私たちは今、新たな「神話」が創造される瞬間に立ち会っているのかもしれません。
「前兆をつかむのが難しかった」という御嶽山の噴火が無視され、川内原発再稼働のために、「噴火を予知できる」とする「新たな安全神話」が、今まさに創造されようとしています。
(平山茂樹・原佑介・佐々木隼也、文責:岩上安身)
私たちは今、新たな「神話」が創造される瞬間に立ち会っているのかもしれません。
「前兆をつかむのが難しかった」という御嶽山の噴火が無視され、川内原発再稼働のために、「噴火を予知できる」とする「新たな安全神話」が、今まさに創造されようとしています。
記事目次
9月27日、長野県と岐阜県にまたがる御嶽山(おんたけさん)が、突如として噴火しました。上昇したマグマの熱で地下水が熱せられて起きる「水蒸気爆発」による噴火だったといいます。
「突如」というのは、単なる修辞ではありません。
前兆がつかめなかったため、警報もなく、27日も多くの登山客が御嶽山を訪れていました。噴火口近くにまで登りつめていた登山客もいて、文字通り、「突如」としてわき上がる噴煙にあっけにとられ、必死に逃げても噴煙に巻き込まれて、噴石に直撃されました。
被害は甚大で、10月2日の時点で、死者は47名にのぼり、「戦後最悪の噴火被害」にまで発展しました。自衛隊や消防隊による捜索活動は今も続いていますが、いまだに被害の全容は明らかになっておらず、被害者数は今後も増加する可能性が残されています。
「突如」の噴火だった、とは、すなわち「予知できない」噴火だった、ということを意味します。 言い換えると、現在の科学の水準では、火山予知は、絶望的なまでに困難であるということです。その困難さが、被害を大きなものにしたことは疑いようがありません。
専門家らで作る火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長(東京大学名誉教授)は、28日に気象庁で開いた記者会見で、「もともと、今回起こった水蒸気爆発を予知するのは非常に難しい」「われわれの火山噴火予知に関するレベルというのはまだそんなもの」であると語りました。
今回の御嶽山の噴火は比較的小規模な水蒸気爆発の噴火だったそうです。しかし、たとえ、水蒸気爆発であっても、ひとたび火山が噴火すれば、手に負えないほどの火山ガスや降灰、噴石、火砕流などが人間に襲いかかることが、今回、改めて確認されました。ましてマグマ噴火だったら、高熱の火山弾が降り注ぎ、被害はこんなものではすまなかったでしょう。
今回の御嶽山噴火を受け、即座に連想されるのは、安倍政権が強引に進めようとしている、鹿児島県・川内原発の再稼働です。
川内原発周辺には5つのカルデラがあり、40キロ離れた場所にある姶良カルデラが3万年前に噴火した際には、火砕流が川内原発の敷地内に到達した可能性が高く、これは九州電力も認めています。
カルデラがひとたび噴火し、原発に火砕流が到達すれば、重大な事故が発生する可能性があります。火砕流によって現場に近づけず、事故発生後に収束作業ができないかもしれない、という点では、福島第一原発事故よりも、深刻な事態に陥る可能性もあります。
そんな危険地帯ですから、多くの火山学者が、川内原発の火山リスクを評価する原子力規制委員会の検討会合の場で懸念の声を表明しました。
それでも原子力規制委員会は9月10日の定例会合で、新規性基準に「適合していると認められる」とする審査書を了承。川内原発の再稼働にゴーサインを出したのです。
しかし、今回の御嶽山の突然の噴火で明らかになったように、火山噴火の予知が事実上不可能である以上、原発を再稼働するなどということは、「欺瞞」以外の何ものでもありません。仮に、幸運にも、噴火の予兆をつかめたとして、安全確保のために燃料を取り出して搬出するのに、どれくらい時間がかかるのか、という問題もあります。
以下、川内原発再稼働に関する「欺瞞」を検証してみたいと思います。
最初に検証しなければならないのは、原発に与える火山リスクを評価する際、ベースとなる基準の「実態」です。
規制委が作り上げたこの基準は、事業者が万が一の災害時の具体的な対策を決めていなくとも、「万が一の時は安全を確保します」という「方針」さえ示せば、「安全が確保された」と評価できるという、事業者にとってとんでもなく「大甘」なものだったのです。
規制委は2013年6月、新規制基準において火山リスクを評する際の基準となる「原子力発電所の火山影響評価ガイド」を策定しました。
ガイドは、「原子力発電所の運用期間中に火山活動が想定され、それによる設計対応不可能な火山事象が原子力発電所に影響を及ぼす可能性が十分小さいと評価できない場合には、原子力発電所の立地は不適と考えられる」とし、火山の影響が見込まれる場合には原発の設置や稼働を禁じています。
つまり、このガイドにきちんと従えば、カルデラの噴火が川内原発に影響をおよぼす可能性があると判断できた段階で、川内原発は再稼働できない、ということです。
しかし、「原子力規制を監視する市民の会」が2014年7月29日、規制庁を招いて行った政府交渉の中で、このガイドは「事業者をまるで規制できていない」ことが明らかになりました。
ガイドでは、「火山活動の兆候を把握した場合の対処として、原子炉の停止、適切な核燃料の搬出等が実施される方針」を事業者に求めています。
「火山が噴火しそうであれば、すぐに原発を安全な状態にする『方針』を示せ」ということです。
九電はこれに配慮し、再稼働に向けた申請書で「対象火山の状態に顕著な変化が生じた場合は、第三者(火山専門家等)の助言を得た上で破局的噴火への発展性を評価し、破局的噴火への発展の可能性がある場合は、発電用原子炉の停止、適切な燃料体等の搬出等を実施する」と記載しました。
「火山が噴火しそうであれば、原発を停止し、燃料を搬出します」と誓ったのです。
では、九電は万が一の際の核燃料搬出について、具体的にどのようなプランを用意し、プラン実行には具体的にどれほどの時間を要すると考えているのでしょうか。
ぜひ、我々も知りたいところですが、これに対する規制庁の回答は次のようなものでした。
「核燃料の搬出にかかる時間は、兆候把握したその時の状況によるが、一概に何年とは言えない」「ガイドに書いてあるように、原子炉の停止や搬出の方針が事業者の申請で示されているので、これで事業者の方針と判断した」――。
「?」と思われた方が多いと思います。つまり、九電が約束する「万が一の際の核燃料搬出プラン」の具体的な中身など決まっておらず、シミュレーションもできていないのです。この回答で理解できたことは、燃料の搬出は「何年」という、年単位という時間がかかるらしい、ということぐらいです。今にも噴火しそうなのに、それで燃料の搬出が間に合うでしょうか?
にもかかわらず、規制庁のガイドに則り、「万が一の際は燃料を搬出します」と「宣言」しさえすれば、審査に通ってしまう、ということなのです。
「万が一の時は絶対に安全を確保します」と言い張れば、「では安全だと認めよう」というレベルの「茶番」。規制庁は、九電にマニュアルを提示させ、それが適切かどうかを判断すべき立場のはずです。これでは、何一つ安全が担保されたことにはなりません。
「火山影響評価ガイド」は、火山リスクを計る指針として、あまりにも「欺瞞」に満ちていると言えます。
驚くべきことに、規制委の「火山影響評価ガイド」の策定の議論には、専門家である火山学者はほとんど関わっていません。関わらせなかったのです。
さらに、その後の川内原発の「審査書案」了承をめぐっても、火山学者たちは議論に加わることができず、「火山の予知は困難」という火山学者らのかねてからの指摘も、徹底して無視されました。
策定にあたり、公式の場でただ一人、専門家として意見聴取された東大地震研究所火山噴火予知研究センターの中田節也教授は、2014年5月30日の「報道ステーション」で、次のように振り返っています。
「大きな噴火で予兆が出ることは間違いないんですけど、『それが数年前に分かるか』と言われると、まず『不可能』であろうと。モニタリングさえやれば何でもわかるんだ、というかたちでまとめられた気がするので、その辺は『不本意』であったという気がします」
火山学者の「不本意」なかたちで火山リスクの評価基準が決められた後、7月16日、川内原発の「審査書案」が初めて提示されました。
その後、30日間にわたるパブコメ募集期間を挟み、18000件近いパブコメが集まりましたが、結局、審査書案では「てにをは」などの字句が修正された程度。「形だけ」パブコメを反映させるという、国民にとって「不本意」な審査書案を規制委が正式に了承したのが9月10日のことでした。
この審査書案了承をめぐっては、さぞかし、火山学者を交えた喧々諤々の議論の末、彼らの意見が取り入れられなかったのだろうと、大方の国民は想像していることと思います。
しかし、事実はまったく違います。火山学者を交えた議論自体、行われたのは了承直前のたった2回だけでした。
規制委が、「原子力施設における火山活動のモニタリングに関する検討チーム」の会合を開き、「火山噴火の予知は難しい」とする藤井氏や中田氏を含めた多数の火山学者が参加することになったのは、8月25日と9月2日でした。
再稼働に向けた方向性が既成事実化した段階で、初めて火山学者を交えた議論が行われたのです。これでは、「専門家にも話を聞きましたよ」と後々に言うための「アリバイ工作」であると批判されても仕方がありません。
そのわずか8日後の了承という流れを見ると、火山学者の意見聴取は、明らかに「オマケ」であり、最後の最後に行った単なる「ポーズ」に過ぎなかったという印象が拭えません。規制委の火山に対する認識は、終始一貫して甘すぎる、と言わざるをえません。
本当に火山学者の意見を聴く気があるのなら、もっと早い段階から火山学者らと議論を交わしていたはずです。誰だって、完成直前の審査書を「白紙」に戻すなどという真似はしたくないものです。規制委のこの議論の進め方は、「白紙」には戻させない、「再稼働」という「結論」ありきで行われたとみなすのが自然でしょう。
川内原発「審査書案」の了承直前に、「アリバイ工作」として行われたこの2回の検討会合では、規制委の思惑は大きく外れ、集まった火山学者から極めて厳しい指摘が出されました。
参加した火山学者のほぼ全員が、「現在の技術、火山学の知見では、噴火を予知することは無理である」と苦言を呈したのです。
火山噴火予知連絡会の副会長で、京都大学名誉教授の石原和弘氏は、規制委の「モニタリングさえすれば噴火は予知できる」とする姿勢について、「どうも火山学のレベル、水準をえらく高く評価しておられる。過大に」と断言。「噴火の兆候が大きい、あるいはGPSと地震観測、監視カメラで噴火予知はできるというのは、これは思い込み、俗説・誤解であります」と厳しく指摘しました。規制委が頼みとするモニタリングは、噴火予知に有効ではないと断じたのです。
岩石学・地質学の専門家で、東北大学東北アジア研究センター教授の石渡明氏は、川内原発周辺のカルデラを念頭に置き、「通常の噴火でも予知は難しいわけでして、巨大噴火の場合もなおさらであろう」と牽制し、こう続けました。
「では、どうしたらいいかということは、私もよくわからないわけですけれども、やはり、いろいろな火山活動の種類がございますが、種類・強度と、距離の関係を示した基準をある程度つくって、やはり異常な現象が周りで起こったら、とにかく安全側に立って止める、というような判断をするような基準をつくることが大事ではないか」
先述のガイド策定に関わった中田節也氏も、「巨大噴火の時期や規模を予測することは、現在の火山学では極めて困難、無理である」と断言。次のように指摘しています。
「(モニタリングで)異常を見つけ、現状と変わらないかどうかを確認するといいますが、その異常が、『ゆらぎ』の範囲ではないか、という判断が、我々はバックグラウンドの知識を持っていないので、そんなに異常ではないことも異常と思い込んでしまう危険性があります。異常があっても噴火はしないという例がいくつもありますし、それからずっとタイムラグを置いて噴火する、ということもある」
何かしらの異常を察知し、先んじて安全対策をとったとしても、タイムラグがあったせいで警戒を解いてしまったとしたらどうなるか。壊滅的被害をこうむることは免れません。
今回の御嶽山噴火でも、9月11日にはNHKが、「御嶽山で、10日昼ごろから山頂付近を震源とする火山性の地震が増え始め、10日は51回、11日は午後3時までに、71回観測されました」と報じていました( http://bit.ly/10m7ZvT )。それでも「予兆」としては不十分で、警報も出されずに、見逃されていたのです。
規制委の島崎邦彦委員長代理(当時)は、第2回会合で、「モニタリングというかなりチャレンジングなことをしようとしているわけで、我々としても、大変わからないところが多いということがあります」と認めています。
にも関わらず、退任会見で島崎氏は、「川内原発の火山対策の議論については十分できた」と振り返っています。規制委の中でも厳しい見解を示すことで知られた島崎氏でさえ、こうした認識です。あまりに楽観的であると考えざるをえません。
火山の専門家たちの指摘を突っぱねてまで、「川内原発に対して火山が影響を及ぼす可能性は十分小さい」と断言した規制委。さぞかし強固な根拠があると思うでしょうが、規制委が根拠としたのは「たった一本の論文」だったのです。
しかもその論文は、サントリーニ火山ミノア噴火という一例について「のみ」分析したものであり、その他のカルデラ一般について当てはまるものではない、と執筆した本人も否定している代物だったのです。
九電は当初、南九州のカルデラの「巨大噴火9万年周期説」を持ち出し、原発運用中に巨大噴火がないことの根拠としました。しかしこれは九州の3つのカルデラ(加久藤・小林、姶良、阿多)をまとめて噴火履歴をみると、「平均」して約9万年間隔で巨大噴火が起きているというだけです。「周期性」の存在の根拠とは到底なりえず、多くの専門家から批判の的となりました。
結局、さすがの規制委も、「平均発生間隔は約9万年」と認めるのが精いっぱいでした。周期ではなく「平均」ですから、仮に9万年平均であると認めるとして、90万年間に10回噴火すれば「平均9万年」にはなるわけです。3万年前にカルデラ噴火があったとして、それをもとに「あと6万年は噴火しません」とは断言できないので、「周期性」なるものの根拠にはなりません。
さしもの規制委すら採用できない無理筋の「根拠」を除外していった結果、唯一根拠らしい根拠として残ったのが、「ドルイット論文」と呼ばれる一本の論文だったのです。しかし、この論文も、根拠にするには問題含みでした。
規制委は火山審査で、この「Druit et al(2012)」(ドルイット論文)という、たった一本の論文をほぼ唯一の根拠らしい根拠として、川内原発の運用期間中に、「巨大噴火が起こる可能性は十分小さい」と結論づけました。
しかし藤井氏は、このドルイット論文について、8月25日の検討会合の場で「これは、サントリーニ火山ミノア噴火という一例について、噴火直前の100年程度の間にマグマ供給速度が上昇したという知見であり、カルデラ一般について述べたものではない」、「本人にも確認をしましたけれども、これ、一般則を自分は述べたつもりはない、というふうに言っています」と論破しています。
火山を予知できると主張する専門家はいません。そこで規制委が草の根をかき分けるようにしてようやく探しだした、「巨大噴火前にはマグマが急激に溜まっていく」とする、海外のたった一本の論文でさえ、川内原発周辺のカルデラの場合には当てはまらないことが明らかになったのです。
しかし規制委は、それでもこの論文を「根拠」として再稼働の判断の正当性の根拠としています。
明らかな「欺瞞」です。
仮に、規制委の期待するシナリオどおり、幸運にも火山活動の兆候が現れ、噴火を察知できたとしましょう。
その場合、事業者は即座に原子炉を停止し、核燃料を原子炉から取り出して、火砕流が届かない安全な場所に搬出する必要があります。
規制委や九電は、モニタリングを続け、異常を察知した段階で空振り覚悟で原発を停止し、核燃料の搬出作業に着手する、としています。しかし、噴火までの間に搬出は間に合うのか、搬出先はどこを想定しているのか、規制委は事業者に確かめようともせずに、「間に合う」と断言しているのです。
この点について、先述の中田教授は、「数カ月後など短期で噴火するケースもあり、核燃料の冷却、搬出に必要な数年~10年程度より前に分かるとは限らない」と指摘しました。
核燃料の搬出については田中俊一委員長も、9月10日の会見で、「通常の輸送は、5年程度は冷やしてから」と述べています
核燃料の搬出について長い期間が必要であるということは、規制委の側も認識しているのです。それをわかった上で、規制委は審査書を了承したことになります。これが「欺瞞」ではなくて、何でしょうか。
10月1日、御嶽山噴火後に初めて開かれた田中委員長会見では、川内原発の火山リスクに関する質問が集中しました。
田中委員長は、「今回の御嶽山の火山よりも、もっと大きい火山でも影響がない、と評価しています。超巨大噴火のリスクをおっしゃる方がいますが、カルデラ噴火では、マグマが長期にわたって蓄積し、大量に溜まってきます。相当、早くから兆候が出てくるだろうと考えられます」
先に引用した東北大学東北アジア研究センターの石渡明教授は、「通常の噴火でも予知は難しい。巨大噴火はなおさら」であると、巨大噴火の方が予知が難しいと言明されています。ところが、火山学には「素人」であると自認する田中委員長は、まったく反対に巨大噴火ならば、「相当早くから兆候は出てくる」、従って予知は容易である、かのように述べているのです。何の学問的根拠があってのことでしょうか?
「姶良カルデラは、ここ30〜40年で噴火する状況じゃない、と判断しましたが、モニタリングで地殻変動や地震の観測などをし、念には念を入れます。御嶽山噴火とは違う話です」などと田中委員長は話し、再稼働に向けて、考えに変わりがないことを強調しました。
この日、IWJの箕島記者は、「原子炉を止めてから燃料を搬出するまでに5年かかると田中委員長はおっしゃっていましたが、5年以上前に噴火の兆候を確認できなければ安全性は確保できない、ということになるのでは」と質問しました。
これに対し田中委員長は、「通常、輸送容器で運ぶのには5年冷却が必要、ということで、5年冷やさないと絶対にダメかというと、必ずしもそうではない。いざというときはそういう(5年を待たずに搬出する)可能性もある」と回答。「前兆は数十年から100年単位で顕著になると言われているので、それも踏まえて申し上げている」と話しました。
巨大噴火の場合、マグマが溜まるといっても、そのために地面が必ず隆起するとは限らず、逆に沈降することもあり、地表を観測しているだけでは正確なことはわからない、というのが、火山の専門家の見解です。
繰り返しますが、田中規制委委員長は、火山学の「素人」であり、ご本人もそう認めています。
燃料の搬出に5年かかると言ったかと思えば、もっと短くできるかも、などと、確たる根拠を示さずに言い出す。「では4年で搬出できるのか」「噴火の4年前に正確に予知できるのか」「3年ではどうだ」…という、イタチごっこになってしまいます。予知も、搬出時間の短縮も、何も根拠のない話です。
仮に田中委員長のいうように、5年以内に核燃料を搬出できたとしましょう。
しかし、川内原発には現在、1946体、852トンの使用済み核燃料が保管されていて、あと3年も稼働すれば容量オーバーになると言われているのです。
その後、貯まりに貯まった使用済み燃料をどこへ持っていき、どう処理するのかは、何も決まっていない状態にあります。
また、川内原発に貯まった核燃料を搬出するには、75台もの大型トレーラーの出動が必要だと言われています。かなり大がかりな作業になることは間違いありません。
当然、使用済み核燃料を進んで受け入れる自治体など、簡単には見つかりません。先述の通り、火山影響評価ガイドに則って適切なプランを提示させるべきですが、規制委は何も具体的なプランを示さないのです。「欺瞞」以外の何ものでもありません。
今回の御嶽山の噴火を巡って、川内原発再稼働反対の声に対する政府の対応は非常に素早いものがありました。菅義偉官房長官は、御嶽山の噴火が川内原発の再稼働に与える影響について「ないと思う」と明言。
さらに、29日の記者会見では、噴火の予知について、「予知が可能になるよう、さまざまな予算措置をして取り組んでいく必要がある」と発言しました
しかし火山の専門家は、「いくら予算を付けて研究しても原理的に不可能」と指摘しています。
(…会員ページにつづく)
たしかに おれたちは新たな「原発安全神話」が創造される瞬間に立ち会っているのかもしれない。いや厳密には危険神話と言ってもいいかも?
重大な事故の前に重大な災害が起こってるし…
姶良カルデラの上に住んでる身としては、死んだ後のことなんか知らん