2014年9月24日(水)10時30分から平成26年度第29回原子力規制委員会が開催された。原子力防災体制の充実・強化のため、内閣府と規制庁で協働対応を行うとし、人員の増加、異動など関連政令の改正が承認された。今週26日金曜日の閣議決定の後、10月14日施行の予定。
2014年9月24日(水)10時30分から平成26年度第29回原子力規制委員会が開催された。原子力防災体制の充実・強化のため、内閣府と規制庁で協働対応を行うとし、人員の増加、異動など関連政令の改正が承認された。今週26日金曜日の閣議決定の後、10月14日施行の予定。
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安倍総理が原子力防災体制のさらなる充実・強化の検討を指示したことから、9月19日に防災体制の見直し検討チーム会合が開催された。そこでまとめられた基本的な考え方を基に、具体化するための政令の改正について、事務方が案をまとめ、委員会で議論された。
防災体制の強化に伴い、規制委員会・規制庁で行っていた原子力防災担当業務について、内閣府に専任担当者を配置し、規制庁と協働で対応を行うなどの案が出された。
中村佳代子委員は、内閣府と規制委員会との役割分担案が示されているが、役割分担は縦割りではない、連絡を密に十分にとることと意見を提起。さらに、規制委員会が科学的・技術的知見に基づいて策定する対策と、内閣府が発表し、自治体等へ説明する対策との間に齟齬がないようにするよう、提案を行った。
田中知委員も中村委員と同様に、分離した役割分担ではなく、「協働して進めていく分担であるよう」と述べた。同じく更田豊志委員長代理も、連絡は極めて重要と述べるとともに、組織を作るだけではなく、人の意識の問題でもあるとの見解を示した。
事務方案通りに承認されたことから、今後は、26日金曜日の閣議で決定された後、10月14日に施行予定である。
東京電力福島第二原子力発電所は、東日本大震災ののち、原子力災害対策特別措置法に基づいた復旧計画により、復旧対応がなされていた。原子力規制庁がこれまでに受けている復旧状況の中間報告や、事業者面談などでの報告結果について、現場の状況を確認するための立入検査を行うことを、委員会で議論した。
田中委員は、将来的にも今回の立入検査のような検査を行うのかどうかについて質問し、更田委員長代理は、今後のステップがどうなるのかについて、質問を行った。
規制庁の森下泰・課長は、今回の立入検査の結果をもって、まず報告書として評価をまとめ、報告を行うとし、今後のことは改めて委員会に相談すると回答。
更田委員長代理は、「これで一つの区切りとなる」とコメントし、立入検査は承認された。立入検査は9月25日から26日にかけて行われる予定だ。
2013年5月に”もんじゅ”の機器点検に関して原子炉等規制法に反した日本原研(独立行政法人日本原子力研究開発機構)に対し、規制委員会は是正命令を出し、保守管理に関して改善を指示している。日本原研が”もんじゅ”に関する一連の問題を解決するため行った、組織を改編する保安規定変更認可の申請について、この認可を委員会で議論した。
組織変更の主な点は、これまで敦賀本部の下部組織であった”もんじゅ”を理事長直轄とすること。さらに、運営・保安部門と、計画・研究開発センターの二部門に分け、両者間の調整パイプとして、もんじゅ計画推進調整会議を設けたことなどがあげられる。
石渡明委員が提起した、「保安管理をする組織なのに、計画推進調整会議という名前は齟齬があるのではないか」との意見に対し、規制庁の黒村晋三・管理官は、名前は事業者が決めるもので特に問題はなく、今後も保安検査で見ていくと回答。
更田委員長代理は、「主眼はきちんと保守管理できるかだ」と、よほどおかしな組織でなければ名前は大した問題ではないとの認識を示した。一方で、「組織図を見るとおかしな点があり、きちんと機能するのか」と疑念を示し、今後も監視を続けるよう指示した。
本件は長官決裁となる。
東京電力福島第一原発において、9月17日に放射性濃度の高いRO濃縮水を入れているG4南エリアのタンク間連結弁から、滴下漏えいが発見された。東京電力は調査の結果、連結弁のフランジにひび割れを確認。規制庁は東京電力に対し、同型バルブのチェック、再発防止策、原因究明を指導している。これらについて、現時点までの経緯を委員会に報告するもの。
中村委員は、規制庁の指導内容は、確認するのは「堰(せき)外漏えいのおそれのあるバルブ」なのか、「バルブ全部」なのか曖昧だとし、どちらの意味かと質問。規制庁の武山松次・事故対処室長は、「堰外漏えいのおそれのあるバルブで、20か所程度」と回答した。
さらに中村委員は、「20か所の確認がまだ終わっていないのは、早い対処とは言えない」と苦言を呈し、これに対して武山・事故対処室長は、東電が「作業の発注を行った業者と先週契約し、今週に確認作業を実施している」と聞いていると回答。
更田委員長代理は、福島第一は日々状況が変わっていることから、事故・トラブルの報告基準を見直してもいいのではないかと、基準見直しを指示した。
現状報告で、ひび割れの根本的な原因は東電で調査中だという。
国内の各原子力施設における気体・液体の放射性廃棄物の年間放出量や、固体廃棄物の貯蔵量、および、放射線従事者の線量分布についてまとめ、委員会に報告するもの。年度毎にとりまとめて報告しており、今回は平成25年度分の結果を報告するもの。
中村委員は、昨年度版は英訳しWeb公開するよう指示したが、今回も同様かと質問。さらに、一部訂正があるが、訂正の日付からして、昨年度版の内容にも影響するため、既にWeb公開されている平成24年度版も確認して訂正するよう指示を行った。
田中委員は、まとめた表をもっと国民にも見やすいように工夫するようコメント。
石渡委員は、平均線量の年度別推移をみると、平成15年度が一時的に高くなっており、その理由は何か調べるよう指示を行うとともに、今後の委員会で回答するよう要請した。
更田委員長代理は、2ページに渡る表の書き方があるが、技術的な資料としてはよくない、直すようにと指示した。