍拡をさらに強めて、軍事的な強国になって。今のままだといきますけども、それを現実の軍事的な緊張に、何とか、しないような外交が、とにかく今、必要であるという風に、私は思いますけどね」

岩上「そうですね。それで、中国とアメリカが、お互いがお互いに挑発し合いながら、ヒートアップしていく部分があるわけですから、だから、大事なことは、中国に対する外交と、それから米国に対する外交も、ないんだと思うんですよ。米国には従属しかないんで」

小西議員「だから、本当はアメリカに対して、すいません、時間、今、過ぎてるんですが、これ、ちょっと言わせてもらっていいですかね?」

岩上「はい」

小西議員「アメリカに対して、日本は、実は、外交ができるんですよ」

岩上「できますか? もの言うことができますか?」

小西議員「いや、できる。それはできる。何でかって言うと、これは諸刃の剣なんですが、在日米軍基地があるから、外交ができるんですよ。

 実は、在日米軍基地がなければ……。実は、これも私が、2月だったか3月だったか、これも初めてですよ、茂木外務大臣、答弁させましたけども。日米同盟はアメリカから見ても、地球上で、世界で、最重要の同盟。アメリカから見てですよ? アメリカは、イギリスだとかオーストラリア、いろんな、NATOとか同盟関係ありますけども、日米同盟こそが、地球上でアメリカにとって最重要の同盟関係だ、そのはずだ、という風に、日本の外務大臣に言わせてるんですよ(※23)。

 それは、どういうことかというと、在日米軍基地があるからですよ。在日米軍基地がなかったら、アメリカはアジアや、あるいはインド洋も含めですけども、軍事的な力を持てないわけですよね。

 たとえば、横須賀の第七艦隊の基地(※24)、海軍基地があるわけですけど、横須賀にあるアメリカの第七艦隊の守備範囲っていうのは、東シナ海、南シナ海、越えてインド洋、これ全部、第七艦隊の守備範囲なわけです。これ、第七艦隊のホームページに書いてます。じゃあ、横須賀にアメリカが第七艦隊の海軍基地を持てなかったら、ハワイやグアムまで退くわけですよ。つまり、中国やロシアに、この地域の海を明け渡すことになるわけですよね」

▲米海軍横須賀基地に入港したUSSジョージ・ワシントン(Wikipediaより・U.S. Navy)

小西議員「で、昔、銃剣とブルドーザー(※25)で沖縄県民から奪い取った嘉手納の空軍基地っていうのは、アメリカが海外に持ってる中東アジアで最大の基地、最大の航空基地ですよ。あの嘉手納の基地がなければ、あるいは、三沢にも大きな航空基地、持ってますけども、アメリカはアジアで空軍力を持てないわけです。

 じゃあ、在日米軍基地って何かって言うと、『思いやり予算』(※26)くれてあげて、日本は親米社会で、かつ、空母を修理するだけの技術力も日本が提供してるんですね。で、きわめつけは、在日米軍基地を守ってるのは誰かと言うと、アメリカ軍じゃないわけですよ」

岩上「自衛隊ですね」

小西議員「そう、自衛隊が守ってるんです、実は。これ、ご存じない方多いんですけど、日米ガイドラインでもアメリカ軍と自衛隊の軍事協定で、そう書いてあるんです(※27)。

 在日米軍基地ってのは日本の領土なんで、日本が守る、自衛隊が守るんです。さっき、ミサイルから守るPAC3っていうですね、最後の迎撃手段、PAC3があるんですけど、アメリカ軍は、在日米軍は、在日米軍基地いくつかありますけど、自前のPAC3を持ってるのは嘉手納基地だけなんですよ。他の在日米軍は全部、自衛隊のPAC3』で守るしかないんですよ」

岩上「そうですね」

小西議員「自衛権が、アメリカ軍やアメリカ軍人の家族を守ってあげてるんですよね。

 こういう同盟関係の本質をとらえた時に、別に、言いなりになる必要ないわけですよね。いや、在日米軍基地があるから、アメリカは超大国でいれるんでしょと。で、在日米軍基地を守ってるの自衛隊ですよねって。だから、日本もそれだけのことは、してあげてますよねと。

 じゃあ、何で日本がアメリカのために血を流す戦争、集団的自衛権やる必要があるんですか、それだったら完全にこっちの持ち出しじゃないですかと。基地、置かせてあげて、アメリカの最大の国益をあげてるんだから、そこは日本は譲れませんよと。唯一の被爆国なんだからと。

 そういうことを、実は、戦後の自民党政治っていうのは、表向きにも、表向きにはたいしてやってないですけど、水面下では、やっぱり、そういうことやってきたわけですよね。

 それをかなぐり捨てて、アメリカから、実は、これはちょっと岩上さんと意見が分かれるかもしれないけど、実は、安保法制ってのはアメリカに『やれ、やれ』言われてやったもんじゃないんですよ、これは。安倍総理が自分の存念で、さっきの河野統合幕僚長というような、おかしい自衛隊の幹部たちを使ってやったのが、安保法制なわけですよ。

 ただ、その安保法制が、当時は北朝鮮なんかを想定しながらやってきたんだけども、それが今、中国の軍拡の中で、もちろん、当時から中国のことは念頭に、私だって中国の軍拡ってのは当時から考えてましたよ。ただ、それが今、トランプ大統領も経て、もろ、時代にはまっちゃったわけですよね。

 はまったっていうのは、安倍・菅政権が考える日本の安保政策に、もろ、アメリカ軍と自衛隊が安保法制によって一体化して、で、中国包囲網を、東シナ海、南シナ海からインド洋まで、自衛隊が出かけていって、共同訓練を各国の軍隊と繰り広げて、中国の牽制網、包囲網を作るっていう戦略を、今やろうとしてるわけです」

岩上「幻想ですけどね」


※21)この火曜日(4月27日)ですかね、岸防衛大臣に質問したんですね。台湾海峡有事っていう話が今、出てるけれども、台湾海峡有事っていうのはアメリカと中国の戦争ですから、台湾海峡有事が、もし起きたら……。2つのこと、聞いたんです:
 2021年4月27日の参議院外交防衛委員会での、小西洋之委員(理事)の質問と岸信夫防衛大臣の答弁。
小西議員「では、続いて、日米首脳会談と、あと台湾海峡の情勢などについて質問させていただきます。
 防衛大臣、実は前回あえて、質疑通告していたんですが、質問を控えると言っていた事項なんですが、仮に、万が一つにもあってはいけませんけれども、アメリカと中国が台湾をめぐって武力衝突をすれば、いわゆる台湾海峡有事と言われるものですけれども、日本にある在日米軍基地は、アメリカが中国と軍事的に対峙するための最重要基盤、軍事的な基盤ですので、日本にある在日米軍基地は、当然に中国からの攻撃対象、攻撃目標になるという理解にありますでしょうか」
岸防衛大臣「仮定の御質問についてお答えを差し控えさせていただきますが、地域の安定、地域の安全保障環境が厳しさを増す中で、在日米軍と自衛隊は様々な事態に対応するため万全の対応を取ってきております。
 一般論として申し上げるならば、日米安全保障条約に基づいて我が国に駐留する米軍のプレゼンスは、極東における国際の平和及び安定の、安全の維持に寄与しており、地域における不測の事態に対する抑止力として機能していると、このように考えておるところでございます」
小西議員「何かすごい答弁をいただいてしまっているように思うんですが。
 二つ目の問い、続けていきますが、同じような問題なんですが、ちょっと局面が違います。万が一つにあってはならないし、そうしたことが生じないために、日本は茂木大臣の外交の総力を挙げて頑張らなければいけないんですが。
 仮にですが、アメリカと中国が台湾をめぐって武力衝突をした際に、いわゆる台湾海峡有事ですけれども、日本が安保法制に基づいてアメリカのために後方支援や集団的自衛権行使などを行えば、在日米軍基地及びそれ以外の日本の領土、領域というのは当然に中国から攻撃対象、攻撃目標になるとの認識、理解にありますでしょうか。防衛大臣、答弁をお願いします」
岸防衛大臣「台湾をめぐる問題につきまして、これも仮定の質問にお答えすることは差し控えさせていただきますけれども、我が国としては、台湾をめぐる問題については、当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待するというのが我が国の従来からの一貫した立場であります。
 その上で、一般論として申し上げるならば、厳しい安全保障環境の中で、日米同盟の抑止力、対処力は一層重要となっております。平和安全法制の主要な目的は、強固な日米同盟によって紛争を未然に防ぐということでございます。平和安全法制によって日米同盟はかつてないほど強固なものになって、抑止力、対処力も向上していると考えております。
 いずれにいたしましても、一般的に、米軍のプレゼンスは、在日米軍及び我が国に対する攻撃への抑止力になっていると考えておるところでございます」
小西議員「いや、今申し上げた話は、最後に大臣がおっしゃられたアメリカ軍、在日米軍の存在が我が国に対する武力攻撃の抑止力になっているという文脈ではなくて、アメリカと中国が武力衝突、紛争を起こして、それに安保法制に基づいて自衛隊が言わば後方支援活動あるいは集団的自衛権、これはもうアメリカを守るために自衛隊が中国に対して武力行使を行うことですから、そういうことをすれば、在日米軍基地や日本の領域、領土というのが当然に中国からの攻撃対象、攻撃目標になるのかという私からの質問でございました。
 これは前にも大臣に質問して答弁もいただいていますが、二〇一七年、一九年で、当時、トランプ大統領は、攻撃型空母カール・ビンソン、最大のときは空母三隻を北朝鮮に向かって展開をさせ、またグアムから戦略爆撃機を何十回も飛ばして、それに対して自衛隊が、三十回以上ですかね、共同訓練を繰り広げて、結果、結果、それまでは、在日米軍基地、いざ有事の際には、半島有事の際には在日米軍基地は攻撃対象であるということしか言っていなかった北朝鮮が、そういうことをするのであれば我々の攻撃目標は変わるしかないと、在日米軍基地以外の日本そのものを攻撃の対象とすると、繰り返し繰り返し警告を出して、最後には日本のこの四つの島を核ミサイルで沈めてやるというところまで至っているわけでございます。
 しかも、そういう共同訓練でつくり出した北朝鮮の攻撃意思、国家としての攻撃意思の確定と言ってもいいと思いますけれども、そうした状況下において、当時、河野幕僚長は、著作やインタビューでも答え、大臣も認めていただいていますけれども、安保法制による集団的自衛権の発動、アメリカが軍事力を北朝鮮に行使した場合にですね、そういうことを検討していた。すると、北朝鮮から、当然日本、攻撃を受けるわけですから。それが全部防げないということでイージス・アショアの議論に至っているわけでございますので。
 ちょっと大臣、これ、今日、実は理事会で佐藤先生から大変尊敬する、敬意を表する御発言をいただいたんですが、やはり防衛省の国会の答弁というのは、やはり国民、国家のもう生き死にが懸かる案件、安全保障でございますので、日本にいろんな政策課題がありますけれども、その中でまさに国を誤る、国を誤ることが起きるのがこの安全保障、国防の問題でございますので、そこは大臣にはっきりと答えていただきたいんですね。これはもう軍事の常識なんですけれども。
 最後、もう一度聞きますけれども、台湾海峡有事ですね、アメリカと中国軍の武力紛争があって、それに日本が安保法制の下に自衛隊が集団的自衛権の発動などを行えば、在日米軍基地や日本そのものが中国軍から攻撃対象になるということは当然にあり得ると、そういう認識でよろしいですね」
岸防衛大臣「まず、委員からの今の御質問の中で北朝鮮の話がございました。これについては、私からコメントをすることは控えたいというふうに思います。
 台湾につきましては、いずれにいたしましても、我が国の立場、一貫とした立場としては、当事者間の直接の対話により平和的に解決されることを期待すると、こういうことでございます。その中で、日米間においては平素から様々なやり取りを行っているところでございます。我が国としても、様々な事態に備えていかなければいけないというのは一般論としてございます。
 その中で、日米の、日米同盟の抑止力、対処力を一層、もうこれ一層重要になっている中で、この抑止力、対処力を高めてきました。こうしたことによって、一般的に、米軍のプレゼンスを高めることによって、在日米軍の、及び我が国に対する攻撃の抑止力になっているものと考えているところでございます」
参照:
・国会会議録 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第10号 令和3年4月27日
【URL】https://bit.ly/3oeHDtS

※22)この間、国会で、この火曜日に質問しましたけど、岸大臣は、尖閣諸島が今、中国から侵略を受けてるっていう風に、自民党の会合で言ったんですね:
 2021年4月27日の参議院外交防衛委員会での、小西洋之委員(理事)の質問と岸信夫防衛大臣の答弁。
小西議員「では、続いて、岸大臣が四月二十二日に自民党のある先生の会合で発言をなさった、その発言の趣旨について質問させていただきます。
 尖閣諸島をめぐり、報道によればですけれども、中国は目立たないところで一歩ずつ侵略をする、サラミスライス戦術というものを中国は講じていると。台湾が赤くなったら大変な状況の変化が起こるなどとお述べになったというふうにされておりますけど、この発言、具体的にどういう発言であったのかということと、その趣旨について、大臣の方から答弁をお願いいたします」
岸防衛大臣「今御指摘の会合ですけれども、自民党の議員の会合でございました。我が国を取り巻く安全保障環境についての説明ということで行ったことでございます。その中での発言は、広く一般的に指摘をされております事柄、あるいは私の政治家としてのこれまでの考え、そして防衛大臣としてのこれまで職務を行ってきた中での所感といったものを述べさせていただいたところでございます。
 尖閣諸島については、中国の海警船の動きや、いわゆるサラミスライス戦術と呼ばれる指摘に触れつつ、尖閣諸島周辺を含む東シナ海において力を背景とした一方的な現状変更の試みを継続しようという従来の見解を紹介をしたところでございます。
 台湾情勢については、中国が最近、台湾周辺の海域において、海空域において軍事活動を活発化させていること、さらに、近年、中国が軍事力の強化を急速に進める中で、中台の軍事バランスが全体として中国側に大きな、有利な方向に変化をし、その差が年々拡大する傾向にあるというようなことを概略としてお話をしたところでございます」
小西議員「今おっしゃったこのサラミスライス戦略ってちょっと調べてみましたら、ある方の見解だと、公船による領海侵入を繰り返し、日本の実効支配を脅かすような戦術ということなんだというふうに認識しておりますが。
 ちょっと今、余り具体的にお答えいただきませんでしたけれども、報道で挙げられているようなこの大臣の御発言、その問題意識や、あと御発言の内容について、共感できるところも私あるんです、あるんですが、やはり、国防をつかさどる防衛大臣として、対外的なそのメッセージの重みとかあるいは政治問題というのには常に慎重に御配慮いただきたいと思いまして。
 さっき申し上げましたが、大臣は、尖閣諸島問題を、尖閣諸島をめぐって、中国は目立たないところで一歩ずつ侵略するという、侵略という言葉をおっしゃっているんでしょうか。侵略というのは、やはり軍事でもってある国の領土、領域を奪い取ることですので、今尖閣諸島は、私、中国によって侵略されているとは全く思っておりませんので、海上保安庁は常に頑張って警察力として優位を保ちながら、防衛省ともしっかり連携しているというふうに聞いておりますけれども、我が国固有の領土であり、尖閣諸島は中国の領土だというような発言は、これ本州が中国の領土だという発言と同じようにもう荒唐無稽、ばかげたものでございますので、尖閣諸島については領土問題は存在しないということなんですが、この侵略というような発言をされたのかどうか、であれば、その趣旨についてきちんと大臣として御説明いただく必要があると思うんですが、大臣の答弁をお願いいたします」
岸防衛大臣「今委員御指摘のとおり、尖閣諸島については歴史的にも国際法的にも我が国の固有の領土であって、我が国はこれを有効に支配をしているところでございます。尖閣諸島をめぐっての解決すべき領有権をめぐる問題というものは存在をしていない。侵略されているという事実も、そういう意味ではございません。
 その上で、御指摘の会合において私の尖閣諸島に関する発言については、海警船の動きや、いわゆるサラミスライス戦術と呼ばれる指摘に触れつつ、尖閣諸島周辺を含む東シナ海において、力を背景として一方的な現状変更の試みを継続しているこの動きを、従来の見解を紹介したものでございます」
小西議員「侵略という言葉を言われたのか言われていないのか、ああ、どうぞ」
岸防衛大臣「済みません。
 言葉の使い方等について、今後とも防衛大臣としての立場を踏まえて対外発信に努めてまいりたいと思います」
参照:
・国会会議録 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第10号 令和3年4月27日
【URL】https://bit.ly/3oeHDtS

※23)実は、これも私が、2月だったか3月だったか、これも初めてですよ、茂木外務大臣、答弁させましたけども。日米同盟はアメリカから見ても、地球上で、世界で、最重要の同盟。アメリカから見てですよ? アメリカは、イギリスだとかオーストラリア、いろんな、NATOとか同盟関係ありますけども、日米同盟こそが、地球上でアメリカにとって最重要の同盟関係だ、そのはずだ、という風に、日本の外務大臣に言わせてるんですよ:
 2021年3月30日参議院外交防衛委員会で、小西洋之委員(理事)の質問と岸信夫防衛大臣、岡真臣防衛省防衛政策局長、市川恵一外務省北米局長、茂木敏充外務大臣の答弁。
小西議員「では、問いの二番なんですが、これも先日、防衛大臣にちょっと時間のない中御質問をさせていただいたものでありますけれども、日米同盟は在日米軍基地を見たときにアメリカにとって計り知れないメリットがあるものではないかということでございますけれども、先般、この質問通告の中で、例えば横須賀の海軍基地などが自由で開かれたインド太平洋構想において具体的にどのような意義、役割を果たしているのかということも質問通告させていただいていたんですけれども、嘉手納基地や横須賀基地、あるいは岩国、三沢といった主要な在日米軍基地がありますけれども、それらの基地がアメリカの軍事戦略上、あるいは国益上どのような意義があるものかについて答弁をお願いいたします」
岸防衛大臣「御質問の点でございますけれども、先般も御答弁申し上げたかもしれませんが、横須賀には空母ロナルド・レーガンを始めとして第七艦隊がプレゼンスを維持をしているところであります。嘉手納飛行場には第五空軍が警戒監視等を実施しております。
 こうしたこと自体、在日米軍のプレゼンスを示すことによって、地域の平和と安全に貢献しているということだと思います。自由で開かれたインド太平洋の維持強化において重要な役割を示していると、こういうふうに思います」
小西議員「ちょっと今お答え少しいただいたんですが、もう少し具体的に、その自由で開かれたインド太平洋構想において、例えばその横須賀の海軍基地を母港としているアメリカの第七艦隊が具体的にどのような貢献というか、アメリカから見てのそのメリットを持っているのか、もう少し具体的に答弁をお願いいたします」
岸防衛大臣「自由で開かれたインド太平洋構想ということを考えますときに、太平洋からインド洋にかけてのシーレーン等においてのロナルド・レーガンを始めとする第七艦隊のプレゼンス、そこにいるということで、周辺の国々との連携も取ってまいることになると思いますが、そういったことを通じて、海洋が自由であること、また開放的であること、こういうことを確保することに意義を持っているんだというふうに考えております」
小西議員「アメリカはハワイやグアムにも強力な海軍基地を持っているんですが、横須賀の海軍基地が仮になければ、自由で開かれたインド太平洋構想にどのような支障が生じるんでしょうか。さっきと同じ質問ですけれども、要するに、具体的にどのような意義がアメリカから見てあるんでしょうか。政府参考人でも結構ですけれども」
岡防衛政策局長「まさに今、大臣からも御答弁があったとおりかと思いますけれども、まさに、こういった基地の機能があるということ、それがまさに後方支援をしっかり行うことによって米軍がそのアセットを前方展開をできるということ、このことがこの地域の平和と安定に大きな役割を果たしているということであろうと思います。
 横須賀基地について申し上げれば、ロナルド・レーガン、空母ロナルド・レーガンを含む第七艦隊がいるわけでございまして、これを支える基地機能を横須賀基地が提供しているということでございますし、また、個別のところを幾つか委員からも御指摘ございましたけれども、三沢基地には戦闘機の部隊ございますけれども、こうした機能がちゃんと前方展開したプレゼンスを維持できるように作戦支援の機能を提供しているということでございますし、また、岩国基地であれば、これは海兵隊の基地でございますけれども、この海兵隊の部隊がこの地域で訓練を行う、また、あるいは不測の事態へ対応する人道支援、災害救援任務等を行うといったことによって、この前方展開のプレゼンスをしているということの意義が発揮をされているということであろうというふうに思っております」
小西議員「何といいますか、じゃ、政府参考人で結構なんですけど、第七艦隊の守備範囲というのはどこからどこまでになりますですか」
岡防衛政策局長「米軍自体、その各コマンドの範囲というのを示しておったと思います。今ちょっと手元に正確にございませんので、それを今申し上げる、ちょっと正確に申し上げるのはちょっとできませんけれども、幾つかの艦隊で責任範囲を区切って担当分野というのを持っていたというふうに理解をしております」
小西議員「ちょっと、これ通告していないんですけど、ただ、日本の国防とか、あるいは外交においても一番重要な点だと思いますので、外務省でも結構なんですが、どなたか、ある程度説明できる方、いらっしゃいますでしょうか」
市川北米局長「手元に資料ございませんので、おおよそということで御勘弁願いたいと思いますけれども、第七艦隊、西太平洋から大体インドの西側、中東のやや手前という辺りだというふうに御理解いただければと思います」
小西議員「第七艦隊のホームページでも解説されているんですけど、今、外務省の方から御説明いただいたようなことが書いてあるというふうに思います。
 つまり、ハワイの西から東シナ海、南シナ海を越えて、インド洋、そしてアラビア海峡の入口まで第七艦隊の全て守備範囲、それの母港が横須賀にあり、しかも、この横須賀というのはアメリカ海軍が国外に持っている唯一の空母の母港であり、かつ、今日の論点でもございますけれども、この優秀な技術者ですね、日本人の、空母の修理までできるというわけでございます。
 ですので、この横須賀の海軍基地がなければ、アメリカの自由の航行の作戦についても恐らくそれを有効的に実施することは不可能なんでしょうし、あるいは、防衛大臣、防衛省からも答弁があったように、前方展開ですね、アメリカが軍事的な脅威だと言っている中国や北朝鮮、その他の国に対するその前方展開というのもできない。
 一言で言うと、在日米軍基地がなければアメリカというのは超大国であり得ないというふうに私は理解をするんですけど、防衛大臣、いかがでしょうか、そういう理解は」
岸防衛大臣「米軍にとって在日米軍の価値というのは、今議員も御指摘をされましたけれども、大変重要な意味があるというふうに考えております」
小西議員「ちょっと後ろの方で通告させていただいているんですけれども、トランプ大統領がかつて在任時に、一番初めに日本に訪日をしたときに、アメリカ軍を駐留させてくれてありがとうというような趣旨の発言をしているんですけれども、この発言の趣旨について、政府としてどのようにお考えになっておりますでしょうか」
茂木外務大臣「トランプ大統領、その時々によって様々な発言をされる大統領であったと思いますけれど、御指摘のトランプ前大統領の発言は、そのような在日米軍の役割の重要性を踏まえた上で、日米安全保障条約の下、我が国が日米同盟を強固なものとするため行っている種々の取組に対して謝意を述べたものと認識をいたしております。ちょうど平和安全法制であったり様々な取組も進んでいると、こういう、日本としてしっかり、何というか、日米同盟の対処力、抑止力を高めていく、こういう取組をしていた時期とも重なっているものだと思っております。
 また、このことは、例えば2019年4月の日米2プラス2共同発表において、日米安全保障体制が地域における米軍の一層のプレゼンスを促進する上での極めて重要な役割を認識したと表明されていること、また、同年六月の米国防省のインド太平洋戦略報告書においても、日米安全保障条約は、自由で開かれたインド太平洋、FOIPを実現するための重要な鍵、ア・キー・イネーブラー、このように記述されていると、このことでも明らかではないかなと思っております」
小西議員「防衛大臣に、今の外務大臣の答弁を踏まえて質問させていただくんですが、私の理解なんですが、トランプ大統領は大統領選挙のときはまさにいわゆる安保ただ乗り論みたいな主張を一生懸命していたんですが、多分大統領に着任してから日米同盟の本質について説明を受けたと思うんですね。すると、彼、商売人ですから、おっ、これって実はアメリカにとって地上最大のグッドディール、アメリカにとってこんなにいい話はないと、そういう実は二国間関係が日米同盟関係じゃないかと、そういうふうに私は思ったと思うんですね。
 さっきも申し上げましたけれども、日米同盟がなければアメリカは事実上超大国であり得ない、そして、日本、親米社会ですから、かつ安定した社会ですね、そこでしっかりとした技術力を持ち、そして今日の議題である駐留経費までほかの国に例がないような負担までしていると。このような国をアメリカはこのアジアの地域で手に入れることが私はできないと思うんですね。ちょっと誤解のないような思いで例えをさせていただくんですが、仮にアメリカが百兆ドルお金を積み、あるいは、絶対あってはならないことですけれども、アメリカの軍人の血がどれほど流れようとも、在日米軍に代わるだけの在外基地をアメリカはこのアジアの地域で得るということは、もうこれ私は不可能だと思います。
 そうしたことを考えると、防衛大臣、もう一度なんですが、日米同盟というのはアメリカにとって死活的に重要な同盟である、そのような認識でよろしいでしょうか」
岸防衛大臣「日米関係ですね、75年前は戦争をしていた関係でありますが、それが今では日米同盟という形で最も強固な同盟を維持している、更に強化を、深化をしている、こういう関係にあるわけです。大統領も就任をされてからこの認識を強くされたんではないかなというふうには思っております。
 その上で、米軍、長い歴史の中で様々な変化はあったとは思いますけれども、常に日米同盟によって、特にアジア近辺ですね、での前方展開、そうしたことを考えますと、また周辺国における米軍への思いというものも、地域の平和と安定、さらには繁栄に寄与していると、こういう考えを強めてきたのではないでしょうか。米軍にとってもそのことが、米軍といいますかアメリカにとってもこの日米同盟の重要さというものはよく認識していただいているものと考えます」
小西議員「じゃ、外務大臣お願いしたいんですが、日米同盟はアメリカにおいて他に劣ることのない重要な二国間関係であるはずだと、アメリカにとって日米同盟が他に劣ることがない重要な二国間関係であるはずだというような政府の認識でありますでしょうか。簡潔に答弁お願いします」
茂木外務大臣「それで結構だと思っております。
 小西委員がおっしゃったことと同じことをかつてマンスフィールド大使がおっしゃっていたんじゃないかなと思いますけれど、マンスフィールド駐日大使、日米同盟は他に並ぶもののない最も重要な二国間関係である、ジ・US・ジャパン・リレーション・イズ・ザ・モスト・インポータント・バイラテラル・リレーション・イン・ザ・ワールド・バー・ナンと、こういう表現を使っていたと思います」
参照:
・国会会議録 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 令和3年3月30日
【URL】https://bit.ly/3kNkJaW

※24)横須賀の第七艦隊の基地:
前注(※23)参照

※25)銃剣とブルドーザー:
 1950年代、沖縄を占領していた米軍が、基地拡大のために行った大規模で暴力的な土地の強制接収を意味する。
 1945年の熾烈な沖縄戦の後、沖縄を占領した米軍は住民を収容所に送り、その住居や農地などを軍用地として接収、無償で使用していたが、1950年に朝鮮戦争が始まると、さらに基地増設が必要だとして、1953年4月に土地収用令を公布した。
 米軍は土地と家を守ろうと抵抗する住民に対して銃剣を向け、ブルドーザーで家屋を倒壊させ、耕作地に海砂を入れて強制的に軍用地とした。
 土地を奪われた農民たちの一部は、生きるために接収後の土地に入って爆撃演習下で農作物を作ったが、米軍は農民に威嚇射撃を行い、農地にガソリンをまいて作物を焼き尽くすこともあった。
 1956年6月、米国下院軍事委員会は沖縄の軍用地問題に関する報告書「プライス勧告」を発表したが、これは沖縄側の要望の大部分を退けるもので住民は失望、軍用地問題は沖縄全島をまきこむ抵抗運動「島ぐるみ闘争」に発展した。
 島ぐるみ闘争に対し、米軍側は経済封鎖や通貨の切り替えなど、経済制裁的な対応をとる一方で、インフラ整備や教育備品の贈呈など、アメとムチの両方で県民の分断をはかり、1958年頃から闘争は終息へと向かった。
 「銃剣とブルドーザー」という言葉は、米軍基地をめぐる問題があとを絶たない沖縄で、今なお、時代を超えて使われている。
 2015年9月14日、当時の沖縄県知事の翁長雄志(おなが・たけし)氏は、仲井真弘多前知事が出した名護市辺野古の埋立て承認の取り消しを発表した会見で、「今回は、海上での『銃剣とブルドーザー』で基地を造っていく。それを日本政府自らがやる。大変危惧をしている」と厳しく批判した。
参照:
・農民の闘い -銃剣とブルドーザーによる土地取り上げ-(読谷バーチャル平和資料館)
【URL】https://bit.ly/3kFLApe

・プライス勧告を契機に軍用地問題が島ぐるみ闘争へ発展する(沖縄県公文書館)
【URL】https://bit.ly/3uk8kOT

・銃剣とブルドーザー再び 視標「辺野古埋め立て」(47NEWS、2017年5月4日)
【URL】https://bit.ly/2Wh3F3M

・「今度は日本政府自らが、海上での『銃剣とブルドーザー』で基地を造っている」 ~翁長沖縄県知事、辺野古への基地移転計画の承認取り消しを発表!(会見全文掲載)2015.9.14(IWJ)
【URL】https://bit.ly/2ZrD7Oh

※26)『思いやり予算』くれてあげて:
 思いやり予算とは、防衛省予算に計上されている「在日米軍駐留経費負担」の通称。
 1978年、円高や米国の財政赤字を背景に、日本が自主的に経費負担を始めたもので、当時の金丸信(かねまる・しん)防衛庁長官の「思いやりをもって対処すべき問題」との発言にちなんで、「思いやり予算」と呼ばれる。
 在日米軍駐留経費負担の根拠となるのが日米地位協定24条で、同条は「日本に米軍を維持するためのすべての経費は、日本に負担をかけないで、米国が負担する」と規定しており、日本側の負担は基地の地代や補償などに限られていた。
 しかし、米側の「円高・ドル安」を口実にした要求により、1978年度から基地従業員の福利費や米兵用の住宅、学校・娯楽施設、格納庫や倉庫などの提供施設整備費の支払いを開始し、日本政府はこれらの負担を「地位協定の範囲内」と拡大解釈した。
 米側の負担要求はさらに強まり、1987年度には「特別協定」を締結。これによって、在日米軍基地職員の労務費の基本給や基地内の光熱費・水道費などを、次々と日本側が負担するようになった。
 2011年、当時の前原誠司外務大臣が「日本の安全保障、外交における戦略的な特別協定であるという観点から、もはや『思いやり予算』という言葉は適当ではない。ホスト・ネーション・サポート(Host Nation Support)という言い方を今後はさせていただきたい」と話したことから、「HNS」と記載されることもある。
 在日米軍駐留経費負担の特別協定は2021年3月末で期限が切れたが、日米両政府は同年2月24日、現行水準に沿って1年延長する改正議定書に署名した。
参照:
・在日米軍駐留経費負担(防衛省・自衛隊)
【URL】https://bit.ly/3ALseol

・思いやり予算、延長署名 新たな日米同盟の姿、焦点(朝日新聞、2021年2月25日)
【URL】https://bit.ly/3F2WRIC

・在日米軍駐留経費負担に関わる特別協定の署名について(外務省、外務大臣会見記録 平成23年1月21日)
【URL】https://bit.ly/3CNlh6R

・「思いやり予算」特別協定延長 二重三重に道理なし 廃止する以外にない(しんぶん赤旗、2021年3月1日)
【URL】https://bit.ly/2XRime3

※27)在日米軍基地は日本の領土なので自衛隊が守ると日米ガイドラインでもアメリカ軍と自衛隊の軍事協定で、そう書いてある:
 2015年に改定された日米防衛協力のための指針(ガイドライン)には、「日本の平和及び安全に対して発生する脅威への対処」として、「5.施設・区域の警護 自衛隊及び米軍は、各々の施設・区域を関係当局と協力して警護する責任を有する。日本は、米国からの要請に基づき、米軍と緊密に協力し及び調整しつつ、日本国内の施設・区域の追加的な警護を実施する」と記されている。
 また、「日本に対する武力攻撃への対処行動」には「日米両政府は、日本に対する武力攻撃への対処において、各々米軍又は自衛隊及びその施設を防護するための適切な行動をとる」と書かれている。
 2021年3月30日参議院外交防衛委員会で、小西洋之委員(理事)の質問と岡真臣防衛省防衛政策局長の答弁は以下の通り。
小西議員「防衛省に聞きますが、北朝鮮の弾道ミサイルに対処するいわゆるペトリオット、PAC3なんですが、在日米軍が自分で持っているPAC3はどこにあるでしょうか。簡潔にお願いします」
岡防衛政策局長「米軍のPAC3が配備されている在日米軍基地につきましては、嘉手納のみでございます」
小西議員「今答弁いただいたように、アメリカ軍は自前で、もちろんイージス艦はたくさん持っていますけれども、自前で横須賀の基地あるいは三沢の基地等々を守る力がないわけでございます。
 じゃ、仮に横須賀の在日米軍基地にこういうミサイル攻撃があった場合は、日米ガイドラインでも定められておりますけれども、そのアメリカ軍の基地あるいはアメリカ軍の兵士、家族というのは誰が主担当として守ることになるのでしょうか。大臣あるいは防衛省、お願いします」
岡防衛政策局長「横須賀基地ということにせよ、我が国に対するミサイルによる攻撃ということがあったんだとすれば、それは日米で共同対処するということになろうと思いますが、我が国日本につきましては、そのときの状況によりますけれども、一般論として言えば、海上自衛隊のイージス艦を展開させて我が国全域の防護、そして状況に応じてPAC3により拠点を防護するというのが現在の体制でございます。
 他方、アメリカ軍については、先ほど委員からもございましたとおり、イージス艦七隻を横須賀に配備しておりまして、こうしたものについても弾道ミサイル防衛の任務に就くことがあり得るというふうには考えます」
参照:
・日米防衛協力のための指針(防衛省)
【URL】https://bit.ly/3EZUhms

・国会会議録 第204回国会 参議院 外交防衛委員会 第6号 令和3年3月30日
【URL】https://bit.ly/3kNkJaW

「幻想の中国包囲網」のために日本が破滅する必要はない。アメリカ都合の戦争に巻き込まれるのは絶対に避けるべき!

 小西議員が「安倍・菅政権が考える日本の安保政策で、米軍と自衛隊が安保法制により一体化して、中国包囲網を作る戦略をやろうとしている」と述べると、岩上安身は「幻想ですけどね」と応じた。

小西議員「だから、それは幻想なんです。それはもう、中国とアメリカなんか戦争したらお互い破滅するだけだし、その狭間にある日本っていうのは、とんでもない巻き添え被害を受けるので」

岩上「被害、受けますね」

小西議員「それは、絶対できないわけですよ。ただ、人間っていうのは愚かで、残念ながら」

岩上「そうなんです。愚かさでやるんですよ」

小西議員「愚かさでやるし、愚かなので、これだけ、お互い貿易もして経済的にも結びつきがあっても、なお」

岩上「やっちゃうんですよ」

小西議員「国同士の関係っていうのは、軍事力でお互い抑制し合うことが、『しかない』と、私は思ってないんだけども、しかないような現実があるわけですよ。

 問題は、中国が軍拡で、軍事的な強国になろうとしていると。で、それを、そのままにしとくわけにいかないんで、アメリカと日本は他の国も巻き込んで、こっちの連合軍を作って、対峙をしようというのが、今の日本政府の戦略なわけですよね。

 で、問題は、今日のお話なんですけど、その戦略が行き過ぎると、アメリカと完全に一体化して、アメリカの都合で戦争が起きた時に、日本が巻き込まれてしまう。それだけは、絶対に避けなきゃいかんと。

 それは絶対に避けなきゃいかんという現実的な認識と、それにもとづく議論っていうのが、日本の国会にも、日本の社会にも、ほとんど、まったくないと。それが非常に問題だ」

岩上「ですね」

小西議員「というのが、今の私の問題意識なんですね」

岩上「おそらくね、メディアの中にも、たとえば私が手に入れてる『ヤマサクラ』なんてのは、持ってる人いるかもしれません。持ってるメディアも、出しません。それを出して問いかけるということはしません。10年、チャンスがあった。やりません。そして、小西さんがね、頑張って明らかにしていったようなこと、これをやっても、また大きく報じないと。

 そういう残念な状況にあるんで、やっぱり、このまま何も説明されることなく、全部俺たちにお任せにしてくれよと、白紙委任してくれよと、そしたら悪いようにはしないよ、というですね、緊急事態条項を、絶対に実現させないことですよね」

小西議員「その通りですね」

岩上「それはもう、今、一番大事なことかなと思います。もう時間が来てしまいましたね」

小西議員「ちょっといいですか? 今、『ヤマサクラ』の話があって、日米で対中国とのああいう図上演習やってるっての、私も初めて知ってびっくりしましたけども。今日ですね、インターネットで、誰でも今、検索したら、誰でも御覧いただける、岩上さんが持ってる」

岩上「今、アップしてます」

小西議員「岩上さんのものは、防衛省から、今日、私がもらった資料なんですけどね、大きな飛行機の下に小さな飛行機が飛んでるんですけども、これ、防衛省が今日発表した資料で、アメリカの戦略爆撃機を航空自衛隊が守るですね、共同訓練をやりましたと。で、場所は、『日本海、沖縄北方を含む東シナ海上の空域』でやったっていうふうに言ってるんですよね」

▲米軍との共同訓練の実施について(航空幕僚監部 2021年4月30日)

小西議員「どこの国相手にやったとは言ってないんですが、多くの報道してるマスコミ、これ、どこでも今、検索したら出ますから、『航空自衛隊がアメリカと共同訓練 東シナ海』って入れたら、もう全部、この記事が、写真が出てきますから。ただ、多くの記事は、これは中国を牽制する狙いがあったっていうふうに言ってるんですね。

 で、この訓練なんですが、これ、要撃戦闘訓練と言って、このアメリカの戦略爆撃機が、どこかの軍隊から攻撃された時に、その軍隊と航空自衛隊の戦闘機が戦う訓練をやったって言ってるんですよ。じゃあ、そのどこかの訓練が、中国軍だった時に、これはまさに、日本が中国と戦争する訓練をやってることになるわけですね」

岩上「そうですね」

小西議員「そんな訓練をしていいって、いつ誰が決めたんですかと。中国と戦争して勝てるって考えてる方がいらっしゃるかもしれませんが、勝てないです。私、年に1回、中国へ、コロナの前は行ってましたけども」

岩上「あり得ない」

小西議員「アメリカと日本が戦争して勝てると思ってる方は、多分いらっしゃらないと思うんですが、そのアメリカとも張り合えるぐらいの国力、軍事力を、今、中国は持とうとしてるっていうふうに、アメリカのバイデン大統領自身が言ってるわけですね。

 絶対、戦って勝てないアメリカと同じぐらいの力を持つって、アメリカが言ってる中国と、日本が戦って勝てるわけがないので、じゃあ、この戦争の訓練って一体何なのかっていうことが、実は、国民の皆さんが知らない、気づかない間に言われていると。で、こうした訓練を、まさに、可能にしたのが、憲法違反の安保法制というわけなんですね。

 さっきの岩上さんのまとめ、私も引き続ぐと、こういう国民や国会のコントロールが効かないような戦争を、あるいは、その戦争の遂行を可能にするための、国家緊急権というものが、憲法改正をすればですね、憲法改正さえすれば、この世のものとして現実になる」

岩上「何でもできちゃう」

小西議員「なので、すでに今、国民の皆さんを無視した、戦争の危険っていうのを、現実に2017年、2018年に安倍政権は作り、そして今、菅政権も何を考えてるのかわからないようなこと、今、やってるわけですね。こういう政権に国家緊急権を与えるような、憲法改正っていうのは、絶対させてはいけないと」

岩上「本当です。皆さん、ぜひここはね、右も左も何もありません。日本人、国民一人一人の生存権もかかってますし、財産権もかかってます。破滅したら終わりなんですよ。勝ち目がある戦争とかじゃないんです。我々がボロボロになるっていう戦争ですから。

 なので、尖閣だけで戦争は起こるんじゃない、日本列島が戦場になる。それは友軍である米軍が想定して、彼らの指揮の下に動いているんだと。それをよーく胆に据えてですね、お考え直しいただきたいと思います。

 かつ、止めた後はですね、何としても当選させないために、政治的中立とかいうことを言ってる場合じゃないので。自民党・公明党が趣旨変えてくれたら結構ですよ。こんな危険な法律はやっぱりだめだな、危険な憲法改正はだめだな、やっぱり日本は自立するべきだな、安全で平和で、米中の間でね、彼らが角逐、行っていても、何としてでも、そんな喧嘩するなよという立場に立つべきだなと。そうするんだったら、自民党に喜んで投票しますけど、そうじゃないんですから。

 どんな人も破滅したくないんでしたら、改憲勢力を選挙で落としていただきたいと。落選運動は自由ですから、いつでも起こせますので、全改憲勢力の議員を落選させましょう。

 どのみち、近いうちに必ず選挙はありますし、その選挙が行われるのと、この強引な国会発議みたいなものが行われるのとの、どっちが早いかの勝負かなという気がいたします。なので、皆さんの英明な判断をね、そして、行動を期待したい。私自信も頑張りたいと思います。

 ということで、小西さん、本当に長時間どうもありがとうございました」

小西議員「いえいえ、どうもありがとうございました」

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