2021年3月23日、東京都千代田区の総務省で、武田良太総務大臣による定例会見が行われた。
会見でIWJ記者は次のように質問した。
「外資規制違反を理由に、東北新社が認可を取り消されることになりました。しかし、他の放送事業者の実態を見ますと、外国人直接保有比率が規制をオーバーしているところが2社見当たりました。ひとつは株式会社フジ・メディア・ホールディングスで32.11%、もう1社は日本テレビホールディングス株式会社で23.78%となっています。
東北新社は免許を取り消され、他方、フジテレビと日本テレビが見逃されているのはどういうわけでしょうか。法の下の平等や公平性、公正性に反するように思われます。理由をお聞かせください。
一説には、『議決権を与えていない』からいいのだとも聞きますが、それでは『国民に対する放送事業の影響力の大きさを勘案し、外国人による放送事業への介入をできるだけ避ける』という外資規制法の理念は、この抜け穴によって、骨抜きになっていると言わざるを得ません。どうして、こうしたことがまかり通るのか、お教えください」
この質問に対し、武田総務大臣は正面から回答することはなく、「事実関係をよく確認した上で、適切に対処してまいりたい」と述べるに留まった。