【岩上安身のツイ録】世界から厳しい視線 鈴木章浩都議の「言葉による痴漢行為」と尖閣上陸「モーニングバード!」で岩上安身がコメント 2014.6.24

記事公開日:2014.6.24 テキスト
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 6月24日(火)放送のテレビ朝日「モーニングバード!」で、レギュラーコメンテーターとして出演している岩上安身は、都議会で「セクハラヤジ」を飛ばしたのは自分だと鈴木章浩議員が認めたニュース、大阪で女性ばかりを狙った連続スマートフォンひったくり事件、栃木県で路線バスが突然運休し住民の生活に影響を与えているニュース、再利用された廃校がロボット開発の実験場や、新しい市庁舎として生まれかわっているというニュースの、主に4点についてコメントした。

「セクハラは言葉を使った痴漢行為」

 東京都議会で晩婚化対策に関して質問中だった塩村文夏(あやか)議員に対する「早く結婚したほうがいいんじゃないか」というヤジの問題で、自民党の鈴木章浩都議が23日、自分がやったことだと認めた。鈴木議員は20日の時点では、ヤジへの関わりを否定していた。

 記者会見を開いた鈴木議員は謝罪の言葉を口にし、誹謗が目的ではなく、「少子化、晩婚化の中で、早く結婚してほしい思いがあった」と塩村議員へヤジを浴びせた真意を説明した。

 鈴木議員は所属会派を離脱し、自民党としては騒動の幕引きをはかりたいところである。しかし、塩村議員に対して女性蔑視的なヤジを浴びせたのは鈴木議員だけではないことが指摘されている。鈴木議員一人だけが名乗って「トカゲの尻尾切り」で終わり、野次を飛ばした他の議員はおとがめなしという幕引きのあり方に、疑問の声もあがっている。

 都議会を含めた地方議会での男性議員から女性議員への女性蔑視的なヤジおよび視線の問題は根深く、これまで「痴漢されて喜んでいるじゃないか」「妊娠していて議員としての仕事ができるのか」「パンツスーツだね。今日は性理なの」といった言葉を投げつけられた女性議員・議員経験者の証言が番組では紹介された。

岩上「『セクハラヤジ』ということで、ヤジとセクハラとが一緒くたにされていますが、ヤジは特には政策に対する鋭い批判の言葉となる場合がありますね。発現する機会の少ない人が、批判を投げつけるという面があると思います。

 これに対し、セクハラは単純にセクハラ。ヤジであるかどうかという問題ではない。言葉を使った痴漢行為です。

 このようなセクハラ発言がいろいろな議会で飛び交っているということを聞き、ほんとうにけしからんと思いますね。今回は塩村議員ご本人がツイッター使ったことで、多くの人に事情が知られ、女性の怒りを買い、議会やメディアを動かしてきました。

 これまでなら、うやむやになってもおかしくはなかった出来事でしょうが、これからはもうこういうセクハラ発言は通用しない時代に来ているんだ、ということを皆さん理解したほうがいいでしょうね。

 我々IWJも地方の議会をできるだけ中継しようと試みています。拒むところも受入れてくれるところもありますが、議会は可視化が必要です。今時は簡便な機材で中継録画が可能で、多くの人がそれを視聴することができる。可視化がすごく大事だと思います。

 もう一つ、この件は男性の横暴であるとともに、多数派の横暴でもあります。自民党が圧倒的多数の議席を占める議会。その中でみんなで調子に乗って、あのようなことを言っているという構図も、非常に問題があると思います。

 また、世界中のメディアが叩いたことで、慌てて取り繕うようにして鈴木議員は名乗り出ました。セクハラ発言をした他の議員がまだ名乗り出ない中、この問題はこれから引きずると思います。なぜなら、塩村議員は今日、外国特派員協会で記者会見を開くからです。

 ということは、世界の注目は続きます。鈴木議員は尖閣に上陸した時に、同じ外国特派員協会で会見しました。それが塩村議員の会見と比較される形で世界に流されますから、大変大きな反響を呼ぶと思います。

 鈴木議員は謝罪会見で『塩村議員個人に向けていったわけではない』と発言しました。『一般論として』ということであれば、あの発言はすべての女性に向けられたことになるわけです。それが弁明になると考える感覚については、御自身や周りの人たちときちんと検証するべきです」

※鈴木議員は、2012年8月19日に尖閣諸島の魚釣島に船上から泳いで上陸した議員団10人のうちの1人。この上陸に関し鈴木議員は外国特派員協会で会見したほか、「チャンネル桜」を通じYouTubeにアップロードされている「ビデオレター」の中で、「支那」が「不法上陸」したことに対する「やむにやまれぬ思い」で取った行動などと弁明している。

※舛添要一都知事は20日に定例会見を開き、塩村議員へヤジが浴びせられている際に、笑みを浮かべていたことに関して質問を受け、「質問者(塩村議員)の質問内容の把握に集中していて、ヤジの内容は分からなかった。後の報道で知った」と答えている。舛添都知事の会見は以下のIWJアーカイブで視聴可能である。

なぜiPhoneなのか?

 23日に大阪で女性だけを狙いスマートフォンをひったくる事件が、連続して4件発生した。被害に遭った女性たちは、スマートフォンを片手に持っているところを狙われたと見られる。

 被害4件のうち3件でiPhoneが奪われていたことから、犯人が特にiPhoneを目当てに犯行に及んだ形跡がある。iPhoneは他のスマートフォンに比べ高いブランド力があり、中古で取引される場合でも高値がつく。番組では、「現金と同じ」と語るITジャーナリストの言葉も紹介された。

岩上「これはものすごく儲かるんですよね。ひったくりで集め、中国などへ密輸する。ある強盗団が捕まり起訴されています。全額かどうか不詳ですが、1億5000万円も儲けていたという事例もあります。

 それだけ需要があるということです。ですから皆さん徹底的に注意していただくべきでしょう」

突然の路線バス運休:誰のための規制緩和か

 栃木県矢板市と日光市を結ぶ路線バスが5月21日から運休している。この路線バスは、地域で唯一の公共交通機関であり、とくに地元の高校生は通学に困難を抱える状況に置かれている。

 突然の運行休止からおよそ二週間の間、保護者の送迎以外には最寄りの駅までの交通手段がない状態が続いた。6月2日から5日まで、日光市と塩谷町がバスを借り上げ臨時運行を行った。その後は路線の営業認可を持つ塩谷市のバス会社が運行を開始。しかし、それも7月7日までしか行われない臨時のものだという。

 運行休止の背景にあったのは規制緩和の四文字。バスを運行していたのは矢板市内のタクシー会社で、2002年に免許制から許可制になったことをきっかけに、他の一社のバス会社と同時に、バス運行事業に参入していた。

 既存のバスは町からの補助金が途切れ消滅する一方、参入した2社は赤字経営が続いていた。今年3月には1社が運休し、5月に最後の1社の路線が突然の運休となった。

岩上「規制緩和をして市場に任せればサービスが良くなるという考え方が成立するには、背景に前提となる条件があります。人口規模が大きくなり経済が拡大していく局面において、市場参入者と、サービス供給者が増えて競争が行われれば、価格やサービスの競争など一定の意味があるかもしれない。

 しかし経済、人口が縮小していく局面では、複数の業者を参入させ自由にやらせた挙げ句に共倒れ、ということになってしまう。本来利益を追求すべきでない公共性の高いサービスは、全然成り立たないことは、さんざんすでに実験して分かっているはずなのに、まだやっている、ということです。

 バスに限らず、基本的なインフラ、公共サービスというものは、赤字であるかどうかに関係なく、きちんと税金で支え、底支えするという公共性が必要なんですね。

 水道を全面的に民営化するなどということを麻生副総理がアメリカで公言していまが、こんなことは日本国内ではろくに話し合われていません。なのに水道の民営化は大阪市で現実化しつつあります。たいへんなことになりますよ。基礎インフラの持っている公共性を大事にするという議論を、もっと本気でする必要があると思います。

 民営化で事業の払い下げを受けた業者は、ある程度利益を上げたら、採算があわなくなった事業を止めてしまったりする。たとえば、鉄道を買った会社が鉄道を止めてしまったら大変ですよね。沿線の住民の生活は成り立たなくなります」

廃校のさまざまな活用法

 「さがみロボット産業地区プレ実証フィールド」は、2011年に廃校となった県立新磯高校の校舎と敷地を再利用する形で先月からスタートした。廃校が先端的なロボット開発の実験場として生まれ変わろうとしている。

 廊下や階段、教室が配置されるレイアウトといった要素からなる校舎内の環境は、病院や介護施設での活用が想定されている介護ロボット開発の実験に適しているという。また、広大なグラウンドでは、土木建築作業用の大型機械を操るロボットの検証実験を行うことが可能だ。

 富山県氷見市(ひみ・し)では、老巧化した市庁舎の移転先として、廃校となった県立高校が選ばれた。旧市庁舎は耐震性に問題があったともに、津波の被害が予想される地域に立地していた。

 市では体育館の広いスペースを市庁舎として改装し、利用が頻繁なサービス窓口を集中させることで、住民の利便性を実現した。新築に比べ、費用は半分に抑えることができたとも伝えられる。

 市の関係者は「県は廃校を売ることができた。市はその廃校を安く手に入れることができた。さらに市民には使いやすい庁舎になった」と廃校利用の利点を語った。

岩上「富山県は節約上手、やりくり上手な土地柄、氷見のケースはとても上手にやりましたね。私も3.11後に福島の方に保養してもらう目的で、2011年の夏、小田原の海辺の廃校を借り一週間のイベントを行ったことがあります。

 カンパをつのり、福島の親子を小田原に招待し、実際にその廃校では、原発や放射能に関する勉強会を開いたりと、文化祭のようなイベントとなりました。こういうことに貸していただけるところもあったのです。廃校の使い方には、まだ色々あると思いますね」

★岩上安身がレギュラーコメンテーターとして出演中のテレビ朝日「情報ライブショー モーニングバード!」は、毎週火曜日午前8時から放送中! ぜひ、ごらんください。

【過去のモーニングバード!ツイ録記事】

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