【岩上安身のツイ録】御嶽山噴火 水蒸気噴火はマグマ噴火の予兆? 「モーニングバード!」で岩上安身がコメント 2014.10.7

記事公開日:2014.10.7取材地: テキスト
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 9月30日(火)朝8時から、テレビ朝日「モーニングバード!」に出演しました。

 9月27日に噴火が起きた御嶽山では、いぜんとして捜索活動が続いています。スタジオでは、噴火直後の山頂付近の映像が紹介され、雨のように噴石が飛び交う現場の様子が明らかにされました。

 今回の水蒸気噴火は、これから本格的にマグマ性の噴火が起こる予兆なのか。火山活動の推移を注視し続ける必要があります。

 そのほか、健康効果がうたわれていた「減圧室」で起きた謎の死亡事故のニュース、重傷事故も報告されている赤ちゃんの「抱っこひも」利用の注意点についてもコメントをしました。

新幹線より速いスピードで襲いかかる噴石

 火山性有毒ガスの影響で救助活動が難航する御嶽山。1日の救助活動では、夕方までに、新たに13人の死亡が確認されました。これまでの死亡者は合計25人。このほか、心肺停止状態の23人も麓に搬送されました。(※10月7日時点では、死亡者は51人に達し、過去最悪の噴火災害となってしまいました。現在でも12人の安否が不明なままです)。

 番組では、山頂付近で噴石がまさに雨のように降り注ぐ映像が紹介されました。難を逃れた下山者からも、噴火直後に次々と襲いかかる噴石の恐怖を語る証言が寄せられています。

 犠牲者の死因は噴石の直撃によるものではないか、という指摘が上がっています。死亡確認をした医師によれば、遺体には打撲痕や骨折など、複数の部位に損傷があるといいます。また、下山した負傷者の方々も、体に噴石による打撃を受けたことが明らかとなっています。

 噴石は、速いもので秒速150〜200メートルに達する場合もあると言われています。秒速100メートルならば、時速は360キロメートル。噴石は新幹線よりはるかに速いスピードで、登山者に襲いかかったことになります。

岩上「この映像から、すごい状況だったことがうかがえます。おそらくこういう(火山噴火の)研究をされていた方も、噴石が頂上付近で降り注ぐ映像というものを見ることができなかったと思います。今は登山客がスマホを持っていて、いつでも映像を記録することができる。

 これまでは、プロのカメラマンでなければ難しかったわけですから、こんなタイミングよく映像が撮れなかったと思うんですね。だからこそ、初めて我々の目に、噴火が起きるとはどういうことなのかが明らかとなりました。

 また、この映像から分かるのは、噴火が起きるときはほとんど何の前触れもなく、ある日突然起きてしまうということですね。観測をこれだけしていたといっても、これですものね。

 IWJでは火山学の専門家の方に取材しました。噴火の予知はできないということでした。まだ予知できるレベルではない。できると言って議論を組み立ててしまうのは大間違いであると。これは火山学の専門家の間では常識だとおっしゃっていました」

※IWJの原祐介記者は9月29日、火山学者の小山真人氏へ緊急インタビュー。小山氏には、火山活動のメカニズムを詳細に解説していただきました。さらにインタビューは、「現在の火山予知の限界」に肉薄し、110もの活火山がある日本で、原発を建設・稼働させることの現実が浮き彫りとなりました。

 今回の突然の噴火であらためて明らかとなったように、火山活動はいつ活発化するか分かりません。その火山が110もある日本という国で、強引に原発再稼働を推進しようとしている安倍政権の姿勢には、大いに疑問を感じざるをえません。

 最初に再稼働が実施されようとしている川内原発の半径160キロ圏内には複数のカルデラが存在します。また、過去に火砕流が敷地付近に到達した痕跡があるという指摘もあります。噴火が発生して火砕流が原発に押し寄せることはないと、どうして言いきれるのでしょうか。

 8月25日と9月2日に原子力規制委員会によって開催された、原子力施設における火山活動のモニタリングに関する検討チームの会合では、参加した火山専門家から、これまでの規制委の火山リスク評価に対し、多くの疑義が呈されています。

 火山専門家の見解が反映されないまま、川内原発再稼働を巡り、「新たな安全神話」が作られようとしている、そのように感じられてなりません。IWJウィークリー68号の「ニュースのトリセツ」では、この「新たな安全神話」にまつわる7つの「欺瞞」を指摘しました。ぜひ一読して頂きたいと思います。

御嶽山で、マグマ性噴火は起こるのか?

 番組ではスタジオにNPO法人防災情報機構会長の伊藤和明さんを招き、専門的な意見をうかがいました。私は、今後、御嶽山の火山活動が本格化し、マグマ性の噴火が起こる可能性があるのかについて質問をしました。

岩上「これは水蒸気噴火ということです。そして火口が広がっているということですね。この後、マグマ性の噴火の可能性はどうなのでしょうか?」

 これに対する伊藤さんの答えは、「可能性がないとはいえない」というものでした。火山活動の推移の推測は、専門家でも非常に困難であるとのこと。

 気象庁諮問機関の火山噴火予知連絡会が9月28日に発表した「(現時点で)大規模噴火につながる兆候は認められない」との見解は、実際には「わからない」という見解に過ぎないのに、「大丈夫、安心」である、という誤解を与えかねない表現であるかもしれません。

 ここで思いだされるのが、1991年の雲仙普賢岳の噴火です。雲仙では1990年11月から噴火活動が活発化していましたが、この時点では、水蒸気噴火でした。その後、いったん噴火活動はおさまったように見えたのですが、翌年2月から噴火が再開。5月20日に溶岩の噴出が始まり、溶岩ドームが生成し始めます。6月3日には、火砕流が発生し、死者・行方不明者43人の大災害となりました。

 今後、御嶽山でマグマ性の噴火が起きた場合、飛んでくる噴石も、質の違うものになることが予想されます。私の質問に対し伊藤さんは、「いわゆる火山弾が飛んでくることになります」と回答。噴石とは、山を構成していた岩石で、過去の噴出物が爆発により飛散したものであるのに対し、火山弾はマグマそのものであり、高熱を発する性質を持つと説明されました。

 また、伊藤さんによれば、今後、雨が降った場合、山腹に降り積もった火山灰が、泥流となって流れ出す可能性を指摘。9月29日に南の海上で発生した台風18号の動向にも、合わせて注視していく必要があると述べられました。

男女2人が死亡、「減圧室」の謎

 9月28日、埼玉県の入浴施設に設置されていた「減圧室」内で男女二人が倒れているのが見つかりました。二人は病院へ搬送されましたが、まもなく死亡が確認。「減圧室」は、富士山山頂とほぼ同じ高度3500メートルと同程度まで減圧できる部屋で、血行促進、新陳代謝の向上などの健康効果があるとされていました。

 ところが、この健康効果には疑問が投げかけられています。地上の気圧水準から、一気に高度3000メートルもの低い気圧の中に置かれれば、脳まで血液が循環せず、自律神経の働きに悪影響を及ぼし、結果として呼吸困難に陥ることも。

 事故があった「減圧室」では、入室後15分程度で高度3500メートルと同程度まで気圧が下がり、その状態が15分続いた後、再び15分をかけて気圧を戻していたといいます。

岩上「これは入室する人は、ほんらい血圧を計りながら入るのが適切なのではないでしょうか。気圧の変化にしたがい、血圧がどう変化するのかを見ていくことぐらいは必要でしょうね」

知っておくべき「抱っこひも」の危険性

 「抱っこひも」は赤ちゃんを育てる人にとってたいへん便利な道具、必需品といってもいいでしょう。近年の普及は顕著で、年間およそ100万個も売れており、これは5年前に比べて1.5倍の数字になるといいます。

 ところが、この便利な道具も、正しい使い方を知っていないと、とりかえしのつかない結果を招くことに。普及とともに、赤ちゃんが落下するなどの事故が増えているといい、中にはコンクリートの地面に落ちて頭を強打したという例も。頭の骨折や、外傷性くも膜下出血を引き起こしてしまったという深刻な場合もあるといいます。

 なによりも気をつけなければならないのは、ひもの長さを適切に調節すること。体格が異なる人どうしで「抱っこひも」を付け替える時には、必ず最初に長さの調節を。また、足元の物を拾うときには、かがむのではなく、上半身を垂直に保ったまま、ひざを曲げて腰を落とすことを心がけましょう。

岩上「私は育児経験があるので分かるのですが、特に夏の時期は赤ちゃんを抱っこしていると汗ばみます。

 そうすると、ぴったりと体に抱くのではなく、体の間に隙間を作ってしまうんです。子供にあせもができてしまうんじゃないかとか、ぴったりくっついているのが暑苦しいのですね」

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