【第502-509号】岩上安身のIWJ特報!新型コロナウイルス「第3波」到来! 東京都医師会の緊急提言でGo Toキャンペーンを一部見直し! 冬場のコロナに日本は持ちこたえられるのか!? 政府の政策に忖度なく勇気ある直言を行う、東京都医師会会長・尾崎治夫氏への岩上安身によるインタビュー 2021.4.30

記事公開日:2021.4.30 テキスト独自
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(IWJ編集部)

特集 #新型コロナウイルス
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 「こういう事態に都民をいかに守って、どういう医療を展開するか。命を守る、そこに一番の力点がある」

 東京都医師会会長の尾崎治夫氏(※)は、2020年11月24日、東京都港区のIWJ事務所で行われたインタビューの中で、岩上安身にこう語った。

▲東京都医師会会長・尾崎治夫氏(20220年11月24日)

 尾崎氏は、新型コロナウイルスの感染が広がりを見せた2020年初めから、1300万人が暮らす首都・東京の医師会会長として、精力的に感染防止に取り組んできた。

 その発言・行動は決して、政府の方針に盲従する、というものではなく、医師の良心に従い、臨床の現場から、科学的知見に即して己の信じるところをはっきりと言う、というものだった。

 2020年4月初め、東京都医師会は独自に「医療的緊急事態宣言」を出し、都民に外出自粛の協力を呼びかけた。

当時、厚生労働省はクラスター対策にこだわり、「37.5度以上の発熱が4日続く」などの条件でPCR検査のハードルを上げていたが、東京都医師会では、保健所を介さずに、かかりつけ医の判断でPCR検査ができる地域PCRセンターを40ヵ所設置し、7月には、かかりつけ医で直接、PCR検査ができる仕組み作りを始めた。

 厚生労働省は、これを「後追い」するかたちで全国展開を進めている。

 10月1日に東京都でもGoToトラベルキャンペーンが解禁されたが、その2週間後から感染者数は増加した。政府は、GoToトラベルと感染者数の増加に関連はないなどと、因果関係の打ち消しに躍起となっていたが、政府の姿勢に業を煮やした、東京都医師会は、11月の3連休直前の11月20日、緊急記者会見を開催し、「このままでは1ヵ月後、東京の新規感染者は1日1000人を超える。GoToトラベルは中断が望ましい」と警鐘を鳴らした。IWJはその模様を中継で伝えている。

 実際、予想が正しかったのは東京都医師会の方で、予想の通り、東京では12月31日、新規感染者が初めて1000人を突破(1353人)し、政府の見通しの甘さが、明白になった。

 岩上安身による単独インタビューでも尾崎氏は、「やはり、GoToトラベルは人の移動をかなり緩めた。国がお金を出して、『どんどん移動していいよ』という流れを作ったことを、政府は認識すべきだ」と、政府へ失敗について自覚を促すとともに、選挙の大胆な変更を求めた。

 10月22日の会見で、2021年の東京オリンピックについて、「通常の体制で行うことは難しい」とコメントしたことについて、尾崎氏は、岩上の質問に答えて、「開催できないとは言っていない。やれるとすれば、無観客で、選手や役員に徹底的な検査を、という提案だった。そして、政府が言うように『コロナに打ち勝った証』のオリンピックならば、具体的に、どう打ち勝てるのかを示してほしい。タイムスケジュール的なものが何も出ていないことに、私は不安を感じている」と述べた。

 自民党政権の方針とは異なる見解であっても、率直に口にする尾崎氏は、質はれっきとした自民党員である。時には、お仲間の自民党員から色々言われたりしませんか、という問いに対して尾崎氏はいささかも動じることなく、こう続けた。

 「お前、おかしいぞ、と抗議の電話をいただいたり。反医師会行為だと。でも、私は政党のためじゃなく、都民を守るために生きてるので。自分の、正しいという判断に従って行動します」

 この日の話題は、感染状況をめぐる今後の見通し、疲弊する医療体制への懸念、予防医療の重要性、コロナ政策の転換など多岐にわたり、最後に尾崎氏は、「やはり、国にしっかりやってもらうしかない。すでに国民は十分努力した。われわれも努力した。ここは、国がひと肌脱いでもらわないと」と力強く締めくくった。

※尾崎氏の「崎」の字のつくりは正しくは「立」に「可」。機種依存文字のため「崎」で代替させていただきます。

記事目次

  • 日本人のリスク要因別死因、1位は喫煙。2位は高血圧、3位は運動不足、4位は糖尿! コロナ禍で多くの人が「巣ごもり」状態の今、運動はすごく大事!
  • タバコを止めて10年経てば、肺は回復する! コロナ襲来を機に脱タバコ!
  • 「リスク要因別死因」の3位に運動不足がランクイン! 特に「楽しんで運動すること」が重要!!
  • 政府は「ベッド数は十分に確保」と言うが、医療スタッフは足りていない。コロナに関わっている病院は、休む間もないのに減収へ。東京の医療界は疲弊している!
  • ベッドが足りていても、医師・看護師・臨床工学士が不十分では治療はできない! 圧倒的な人手不足!!
  • ボクシングの井上尚弥選手はラスベガスの試合前後にPCR検査を徹底!! 完全管理宿舎に滞在!
  • 「コロナに打ち勝った証」として東京五輪をやるつもりなら、根性論ではなく、どうすれば打ち勝てるのかを政府が示してほしい!
  • GoToを早めに一度中断してもらいたい! 11月中に有効な対策を、新規感染者数の上昇を、緩やかにするハンマーを打たないと、大変なことになる!
  • 「GoToトラベル」より「GoToドクター」! 新型コロナ感染の不安から、検診や予防接種を先延ばしする人が増加。「受診控え」は予防医療の危機につながる!
  • 「感染防止が一番の経済対策」と日本医師会会長! 新型コロナに感染すると風邪やインフルにはない後遺症が発生する! 肺炎・脳障害・心筋梗塞・腎臓障害! 若い世代も多い!
  • 「新型コロナはただの風邪」と大橋眞 徳島大学名誉教授らが謳うノーマスク運動を、「まったく間違ってます」と一刀両断! 「医学博士が言ってるから正しいってことは、絶対にない!」
  • 「お互いがマスクをすれば、感染を8~9割抑えられる!」「みんなが10日間隔を守れば、会食してもうつらない」
  • 感染急増の原因は、やはり人の移動! GoToトラベルは「もう、旅行に行っていいんだね」と国民の警戒を緩めてしまった。「その影響を政府は認識すべきじゃないか」
  • 無症状感染者も増えた今、PCR検査体制の拡大は絶対に必要。2009年の新型インフルエンザの時、国家的な感染症対策の仕組みを作っておくべきだった!
  • 第2波で尾崎会長は安倍政権に苦言を呈していた!「休業補償をつけた休業要請を!!」
  • 自民党員だが、政府に忖度しない尾崎会長。「抗議の電話もいただく。でも、都民の命を守ることが東京都医師会の役目。自分が正しいと思う判断で行動します」
  • 「東京五輪は『国際版GoToトラベル』!」「ワクチンがある程度効いて激変しても、7月から皆さんがほとんど抗体を持って治った状態で日本にお迎えするなんて夢の夢」
  • 「もう、東京の医療がもたない」と緊急提言! 冬場は新型コロナだけでなく、心筋梗塞や脳卒中も増える。高齢者や重症者が増加すると医療現場の負担は何倍にもなる!
  • 危険因子は「タバコ、高血圧、運動不足、糖尿病」の4つ! コロナ禍で「持病あるから」と諦めず、逆にこのコロナ危機を生活習慣病見直しの契機に! 今こそ「GoToドクター」!
  • 感染の流れは「会社から家庭へ」「大人から子どもへ」。大切なのは感染者を責めないこと。「責められると隠しちゃう。最近、検査を拒否する人が増えてるんです」
  • 「感染が出た企業や施設は全員検査!」「感染は不明だが風邪様の症状が出たら、20~30代の『健康な人』なら1週間ぐらい休んでもらう!」「50~60代で持病ある人は、我慢すると重症化も!」
  • かかりつけ医がいなくても電話で相談を! 「東京都の発熱相談センターは土・日・祝日も24時間対応。新型コロナの診察可能なところを紹介できます」(kokomade)第507号
  • クラスター発生の豊洲市場。関係者4000人に自主検査を呼びかけるも「陽性なら14日間休業、補償なし」の現状、受けたのは900人だけ! 検査と補償をセットに!
  • 新型コロナウイルスは目、鼻、口から侵入。だから、予防の基本はマスク、手洗い、アルコール消毒。「感染しない、感染させない」の徹底を!
  • コロナ禍を恐れての受診控えで生活習慣病の悪化! 病院がコロナ患者で埋まると高齢者、心臓病、高血圧などの患者の行き場がなくなる!
  • グーグル社「COVID-19感染予測」の数字を現実が越えた!「予想以上に感染スピードが早い。国民は手洗いやマスクなどの予防徹底を。国は人の流れを止めること」
  • 2020年4月、東京都医師会は地域PCRセンターを40ヶ所に設置。さらに、診療所でPCR検査を可能にするべく動いた。それを厚労省が「後追い」で全国展開へ!
  • IWJ記者の質問に西村大臣は「1日あたり検査能力54万件を目指す」と回答したが、「本当にできるとは言ってないんです、これ」と尾崎会長!
  • 大量検査せず、クラスター政策だけなので、みんな逃げまくってるという「悪循環」を「政策転換しないといけない」!
  • コロナ第1波を「なんとなく」抑えた日本。政府は国民の「自助努力」で乗り切れると思ってる!? もう、国民は十分努力した。あとは国の「公助」の出番!

日本人のリスク要因別死因、1位は喫煙。2位は高血圧、3位は運動不足! コロナ禍で多くの人が「巣ごもり」状態の今、運動はすごく大事!

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