「取り消せ!」「謝れ!」「辞めろ!」澤藤弁護士、橋下市長を批判 ~自民党の憲法改正案についての鼎談 第9弾 2013.5.20

記事公開日:2013.5.20取材地: テキスト動画独自
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(IWJテキストスタッフ・関根/奥松)

特集 憲法改正|特集 前夜

 2013年5月20日(月)16時より、岩上安身、澤藤統一郎弁護士、梓澤和幸弁護士による「自民党の憲法改正案についての鼎談 第9弾」が行われた。今回は、まず、橋下徹大阪市長(日本維新の会・共同代表)の、慰安婦に対する発言が取り上げられた。

 橋下市長は、19日に名古屋で、日本維新の会の石原慎太郎共同代表と会談、自身の発言を「撤回する必要はない、との認識で一致した」としている。澤藤弁護士は、橋下市長に対して、「まずは、発言を取り消して、全女性、全沖縄に対して謝れ。政治家としても、弁護士としても失格。辞めていただきたい」と厳しく批判した。

 梓澤弁護士は、朝日新聞で立命館大学の上野千鶴子教授(※1)が、「弁護士であり、首長である人間の発言とは思えない」と非難している声明を紹介。その上で、「橋下市長が、弁護士としての資格を問われている以上、弁護士会としても、自治の問題として取り上げなければならない」と述べ、「大阪弁護士会は、橋下発言をもっと重く受け止めるべきだ」と訴えた。

(※1)上野千鶴子(うえのちづこ):1995年から2011年まで東京大学大学院の教授として勤務。長年、日本における女性学・ジェンダー研究のパイオニアとして活躍している。鼎談の中で梓澤弁護士が紹介した『ナショナリズムとジェンダー(青土社、1998年)』のほかにも、『おひとりさまの老後(法研、2007年)』や『セクシィ・ギャルの大研究(岩波書店、2009年)』など数多くの著作がある。

■ハイライト

 岩上が「司法関連第76条から鼎談を始めたいが、その前に、最近の憲法を巡る動きを確認すると、5月16日、公明党は公約の中で、憲法改正を最重要課題と位置付けて『集団的自衛権は認めない。そして96条先行改正もNO』と表明した。サンケイ新聞は『96条改正をすぐにやるべきだ』という。というのは最近、安倍首相がトーンダウンしている。それは、右傾化する安倍政権に対して、海外での批判が猛烈に高まっているからだ」と述べて、アメリカ連邦議会の動き、日本政府の情勢、民主党の意見など、改憲に関する動向を説明した。そして、海外からも批判が高まる、橋下大阪市長の従軍慰安婦発言問題に対して尋ねた。

 梓澤和幸弁護士が「橋下市長は、19日、名古屋で日本維新の会の石原慎太郎共同代表と会談し、自身の発言を撤回する必要はないことで同意、と報道されていた。世界が前提としている人権があってこそ、2つの大戦を経た人類が平和を維持できる、と国連憲章でも唱っている。それを丸ごと否定するのが、改憲であり、戦後の国際秩序を内側から破壊するのが、靖国参拝の自民党議員と、榊を奉納した安倍首相だ。従軍慰安婦問題もそこに通じるものだ。1993年、ウィーンの世界人権会議と、1995年の北京女性会議で、従軍慰安婦問題が議論されて法的責任を問われた。1993年、河野官房長官の談話で『軍の関与があった』と表明されている。今、国際社会は、橋下発言だけでなく、日本政府の言動も注視している」と述べて、人権と従軍慰安婦問題を解説した。

 岩上は「自民党は、その発言を維新に押しつけ、いい子になっている。また安倍氏は、元軍幹部の吉田清治氏の著作だけを根拠にして、従軍慰安婦問題に関して『強制はなかった』と主張している」。梓澤弁護士は「河野談話の事前調査で、政府は、軍の関与はあった、と認めている。また1991年、慰安婦だった金学順氏が、自ら名乗り出て訴えている」と話した。岩上は続けて、「売春防止法と風営法との違いは複雑だ。2011年の週刊ポストに、橋下市長は、飛田新地の飲食業組合の顧問弁護士、と書いてある。管理売春をしていると思われる組織から、顧問料をもらうことは違法ではないのか」と話した。

 澤藤弁護士は「石原氏は、日本の侵略戦争を否定した。日本の戦後は、侵略戦争を認めて講和条約を結んだところから始まっている。これを否定するのは国際的な背信行為で、アジア諸国のみならず、アメリカも許さないだろう。橋下市長と石原氏は、二人揃ってひどすぎる」と語り、改憲問題に移った。

 憲法76条(裁判所と司法権)についての議論に入り、まず澤藤弁護士が、1971年の任官当時の話をした。「そのころ、司法の嵐が吹き荒れていた。裁判官は10年が任期で、再任されるのが普通だが、その年は、宮本康明裁判官が、理由もなく再任を拒否された。そして、私の同期では7人の裁判官希望者が任官を拒否された。そのうち6人と宮本裁判官は、護憲と平和民主主義を掲げる、青年法律家協会のメンバーだった。最高裁が、特定の団体や思想的な理由で狙い撃ちをし、罷免も行使された。当時の最高裁長官は、石田和外氏。後に、英霊にこたえる会の初代会長になった人物。こういう体制は、憲法を想定する裁判所ではないと、われわれは大変憤った。その義憤が、法律家としての原点になっている。76条の3項では、裁判官は、行政のみならず、法(憲法)と良心に従って、一人ひとりが独立していると唱っている」と語った。

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