【岩上安身のツイ録】北総線の運賃問題、高額な交通費は仕事探しを困難に「モーニングバード」で岩上安身がコメント 2014.6.13

記事公開日:2014.6.13 テキスト
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(岩上安身)

※2014年6月10日の岩上安身の連投ツイートを大幅加筆・リライトして再掲します

 2014年6月10日(火)放送のテレビ朝日「モーニングバード!」で、レギュラーコメンテーターとして出演している岩上安身は、大雨に際して東京都青梅市が「避難準備情報」を発令したというニュース、人気俳優の林隆三さんがなくなったというニュース、横浜市の築11年のマンションが傾いているというニュース、運賃が高いことで知られる北総線に代わるバスを住民主導でスタートさせたというニュース、以上4つのニュースについてコメントしました。

日本列島で大気不安定「早め早めの情報を」

 2014年6月9日は東日本と西日本で大気の状態が非常に不安定となり、栃木県日光市では午後6時までの1時間あたりの雨量が60ミリ、東京都青梅市では午後4時までに45ミリに達した。

 青梅市は午後4時18分、市内全域のおよそ6万世帯、13万人あまりを対象に、「避難準備情報」を発表した。

 避難準備情報とは、災害が発生するおそれがある時、市町村が住民に対して避難の準備を呼びかける情報のことである。

 この情報のタイミングが早過ぎたのではないか、結果として住民の誰も避難所に避難しなかったが、といった点がスタジオではテーマになった。

岩上「情報が早く出たかどうかというタイミングの問題と、こうした避難準備情報が出た時に何をするべきなのかということは、分けて考えるべき問題だと思います。早い遅いで言えば、これは早め早めに出さなければ意味がないのですから、その点に関しては、今回は問題なかったと思います。

 結局、戸惑っていらっしゃる方は、どう避難すれば良いのかを事前に周知されていなくて、どこへどう避難してよいのかが分からなかった、という所に問題があったんだと思います。

 3.11の教訓もあり(早めに情報を出した)、ということでしたけれど、もっと直近で見ても、ほんの数ヶ月前、山梨県を中心として関東甲信越、東北地方で大雪害がありましたよね。あれだけの雪害があり、我々もかなり取材しましたが、東京でも奥多摩などは何日も(集落が)孤立していました。そういうことを考えると、東京都下でも、大雨とかに警戒を怠ってはいけないので、本当に気をつけていただきたいと思います」

林隆三さん死去「飄々としたキャラクターが印象」

 人気俳優の林隆三さんが2014年6月4日、腎不全のため東京都内で亡くなった。享年は70歳。1963年に俳優座入りした林さんの同期には、既に亡くなった太地喜和子さん、原田芳雄さん、地井武男さん、夏八木勲さんを含め、前田吟さん、栗原小巻さん、村井国夫さんなど、そうそうたる顔ぶれがならぶ。

岩上「VTRで出てきたご近所の方と接する様子を見ていて思いましたが、すごく人との間の壁がない、飄々とした姿だと思いました。

 私が一番記憶に残っているのは、NHKの『天下御免』というドラマで、平賀源内役をされた時です。その時に演じていた、飄々としたキャラクターと、実像というのが同じような感じだったんだなと、今にして思いましたね」

瑕疵担保責任を問えるのは民事で10年

 住友不動産は2014年6月7日、2003年に販売した横浜市のマンションで、建物を支えるくいの長さが足りず、支持基盤に届いていないという施工ミスが見つかったと発表した。住友不動産は、「安全性が担保できない」として、住民に仮住居への転居を呼びかけている。

 施工したのは、大手ゼネコンの熊谷組。くい数本の長さが不足し、本来であれば届いているべき地盤に達していないという。

岩上「これが、自分たちに責任はないということを、デベロッパーやゼネコンが言い張るような場合は、(入居者は裁判で)争わなくてはいけなくなりますよね。そうすると、その根拠となるのは瑕疵担保責任というものになるんですけど、それは民事でも10年というのがひとつの目安なんですね。ですから、相手の態度次第では、デリケートな時期に差しかかっていると思います。

 今回はこういうふうに、自分たち管理組合が一緒になって、一生懸命調べた、それが発覚につながったわけですね。皆さんに見渡していただきたいんですけど、もしかすると自分たちのマンションでも、同じようなことがあるんじゃないか。

 自分たちの管理組合が、自主的にきちっと調査するという気概がある場合は、よそのコンサルを連れてきて調べてもらう、と。そうではなく、お任せ状態にしてしまうと、発覚しないままになってしまうんですね。

 デベロッパーが超一流、ゼネコンが超一流。ところが、施工不良の原因がまちまちなんです。ここ数年、いろいろな瑕疵物件があるという話はありますが、これまでは、職人の労務費がかかるためだとされてきました。しかし、番組で紹介された施工不良は、それぞれ原因が違います。

 たいへん怖いことですが、この業界の専門家に話を訊くと、デベロッパー、施工会社、ゼネコン、これらが関わる日本の建物の品質が総崩れに落ちているのではないかという話でした。一つの原因ではないから、誰も突き止めきれません。このような、考えられないことが起きていることは事実です。

 いたるところで信じられないようなミスが起きている。『ザ・パークハウス・グラン南青山高樹町』などは、全て解体ですから、販売元の三菱地所レジデンスにしても大損です。大損するようなことを自らやっている。

 実は消費税増税の後、マンション発売戸数は前年同月に比べ、ほぼ4割落ちています。消費増税が消費行動にマイナスの影響を与えているところに加えて、この施工不良の問題により、マンション物件に対する不信が出てしまうと、ますます景気の冷え込みも大変なことになると懸念されます。一大社会問題です」

【補足】

 今年に入り、大手建設会社の施行ミスが相次いで発覚している。

 今年2月には東京・南青山に完成間近の高級マンション「ザ・パークハウス グラン 南青山高樹町」で、配管を床や壁に通す「スリープ」という穴が、700箇所以上で無かったり、鉄筋を貫通して開けられたりしていたことが発覚。83戸が契約済みだったが、解体され、建て直しになることが決定した。売り主は三菱地所の子会社である三菱地所レジデンスで、工事を請け負ったのは鹿島。スリーブを施工したのは関電工だった。

 川崎市で工事中の47階建てマンション「パークタワー新川崎」でも、鉄筋が図面通りに入っていなかったことが発覚。売り主は三井不動産の子会社である三井不動産レジデンシャルで、工事を請け負ったのは清水建設だった。

 住友、三菱、三井、そして熊谷組、鹿島、清水建設という、大手デベロッパーが手がけるマンションで相次いで見つかった施行ミスに、業界では波紋が拡がっている。消費税増税の影響で、4月の首都圏(東京、神奈川、埼玉、千葉の1都3県)のマンション発売戸数が、前年同月比39.6%減という急激な落ち込みを見せるなか、こうした施工ミスの相次ぐ発覚が、ますますマンション需要の冷え込みにつながるのは必至だ。

 施工ミス続発の背景には、顕在化した職人不足に加えて、東日本大震災後の復興需要や、2020年の東京オリンピック開催に向けた大規模工事に人手や資材が割かれているため、という見方もある。

 しかし、先に紹介した住友不動産のマンションが建てられたのは2003年であり、他にも2007年に三井不動産レジデンシャルら3社が千葉で販売したタワーマンション、2008年に大阪で工事中だったタワーマンションで施工ミスが見つかるなど、以前からこうした施工ミスは起こっており、ここ最近始まった話ではない。

 番組で紹介された施工ミスが、それぞれ別の原因によるものであることから分かるように、根本的に品質管理体制そのものを見直さなければならない可能性がある。

運賃高額の北総線「交通費が高いからリストラされる」

 かねてから運賃が高いと住民からの声があがっていた北総線について、沿線の千葉県印西市の住民が地元のバス会社と協力して、路線バスの運行をスタートした。

 バスは、千葉ニュータウン駅と鎌ヶ谷駅を直行で結ぶ。運賃は300円で、北総線の同じ区間の運賃560円に比べて約半額に抑えられている。

岩上「北総線には全然需要がなくて、だから運賃が高いわけです。この沿線の住民の方たちは値下げしてくれという裁判を起こして、敗訴を重ねていました。

 だったらこの手段しかないというわけで、バスになるわけですけれど、このバスにたくさん乗れば、今度は北総線の乗客が少ないということで、北総線は値上げするとまた言っています。

 普通に考えてみて、千葉ニュータウンに住んでいる人が銀座に行って、往復するだけで2千数百円なんですよ。親子4人で週末に銀座に行ったら、1万円近くかかるわけですね。

 北総線沿線の取材をして、聞き取りをしていったことがあるんです。『何が大変ですか?』って。仕事がない、という答えでした。交通費が高いという理由で、非正規の人などはリストラされちゃうんです。奥さんのパートや学生さんのアルバイトも、北総線の交通費の高さが理由で、採用されないんだそうです。『生活に直結する、すごい深刻だ』というお話でした」

【補足】

 北総線の現在の運賃は、沿線の6自治体から補助金を受け、4.6%の値下げを行ってのもの。その補助金も、2015年3月末で打ち切られ、その後は、運賃の値下げ幅が約2%に縮小される予定だ。つまり、実質的な値上げとなる。沿線の住民は、重い交通費とともに、働き口を見つけ出すことの困難さを背負うことになる。

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