2020年2月末から、日本の社会にも「新型コロナウイルス・パンデミック」の不安がリアルに漂い始めた。
安倍晋三総理が唐突に全国の小・中・高校の一斉休校の方針を打ち出し、3月以降、通学路から子どもたちの姿が消えた。共働き家庭、ひとり親家庭から「子どもを家に残して仕事に行けない」と悲鳴が上がった。行事が集中する年度末の予定がふっ飛んだ教育現場は大混乱に陥った。
※一斉休校、判断根拠示さず 具体策乏しく 感傷的に「断腸の思い」首相会見(毎日新聞、2020年2月29日)
https://bit.ly/31mBccK
マスクや消毒液の品薄状態は続き、「本日、マスクの入荷はありません」の貼り紙があっても、ドラッグストアの店員に詰め寄り、暴言を吐く客が後を絶たない。その一方で、ネットのオークションサイトではマスクが高額転売されていく。
政府の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議が、「これから1~2週間が急速な拡大に進むか、収束できるかの瀬戸際」と発表したのが2月24日である。それから、ちょうど2週間目にあたる2020年3月9日、東京都内のIWJ事務所にて、岩上安身による第2回目の上昌広氏インタビューが行われた。
この専門家会議について、上氏は第1回目のインタビュー(2020年2月16日)で、「国が集める専門家の会議が、正しいことを決められるかどうか、わからない」と指摘している。さらに、専門家会議のメンバーに国立感染症研究所(感染研)の関係者が多いことに触れ、「感染研はもともと陸軍731部隊、陸軍防疫部隊」と発言して岩上安身を驚かせた。
※パンデミック前夜!? 日本人の間で感染爆発!? 2月13日からフェイズが変わった!「不要な」水際対策で「ダイヤモンド・プリンセス」が犠牲に!~岩上安身によるインタビュー 第983回 ゲスト 医療ガバナンス研究所理事長・上昌広氏 2020.2.16
https://bit.ly/3eHUKvZ
その後、上氏は新潮社の会員制情報サイト『フォーサイト』に「帝国陸海軍の『亡霊』が支配する新型コロナ『専門家会議』に物申す」というタイトルの記事を2回にわたって寄稿、大きな反響を呼んでいる。
※帝国陸海軍の「亡霊」が支配する新型コロナ「専門家会議」に物申す(上)
(新潮社「フォーサイト」、2020年3月5日)
https://bit.ly/31qhBIW
※帝国陸海軍の「亡霊」が支配する新型コロナ「専門家会議」に物申す(下)
(新潮社「フォーサイト」、2020年3月5日)
https://bit.ly/31uMLPr
なお、専門家会議は6月24日、突如政府によって廃止が発表された。今後は感染症の専門家だけではなく、自治体関係者や危機管理の専門家など、幅広い分野の人材が加わる「新型コロナウイルス感染症対策分科会」という組織が新設されることとなった。感染症の「専門家」集団という性格すら「希釈」されてしまう可能性が高い。
※政府、専門家会議を廃止 新たな会議体で第2波へ備え(朝日新聞デジタル、2020年6月24日)
https://bit.ly/2Zf9f45
※専門家会議、唐突に幕 政権批判封じ?政府発表前倒し―新型コロナ(時事ドットコム、2020年6月27日)
https://bit.ly/3dK71Pb
この第2回目のインタビューでは、これまでの政府の新型コロナウイルス対策を振り返るとともに、そこに助言をする専門家会議への違和感、そのルーツには軍隊と一体化した研究者たちの存在があったことを、歴史を紐解きながら語っていただいた。