2021年4月22日、岩上安身は立憲民主党の小西洋之議員にインタビューを行った。
小西議員は現在参議院外交防衛委員会の野党筆頭理事を務めている。また、2015年の安倍政権による集団的自衛権の行使容認閣議決定で「昭和47年政府見解」の原本を情報開示請求し、当時の吉國一郎・内閣法制局長官による「他国が侵略されていることは、まだ日本の生命、自由、幸福追求の権利が侵されている状態ではないので、まだ日本が自衛の措置をとる段階ではない」という国会答弁を確認し、当時の安倍総理の「集団的自衛権を行使できる」とした根拠を覆した。
この事実は、2015年5月21日に行われた岩上安身によるインタビューで明らかになっている。ぜひ、以下の記事を御覧ください。
今回のインタビューで自身を平和主義者で現実主義者と評する小西議員は、2015年の安保法制の強行採決で身を挺して採決を止めようとしたことを「政治家である以上、国民の命を守らなければならない。必死だった」と振り返っている。
菅総理は4月16日午後(日本時間17日未明)、ホワイトハウスでバイデン米大統領と首脳会談を行い、共同声明を発表した。
共同声明には「日本は同盟及び地域の安全保障を一層強化するために自らの防衛力を強化することを決意した」と書かれ、「日米両国は、台湾海峡の平和と安定の重要性を強調するとともに、両岸問題の平和的解決を促す」ともされている。
インタビューで小西議員は「日本は自分自身を守るためではなく、『同盟及び地域の安全保障を一層強化するために防衛力を強化することを決意した』と書いてありますよね。外交防衛委員会で『台湾海峡有事に自衛隊が加担(参戦)すると約束したのか?』と質問しました。防衛大臣ははっきり答えなかった」と語った。
小西議員は「台湾問題に自衛隊が関わると真っ先に在日米軍基地が狙われる。(中国の軍事力は)北朝鮮とはレベルが違う。恐ろしい事態だ」と指摘し、「国家のあり方として危ない。非常に恐ろしい話。ここは一線引かないと」と述べた。
また、日米首脳会談を報じた記事で日米同盟での日本の役割を論じた日経新聞や読売新聞を引き合いに出し、「読売も日経もそれをやったら中国にやられる(報復攻撃を受ける)ことを書いてない。読者に伝えていない」と述べ、「日本は台湾問題に軍事面で関与しては絶対いけない。戦争が起きないように必要な調整をするのが、日本の役割だ」と訴えた。
その後、インタビューはこの日行われた衆院憲法審査会の話題に移り、さらには小西議員が安倍・菅政権による「人災」というコロナ禍について、初動の対応からいかに政府のコロナ対策が根本的に間違い、その間違いを直そうともせず現在の第4波を招いているのか、その実態について詳しくお話しいただいた。
詳しくはぜひ、IWJの会員となって、インタビューの全編を御覧ください。
小西議員は「政権交代したら、集団的自衛権を廃止し、安保法制とは違う手段で日米同盟を維持しながら日本の国益を守る」と主張した。この点については、すでに素案があるので、次回のインタビューで話題にすることになった。
次回インタビューは4月29日、こちらもぜひ御覧ください。
5月6日に与党は改憲のための国民投票法案を採決しようとしている。改正案は国民の投票機会を抑制する改正を2点も含んでいる。さらに、CM規制も用意されていない。改憲CMが無規制となるため、莫大な広告費が入ってくるとみられるテレビ局は目先の欲にとらわれ、民放連として自主規制しないことを明らかにしている。このような悪法の法案を採決させれば、次にやってくるのはナチスまがいの自民党改憲草案である。
大手メディアは、改憲広告マネーをあてにしてか、この国民投票法案の問題点や、それによって自民党が実現しようとしている改憲案の中の内閣独裁条項の危険性もまったく報じていないし、批判もしていない。独立メディアでないと、この問題を取り上げられないのが、この国の現状である。
IWJは、この国民投票法とその先にある改憲の危険性について、世論に訴えていきます。ぜひご支援ください。