PCR検査抑制など失策続きの日本にコロナ第4波が迫る! 野党が示すコロナ対策、対案とは? 岩上安身によるインタビュー 第1035回 ゲスト 立憲民主党 衆議院議員・小川淳也氏 2021.4.5

記事公開日:2021.4.15取材地: テキスト動画独自
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(文・IWJ編集部)

特集 #新型コロナウイルス
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 2021年4月5日、岩上安身は立憲民主党の衆議院議員・小川淳也氏にインタビューを行った。小川議員は2020年11月、新型コロナウイルスに感染。病床から自身の病状を伝える動画をツイッターに掲載し、回復後は感染当事者としての経験を活かして、国会質問やコロナ対策改善に向けた提言などを行っている。

 小川議員には、まず自身のコロナ感染体験についてお話をうかがった。2020年11月、39度の高熱に襲われた小川議員は、まず新型コロナウイルスに感染したか否か確かめるために検査を受けようとしたが、一筋縄ではいかなかった。

小川議員「まず検査にたどり着くのが大変で。近所のクリニックでは受けてもらえない。熱があると来ないでくれと。それから東京都の相談センターに一私人として電話して…」

岩上「国会議員だと名乗らずに?」

小川議員「もちろん」

 小川議員は相談センターで、検査を受けられるクリニックの紹介を受けた。しかし、紹介先は近かったとはいえ1キロメートル弱の距離。「公共交通機関は使えないので39度の熱で歩いて行かざるを得なかった」という。

 小川議員は「なってみて初めてわかることがありました。医療機関への指導と協力の要請が不十分だったのでは」、「病院の提供体制が完全に自由化されてることの矛盾も今回噴き出たと思う」と振り返り、政治・行政の問題点を指摘した。

 コロナ陽性が判明し、入院することになった小川議員は、その当日、濃厚接触者を洗い出すために記憶を辿ることを求められたことを振り返った。

小川議員「体がきついときに誰とどこで会ったか説明するのは負担だった。しかも、マスクを外して会った人は公費で検査、マスクをつけていたら自費で検査なので、濃厚接触者を洗い出す範囲が極めて狭く、不十分だと(感じた)」

 自身のコロナ感染体験を語る中で、小川議員の口から「検査の拡大に失敗した日本」という言葉がこぼれた。自身が感染し、大変な思いをしてPCR検査に赴き、さらには12月27日、同じ立憲民主党の羽田雄一郎参院幹事長を新型コロナウイルス感染で亡くした小川議員が発したこの言葉には、重みがあった。

小川議員「亡くなった羽田議員は検査にたどりつくまでに4日もかかっている。こういう思いをされている一般国民の方はたくさんいると思うんです」

岩上「ところが自民・公明はすぐに検査を受けられる。無症状なのに即入院」

 小川議員も、ある高名な大学な先生に「うちの大学でPCR検査をしてあげる」と言われたとのこと。しかし小川議員はそれを丁重に断り、都内の検査センターに自転車で赴き、列に並んだという。

 小川議員は、「特別扱いを受けると国民の苦労や不安を肌で感じなくなる恐れがある思い、断って列に並んだんです。感性が鈍る恐れを感じた」と当時の気持ちを振り返った。

 政府・行政が進めてきた日本のコロナ対策全体について、小川議員は「平時の体制で有事に向き合おうとした。平時の体制に混乱をもたらさないことを優先してしまった。結果として、そのしわ寄せは国民生活や患者不安によって補われている」と総括する。

岩上安身「なんか原発事故直後と似てますね。『とにかく落ち着いてください』を連呼するんだけど、落ち着いている状況じゃないんだって話ですよね」

小川議員「有事を想定する、有事に対応するということは最悪を想定し、早めに強めの措置を打ち出し、短期間でそれを終わらせ、平時を取り戻すというのが大原則なんでしょうが、事態を過小評価し、対応が遅まきで、小出しに終始し、従ってズルズルと1年以上経っても収まらないっていうことにつながっている気がします」

 岩上が「コロナっていうのは国家安全保障ですよね」というと、小川議員は黙って頷いた。

 国民が検査を受けられる体制の必要性について話題が及ぶと、検査を抑制した原因として、鈴木康裕・前医務技監に焦点が当たる。鈴木前医務技監は、政府の新型コロナウイルス感染症対策を最前線で指揮をとったが、退官後、「医師が必要と判断した人も検査できなかった」「やはりPCR能力は強化すべき(だった)」とPCR検査の軽視と対策の失敗を認めている。

小川議員「日本の感染症対策は結核をもとにできあがっているので、クラスターを追いかけるのは、当初は間違っていなかったと思います。だけど途中から無症状者がいる厄介なウイルスだと(わかった)。

 都市部では、5割以上が経路不明の市中感染でした。クラスターを追いかけたって、経路確定の半分は追いかけられるけど、市中感染の半分以上は放置しているわけですよね。検査対象を圧倒的に拡大して、無症状者を拾い出し、早期に隔離するということに大方針を転換しなきゃいかなかった。

 だけど官僚組織はいったん方針を立てると、それを大きく変えるときは、どうしても責任問題と表裏一体で。自分の出世が気になるんですよ。保身に走るんです。だから今までやってきたことは間違いじゃなかったと言い続ける『慣性の法則』が働き始めるんです。

 それを正せるとしたら政治しかないんですけど、その時点で政治が無能だったと。総合的な判断力を行使するだけの力量がなかった」

 頷きながら小川議員の指摘を聞いていた岩上安身は、ここで「政権交代したらできますか?」と問う。これに小川議員は「私が責任者なら圧倒的にやりたいです。一身をかけて」と答えた。

 小川議員には、さらにコロナ対策に必要な政策、聖火リレーが始まった東京五輪の是非、そして次回選挙に向けての抱負や国民へのメッセージをうかがった。

■ハイライト

  • 日時 2021年4月5日(月)15:00~16:00
  • 場所 衆議院第二会館1005号室小川淳也事務所(東京都千代田区)

※本記事は「note」でも御覧いただけます。https://note.com/iwjnote/n/n2acb86b3a35f

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